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第3編 障害者施策の実施状況 第3章 第1節 5

第3章 日々の暮らしの基盤づくり

第1節 生活安定のための施策

5.スポーツ・文化芸術活動の推進

ア 障害者スポーツの普及促進

平成27年度のスポーツ庁委託調査によると、障害のある人(成人)の週1回以上のスポーツ・レクリエーション実施率は19.2%(成人全般の実施率は42.5%(平成28年度スポーツ庁調査))にとどまっており、地域における障害者スポーツの一層の普及促進に取り組む必要がある。

このため、平成27年度から、一部の都道府県・政令指定都市において、スポーツ関係者と障害福祉関係者が連携・協働体制を構築し、相互に一体となり障害者スポーツを推進する事業を実施するとともに、平成28年度から特別支援学校等を有効に活用し、地域における障害者スポーツの拠点づくりを推進する事業を実施している。

また、2020年に全国の特別支援学校で、スポーツ・文化・教育の全国的な祭典を開催する「Specialプロジェクト2020」を推進することとしており、平成29年度からは、具体的な先進事例を蓄積するためのモデル事業等を実施することとしている。さらに、組織面、財政面でぜい弱な障害者スポーツ団体に対して、民間企業等からの支援を推進する取組も進めている。

イ 障害者スポーツの競技力向上

平成28年9月、リオデジャネイロパラリンピック競技大会が開催され、日本選手団は金メダルの獲得はできなかったものの、総メダル数では前回ロンドン大会を8個上回る24個を獲得した。

平成26年度より、スポーツ振興の観点から行う障害者スポーツに関する事業が厚生労働省から文部科学省に移管されたことを受け、オリンピック・パラリンピックの選手強化を文部科学省において一体的に実施することとなった。このため文部科学省においては、従来オリンピック競技のみを対象としていた事業について、パラリンピック競技も対象とし、平成28年度も積極的にパラリンピック選手の強化に取り組んできた。

具体的には、各競技団体が行う選手強化活動に必要な経費等を支援する「競技力向上事業」を実施している。

また、パラリンピック競技大会でメダル獲得が期待される競技をターゲットとして、アスリート支援や研究開発等について、多方面からの専門的かつ高度な支援を戦略的・包括的に実施する「ハイパフォーマンスサポート事業」において、障害者アスリートへの支援を行った。さらに、リオデジャネイロパラリンピック競技大会に際して、同事業においてパラリンピック競技大会では初めて、競技直前の準備のためにアスリート、コーチ、サポートスタッフが必要とする機能を備えた現地拠点であるハイパフォーマンスサポート・センターを設置した。

加えて、オリンピック競技とパラリンピック競技の強化・研究活動拠点の在り方について検討するため文部科学省において開催された有識者会議にて、平成27年1月に「最終報告」が取りまとめられ、トップレベル競技者が同一の活動拠点で集中的・継続的にトレーニング・強化活動を行う拠点であるナショナルトレーニングセンター(NTC)や、スポーツ医・科学の中枢機関である国立スポーツ科学センター(JISS)のオリンピック競技とパラリンピック競技の共同利用化及びNTCの拡充整備等について提言された。これを受け、文部科学省においては、オリンピック競技とパラリンピック競技の一体的な拠点構築を進めており、平成28年度においては、NTCの拡充整備に向けて実施設計等を行った。

主な国内・国際障害者スポーツ大会

◯全国障害者スポーツ大会

平成13年度から、それまで別々に開催されていた身体に障害のある人と知的障害のある人の全国スポーツ大会が統合され、「全国障害者スポーツ大会」として開催されている。平成20年度から、精神障害者のバレーボール競技が正式種目に加わり、全国の身体、知的、精神に障害のある方々が一堂に会して開催される大会となっている。本大会は、障害のある選手が、競技等を通じ、スポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障害に対する理解を深め、障害のある人の社会参加の推進に寄与することを目的として、国民体育大会の直後に、当該開催都道府県で行われている。

