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第3章 相互の理解と交流 第1節 4

第1節 障害のある人に対する理解を深めるための啓発広報等に係る施策

4.ボランティア活動の推進

(1)学校におけるボランティア教育

学習指導要領において、道徳、総合的な学習の時間及び特別活動等において、思いやりの心や助け合いに関する指導、ボランティア活動の充実などを図っている。

また、高等学校等においては、生徒が行うボランティア活動などの学校外における学修について、校長が教育上有益と認めるときは合計36単位を上限として単位として認定することが可能となっている。

(2)地域福祉等ボランティア活動の促進

ボランティア活動の振興の基盤整備については、全国社会福祉協議会内の「全国ボランティア・市民活動振興センター」へ補助を実施している。「全国ボランティア・市民活動振興センター」では、「全国ボランティアフェスティバル」の開催などのボランティア活動等に関する啓発・広報活動、情報提供、研修事業等を実施している。

内閣府では、社会活動の中心的担い手となるリーダーを育成する「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」を実施した。

このプログラムは、障害者関連、高齢者関連、青少年関連のそれぞれの3分野において社会活動に携わる日本の青年を海外に派遣するとともに、海外の民間組織で活動する青年リーダーを日本に招へいして相互に交流することにより、我が国の社会活動の中核を担う青年リーダーの育成と各国、各分野間のネットワークの形成を図るものである。

このうち障害者関連分野について、平成27年度は、10月に日本青年8名(団長含む)を英国に派遣し、翌28年2月にドイツ、英国及びオーストリアの青年リーダー計13名を日本に招へいした。

派遣プログラムでは、日本参加青年は「英国における社会モデルを基盤とした地域連携の具体的な取組を学び、日本で多様性を認め合い、誰もが自分らしく暮らせる地域モデルを提言するとともに、各地で実践する」をテーマに英国を訪問した。在英国日本国大使館において英国の障害者福祉制度の概要について講義を受けた後、全国ボランティア協議会にてチャリティ団体及び中間支援組織としての役割について説明を受け意見交換を行った。また、障害児協議会では、障害児及びその家族と政府、並びにチャリティ団体と政府をつなぐ中間支援団体として行っている活動及びその役割についての講義後、インクルーシブ教育やロビー活動及び意思決定支援について意見交換を行った。その後、障害問題庁、市民社会庁、教育省及び保健省精神福祉課を訪れ、それぞれの役割について説明を受け意見交換を行った。ロンドン及びブライトンの2都市において、園芸療法やインクルーシブ教育推進、余暇活動や就労・自立支援等、様々な活動を展開する障害者支援チャリティ団体及び組織などを訪問・視察し、そこで活動する青年達との意見交換や活動への参加を通じて、障害のある人一人一人のニーズをかなえる自立支援のあり方と、日本の状況に適した実践への活用方法についての考察を深めた。

招へいプログラムでは、外国参加青年は、東京で別途公募により参加した日本青年とともに「NPOマネジメントフォーラム(合宿型ディスカッション)」を行い、「非営利団体の活動の活性化のために~非営利団体と企業との連携・協働~」というテーマで討議した。

その後、大分県を訪問し、県の障害福祉施策についての説明を受けるとともに、発達障害者支援専門員研修や障害者が地域活動に参画するためのボランティア支援など様々な取組を実施する団体・施設などを視察し、意見交換を行った。また、大分大学では福祉専門職の養成課程及び次世代の支援者養成について説明を受け、学生達とグループディスカッションを行った。

大分県のプログラムの総括として「障害者理解を促進できる支援者養成の在り方~地域社会との連携・専門性向上・次世代育成の観点から~」をテーマに、外国参加青年による各国の発表及び障害児・者支援に携わる人々と外国参加青年がディスカッションを行うセミナーを実施した。

なお、平成28年度は、本プログラムを「地域課題対応人材育成事業『地域コアリーダープログラム』」と改組し、実施する。

左:英国を訪問(施設訪問) 右:大分県を訪問(地方セミナー)
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