第5章 日々の暮らしの基盤づくり 第1節 1

目次]  [前へ]  [次へ

第1節 生活安定のための施策

1.利用者本位の生活支援体制の整備

(1)障害者総合支援法の改正

障害保健福祉施策については、障害のある人の地域における自立した生活を支援する「地域生活支援」を主題に、身体に障害のある人、知的障害のある人及び精神障害のある人それぞれについて、住民に最も身近な市町村を中心にサービスを提供する体制の構築に向けて必要な改正を行ってきた。

2006年4月1日に、「障害者自立支援法」(平成17年法律第123号)が施行され、福祉施設や事業体系の抜本的な見直しを行った。その後、「障がい者制度改革推進会議」の下の「総合福祉部会」にて取りまとめられた「骨格提言」を踏まえ、「障害者自立支援法」を「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(以下「障害者総合支援法」という。)とする内容を含む「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律」(平成24年法律第51号)が成立した。

また、「障害者総合支援法」の附則で規定された施行後3年を目途とする見直しを行い、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」(平成28年法律第65号)が2016年5月に成立した。これによる「障害者総合支援法」の改正では、「障害者の望む地域生活への支援」、「障害児支援のニーズのきめ細かな対応」、「サービスの質の確保・向上に向けた環境整備」を主な柱としている。

(2)障害者総合支援法の概要

ア 障害福祉サービス

① 障害種別によらない一体的なサービス提供

かつての「支援費制度」では、身体に障害のある人、知的障害のある人に対し、障害の種類ごとにサービスが提供されており、精神障害のある人は「支援費制度」の対象外となっていたが、「障害者自立支援法」の施行により、障害の種類によって異なる各種福祉サービスを一元化し、これによって、障害の種類を超えた共通の場で、それぞれの障害特性などを踏まえたサービスを提供することができるようになった。

また、2013年4月の「障害者総合支援法」の施行により、障害福祉サービス等の対象となる障害者の範囲に難病患者等が含まれることとなった。制度の対象となる疾病(難病等)については、当面の措置として、難病患者等居宅生活支援事業の対象となっていた130疾病を対象としていたが、難病医療費助成の対象となる指定難病の検討状況等を踏まえ、順次見直しを行い、2019年7月1日より361疾病を対象としている。

2018年度の障害福祉サービス等報酬改定(以下「報酬改定」という。)においては、障害種別によって訓練の類型が分かれていた自立訓練(機能訓練、生活訓練)を障害の区別なく利用できる仕組みに改め、利用者の障害特性に応じた訓練を身近な事業所で受けられるようにした。

② 市町村による一元的な実施

「支援費制度」では、精神障害に係る一部のサービスなどの実施主体については、都道府県となっていたが、「障害者自立支援法」施行後は、市町村に実施主体を一元化し、都道府県はこれをバックアップする仕組みに改め、より利用者に身近な市町村が責任を持って、障害のある人たちにサービスを提供できるようになっている。

図表5-1 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律(概要)
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律(概要)
資料:厚生労働省
図表5-2 障害者総合支援法等における給付・事業
障害者総合支援法及び児童福祉法の給付・事業
資料:厚生労働省

イ 利用者本位のサービス体系

① 地域生活中心のサービス体系

「支援費制度」では、障害種別ごとに複雑な施設・事業体系となっており、また、入所期間の長期化などにより、本来の施設目的と利用者の実態とが乖離している状況になっていた。

そこで、「障害者自立支援法」では、障害のある人が地域で普通に暮らすために必要な支援を効果的に提供することができるよう、33種類に分かれた施設体系を6つの事業に再編するとともに、「地域生活支援」、「就労支援」のための事業や重度の障害がある人を対象としたサービスを創設するなど、地域生活中心のサービス体系へと再編した。

また、2010年12月の「障害者自立支援法」の一部改正により、2012年4月1日から、地域移行支援及び地域定着支援を個別給付化し、障害のある人の地域移行を一層推し進めている。

なお、「障害者総合支援法」により、2014年4月1日から、地域生活への移行のために支援を必要とする者を広く地域移行支援の対象とする観点から、障害者支援施設等に入所している障害のある人又は精神科病院に入院している精神障害のある人に加えて、保護施設、矯正施設等に入所している障害のある人を地域移行支援の対象とすることとした。また、障害のある人が身近な地域において生活するための様々なニーズに対応する観点から、重度の肢体不自由者に加え、行動障害を有する知的障害のある人又は精神障害のある人を重度訪問介護の対象とすることとした。

