平成17年度バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進普及方策に関する調査研究 III バリアフリー化推進に関する高齢者及び保育所・幼稚園利用者意識調査について
図表のみかた
- 回答は、それぞれの質問の回答者数を基数とした百分率(%)で示しています。それぞれの質問の回答者数は、全体(2,911)の場合はN、それ以外の場合にはnと表記しています。
- %は小数点以下第2位を四捨五入し、小数点以下第1位までを表記しています。従って、回答の合計が必ずしも100%にならない場合があります。
- 男女別、年代別などは、不明の方がいたため、合計が全体とは一致しません。
- 回答者が2つ以上回答することのできる質問(複数回答)については、%の合計は100%を超えることがあります。
- 全問クロス集計の集計表を巻末の資料編に掲載しました。
- 本文及びグラフ中の設問文ならびに集計表の選択肢の表現は一部省略されています。また、棒グラフについては、回答割合の多い順に並べかえています。 調査票を巻末の資料編に掲載しましたので、ご参照ください。
- 対象地域を関東と関西とに分けて分析しています。また、都市規模は、大都市(人口100万人以上)、地方都市(人口30万人以上)をまとめて「大都市等」、小都市A(人口5万人以上)、小都市B(人口5万人未満)をまとめて「小都市」、「過疎地域」の3段階に分けて分析しています。
1 回答者の属性
(1)男女・年代
a 男女(F1)
イ 高齢者
回答者の性別をみると、「男性」が53.5%、「女性」が42.9%で、男性が少し多い(図表3-1-1)。
ロ 保育所・幼稚園利用者
回答者の性別をみると、「女性」が92.4%、「男性」が6.7%で、圧倒的に女性が多い(図表3-1-1)。
図表3-1-1 男女(高齢者、保育所・幼稚園利用者/全体)
b 年代(F2)
イ 高齢者
回答者の年代をみると、「70~74歳」が34.8%と最も多く、「75~79歳」27.6%、「65~69歳」12.0%と続いている。最も少ないのは「60歳未満」で2.1%である(図表3-1-2)。
ロ 保育所・幼稚園利用者
回答者の年代をみると、「30~34歳」が37.1%と最も多く、「35~39歳」35.7%、「40~44歳」13.8%と続いている。30歳代が72.8%を占めている(図表3-1-2)。
図表3-1-2 年代(高齢者、保育所・幼稚園利用者/全体)
(2)都市規模
a 都市規模(F3)
イ 高齢者
都市規模別にみると、「過疎地域」が24.6%と最も多く、次いで「小都市A」と「小都市B」が19.2%、「大都市」18.0%、「地方都市」15.3%となっている(図表3-1-3)。
ロ 保育所・幼稚園利用者
都市規模別にみると、「大都市」が28.1%と最も多く、次いで「小都市A」21.0%、「小都市B」20.1%、「地方都市」17.9%、「過疎地域」11.6%となっている(図表3-1-3)。
図表3-1-3 都市規模(高齢者、保育所・幼稚園利用者/全体)
(3)外出頻度(F4)
イ 高齢者
外出頻度は、「週3~5日」が44.4%と最も多く、次いで「毎日」28.8%、「週1~2日」15.6%、「週1日未満」5.7%となっている(図表3-1-4)。
ロ 保育所・幼稚園利用者
外出頻度は、「毎日」が75.9%と最も多く、次いで「週3~5日」15.2%、「週1~2日」5.4%、「週1日未満」3.1%となっている(図表3-1-4)。
図表3-1-4 外出頻度(高齢者、保育所・幼稚園利用者/全体)
(4)交通機関(F5)
イ 高齢者
利用する交通機関は、「自家用車」が40.5%と最も多く、次いで「徒歩・自転車」30.0%、「バス」6.0%、「電車」3.0%、「タクシー」1.2%となっている。「外出しない」方も2.1%いる(図表3-1-5)。
ロ 保育所・幼稚園利用者
利用する交通機関は、「自家用車」が61.6%と最も多く、次いで「徒歩・自転車」19.2%、「電車」12.9%、「バス」0.9%となっている(図表3-1-5)。
図表3-1-5 交通機関(高齢者、保育所・幼稚園利用者/全体)
(5)交通機関の利用目的(F6)
イ 高齢者
交通機関の利用目的は、「買物」が66.4%と最も多く、次いで「余暇活動や趣味活動」57.7%、「通院」41.4%、「通勤」6.6%となっている(図表3-1-6)。
ロ 保育所・幼稚園利用者
交通機関の利用目的は、「通勤」が69.2%と最も多く、次いで「買物」66.1%、「余暇活動や趣味活動」31.3%、「通院」19.6%、「通学」10.3%となっている(図表3-1-6)。
図表3-1-6 交通機関の利用目的(高齢者、保育所・幼稚園利用者/全体・複数回答)
(6)家族構成(F7)
イ 高齢者
家族構成は、「夫婦のみ」が47.1%と最も多く、次いで「二世代同居」25.5%、「三世代同居」14.7%、「一人暮らし」8.7%である(図表3-1-7)。
ロ 保育所・幼稚園利用者
家族構成は、「二世代同居」が71.4%と最も多く、次いで「三世代同居」21.0%、「夫婦のみ」2.7%である(図表3-1-7)。
図表3-1-7 家族構成(高齢者、保育所・幼稚園利用者/全体)
(7)健康状態と末子の年齢(F8)
a 健康状態
イ 高齢者
健康の状態については、「なんの問題もない」が44.1%、「なんらかの障害がある」は51.7%と「なんらかの障害がある」が7.6ポイント上回っている(図表3-1-8-a)。
図表3-1-8-a 健康の状態(高齢者・全体)
b 末子の年齢(F8)
イ 保育所・幼稚園利用者
末子の年齢については、「3歳」18.3%が最も多く、「1歳」17.4%、「5歳」17.0%と続いている。最も少ないのは「0歳」6.7%である(図表3-1-8-b)。
図表3-1-8-b 末子の年齢(保育所・幼稚園利用者・全体)
2 建築物のバリアフリー化の状況
(1)役所、救急・消防、警察・交番を利用して困ったこと(問1)
a 高齢者
困ったこととしては、「利用できるサービスを調べたり問い合わせるとき」と「手続きや申込みをするとき」が12.6%で最も多く、次いで「連絡先や場所を探すとき」が8.7%、「連絡したり通報したりするとき」6.9%となっている。「困ったことはとくにない」は43.8%、「利用しなかった」は24.3%である(図表3-2-1高齢者・全体)。
圏域別にみると、「困ったことはとくにない」は関東が53.8%で、関西を14.2ポイント上回っており、関西は困ったことの指摘が全般的に多い。困ったことのうち関東と関西で比率に差があるものとして、「連絡先や場所を探すとき」(関東1.0%、関西12.9%)が挙げられる(図表3-2-1高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、困ったことの指摘は小都市が最も多く、次いで大都市等、過疎地域の順となっている。過疎地域は特に「利用しなかった」が多く、困ったことの指摘が少ないことが目立っている(図表3-2-1高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
