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第3編 障害者施策の実施状況 第1章 第4節 2

第1章 障害のある人に対する理解を深めるための基盤づくり

第4節 ボランティア活動の推進

2.地域福祉等ボランティア活動の促進

ボランティア活動の振興の基盤整備については、全国社会福祉協議会内の「全国ボランティア・市民活動振興センター」へ補助を実施している。「全国ボランティア・市民活動振興センター」では、「ボランティア全国フォーラム」の開催などのボランティア活動等に関する広報・啓発活動、情報提供、研修事業等を実施している。

内閣府では、地域における共生社会の実現に向けた課題解決に対応できる人材育成を目的とした「地域課題対応人材育成事業『地域コアリーダープログラム』」を実施した。

このプログラムは、平成27年度まで実施した「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」の成果を活かしつつ、地域の共生社会の中核を担う人材の能力向上、地域の団体間での分野横断的ネットワーク形成等を目的としている。分野としては、障害者関連、高齢者関連、青少年関連のそれぞれの3分野において地域における社会活動に携わる日本の青年を海外に派遣するとともに、海外の様々な組織で活動する青年リーダーを日本に招へいして地域における課題の共有や意見交換等を通じて相互に交流することにより、我が国の地域社会活動の中核を担う青年リーダーの非営利団体の運営、国・企業・地方公共団体等との連携及び人的ネットワーク形成の方法等の実務的な能力の向上および各国、各分野間のネットワークの形成を図るものである。

このうち障害者関連分野について、平成28年度は、10月に日本青年9名(団長含む)をフィンランドに派遣し、翌29年2月に英国、フィンランド及びドイツの青年リーダー計13名を日本に招へいした。

派遣プログラムでは、日本参加青年は「フィンランドの意思決定を保障する制度や取組を学び、当事者・支援者・地域住民がつながり続け、誰もがニーズを発信して自分らしく生きることができる地域づくりを実践する」をテーマにフィンランドを訪問した。社会保健省、全国障害者評議会及び在フィンランド日本国大使館においてフィンランドの障害者福祉制度の概要について講義を受けた。また、障害者人権支援団体にて、意思決定支援及び障害者の人権意識教育について説明を受け意見交換を行った。その後、アクセシビリティ支援団体にて様々なアクセシビリティの形態等の視察と理解促進について意見交換を行った。ヘルシンキ、レンパラ及びタンペレの3都市において、インクルーシブ教育推進、文化・余暇活動や就労・自立支援等、様々な活動を展開する障害者支援団体及び企業などを訪問・視察し、そこで活動する青年達との意見交換や活動への参加を通じて、障害のある人一人一人のニーズをかなえる自立支援のあり方と、日本の地域の状況に適した実践への活用方法についての考察を深めた。

招へいプログラムでは、外国参加青年は、東京で別途公募により参加した日本青年とともに「NPOマネジメントフォーラム(合宿型ディスカッション)」を行い、「地域活性化に向けた非営利団体の活動の事業展開と組織的強化」というテーマで討議した。

その後、大分県を訪問し、県の障害児・者施策の現状と取組についての説明を受けるとともに、「大分県自閉症協会」及び「大分県ダウン症連絡協議会 ひまわりの会」による説明や事例発表を踏まえた保護者との懇談、大分市中央保健所では1歳半検診見学後、意見交換を行った。また、「社会福祉法人とんとん こども発達支援センターもも・いちご保育園」では「インクルーシブ保育と療育~自己決定につなげるために~」というテーマで説明を受け、職員達とグループディスカッションを行い、「特定非営利活動法人おおいた子ども支援ネット 放課後等デイサービスなないろ」では、発達障害児のための学校と福祉施設の連携について学び、討議を行った。

大分県のプログラムの総括として「障がい児への早期支援システムと地域社会への啓発を通じた当事者の自己決定の発展」をテーマに、外国参加青年による各国の発表及び障害児・者支援に携わる人々と外国参加青年がディスカッションを行うセミナーを実施した。

上:フィンランドを訪問(施設訪問) 下:大分県を訪問(地方セミナー)
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