② 「日中活動の場」と「住まいの場」の分離

地域生活への移行を進めていくため、「障害者自立支援法」では、24時間同じ施設の中で過ごすのではなく、障害のある人が、日中活動と居住の支援を自分で組み合わせて利用できるよう、昼のサービス(日中活動支援)と夜のサービス(居住支援)に分け(昼夜分離)、障害のある人が自分の希望に応じて、複数のサービスを組み合わせて利用できるようにした。

また、この昼夜分離によって、入所施設に入所していない障害のある人も、入所施設が実施する日中活動支援のサービスを利用することができるようになった。

「障害者自立支援法」における日中活動支援については、以下のように再編され、現在の「障害者総合支援法」でも同じ体系をとっている。

・療養介護…医療と常時の介護を必要とする人に、医療機関において、機能訓練、療養上の管理、看護、介護及び日常生活の世話を行うサービス

・生活介護…常に介護を必要とする人に、昼間、入浴等の介護を行うとともに、創作的活動又は生産活動の機会を提供するサービス

・自立訓練…機能訓練と生活訓練とに大別され、自立した日常生活又は社会生活ができるよう、一定期間、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練を行うサービス

・就労移行支援…一般就労等への就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行うサービス

・就労継続支援…一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のために必要な訓練を行うサービス

・地域活動支援センター…障害のある人が通い、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等の便宜を図る施設(地域生活支援事業として実施)

③ 障害のある人の望む地域生活の支援

2016年の「障害者総合支援法」の一部改正では、障害のある人が自ら望む地域生活を営むことができるよう、支援の一層の充実を図るため、また、就労移行支援事業所又は就労継続支援事業所から一般就労に移行する障害者数の増加を踏まえ、新たなサービスを創設した(2018年4月施行)。

・就労定着支援…一般就労に伴う日常生活及び社会生活上の支援ニーズに対応できるよう、就職先企業・関係機関との連絡調整等の支援を行うサービス

・自立生活援助…障害者支援施設や精神科病院、グループホーム等から地域での一人暮らしに移行した人等に対して、本人の意向を尊重した地域生活を支援するために、定期的な居宅訪問等により当人の状況を把握し、必要な情報提供等の支援を行うサービス

④ 地域の限られた社会資源を活かす

障害のある人の身近なところにサービスの拠点を増やしていくためには、既存の限られた社会資源を活かし、地域の多様な状況に対応できるようにしていく必要がある。

このため、通所施設の民間の運営主体については、社会福祉法人に限られていたが、これを特定非営利活動法人、医療法人等、社会福祉法人以外の法人でも運営することができるように規制を緩和した。

ウ 福祉施設で働く障害のある人の一般就労への移行促進等

① 就労支援の強化

障害のある人が地域で自立した生活を送るための基盤として、就労支援は重要であり、一般就労を希望する人には、できる限り一般就労が可能となるように支援を行い、一般就労が困難である人には、就労継続支援B型事業所等での工賃の水準が向上するように支援を行ってきている。就労系障害福祉サービスから一般就労への移行者数は17.0倍に増加(2003年度1,288人→2019年度21,919人)し、就労系障害福祉サービスの利用者は4.0倍に増加(2003年度97,026人→2019年度386,121人)している。

② 工賃・賃金向上のための取組

2012年度からは「工賃向上計画」を策定することにより、工賃向上に向けた取組を進めている。都道府県は、2018年度から2020年度の新たな「工賃向上計画」を策定し、都道府県内の事業所に対し工賃向上のための経営等の支援や関係行政機関、地域の商工団体等の関係者と連携しながら、工賃向上に取り組んでいる。この「工賃向上計画」に基づく支援では、コンサルタントによる企業経営手法の活用や共同受注の促進など、これまでの計画でも比較的効果のあった取組に重点を置いて取り組むとともに、厚生労働省においても、これらの取組に対して予算補助を行っている。

また、個々の事業所においても「工賃向上計画」を作成し、事業所責任者の意識向上、積極的な取組を促し、都道府県の計画では、官公需による発注促進についても、目標値を掲げて取り組んでおり、地域で障害のある人を支える仕組みを構築することが重要であることから、市町村においても工賃向上のための取組を積極的に支援するよう協力を依頼している。

さらに2018年度より、厚生労働省が工賃倍増等の取組実績のある法人に委託して「就労継続支援事業所における工賃・賃金の向上に向けた支援体制構築に係る調査研究」を実施しており、全国の工賃等向上の実事例を収集し整理するとともに、実事例について全国展開することで工賃・賃金の一層の向上を目指す就労継続支援事業所を支援している。