困ったこととしては「あなたへの対応やコミュニケーション」が18.3%で最も多く、次いで「手続きや申込みをするとき」が14.3%、「利用できるサービスを調べたり問合わせ」が12.1%となっている。「困ったことはとくにない」は40.6%、「利用しなかった」は17.0%である。(図表3-2-1保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関西では前記の高齢者でも取り上げた「連絡先や場所を探すとき」が13.4%で関東を6.9ポイント上回っており、困ったことの3位に入っている(図表3-2-1保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等で「困ったことはとくにない」が19.0%と少なく、「あなたへの対応やコミュニケーション」が28.6%、「手続きや申込みをするとき」が23.8%であるなど困ったことの指摘が多いこと、過疎地域では「利用しなかった」が30.8%と多いことが目立っている(図表3-2-1保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 耳の遠い人への配慮。(高齢者、九州)
- 市役所でエレベーターの設備がない所がある。(高齢者、中部)
- 書類等をもらう時、平日仕事を早退か遅刻しないと受け取れない。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
図表3-2-1 役所、救急・消防、警察・交番を利用して困ったこと
(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(2)病院、診療所を利用して困ったこと(問2)
a 高齢者
困ったこととしては、「医師の治療説明時のコミュニケーション」が13.2%で最も多く、「受付や看護師の対応、コミュニケーション」が8.4%、「館内の施設や設備」が7.2%、「案内表示や呼び出し」が6.6%となっている、「困ったことはとくにない」は59.2%、「利用しなかった」は6.3%となっている(図表3-2-2高齢者・全体)。
圏域別にみると、「困ったことはとくにない」は関東(75.0%)が多く、関西(51.6%)を23.4ポイント上回っており、関西は困ったことの指摘が全般的に多い。困ったことの内容のうち関東と関西でかなり差があるものとしては、「医師の治療説明時のコミュニケーション」(関東8.7%、関西15.7%)、「館内の施設や設備」(関東1.9%、関西9.7%)が挙げられる(図表3-2-2高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、過疎地域で「困ったことはとくにない」が多く、困ったことの指摘が全般的に少ないこと、特に全都市規模で困ったことの1位である「医師の治療説明時のコミュニケーション」が大都市等20.0%、小都市15.1%に対し過疎地域4.9%と差があることが目立っている。また、過疎地域では困ったことの1位として、大都市等・小都市で順位が低い「病院や診療所を探すとき」と「病院や診療所に連絡するとき」が同率で挙げられている(図表3-2-2高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
困ったこととしては、「病院や診療所を探すとき」が21.9%と最も多く、次いで「受付や看護師の対応、コミュニケーション」が15.6%、「医師の治療説明時のコミュニケーション」が13.8%と続いており、「その他」も21.0%と多い。高齢者と比較して困ったことの指摘がかなり多いといえる。また、「困ったことはとくにない」は42.0%、「利用しなかった」は皆無である(図表3-2-2全体)。
圏域別にみると、関東と関西でかなり差がある項目として「医師の治療説明時のコミュニケーション」(関東18.0%、関西7.3%)が挙げられる。
都市規模別にみると、過疎地域で「困ったことはとくにない」が多く、困ったことの指摘が全般的に少ないことは高齢者と同様である。困ったことの1位である「病院や診療所を探すとき」は大都市等27.0%に対し過疎地域15.4%、困ったことの3位である「医師の治療説明時のコミュニケーション」は小都市16.7%に対し過疎地域3.8%となっている。
その他の意見
- 院内の案内標示が不十分。(高齢者、中部)
- 病院の場合、待ち時間が非常に長い。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 待ち時間が長すぎる。医者が少ない。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
- 時間外、休日等の小児科が近くの病院からなくなった。また、狭い待合室のため、(感染症の患者と)隔離されていてもあまり意味がなく、他の病気を貰わないか心配。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
図表3-2-2 病院、診療所を利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(3)図書館を利用して困ったこと(問3)
a 高齢者
利用しなかった」(51.1%)、「困ったことはとくにない」(27.9%)の2つ合わせて79.0%を占め、困ったことの指摘は少ない。困ったことでは「蔵書等を探すときや借りるとき」が6.9%で最も多く、「スタッフの対応とコミュニケーション」と「トイレを利用するとき」が3.3%で続いている(図表3-2-3高齢者・全体)。
圏域別にみると、「困ったことは特にない」は関東(39.4%)が多く、関西(23.0%)を17.4ポイント上回っており、関西は困ったことの指摘がわずかずつだが多い(図表3-2-3高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、小都市で「困ったことはとくにない」(34.1%)が多く、大都市等を9.1ポイント、過疎地域を15.8ポイント上回っている(図表3-2-3高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