平成28年度の第16回大会は、岩手県において開催された。

なお、平成29年度の第17回大会については、愛媛県で開催される。

第16回全国障害者スポーツ大会(2016希望郷いわて大会)

◯全国ろうあ者体育大会

本大会は、聴覚に障害のある人が、スポーツを通じて技を競い、健康な心と体を養い、自立と社会参加を促進することを目的として、昭和42年度から開催されている。

平成28年度は、第50回となる夏季大会が青森県、宮城県、秋田県、山形県、福島県で開催された。今回の大会では9競技が行われ、選手・役員合わせて約1,200人が参加した。

◯ジャパンパラ競技大会

競技力の向上と国際大会へ派遣する選手の選考を目的とした本大会は、平成3年度から陸上競技と水泳、5年度からスキー、26年度からウィルチェアーラグビー、ゴールボールの大会が、各々開催されている。

陸上競技、水泳及びスキーの大会には、身体に障害のある人と知的障害のある人が、また、ウィルチェアーラグビー及びゴールボールの大会には身体に障害のある人が参加している。

2020年パラリンピック競技大会について (C)エックスワン

◯デフリンピック

4年に一度行われる、聴覚に障害のある人の国際スポーツ大会であり、夏季大会と冬季大会が開催されている。

夏季大会は1924年を第1回としており、2013年には、ブルガリアのソフィアにおいて開催された。日本選手団として選手・役員合わせて219名が参加し、金メダル2個、銀メダル10個、銅メダル9個を獲得した。次回の夏季大会は、2017年にトルコのサムスンで行われる予定である。

冬季大会は1949年を第1回としており、2015年3月28日~4月7日にはロシアのハンティ・マンシースクにおいて第18回大会が開催された。日本選手団として選手・役員合わせて48名が参加し、金メダル3個、銀メダル1個、銅メダル1個を獲得した。

◯アジアパラ競技大会(旧フェスピック大会)

アジアパラリンピック委員会が主催するアジア(中東地域を含む)地域最大の障害者の総合スポーツ大会である。

我が国の呼びかけにより創設され、1975年より9回にわたり開催されてきたフェスピック競技大会を前身としている。

2014年に韓国の仁川(インチョン)において第2回大会が開催された。日本選手団として選手・役員合わせて476名が参加し、金メダル38個、銀メダル49個、銅メダル56個を獲得した。

次回は、2018年にインドネシアのジャカルタにおいて開催が予定されている。

◯スペシャルオリンピックス世界大会

4年に一度行われる、知的発達障害のある人のスポーツの世界大会であり、夏季大会と冬季大会が開催されている。順位は決定されるものの最後まで競技をやり遂げた選手全員が表彰される、といった特徴がある大会である。

夏季大会は1968年を第1回(米国・シカゴ)としており、2015年にはアメリカのロサンゼルスにおいて第14回大会が開催された。

次回は、2019年にアラブ首長国連邦のアブダビにおいて開催が予定されている。

冬季大会は1977年を第1回(米国・コロラド州)としており、2017年にはオーストリアのシュラートミンクにおいて第11回大会が開催された。

◯パラリンピック競技大会

オリンピックの直後に当該開催地で行われる、障害者スポーツの最高峰の大会であり、夏季大会と冬季大会が開催されている。

夏季大会は、1960年にイタリアのローマで第1回大会が開催され、オリンピック同様4年に一度開催されている。

2016年には、ブラジルのリオデジャネイロにおいて第15回大会が開催された。次回は、2020年、東京において開催が予定されている。

冬季大会は、1976年にスウェーデンのエンシェルツヴィークで第1回大会が開催されて以降、オリンピック冬季大会の開催年に開催されている。2014年3月には、ロシアのソチにおいて第11回大会が開催された。次回は、2018年に韓国の平昌(ピョンチャン)で開催が予定されている。