エ 支給決定の透明化・明確化

① 障害程度区分の導入と障害支援区分への見直し

「支援費制度」では、支給決定に際して全国共通の利用ルール(支援の必要度を判定する客観的基準)が定められていなかったことから、同じような障害状態にあっても市町村が決定するサービスの種類や量には、地域格差が生じているとの指摘がされていた。このため、「障害者自立支援法」では、支援の必要度を判定する障害程度区分を導入した。

また、知的障害のある人や精神障害のある人等の特性に応じて適切に支援の必要度を判定できるよう、「障害者総合支援法」では障害程度区分を障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示す「障害支援区分」に改め、2014年4月から施行されている。

② 支給決定に係るプロセスの透明化等

「障害者総合支援法」における介護給付費等の支給決定を行うに当たっては、まず市町村が事前に障害のある人の面接調査を行い、その調査を基に障害支援区分の一次判定が行われ、さらに障害保健福祉の有識者などで構成される審査会での審査(二次判定)を経て、障害支援区分の認定が行われる仕組みなどとなっており、支給決定に係るプロセスの透明化が図られている。

また、この支給決定に係るプロセスは、障害支援区分に加え、障害のある人一人一人の心身の状況、サービス利用の意向、家族の状況などを踏まえて相談支援専門員等が作成したサービス等利用計画案を勘案して、適切な支給決定が行われるようにしている。

オ 費用をみんなで負担し合う仕組みの強化

① 国の費用負担の義務づけ

「支援費制度」においては、居宅サービスに関する部分の費用については、国はその費用の一部を予算の範囲内で補助する仕組みとなっていたが、制度を安定的かつ継続的に運営するために、「障害者自立支援法」の施行以降は、国が義務的にその費用の一部を負担する仕組みとした(具体的には、国は費用の2分の1、都道府県は費用の4分の1を義務的に負担。市町村は費用の4分の1を負担)。これにより、当初の予算の範囲を超えて居宅サービスの利用が急増したとしても、国及び都道府県は義務的に費用の一部負担を行うこととし、障害のある人が安心して制度を利用できるような形となった。

② 利用者負担

「障害者自立支援法」の施行以降は、サービスの利用者も含めて皆で制度を支え合うため、国の費用負担の義務づけと併せて、利用者については、所得階層ごとに設定された負担上限月額の範囲内で負担することとした。

また、これに加えて、所得の少ない人については、個別減免の仕組みを設けるなど利用者負担の軽減措置を講じた。

施設を利用した場合などにかかる食費・光熱水費などの実費負担については、在宅で生活をしていたとしてもこれらの実費負担は生じるものであることから、施設と在宅の費用負担の均衡を図るために、自己負担とした。ただし、所得の少ない人については、食費に係る実費負担額が食材料費のみの負担となるよう軽減措置を講じた。

その後、2007年4月に行われた特別対策や、2008年7月に行われた緊急措置において、低所得の障害のある人等を中心とした利用者負担の更なる軽減、障害のある子供のいる世帯における軽減対象範囲の拡大、負担上限月額を算定する際の所得段階区分の個人単位を基本とした見直し等の軽減措置を講じた。また、2009年7月より、軽減措置を適用するために設けていた「資産要件」の廃止や、「心身障害者扶養共済給付金」の収入認定からの除外といった更なる軽減措置を講じた。

さらに、2010年4月から低所得(市町村民税非課税)の障害のある人等につき、福祉サービス及び補装具にかかる利用者負担を無料としている。

2010年の「障害者自立支援法」の一部改正では、障害のある人の地域移行を促進するため、障害のある人が安心して暮らせる「住まいの場」を積極的に確保していくことを目的に、グループホーム等の居住に要する費用を助成する制度を創設した(2011年10月施行)。また、利用者負担について、応能負担を原則とすることを法律上も明確にするとともに、障害福祉サービス等と補装具の利用者負担額を合算し、負担を軽減する仕組みを導入した(2012年4月施行)。

2016年の「障害者総合支援法」の一部改正では、障害福祉サービスを利用してきた人が、65歳に達することにより介護保険サービスに移行することによって利用者負担が増加してしまうという事態を解消するため、一定の要件を満たした高齢障害者については、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用する場合の利用者負担(原則1割)をゼロにするという措置を講じた(2018年4月施行)。

カ 障害福祉計画に基づく計画的なサービス基盤整備の推進

「障害者総合支援法」及び「児童福祉法」(昭和22年法律第164号)では、障害のある人に必要なサービスが提供されるよう、将来に向けた計画的なサービス提供体制の整備を進める観点から、「障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針」(平成29年厚生労働省告示第116号。以下「基本指針」という。)に即して、市町村及び都道府県は、数値目標と必要なサービス量の見込み等を記載した障害福祉計画及び障害児福祉計画を策定することになっている。