「利用しなかった」(46.9%)、「困ったことはとくにない」(25.9%)の比率は高齢者より低いものの、この2つで72.8%を占め困ったことの指摘は少ない。困ったことでは「蔵書などを探すときや借りるとき」の11.6%が最も多く、次いで「スタッフの対応とコミュニケーション」5.4%となっている(図表3-2-3保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関東の「困ったことはとくにない」(34.5%)は関西を23.5ポイントも上回っており、「スタッフの対応とコミュニケーション」(7.9%)は関西の1.2%に対してかなり多いといえる。関西では「利用しなかった」が62.2%と非常に多く、困ったことの1位は「蔵書などを探すときや借りるとき」で11.0%となっている(図表3-2-3保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、過疎地域で「困ったことはとくにない」が19.2%と少なく、困ったこととして「その他」が11.5%と多いことが目立っている(図表3-2-3保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 本を探すのにわからない場所がある。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 乳児をつれていけるよう、ベビーベッドなどをつけてほしい。(保育園・幼稚園利用者、近畿)
- 子どもを連れて本を探しているとうるさいと言われた。(保育園・幼稚園利用者、中部)
図表3-2-3 図書館を利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(4)旅館、ホテルを利用して困ったこと(問4)
a 高齢者
困ったこととしては、「トイレや浴室を利用するとき」が9.9%で最も多く、次いで「店内の施設や設備」9.0%、「部屋を探したり予約するとき」7.5%、「従業員の対応・コミュニケーション」6.6%となっている。「困ったことはとくにない」は53.5%、「利用しなかった」は15.0%である。(図表3-2-4高齢者・全体)。
圏域別にみると、関西の「困ったことはとくにない」(46.5%)は、関東に比べて22.7ポイントも低く、困ったことの比率はほとんどの項目で関東より高くなっている(図表3-2-4高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、過疎地域は「困ったことはとくにない」や「利用しなかった」の比率は大都市等・小都市とほぼ同じだが、困ったことの指摘は大都市等・小都市よりかなり少ない(図表3-2-4高齢者・圏域)。
b 保育所・幼稚園利用者
「困ったことはとくにない」(45.5%)、「利用しなかった」(31.7%)が多いのは高齢者と同様であるが、「利用しなかった」は高齢者の2倍強になっている。困ったことの内容としては、「部屋を探したり予約するとき」が9.8%で最も多く、「トイレや浴室を利用するとき」7.1%、「店内の施設や設備」3.6%と続いている(図表3-2-4保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関東と関西で困ったことの1、2位が入れ替わっている。関東は「部屋を探したり予約するとき」が、関西は「トイレや浴室を利用するとき」がそれぞれ1位である(図表3-2-4保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、過疎地域では困ったこととして「トイレや浴室を利用するとき」と「清算や支払いをするとき」のみが挙げられている(図表3-2-4保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- トイレの段差があり、ドアが狭かった。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 大浴場に手すりが少ない。(高齢者、九州)
- 子どもの遊び場や子どもと一緒に入れる広いトイレがあったらと思う。歴史のある旅館・ホテルに広いトイレがない。ベビーベッドがない。(保育園・幼稚園利用者、九州)
- バリアフリーをもっと進めて欲しい。(保育園・幼稚園利用者、中部)
図表3-2-4 旅館、ホテルを利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(5)映画館、劇場、遊園地を利用して困ったこと(問5)
a 高齢者
困ったこととしては、「トイレを利用するとき」が9.6%で最も多く、「館内・園内の施設や設備」が3.9%、「利用しやすい施設などを探すとき」と「映画などの演目に字幕や手話などがつくもの、音声解説があるものを探すとき」が3.3%で続いている。「利用しなかった」は37.8%、「困ったことはとくにない」は35.4%となっている(図表3-2-5高齢者・全体)。
圏域別にみると、関西は「困ったことはとくにない」(31.3%)が関東を13.9ポイント下回っており、困ったことの比率が全て関東を上回っている(図表3-2-5高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、過疎地域は「利用しなかった」が54.9%と多く、困ったことの指摘が少なくなっている(図表3-2-5高齢者・都市規模別)。
b 保育所・幼稚園利用者
困ったこととしては「トイレを利用するとき」が19.6%で最も多く、次いで「利用しやすい施設などを探すとき」13.8%、「館内・園内の施設や設備」8.5%、「案内表示や場内アナウンス」が4.5%と続いている。「困ったことはとくにない」は43.8%、「利用しなかった」は13.8%である。(図表3-2-5保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関西は「困ったことはとくにない」(39.0%)が関東を7.8ポイント下回るものの、「利用しなかった」(19.5%)が多く、困ったことの比率はほとんどの項目で関東より低くなっている(図表3-2-5保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等の困ったことで最も多い「トイレを利用するとき」と、次いで多い「利用しやすい施設などを探すとき」の差が1.6ポイントと小さいことが目立っている(図表3-2-5保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 遊園地が広いのに、行き先案内が少なくて困る。(高齢者、九州)
- コンサートなど、子ども(3歳未満)が行けるものが無い。親がコンサートや映画に行きたいが、子どもを預ける所が無い。(保育園・幼稚園利用者、北海道・東北)
- ベビーカーで遊園地と水族館に行った時、階段が多くてつらかった。もう行く気がしない。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
図表3-2-5 映画館、劇場、遊園地を利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(6)スーパー、コンビニ、デパートを利用して困ったこと(問6)
a 高齢者
困ったことはとくにない」が46.5%で最も多いものの、困ったことの項目別の比率も非常に高い項目となっている。困ったこととしては「商品を探すとき」が33.9%で最も多く、次いで「トイレを利用するとき」12.3%、「店員の対応・コミュニケーション」9.0%、「店内の施設や設備」6.3%となっている(図表3-2-6高齢者・全体)。