リオ2016パラリンピック競技大会 開会式(写真左)、閉会式(写真右)(C)フォート・キシモト

リオ2016パラリンピック競技大会

ブラジル・リオデジャネイロにおいて、リオ2016パラリンピック競技大会が2016年9月7日~18日に開催された。諸外国が近年、パラリンピック競技への支援に力を入れているなか、日本選手団は、ボッチャやウィルチェアーラグビーで初めてメダルを獲得するなど、総メダル数で前回大会(16個)を上回る24個を獲得した。

2016年10月7日には、リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会のメダリストらによる凱旋パレードが東京都の銀座で行われた。オリンピックとパラリンピックのメダリストが合同でパレードを実施するのは初めてであり、沿道には車椅子の方々も含む約80万人もの観衆が詰めかけ、大きな熱気に包まれた。

4年後は、いよいよ2020年東京大会が開催される。同大会を契機に、スポーツを通じた健康意識の向上や、心のバリアフリーなど、国民全体に及ぶ「レガシー」を創出するとともに、日本全体に夢や感動を届けられる大会となるよう、国としてもしっかりと取り組んでいく。

上:ボッチャ 廣瀨隆喜選手(写真左)、柔道 廣瀬順子選手(写真右) (C)フォート・キシモト 下:合同パレードの様子 (C)フォート・キシモト

2020年東京パラリンピック競技大会

平成25年9月に開催された国際オリンピック委員会(IOC)総会(アルゼンチン/ブエノスアイレス)において、2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市が東京都に決定した。これにより、東京都は史上初めて、2度目のパラリンピック夏季競技大会を開催する都市となった。

パラリンピック競技大会は、世界のトップアスリートが参加し、スポーツを通じて、障害のある人の自立や社会参加を促すとともに、様々な障害への理解を深めることにつながるものである。また、アクセシビリティに配慮した会場やインフラの整備により、東京のまち全体を障害のある人をはじめとするすべての人々が安全で快適に移動できるようになり、ユニバーサルデザイン都市、東京の実現が促進されるものである。

2020年パラリンピック競技大会は、8月25日の開会式に始まり、9月6日の閉会式まで12日間、オリンピックと共に60日間の1つの祭典として開催される。大会の実施競技については、平成26年10月の国際パラリンピック委員会(IPC)理事会で、新規採用競技として、バドミントンの実施を決定した。また、平成27年1月のIPC理事会で、新規採用競技として、テコンドーの実施を決定し、既存競技のうち、セーリング、脳性麻痺者7人制サッカーについては、2020年パラリンピック協議大会での非実施を決定し、全22競技の実施が決定した。

平成26年1月24日には、東京オリンピック・パラリンピック競技会組織委員会(大会組織委員会)が一般財団法人として設立され、会長に森喜朗元内閣総理大臣、事務総長に武藤敏郎大和総研理事長が就任した。平成27年1月1日には、大会組織委員会は、内閣府から公益財団法人としての認定を受け、「公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」へと移行した。

平成28年4月25日には、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のエンブレムが決定した。「全員が自己ベスト」、「多様性と調和」、「未来への継承」を3つの基本コンセプトとし、現在は、大会組織委員会が中心となり、東京都、日本オリンピック委員会(JOC)や日本パラリンピック委員会(JPC)、政府が一丸となって大会準備を進めている。

東京2020エンブレム

オリンピック・パラリンピック競技大会をはじめとする国際競技大会における日本代表選手の活躍は、国民に誇りと喜び、夢と感動を与えるものであり、我が国の国際競技力向上に向けた取組を進めていくことは重要である。このため、スポーツ庁では、2020年東京パラリンピック競技大会に向けた競技力強化に積極的に取り組んでいる。

平成28年10月には「競技力強化のための今後の支援方針」を策定し、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会で日本が優れた成績を収めるよう支援するとともに、その取組を強力で持続可能な支援体制として構築・継承することを目指している。