2020年度は、2018年度から2020年度を計画期間とする「第5期障害福祉計画」及び「第1期障害児福祉計画」の3年度目であり、障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の提供体制の確保を図るため、福祉施設の入所者の地域生活への移行、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築、地域生活支援拠点等の整備、福祉施設から一般就労への移行等、障害児支援の提供体制の整備等に係る取組について目標を設定し取り組んだ。

また、2021年度を初年度とする「第6期障害福祉計画」及び「第2期障害児福祉計画」の策定に係る基本指針について、社会保障審議会障害者部会で議論を行い、2020年5月に基本指針の改正を行ったところである。改正の主なポイントは次のとおり。

① 地域共生社会の実現に向けた取組

地域共生社会の実現に向け、地域住民が主体的に地域づくりに取り組むための仕組み作りや制度の縦割りを超えた柔軟なサービスの確保に取り組むとともに、地域の実態等を踏まえながら、包括的な支援体制の構築に取り組むことを定める。

② 発達障害者等支援の一層の充実

発達障害者等に対する支援に関して、ペアレントプログラムやペアレントトレーニング等の支援体制を確保すること及び発達障害の診断等を専門的に行うことができる医療機関等を確保することが重要であることを定める。

③ 障害者の社会参加を支える取組

障害者の社会参加を促進するため、多様なニーズを踏まえ、特に障害者の文化芸術活動の推進や、視覚障害者等の読書環境の計画的な整備の推進を図ることを定める。

④ 障害福祉人材の確保

障害福祉サ-ビス等の提供を担う人材を確保するための研修の実施、多職種間の連携の推進、障害福祉の現場が働きがいのある魅力的な職場であることの積極的な周知・広報などに関係者が協力して取り組むことが重要であることを定める。

⑤ 障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の提供体制の確保に係る目標の設定

(ア)福祉施設の入所者の地域生活への移行

施設入所者の重度化、高齢化の状況や日中サービス支援型指定共同生活援助により常時の支援体制を確保すること等により、必要な意思決定支援が行われ、地域生活を希望する者が地域での暮らしを継続することができるような体制の確保を進めることを踏まえ、成果目標を次のとおり設定する。

・2019年度末時点の施設入所者数の6%以上が2023年度末までに地域生活へ移行することを基本とする。

・2023年度末時点の施設入所者数を2019年度末時点から1.6%以上削減することを基本とする。

(イ)精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築

精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進するため、地域における精神保健医療福祉体制の基盤を整備する必要があることから、成果目標を次のとおり設定する。

・2023年度末における精神障害者の精神病床から退院後1年以内の地域における生活日数の平均を316日以上とすることを基本とする。

・2023年度末の精神病床における1年以上長期入院患者数(65歳以上、65歳未満)を、国が提示する推計式を用いて設定する。

・2023年度における入院後3か月時点の退院率を69%以上、6か月時点の退院率を86%以上、1年時点の退院率を92%以上として設定することを基本とする。

(ウ)地域生活支援拠点等が有する機能の充実

2023年度末までの間、各市町村又は各圏域に1つ以上の地域生活支援拠点等を確保しつつ、その機能の充実のため、年1回以上運用状況を検証、検討することを基本とする。

(エ)福祉施設から一般就労への移行等

・2023年度中に就労移行支援等を通じた一般就労への移行者数を2019年度実績の1.27倍以上とすることを基本とする。併せて、就労移行支援、就労継続支援A型及びB型のそれぞれに係る移行者数の目標値を設定することとする。

・就労移行支援については、一般就労への移行における重要な役割を踏まえ、引き続き現状の利用者数を確保するとともに、移行率の上昇を見込み、2023年度中に2019年度実績の1.30倍以上とすることを基本とする。

・就労継続支援A型及びB型については、一般就労が困難である者に対し、就労や生産活動の機会の提供、就労に向けた訓練等を実施するものであることから、その事業目的に照らし、それぞれ、2023年度中に2019年度実績の概ね1.26倍以上、1.23倍以上を目指すこととする。

・就労定着支援の利用者数については、2023年度における就労移行支援事業等を通じた一般就労への移行者数のうち7割が就労定着支援事業を利用することを基本とする。

・就労定着支援の就労定着率については、就労定着支援事業所のうち、就労定着率が8割以上の事業所を全体の7割以上とすることを基本とする。

(オ)障害児支援の提供体制の整備等

・2023年度末までに、児童発達支援センターを各市町村又は各圏域に少なくとも1か所以上設置することを基本とする。

・2023年度末までに、すべての市町村において、保育所等訪問支援を利用できる体制を構築することを基本とする。

・聴覚障害児を含む難聴児が適切な支援を受けられるように、2023年度末までに、各都道府県において、児童発達支援センター、特別支援学校(聴覚障害)等の連携強化を図るなど、難聴児支援のための中核的機能を有する体制を確保することを基本とする。