圏域別にみると、関西は「困ったことはとくにない」41.9%が関東を16.8ポイントも下回っており、困ったことの指摘が非常に多くなっている(図表3-2-6高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等で「困ったことはとくにない」が63.3%と多いこと、小都市で「商品を探すとき」が41.3%と多いこと、また、過疎地域では他の項目に比べて困ったことの指摘が多いことが特徴となっている(図表3-2-6高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
「困ったことはとくにない」が45.5%で最も多いものの、困ったことの項目別の比率も非常に高い項目となっている。困ったこととしては「トイレを利用するとき」が最も多く26.8%で、次いで「商品を探すとき」25.9%、「店内の施設や設備」10.3%、「店員の対応・コミュニケーション」9.8%となっている(図表3-2-6保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関西は高齢者ほど顕著ではないが「困ったことはとくにない」が比較的少なく、困ったことの指摘が多い項目となっている(図表3-2-6保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、「困ったことはとくにない」の比率が大都市等で低く、過疎地域で高くなっており、高齢者と逆転している。また、過疎地域で他の項目に比べて困ったことの指摘が多いのは高齢者と同様の特徴である(図表3-2-6保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 時間表示が見当たらない。(高齢者、中部)
- コンビニ、ホームセンターでトイレのない所がある。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 子どもを乗せるカートが無い時。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
- 通路が狭くてすれ違い難い。(保育園・幼稚園利用者、中部)
図表3-2-6 スーパー、コンビニ、デパートを利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(7)公園、体育館を利用して困ったこと(問7)
a 高齢者
困ったこととしては、「利用できることについて調べたり問い合わせをするとき」が7.2%で最も多く、「園内・館内の施設や設備」が6.0%、「公園・体育館を探すとき」と「従業員の対応・コミュニケーション」が4.5%で続いている。「困ったことはとくにない」は45.0%、「利用しなかった」は25.5%である(図表3-2-7高齢者・全体)。
圏域別にみると、関西で「困ったことはとくにない」の比率が低く、困ったことの指摘が多いのは他の項目と同様である。また、関東は困ったこととして「園内・館内の施設や設備」が最も多く、次いで「利用できることについて調べたり問い合わせをするとき」で、順位が入れ替わっている(図表3-2-7高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、困ったことの指摘が、大都市等の場合は「利用できることについて調べたり問い合わせをするとき」と「園内・館内の施設や設備」に集中しているのに対し、小都市の場合多くの項目に分散していることが特徴的である(図表3-2-7高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
「困ったことはとくにない」が50.0%で最も多いことは高齢者と同様であるが、「利用しなかった」が8.5%と少なく、高齢者と大きく異なっている。困ったこととしては、「園内・館内の施設や設備」が17.4%で最も多く、「公園・体育館を探すとき」8.9%、「利用できることについて調べたり問い合わせをするとき」7.1%、「ほかの来場者との関係」4.0%と続いている(図表3-2-7保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関西は「困ったことはとくにない」が41.5%で関東を13.2ポイント下回っていること、「利用しなかった」が14.6%と多く、関東を9.6ポイント上回っていることが目立っている(図表3-2-7保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等で困ったことの1位の「園内・館内の施設や設備」の比率が28.6%と高く、小都市の14.4%や過疎地域の7.7%との差が大きいこと、過疎地域で「利用しなかった」が23.1%と多く、「困ったことはとくにない」の46.2%に次いで多いこと、過疎地域の困ったことの1位に「ほかの来場者との関係」が挙げられていることが特徴的である(図表3-2-7保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 障害者用のトイレ設置。(高齢者、北海道・東北)
- トイレにオムツ替え用シートが1つもなかった。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
- トイレが汚い。(保育園・幼稚園利用者、近畿)
- 公園のトイレが狭く、子どもと一緒に入るのが大変。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
図表3-2-7 公園、体育館を利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(8)レストラン、食堂を利用して困ったこと(問8)
a 高齢者
困ったことはとくにない」が60.1%でこれまでの項目で最も比率が高い。困ったこととしては、「メニューから注文するとき」が17.4%で最も多く、次いで「店員の対応・コミュニケーション」が11.7%、「トイレを利用するとき」が6.6%、「店内の施設や設備」が6.0%となっている(図表3-2-8高齢者・全体)。
圏域別にみると、これまでの項目と同様に関西で「困ったことはとくにない」が低く(関東とのポイント差13.0)、困ったことの指摘が多くなっている。困ったことの関東とのポイント差をみると、「メニューから注文するとき」は+7.3ポイント、「店員の対応・コミュニケーション」は+6.1ポイントとなっている(図表3-2-8高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、小都市で「困ったことはとくにない」の比率が55.9%で比較的低く、困ったことの指摘が多いこと、過疎地域で「困ったことはとくにない」が69.5%と高く、困ったことの指摘が少ないことが目立っている(図表3-2-8高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