同方針では、パラリンピック競技の特性や競技力強化の環境等に十分配慮した上で、パラリンピック競技とオリンピック競技に支援の差を設けることなく支援を行うこととしており、具体的には、<1>各競技団体が中長期の強化戦略プランに基づいて自律的・効果的に強化活動を行うための支援体制の確立、<2>日本初となるパラリンピック仕様のナショナルトレーニングセンターの拡充整備、<3>公益財団法人日本体育協会等の参画によるアスリート発掘・育成への支援強化、<4>女性トップアスリートへの支援強化などに、独立行政法人日本スポーツ振興センター、日本パラリンピック委員会(JPC)等の関係団体と一丸となって取り組むこととしている。

また、2020年東京パラリンピック競技大会を成功に導くためには、将来のパラリンピアンをはじめ一人でも多くの障害者がスポーツを楽しめる環境を整備することにより、障害者スポーツの裾野を広げていくことが重要である。このため、地方自治体における障害者スポーツ推進体制の整備を推進するとともに、全国の特別支援学校でスポーツ・文化・教育の祭典を開催することとし、この開催に向けた取組を進めていくこととしている。

(2)文化活動の振興

最近では、障害のある人による芸術活動や、障害のある人も楽しめる舞台芸術公演、展覧会等も各地で開催されるようになってきている。また、国立劇場や新国立劇場においては、障害のある人の入場料の割引を、国立美術館、国立博物館においては、展覧会の入場料の無料を実施しているほか、全国各地の劇場、コンサートホール、美術館、博物館などにおいて、車いす使用者も利用ができるトイレやエレベーターの設置等障害のある人に対する環境改善も進められている。

また、障害のある人の生活を豊かにするとともに、国民の障害への理解と認識を深め、障害のある人の自立と社会参加の促進に寄与することを目的として、「第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会」(平成28年度)が愛知県において開催された。

さらに、平成25年に開催された「障害者の芸術活動への支援を推進するための懇談会」中間とりまとめを受け、平成26年度からは芸術活動を行う障害のある人やその家族、福祉事業所等で障害のある人の芸術活動の支援を行う者を支援するモデル事業を実施しており、平成27年度からは2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据え、関係者相互の情報共有やネットワークの構築を図るとともに、障害者の芸術文化の振興に資する取組について、広く関係者による意見交換を行う「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた障害者の芸術文化振興に関する懇談会」を開催するなど、障害者の芸術文化活動の振興を深める取組を行っている。

オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典のみならず文化の祭典でもあり、「2020年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針」(平成27年11月27日閣議決定)において、日本文化の魅力を発信していくこととしている。平成28年3月に、関係府省庁、東京都、大会組織委員会を構成員とする「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた文化を通じた機運醸成策に関する関係府省庁等連絡・連携会議」を開催した。その中で2020年以降を見据え、日本の強みである地域性豊かで多様性に富んだ文化を活かし、障害者にとってのバリアを取り除く取組等成熟社会にふさわしい次世代に誇れるレガシー創出に資する文化プログラムを「beyond2020プログラム」として認証するとともに、日本全国へ展開することを決定の上、平成29年1月から認証を開始した。

また、平成28年10月には、文化プログラムのキックオフイベントでもあった「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」の中で、障害者の優れた芸術活動をテーマとしたシンポジウム、展覧会やバリアフリー映画上映会を開催した。

左:第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会
(プロデュース舞台の様子) 右:(作品展示の様子)
図表3-3-13 「障害者の芸術活動支援モデル事業」

「共に生きるアーツ~障がいのある子供たちと芸術家によるコンサートと展示会~」

文化庁では平成29年3月28日に、障害の有無に関わらず、お互いを尊重しながら共に生きる社会の実現に寄与することを目的として、「共に生きるアーツ‐障がいのある子供たちと芸術家によるコンサートと展示会‐」を実施。特別支援学校に芸術家が訪問し、事前練習を行った。練習では障害の種別(身体、知的、精神等)、その程度も様々であり、個々の障害特性により困難なこともあったが、芸術家とともに乗り越えて、ひとつの舞台を創り上げた。

