平成17年度バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進普及方策に関する調査研究 I 調査概要
1 調査の目的
わが国では急速に高齢化が進んでおり、平成26年(2014年)には、国民の4人に1人が65歳以上の高齢者となる本格的な高齢社会が到来するものと予測されている。また、身体障害者についても現在350万人を超え、増加傾向にある。一方、21世紀のわが国の目指すべき社会は、高齢者や障害者を含めたあらゆる人々が社会のあらゆる活動に参加、参画するとともに、社会の担い手として役割と責任を果たすことができる社会であり、この目指すべき社会の実現のためには、障害者等の諸活動や社会への参画を制約している諸要因を除去することが求められている。
このような状況の中、高齢者、障害者を含めたあらゆる人々が安全で快適な社会生活を送れるよう、ハード面、ソフト面を含めた社会全体のバリアフリー化の推進が喫緊の課題となっており、国としても、「ハートビル法」や「交通バリアフリー法」の施行により建築物や公共交通機関のバリアフリー化を推進するとともに、高齢者や障害者等でも使いやすい製品の開発を促すなど、社会全体のバリアフリー化を促進してきたところである。
さらに、平成16年6月には、「バリアフリー化推進要綱」が策定され、内閣府においても、当該要綱に基づき関係機関との連携を図りながらバリアフリー化の一層の推進に努めているところである。
このような状況のもと、関係各省にまたがる横断的な課題であるバリアフリー化に関して、総合的かつ計画的に各種施策をより効果的に推進するためには、的確に国民のバリアフリーに関する現状の認識・評価や将来のニーズを把握することが重要となっている。このため、バリアフリー化に関する国民の意識調査を行い、今後のバリアフリー化の推進に資するものとする。
2 調査の概要
上記の目的を踏まえ、本調査ではつぎの2つの調査を実施した。
(1)バリアフリー化推進に関する国民意識調査
(2)バリアフリー化推進に関する高齢者及び保育所・幼稚園利用者意識調査
それぞれの調査の内容は以下の通りである。
(1)バリアフリー化推進に関する国民意識調査
a 調査目的
バリアフリーやユニバーサルデザインについての認知度及び「建築物」、「公共交通機関」、「まちづくり」等に関する現状のバリアフリー化等についての評価、今後のニーズについて、年齢別・性別等の基本属性、エリア(圏域)別、都市規模別等の比較を行い、分析する。
b 調査対象
全国20歳以上の国民6,000人(全国100地点の市区町村の住民基本台帳から無作為抽出)
c 調査方法
アンケート調査・郵送法(督促礼状1回送付)
d 調査期間
2005年12月1日から12月15日まで
e 調査結果
回収数 2,911件(回収率 48.5%)
f 調査項目
(2)バリアフリー化推進に関する高齢者及び保育所・幼稚園利用者意識調査
a 調査目的
高齢者や小さな子どもを持つ親に対するアンケート調査を実施し、高齢者や子どもを持つ親の現状認識についてより詳細に分析する。
* 障害のある方に対しては平成17年度の障害者施策総合調査で類似の調査を実施している。
b 調査対象
関東甲信越北陸地方、関西地方各5地点(市区町村)の高齢者(老人クラブの利用者)及び子どもを持つ親(保育園・幼稚園の利用者)各60名ずつ、計1,200名
c 調査方法
団体、施設からの配布、郵送回収
d 調査期間
2006年2月6日から2月17日まで
e 調査結果
回収数 557件(回収率 46.4%)