困ったことはとくにない」は46.9%で高齢者に比べて13.2ポイント低く、困ったことの比率は全体的に高齢者より少し高くなっている。困ったことの順位は高齢者と異なり、「トイレを利用するとき」が19.6%で最も多く、次いで「店員の対応・コミュニケーション」が17.0%、「店内の施設や設備」16.5%、「ほかの客との関係」10.7%となっている(図表3-2-8保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関西はほかの項目と同様「困ったことはとくにない」が低いが、困ったことの指摘が関東に比べて分散していることが特徴となっている(図表3-2-8保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等で「困ったことはとくにない」が39.7%と比較的低いこと、各都市規模で困ったことの順位が違っていることが特徴的である。困ったことで最も多いのは大都市等で「トイレを利用するとき」と「店内の施設や設備」、小都市で「店員の対応・コミュニケーション」、過疎地域で「トイレを利用するとき」となっている(図表3-2-8保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 洋式トイレのないのが一番困る。(高齢者、中国・四国)
- 料理がわかりにくい。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 子ども用(特にベビー用)の転落防止ベルト付きイスがあればいいのにと思う。置いてある所もありとても助かるが、不便なところの方が圧倒的に多い。(保育園・幼稚園利用者、中国・四国)
- 禁煙席なのに、煙草の煙がくる。(保育園・幼稚園利用者、北海道・東北)
図表3-2-8 レストラン、食堂を利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
3 公共交通機関
(1)駅・鉄道を利用して困ったこと(問9)
a 高齢者
困ったこととしては「切符を買うとき」が最も多く24.9%で、「ホームへ行くとき」が15.0%、「トイレを利用するとき」が13.8%と続いている。「困ったことはとくにない」は34.2%、「利用しなかった」は12.3%となっている(図表3-3-1高齢者・全体)。
圏域別にみると、関東は「切符を買うとき」(29.8%)に困ったことの指摘がかなり集中しているが、関西は「切符を買うとき」「トイレを利用するとき」「ホームへ行くとき」などの比率が近く、指摘が分散している(図表3-3-1高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、各都市規模で困ったことの順位が異なること、過疎地域で「利用しなかった」が多いことが目立っている。大都市等と小都市の順位の違いとしては、大都市等の場合困ったことの3位が「案内表示やアナウンス」、4位が「トイレを利用するとき」で、小都市は困ったことの2位が「トイレを利用するとき」、3位が「列車を乗り降りするとき」であることなどが挙げられる(図表3-3-1高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
「困ったことはとくにない」が29.0%で最も多く、「利用しなかった」が21.9%で続いており、高齢者に比べて困ったことの指摘は少ない。困ったことで最も多いのは「トイレを利用するとき」17.9%で、次いで「ホームへ行くとき」17.4%、「列車を乗り降りするとき」14.3%と続いている(図表3-3-1保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関東と関西で困ったことの順位が異なり、関東は「ホームへ行くとき」「トイレを利用するとき」「列車を乗り降りするとき」の順、関西は「トイレを利用するとき」が最も多く「ホームへ行くとき」と「列車を乗り降りするとき」が同率となっている(図表3-3-1保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等の場合「利用しなかった」が1.6%で、小都市、過疎地域との差が大きく、また、30%を超える人が「ホームへ行くとき」と「トイレを利用するとき」を困ったこととして指摘している。過疎地域は、利用者が少ないものの困ったことの指摘は多く、困ったことの1位である「トイレを利用するとき」(23.1%)は小都市の1位(10.6%)を大きく上回っている(図表3-3-1保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 乗り継いで行く時、アナウンスがあるがはっきりしない。(高齢者、近畿)
- 下りのエスカレーターがないのが不便。(高齢者、近畿)
- 改札が狭くて幅の広いベビーカーが通れなかった。エレベーターもある駅とない駅がある。(保育園・幼稚園利用者、中部)
- エスカレーター、エレベーターがない。あっても出たい改札の反対にしかない等。(保育園・幼稚園利用者、近畿)
図表3-3-1 駅、鉄道を利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(2)バス、バス乗り場を利用して困ったこと(問10)
a 高齢者
困ったことで最も多いのは「バス停に行くとき、バス停を探すとき」で14.7%、次いで「運賃を払うとき」13.5%、「乗り降りするとき」と「バス乗り場や車内の案内表示板」が11.4%となっている。「困ったことはとくにない」は36.9%、「利用しなかった」は24.9%である(図表3-3-2高齢者・全体)。
圏域別にみると、関西は「困ったことはとくにない」が低く(関東に比べて-17.2ポイント)、困ったことの指摘がほとんどの項目で関東より多くなっている(図表3-3-2高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等の場合「利用しなかった」が3.3%と非常に低く、小都市、過疎地域との差が大きい。過疎地域は困ったことで最も多いのが「乗り降りするとき」で7.3%、次いで「バス乗り場や車内の設備」が6.1%となっている(図表3-3-2高齢者・都市規模)
b 保育所・幼稚園利用者
困ったことで最も多いのは「乗り降りするとき」8.5%で、次いで「運賃を払うとき」7.6%、「バス停に行くとき、バス停を探すとき」6.3%、「乗務員の対応・コミュニケーション」5.8%と続いている。「利用しなかった」は45.5%、「困ったことはとくにない」は27.2%となっている。(図表3-3-2保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみても、特に目立った違いはない(図表3-3-2保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等の「利用しなかった」は17.5%で、小都市、過疎地域と差が大きい。大都市等の困ったことの順位は、「乗り降りするとき」「乗務員の対応・コミュニケーション」「バス停に行くとき、バス停を探すとき」となっている(図表3-3-2保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 運賃表をもっと大きく書いてほしい。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 乗り降りの段差が高すぎて、自分の体をあげられない。(高齢者、九州)