・2023年度末までに、主に重症心身障害児を支援する児童発達支援事業所及び放課後等デイサービス事業所を各市町村又は各圏域に少なくとも1か所以上確保することを基本とする。

・医療的ケア児が適切な支援を受けられるように、2023年度末までに、各都道府県、各圏域及び各市町村において、保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関等が連携を図るための協議の場を設けるとともに、医療的ケア児等に関するコーディネーターを配置することを基本とする。

(カ)相談支援体制の充実・強化等

相談支援体制の充実・強化等を推進するための取組として、総合的・専門的な相談支援の実施及び地域の相談支援体制の強化に向けた取組を着実に進めていく観点から2023年度末までに、各市町村又は各圏域において、総合的・専門的な相談支援の実施及び地域の相談支援体制の強化を実施する体制を確保することを基本とする。

(キ)障害福祉サービス等の質の向上

各都道府県や各市町村において、2023年度までに、障害福祉サービス等の質を向上させるための取組に関する事項を実施する体制を構築することを基本とする。

都道府県、市町村においては、この基本指針に則して、2021年度からの計画の作成を進めることとしており、計画に盛り込んだ事項について、定量的に調査、分析、評価を行い、障害福祉施策を総合的、計画的に行っていくことが求められる。

図表5-3 障害福祉計画・障害児福祉計画について
障害福祉計画・障害児福祉計画について
資料:厚生労働省
図表5-4 第6期障害福祉計画及び第2期障害児福祉計画に係る基本指針の見直しについて
第6期障害福祉計画等及び第2期障害児福祉計画に係る基本指針の見直しについて
資料:厚生労働省
/厚生労働省
第5章第1節 1.利用者本位の生活支援体制の整備
TOPICS
障害者総合支援法の成立と沿革

障害保健福祉施策については、障害のある人の地域における自立した生活を支援する「地域生活支援」を主題に、住民に最も身近な市町村を中心にサービスを提供する体制の構築に向けて必要な改正を行ってきた。

2006年度に「障害者自立支援法」が施行され、「支援費制度」において、身体・知的の障害種別により提供されていたサービス体系を一元化するとともに、精神障害のある人を新たにサービス対象とし、障害種類を超えた共通の場で、障害特性を踏まえたサービス提供等を行うことが可能となった。

その後、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて、「障害者自立支援法」を「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」とする内容を含む「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律」が成立した。これにより、障害福祉サービスに係る給付に加え、地域生活支援事業による総合的な支援が可能となるとともに、制度の谷間のない支援を提供する観点から、障害福祉サービス等の対象となる障害者の範囲に難病患者等が含まれることとなった。制度の対象疾病(難病等)については、当面の措置として、難病患者等居宅生活支援事業の対象となっていた130疾病を対象としていたが、難病医療費助成の対象となる指定難病の検討状況等を踏まえ、順次見直しを行い、2019年7月1日より361疾病を対象としている。

2016年5月には、「社会保障審議会障害者部会」でとりまとめられた報告書「障害者総合支援法施行3年後の見直しについて」の内容を踏まえ、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」が成立し、3つの新サービス(①自立生活援助:本人の意思を尊重し、地域生活を支援するため、一人暮らしの障害者への居宅訪問等による情報提供等の支援、②就労定着支援:就業に伴う生活面の課題に対応するための事業所・家族との連絡調整等の支援、③居宅訪問型児童発達支援:重度の障害児への居宅訪問による発達支援)の創設や、サービスの質の確保・向上を図るための環境整備等を行った。

その後、2021年度の報酬改定においては、有識者の参画を得た障害福祉サービス等報酬改定検討チームにおいて改定に向けた議論を進めてきたところであり、障害者の重度化・高齢化を踏まえた地域移行・地域生活の支援、相談支援の質の向上、効果的な就労支援、医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進、感染症等への対応力の強化などの課題に対応するため、事業所の経営状況や制度の持続可能性の確保という観点も考慮しつつ、必要な改定を行った。

2021年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容

(3)身近な相談支援体制整備の推進

ア 障害のある人や障害のある児童の親に対する一般的な相談支援

障害のある人や障害のある児童の親に対する一般的な相談支援については、「障害者自立支援法」により、2006年10月から、障害種別にかかわらず、事業の実施主体を利用者に身近な市町村に一元化して実施している。また、市町村における相談支援事業の機能を充実・強化するため、2006年10月から住宅入居等支援事業を、2012年4月から基幹相談支援センター等機能強化事業を、それぞれ地域生活支援事業に位置づけている。