東京都立八王子特別支援学校の生徒の合唱とオーケストラの共演

コンサート当日は、障害のある子供たちやアーティストによる造形作品の展示や横溝さやかさんによるライブペインティング、書家の金澤翔子さんによる書道パフォーマンス、障害のある優れた芸術家との対談、障害のある子供たちと芸術家による体験型コンサートを実施した。障害のある子供たちと芸術家による体験型コンサートについては、視覚障害を負った幼少期にヴァイオリンを始め、現在イギリスと日本を拠点にソリストとして活躍している河畠成道さんや、東京都八王子特別支援学校の生徒の合唱とオーケストラとの共演も行われたほか、障害のある子供たちがオーケストラの中に入り、音楽の振動の体験や、耳の聞こえない芸術家であったベートーベンにより作曲された交響曲第9番のオーケストラに合わせた合唱を行った。障害のある子供たち、障害のある芸術家、障害のない芸術家それぞれにとって、互いを理解し、ともにひとつのものを創り上げるかけがえのない時間となった。

書家の金澤翔子さんによる揮毫

スポーツ・文化・ワールド・フォーラムにおける障害者芸術の取組

平成28年10月に行われたスポーツ・文化・ワールド・フォーラムにおける障害者の優れた芸術活動をテーマとしたシンポジウムでは、文化芸術による社会的包摂の取組を進めていくことによる多様性を尊重する社会の実現、ひいては芸術文化のさらなる発展へとつながるような様々な取組について議論した。

「ここから―アート・デザイン・障害を考える3日間」では、国立新美術館において障害者とアート・デザインの未来をめぐる展覧会を開催。「オリンピズムはスポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求するものである」という「オリンピズムの根本原則」に向けて、あらゆる人々が新たな意識で生きるための一歩を踏み出すことを目標に、本展覧会を「ここから」と名付けた。展覧会では、我が国における現時点での障害のある方による優れた芸術作品や障害のある方のための優れた取組等を紹介した。

「バリアフリー映画上映会」では、文化芸術による社会的包摂の取組の一環として、最新技術によるバリアフリー映画字幕及び音声ガイドを用いて、障害のある方々が不自由なく映画を鑑賞し、障害の有無にかかわらずあらゆる人々が共に楽しむことができる映画上映会を開催した。

また、ロームシアター京都において開催された「車イスダンス・アール・ブリュット展」では、パフォーマンス団体による車イスダンスの公演や、社会福祉法人等による展示企画を実施した。

このように、アート・映画・パフォーマンスの分野において、障害の有無にかかわらずあらゆる人がともに芸術活動を創造し鑑賞する場が設けられ、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた共生社会へのレガシー創出に寄与する取組となった。

障害者の芸術活動等に係る国際シンポジウム

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた文化活動例(大相撲beyond2020場所)

2020年は、文化プログラムを通じて日本の文化を世界に発信する絶好の機会である。

大相撲では、現状、外国人や障害者の方々へ十分な観戦機会の提供がなされていない。こうした現状を踏まえ、2020年に向けて、大相撲の国際発信力や、障害者の方々のアクセス性の強化等、共生社会実現に向けた課題解決のため、「大相撲beyond2020場所」を開催した。

「大相撲beyond2020場所」は平成28年10月に一日特設イベントとして開催し、外国人や障害者の方々を中心に約3,000名が参加した。聴覚障害者向けに手話通訳の実施や解説用モニターの設置、視覚障害者向けには、点字による当日プログラムを配布するなど、障害者の方々が観覧しやすいよう配慮するとともに、外国語可能なスタッフの配置、日英2か国語による場内放送等、外国人への対応を強化するなど、普段、観戦機会の提供が十分になされていない外国人や障害者の方々に向けた様々な対応を実施した。

今回は、試行的な取組として実施したが、2020年に向けて同様の取組が全国で展開されることにより、日本文化を国内外に発信していくとともに、共生社会の実現に繋げていく。

聴導犬と共に観戦
手話及びモニターよる解説
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