- 立っている時にバスの起動、停車が荒い。(保育園・幼稚園利用者、中部)
図表3-3-2 バス、バス乗り場を利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(3)空港・飛行機を利用して困ったこと(問11)
a 高齢者
困ったこととしては「空港まで行くとき」が最も多く10.5%で、次いで「空港内や機内の案内表示やアナウンス」が6.6%、「飛行機に乗り降りするとき」が6.0%となっている。他に「利用しなかった」が56.8%、「困ったことはとくにない」が20.7%である(図表3-3-3高齢者・全体)。
圏域別にみると、関西で「困ったことはとくにない」が少なく、困ったことの指摘が多いこと、関西の「空港まで行くとき」が12.9%と多いことが目立っている(図表3-3-3高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、小都市と過疎地域で困ったことの1位が「空港まで行くとき」であるのに対し、大都市等は「空港内や機内の案内表示やアナウンス」と「飛行機に乗り降りするとき」であることが特徴的である(図表3-3-3高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
「利用しなかった」が74.1%で圧倒的に多く、次いで「困ったことはとくにない」が12.9%となっている。困ったこととしては「空港まで行くとき」が5.4%で最も多く、「空港内や機内の設備」が2.7%、「ほかの乗客との関係」が1.8%と続いている(図表3-3-3保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、高齢者とは逆に関西の「空港まで行くとき」の指摘が1.2%と少ないことが目立っている(図表3-3-3保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、これも高齢者と異なり、大都市等の「空港まで行くとき」が14.3%と比較的多いのが目立っている(図表3-3-3保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- ゲートから搭乗までの通路が分かり難かった。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 乗る時は子どもがいると優先なのに、降りる時はそのサービスが無い事。込み合うと危険である。(保育園・幼稚園利用者、北海道・東北)
図表3-3-3 空港、飛行機を利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
4 まちづくり
(1)歩道を歩いていて困ったこと(問12)
a 高齢者
「歩道の障害物」が49.8%で最も多く、次いで「歩道の段差」44.4%、「歩道や道路が工事中のとき」33.0%、「歩道橋」17.1%、「歩道から車道の間の移動」16.2%と続いている。「困ったことはとくにない」は24.9%である(図表3-4-1高齢者・全体)。
圏域別にみると、関東と関西で順位が異なっており、さらに関西の方が困ったことを指摘する比率が高い。1位から4位をみると、関東は「歩道の段差」「歩道の障害物」「歩道や道路が工事中のとき」「歩道橋」で、関西は「歩道の障害物」「歩道の段差」「歩道や道路が工事中のとき」「歩道橋」となっている(図表3-4-1高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、各都市規模で指摘の比率や順位が異なっている。大都市等、小都市は「歩道の障害物」がともに最も多いが比率はそれぞれ76.7%と55.3%で21.4ポイントの差があり、過疎地域は「困ったことはとくにない」が最も多く47.6%で、困ったことで最も多いのは「歩道の段差」26.8%となっている(図表3-4-1高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
「歩道の障害物」50.4%、「歩道の段差」49.6%、「歩道や道路が工事中のとき」44.2%の3つが、ほかを引き離して高い項目になっている。「困ったことはとくにない」は16.5%である(図表3-4-1保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関東と関西で比率は大差ないものの順位が異なっている。関東の1から3位は「歩道の段差」「歩道の障害物」「歩道や道路が工事中のとき」で、関西は「歩道の障害物」「歩道の段差」「歩道や道路が工事中のとき」となっている(図表3-4-1保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、各都市規模で指摘の比率や順位がかなり異なっている。大都市等で最も多いのは「歩道の障害物」で74.6%、小都市では「歩道の段差」で50.8%、過疎地域は「困ったことはとくにない」が最も多く38.5%で、困ったことで最も多いのは「歩道の段差」30.8%となっている(図表3-4-1保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 歩道を走る自転車にいつも危険を感じる。(高齢者、北海道・東北)
- 国道以外は歩道が細く、歩道に危険個所が多い。(高齢者、中部)
- 歩きタバコをしている人が多い。(保育園・幼稚園利用者、近畿)
- 横断出来る時間が短すぎて子どもがいる時怖かった。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
- 歩くのや、ベビーカーを押して歩くのに道が狭すぎる。段差が多すぎる。(保育園・幼稚園利用者、北海道・東北)
図表3-4-1 歩道を歩いていて困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
5 情報利用や各種製品
(1)テレビを見ていて困ったこと(問13)
a 高齢者
困ったこととしては、「音や声が聞きづらい」と「番組につけられた字幕がわかりにくい」が13.5%で最も多く、「画面だけで知らされる情報や、外国の翻訳字幕が読み上げられない」が12.9%、「テレビ本体やリモコンなどを操作しづらい」が12.6%と続いている。「困ったことはとくにない」は47.1%である(図表3-5-1高齢者・全体)。