また、指定特定相談支援事業所及び指定障害児相談支援事業所に配置されている相談支援専門員がサービス等利用計画又は障害児支援利用計画を作成することにより、障害のある人や障害のある児童の親が障害福祉サービス等を適切に利用することができるよう支援を行っており、2015年4月からは、支給決定前の全ての障害児者が、障害児支援利用計画案又はサービス等利用計画案を作成することとしている。

さらに、2018年度の報酬改定では、利用状況の適切な把握と適正なサービス量の調整が可能となるよう、実施モニタリング期間の一部を見直してモニタリング頻度を高めたほか、質の高い相談支援の実施や専門性の高い支援を行うための体制を適切に評価する加算(「サービス提供時モニタリング加算」等)を創設している。また、2021年度の報酬改定においては、適切なモニタリング頻度の決定を推進する観点から、利用者の個別性も踏まえて、モニタリング頻度の決定を行う旨やモニタリング期間の変更をする際の手続きを再度周知している。

広域・専門的な支援や人材育成については、都道府県の地域生活支援事業の中で、都道府県相談支援体制整備事業、高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業、発達障害者支援センター運営事業、障害者就業・生活支援センター事業、障害児等療育支援事業、相談支援従事者研修事業等を実施し、市町村をバックアップしている。

イ 都道府県による取組及び市町村区域への対応

都道府県においては、市町村に対する専門的な技術支援、情報提供の役割を担っている更生相談所等が設けられており、それぞれの施設が担う相談支援内容に合わせて、身体障害者相談員、知的障害者相談員、児童に関する相談員及び精神保健福祉相談員を配置している。設置状況は、身体障害者更生相談所(2021年4月現在78か所)、知的障害者更生相談所(2021年4月現在86か所)、児童相談所(2021年4月現在225か所)、精神保健福祉センター(2021年4月現在69か所)となっている。

国においては、市町村の区域で生活に関する相談、助言その他の援助を行う民生委員・児童委員を委嘱している。

ウ 法務局その他

全国の法務局・地方法務局及びその支局において、人権擁護委員及び法務局職員が、障害のある人に対する差別、虐待等の人権問題について、面談・電話による相談に応じている。また、社会福祉施設や市役所などの公共施設・デパート等において特設の人権相談所を開設しているほか、法務省のホームページ上でもインターネットによる人権相談の受付を行っている。加えて、人権相談等を通じて人権侵害の疑いのある事案を認知した場合は、人権侵犯事件として調査を行い、事案に応じて、人権侵害による被害の救済・予防のための適切な措置を講じている。

保健所、医療機関、教育委員会、特別支援学校、ハローワーク、ボランティア団体等においても、相談支援が行われている。

エ 矯正施設入所者

障害等により自立が困難な矯正施設入所者について、出所後直ちに福祉サービスを受けられるようにするため、刑務所等の社会福祉士等を活用した相談支援体制を整備するとともに、「地域生活定着支援センター」を全国の各都道府県に整備している。同センターは、矯正施設、保護観察所並びに地域の関係機関及び団体と連携して、社会復帰の支援を行っている。

また、帰住先が確定しないなどの理由により出所後直ちに福祉による支援が困難な者について、更生保護施設への受入れを促進し、福祉への移行準備及び自立した日常生活のための訓練等を実施している。

(4)権利擁護の推進

ア 成年後見制度等

認知症、知的障害又は精神障害などのため判断能力の十分でない人を保護し支援するための成年後見制度について、パンフレットの配布や法務省ホームページ上のQ&A掲載など、制度周知のための活動を行っている。また、障害福祉サービスを利用し又は利用しようとする重度の知的障害のある人又は精神障害のある人であり、助成を受けなければ成年後見制度の利用が困難であると認められる場合に、申立てに要する経費及び後見人等の報酬の全部又は一部について補助を行うため、成年後見制度利用支援事業を実施しており、2012年度から市町村地域生活支援事業の必須事業に位置付けている。

報酬等の助成事業については、2020年4月1日現在で1,648市町村が実施しており、このうち、国の地域生活支援事業費等補助金を活用しているのは1,386市町村となっており、今後とも本事業の周知を図ることとしている。

また、2013年度から、後見、保佐及び補助の業務を適正に行うことができる人材の育成及び活用を図るための研修を行う事業である成年後見制度法人後見支援事業を地域生活支援事業として市町村の必須事業に位置づけたほか、指定障害福祉サービス事業者等の責務として、障害のある人等の意思決定の支援に配慮し、常に障害のある人の立場に立ってサービス等の提供を行うことを義務づけている。

