第3編 障害者施策の実施状況 第1章 第3節 1
第1章 障害のある人に対する理解を深めるための基盤づくり
第3節 公共サービス従事者等に対する障害者理解の促進
障害のある人が地域において安全に安心して生活していく上では、公務員を始め公共サービス従事者等が障害及び障害のある人について理解していることが重要である。障害者施策推進本部(旧本部)の下「公共サービス窓口における配慮マニュアル」を発行、内閣府ホームページにも掲載している。
警察では、警察学校や警察署等の職場において、新たに採用された警察職員に対する採用時教育の段階から、障害者施設への訪問実習、有識者による講話等、障害のある人の特性や障害に配慮したコミュニケーション等への理解を深めるための研修を行っている。
刑務所等矯正施設に勤務する職員に対しては、矯正研修所及び全国8か所の矯正研修所支所において、各種研修を行っているが、その中では、人権擁護、精神医学などの科目を設けて適切な対応の仕方について講義しているほか、社会福祉施設における介護等体験実習を実施するなどし、障害のある人に対する理解を促進している。
更生保護官署職員に対しては、各種研修において、職員の経験や業務内容に応じ、障害のある人や障害特性に対する理解を含む人権全般に関する知識等を深めるための講義や精神障害のある人等が入所する施設の見学を実施するなどし、障害のある人に対する理解の促進とその徹底を図っている。
法務省の人権擁護機関では、中央省庁等の職員を対象として、人権に関する国家公務員等の理解と認識を深めることを目的とした「人権に関する国家公務員等研修会」を、また、都道府県及び市区町村の人権啓発行政に携わる職員を対象として、その指導者として必要な知識を習得させることを目的とする「人権啓発指導者養成研修会」を実施している。その中で、障害のある人をテーマとした人権問題も取り上げている。これらの取組を通して、障害のある人の人権問題を含む各種人権問題への理解と配慮の必要性を訴えている。このほか、検察職員、矯正施設職員、入国管理関係職員及び裁判官・家庭裁判所調査官に対する研修等に講師を派遣し、司法機関及び法執行機関の職員の人権問題に関する理解と認識を深めることに努めている。
日本司法支援センター(法テラス)では、全国の地方事務所で実施した高齢者・障害者疑似体験実習の成果をいかし、各地で取り組んでいる障害のある人への合理的な配慮を共有することで、職員の対応や事務所の環境の改善につなげている。また、法テラス本部においては、全国の職員が参加する研修で、外部講師を招き、障害のある人への支援の方法や、利用者の立場を理解した丁寧かつ適切な対応方法等の知識を習得させている。