圏域別にみると、関西は「困ったことはとくにない」が関東より9.1ポイント低く、困ったことを指摘する比率が高い。また、関東と関西では困ったことの順位が異なり、関東は「画面だけで知らされる情報や、外国の翻訳字幕が読み上げられない」、関西は「テレビ本体やリモコンなどを操作しづらい」が最も多い(図表3-5-1高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、小都市で「困ったことはとくにない」が少なく、困ったことの指摘が多いのが目立っている。また、各都市規模で困ったことの順位が異なり、大都市等で最も多いのは「テレビ本体やリモコンなどを操作しづらい」13.3%、小都市では「音や声が聞きづらい」17.9%、過疎地域では「画面だけで知らされる情報や、外国の翻訳字幕が読み上げられない」12.2%となっている(図表3-5-1高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
困ったこととしては、「音や声が聞きづらい」が最も多く5.4%、「画面だけで知らされる情報や、外国の翻訳字幕が読み上げられない」と「テレビ本体やリモコンなどを操作しづらい」が4.5%で続いている。「困ったことはとくにない」は74.6%となっている(図表3-5-1保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関東と関西で困ったことの順位が異なり、関東は「音や声が聞きづらい」「内容が難しい・分かりにくい」「テレビ本体やリモコンなどを操作しづらい」の順、関西は「画面だけで知らされる情報や、外国の翻訳字幕が読み上げられない」「テレビ本体やリモコンなどを操作しづらい」「音や声が聞きづらい」の順となっている(図表3-5-1保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、これも各都市規模で困ったことの順位が異なり、大都市等で最も多いのは「画面だけで知らされる情報や、外国の翻訳字幕が読み上げられない」、小都市では「音や声が聞きづらい」、過疎地域では「音や声が聞きづらい」「テレビ本体やリモコンなどを操作しづらい」を含む4項目が同率となっている(図表3-5-1保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 「デジタル」「ハイビジョン」など、日本語で解説して欲しい。(高齢者、九州)
- 字幕が早く消え過ぎて、読みきれない。(高齢者、北海道・東北)
- CMで突然音量が上がり、子どもが起きてしまう事がある。(保育園・幼稚園利用者、中国・四国)
図表3-5-1 テレビを見ていて困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(2)新聞、雑誌を読んでいて困ったこと(問14)
a 高齢者
困ったこととしては、「字が見にくい、またデザインが見にくい」が18.3%で最も多く、次いで「内容が難しい、分かりにくい」10.2%、「イラストや解説が少ない」9.9%、「点訳や音訳などのサービスが利用しにくい」1.5%の順となっている。「困ったことはとくにない」は55.9%となっている(図表3-5-2高齢者・全体)。
圏域別にみると、「困ったことはとくにない」は関西が53.0%で関東より12.4ポイント下回っており、困ったことの比率が多くなっている。困ったことの1位は関東、関西ともに「字が見にくい、またデザインが見にくい」で、関東は13.5%、関西は20.3%である(図表3-5-2高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、「困ったことはとくにない」の比率は小都市が最も低く、困ったことの比率が高くなっている(図表3-5-2高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
困ったことで最も多いのは「内容が難しい、分かりにくい」8.0%で、次いで「イラストや解説が少ない」と「字が見にくい、またデザインが見にくい」が4.9%、「点訳や音訳などのサービスが利用しにくい」0.4%の順である。「困ったことはとくにない」は78.6%となっている(図表3-5-2保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみても、順位や比率に大きな違いはない(図表3-5-2保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、「困ったことはとくにない」の比率は大都市等が最も低く74.6%で、比率が最も高い過疎地域との差は10ポイントとなっている。大都市等は、困ったことの順位が全体と異なり、「字が見にくい、またデザインが見にくい」が7.9%で最も多く、次いで「内容が難しい、分かりにくい」となっている(図表3-5-2保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 外国語の言葉が多く、用語解説が必要。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 字を大きくして欲しい。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 雑誌によってはCM広告が多過ぎる。(保育園・幼稚園利用者、近畿)
図表3-5-2 新聞、雑誌を読んでいて困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(3)インターネットを利用して困ったこと(問15)
a 高齢者
「利用しなかった」が68.5%で最も多く、困ったことの比率は全て10%未満である。困ったことで最も多いのは「キーボードや周辺機器、ソフトウエアが操作しづらい」と「使い方を教えてくれる人が身近にいない」で共に9.0%、次いで「書かれている内容が難しい、分かりにくい」と「困ったことはとくにない」が共に7.8%で続いている(図表3-5-3高齢者・全体)
圏域別にみると、関東と関西で困ったことの順位が異なっている。関東は「キーボードや周辺機器、ソフトウエアが操作しづらい」「使い方を教えてくれる人が身近にいない」「書かれている内容が難しい、分かりにくい」の順、関西は「使い方を教えてくれる人が身近にいない」「キーボードや周辺機器、ソフトウエアが操作しづらい」「書かれている内容が難しい、分かりにくい」の順となっている(図表3-5-3高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等で「困ったことはとくにない」が低く、困ったことの指摘が多くなっている。大都市等の困ったことで最も多いのは「キーボードや周辺機器、ソフトウエアが操作しづらい」と「使い方を教えてくれる人が身近にいない」でともに15.0%であり、小都市より6~7ポイント高い(図表3-5-3高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