日常生活自立支援事業は、認知症高齢者、知的障害のある人、精神障害のある人等のうち必ずしも判断能力が十分でない人が、地域において自立した生活を送ることを支援するため、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理に関する援助等を行う事業として、都道府県・指定都市社会福祉協議会を実施主体とし、事業の一部を委託された市区町村社会福祉協議会等により実施されている。本人からの申請は少なく、周囲の専門職等が必要と判断して利用に至る場合が多いことが特徴である。利用者の判断能力の低下等により、成年後見制度へ移行する者が増加しており、単身世帯の増加により、成年後見制度への移行のための支援も必要とされている。2020年3月末現在の本事業の実利用者数は55,717人となっており、今後とも本事業の一層の定着を図ることとしている。

また、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」(平成28年法律第29号)に基づき、「成年後見制度利用促進委員会」における議論を踏まえて策定された「成年後見制度利用促進基本計画」(平成29年3月24日閣議決定)に沿って、財産管理のみならず意思決定支援・身上保護も重視した適切な支援に繋がるよう、利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善や権利擁護支援の地域連携ネットワークづくりなどの成年後見制度の利用促進に関する施策を総合的・計画的に推進している。基本計画の中間年度に当たる2019年度においては、基本計画に係る成果指標(KPI)を設定するとともに、各施策の進捗状況や個別課題の整理・検討を行っており、こうしたKPIや2020年3月に取りまとめられた中間検証の結果も踏まえ、各施策を着実に推進していくこととしている。併せて、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」に基づく措置として、成年被後見人及び被保佐人(以下「成年被後見人等」という。)の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないよう、成年被後見人等に係る欠格条項その他の権利の制限に係る措置の撤廃等を盛り込んだ関係法案を国会に提出し、2019年12月に成立した。

(なお、財産管理については、後述の「3.経済的自立の支援(2)個人財産の適切な管理の支援」を参照。)

図表5-5 成年後見制度利用支援事業の必須事業化
成年後見制度利用支援事業の必須事業化
資料:厚生労働省

イ 消費者としての障害者

悪質な手口により消費者被害にあったなどとして、全国の消費生活センターや国民生活センター等に、認知症高齢者、障害のある人等から消費生活相談が寄せられている。相談件数は、2013年度に2万件を超えると、2016年度にかけて一旦減少したが、その後増加に転じ、現在まで高水準で推移している。

消費者庁では、認知症高齢者や障害者等の配慮を要する消費者を見守るためのネットワークとして、「消費者安全法」(平成21年法律第50号)の改正(2016年4月施行)により規定された、「消費者安全確保地域協議会」の設置促進に取り組んでいる。消費者安全確保地域協議会は、既存の福祉のネットワーク等に地域の消費生活センターや消費者団体等の関係者を追加することで、消費者被害の未然防止、拡大防止、早期発見、早期解決に資する見守りサービスの提供を可能にする取組である。

消費者安全確保地域協議会の取組では、地域の関係団体との連携も重要である。消費者庁では、2007年から、障害者団体のほか高齢者団体・福祉関係者等専門職団体・消費者団体、行政機関等を構成員とする「高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会」を開催し、消費者トラブルに関して情報を共有するとともに、悪質商法の新たな手口や対処の方法などの情報提供等を行う仕組みの構築を図ってきた。毎回の会議の最後には、「高齢者、障がい者の消費者トラブル防止のため、積極的な情報発信を行う」こと、「多様な主体と緊密に連携して、高齢消費者・障がい消費者を見守り消費者トラブルの被害の回復と未然防止に取り組む」こと等の申し合わせを行っている。2020年度には、地域の多様な主体が参加・協働する支援体制のあり方や成年後見制度の地域連携ネットワーク、地域において積極的な見守り活動を行っている関係団体の取組の情報を共有した。

このほか、2020年2月には、地域の実情に応じた見守りネットワークの構築と、実効性ある見守り活動の実施を促進することを目的に、「高齢者・障がい者の消費者トラブル見守りガイドブック」も作成し、活用を促している。加えて、2020年度は「地方消費者行政に関する先進的モデル事業」において、消費生活センターにおける障害者からの相談への対応手法の開発を行った。

国民生活センターでは、障害のある人やその周りの人々に悪質商法の手口やワンポイントアドバイス等をメールマガジンや同センターホームページで伝える「見守り新鮮情報」を発行するとともに、最新の消費生活情報をコンパクトにまとめた「2021年版くらしの豆知識」の発行にあたってはカラーユニバーサルデザイン認証を取得したほか、デイジー版(デジタル録音図書)を作成し、全国の消費生活センター、消費者団体及び全国の点字図書館等に配布した。

地域において配慮を要する消費者への取組を進めるためには、消費生活センター等における消費生活相談体制の充実・強化も促進する必要がある。消費者庁では、地方消費者行政強化交付金等を通じ、消費者安全確保地域協議会の設置促進のほか、地方公共団体における障害者の特性に配慮した消費生活相談体制の整備を図る取組等も支援している。

また、消費者庁では、徳島県及び岡山県の協力を得て、2018年3月に「障がい者の消費行動と消費者トラブルに関する調査」の報告書を取りまとめ、公表した。本報告書では、障害者は全体的に買物好きな人が多い傾向にあり、他方で比較的多くの消費者トラブルに直面している可能性が示唆された。2019年5月には、障害者のある人が経験した消費者トラブルについての事例集を公表した。2019年度は、徳島県及び岡山県を中心に本事例集を活用した出前講座を実施し、普及・啓発を図り、2020年6月に、その実践事例をまとめた啓発出前講座実践事例集を公表した。

図表5-6 認知症高齢者、障害のある人等の消費生活相談件数(年度別)(2010~2020年度)
注1:2021年3月末までの登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まない。
注2:「判断不十分者契約」「心身障害者関連」に関する相談についての集計。
資料:独立行政法人国民生活センター運営のPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)
図表5-7 認知症高齢者、障害のある人等の消費生活相談件数(商品・役務別10位まで)(2010~2014年度)
商品・役務 件数
1 フリーローン・サラ金 5,963
2 新聞 5,049
3 健康食品(全般) 4,200
4 商品一般 4,079
5 他の健康食品 3,565
6 携帯電話サービス 2,751
7 出会い系サイト 2,598
8 アダルト情報サイト 1,619
9 賃貸アパート 1,461
10 ファンド型投資商品 1,451
図表5-8 認知症高齢者、障害のある人等の消費生活相談件数(商品・役務別10位まで)(2015~2020年度)
商品・役務 件数
1 フリーローン・サラ金 7,389
2 商品一般 6,829
3 他の健康食品 5,991
4 新聞 5,935
5 携帯電話サービス 4,914
6 健康食品(全般) 3,671
7 光ファイバー 3,218
8 賃貸アパート 2,570
9 出会い系サイト 2,556
10 他のデジタルコンテンツ 2,221
注1:2021年3月末までの登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まない。
注2:「判断不十分者契約」「心身障害者関連」に関する相談についての集計。
注3:2015年度に商品・役務等別分類が改定されたため、時系列での比較はできない。
資料:独立行政法人国民生活センター運営のPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)
図表5-9 障がい者の消費行動と消費者トラブル事例集(抜粋)
障がい者の消費行動と消費者トラブル事例集表紙
携帯電話販売店での契約(四コマ漫画)
訪問販売(四コマ漫画)

(5)障害者虐待防止対策の推進

障害のある人の尊厳の保持のため障害のある人に対する虐待を防止することは極めて重要であることから、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(平成23年法律第79号)が2012年10月から施行されている。

この法律においては、何人も障害者を虐待してはならないことや虐待を受けたと思われる障害者を発見した場合には速やかに通報すること等を規定しており、地方公共団体は障害者虐待対応の窓口として「市町村障害者虐待防止センター」や「都道府県障害者権利擁護センター」の機能を果たすこととされている。各センターでは、障害者虐待の通報・届出の受理に加え、相談や指導・助言を行うほか、国民の理解の促進を図るため、障害者虐待防止の広報・啓発等を行っている。

厚生労働省においては、地方公共団体が関係機関との連携の下、障害者虐待の未然防止や早期発見、迅速な対応等を行えるよう、障害者虐待防止対策支援等の施策を通じて、支援体制の強化や地域における関係機関等との協力体制の整備等を図るとともに、障害のある人の虐待防止や権利擁護等に係る各都道府県における指導的役割を担う者の養成研修等を実施している。

図表5-10 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の概要
障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の概要
資料:厚生労働省

(6)障害者団体や本人活動の支援

意思決定過程に障害のある人の参画を得て、その視点を施策に反映させる観点から、障害者政策委員会等において障害のある人や障害者団体が、情報保障その他の合理的配慮の提供を受けながら構成員として審議に参画している。

また、「障害者総合支援法」に基づく地域生活支援事業において、障害のある人やその家族、地域住民等が自発的に行う活動に対する支援を行う「自発的活動支援事業」を実施している。

目次]  [前へ]  [次へ