高齢者とは全く異なる順位、比率となっている。困ったこととしては「機器や通信にかかる費用が高い」が最も多く25.9%、「使い方を教えてくれる人が身近にいない」16.5%、「キーボードや周辺機器、ソフトウエアが操作しづらい」5.8%と続いている。「困ったことはとくにない」と「利用しなかった」は同率で28.6%となっている。(図表3-5-3保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関西で「困ったことはとくにない」が低く、困ったことの指摘が多くなっている。関西の困ったことの1位は「機器や通信にかかる費用が高い」30.5%で、関東より6.8ポイント高い(図表3-5-3保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、各都市規模で「利用しなかった」の比率にかなり差があり、大都市等が最も低く9.5%、過疎地域が最も高く50.0%で、特徴的な部分となっている(図表3-5-3保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 高齢者用にパソコンの取扱いを教えて欲しい。(高齢者、中部)
- 迷惑メールがたくさん届く。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
図表3-5-3 インターネットを利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(4)電話または携帯電話を利用して困ったこと(問16)
a 高齢者
困ったこととしては、「端末の操作が難しい」が最も多く21.3%で、「相手の声が聞きづらい、分からない」15.9%、「使い方を教えてくれる人が身近にいない」13.2%、「画面や文字が見づらい」9.0%と続いている。「困ったことはとくにない」は42.0%である(図表3-5-4高齢者・全体)。
圏域別にみると、関西では「困ったことはとくにない」が低く、関東と8.5ポイントの差がある。他に関東と関西で比率に差のある項目として「画面や文字が見づらい」(関東4.8%、関西10.6%)が挙げられる(図表3-5-4高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、全都市規模で「端末の操作が難しい」が困ったことの1位であるが、2位以下の項目がそれぞれ異なっている。2位をみると大都市等と過疎地域で「使い方を教えてくれる人が身近にいない」、小都市は「相手の声が聞きづらい、分からない」となっている(図表3-5-4高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
困ったこととしては「相手の声が聞きづらい、分からない」が最も多く18.3%で、次いで「端末の操作が難しい」15.2%、「発信音が聞きづらい、または着信したことが分かりづらい」8.9%、「使い方を教えてくれる人が身近にいない」3.6%と続いている。「困ったことはとくにない」は53.1%となっている(図表3-5-4保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関東と関西で困ったことの順位はほぼ同じであるが、関西の方が困ったことの1、2位の比率が5~6ポイント高くなっている(図表3-5-4保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等と小都市で困ったことの順位はほぼ同じであるが、大都市等の方が困ったことの1、2位の比率が5~10ポイント高くなっている。過疎地域では、「使い方を教えてくれる人が身近にいない」と「画面や文字が見づらい」の比率が大都市等及び小都市と比べて少し高くなっている(図表3-5-4保育所幼稚園・都市規模)
その他の意見
- 外に出た時、公衆電話が少ないこと。(高齢者、近畿)
- 機能の操作を十分利用できない。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 電波が悪い。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
- 利用料が高い。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
図表3-5-4 電話または携帯電話を利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
(5)身の回りの日用品を使用して困ったこと(問17)
a 高齢者
困ったこととしては、「破棄する時に困った」が21.0%で最も多く、次いで「取り扱い説明書が読めなかった、分かりづらかった」18.3%、「購入するとき、商品情報が十分に得られなかった」14.4%、「商品表示が分からなかった、分かりづらかった」12.6%、「包装容器の開け・閉めで困った」10.8%と続いている。「困ったことはとくにない」は41.4%となっている。(図表3-5-5高齢者・全体)。
圏域別にみると、「困ったことはとくにない」はほかの項目と同様に関西が低く、関東と7.5ポイントの差がある。困ったことの順位も少し異なり、関西で困ったことの3位の「購入するとき、商品情報が十分に得られなかった」(17.5%)は、関東では5位で比率も8.8ポイント下回っている(図表3-5-5高齢者・圏域)。
都市規模別にみると、大都市等で「取り扱い説明書が読めなかった、分かりづらかった」が困ったことの1位に挙げられ、比率も31.7%と高いこと、過疎地域では「困ったことはとくにない」の比率が54.9%と高く、困ったことの指摘が少ないといった違いがある(図表3-5-5高齢者・都市規模)。
b 保育所・幼稚園利用者
困ったこととしては、「破棄するときに困った」が最も多く41.1%で、2位以下を大きく引き離している。困ったことの2位は「購入するとき、商品情報が十分に得られなかった」と「収納・保管する時に困った」で18.3%、次いで「取り扱い説明書が読めなかった、分かりづらかった」12.1%、「包装容器の開け・閉めで困った」11.2%の順となっている。「困ったことはとくにない」は31.3%である(図表3-5-5保育所幼稚園・全体)。
圏域別にみると、関東の方が「破棄するときに困った」に指摘が集中しており、関西は困ったことの指摘が分散している(図表3-5-5保育所幼稚園・圏域)。
都市規模別にみると、「破棄するときに困った」が小都市で多いこと、大都市等で「収納保管するときに困った」が困ったことの2位に入っていること、過疎地域では「困ったことはとくにない」が最も多いといった違いがでている(図表3-5-5保育所幼稚園・都市規模)。
その他の意見
- 現在、日用品について商品の説明書きは理解できますが、高齢者用に大きな字で分かりやすい説明書きがあると便利だと思う。(高齢者、関東甲信越北陸)
- 包装が必要以上。(保育園・幼稚園利用者、近畿)
- 電気ファンヒーター、ガスレンジのスイッチが、子どものアンパンマンのスイッチ5種類のおもちゃに似ている。私の目が離れた時にガスレンジなどのスイッチを押さなければいいなと思う。(保育園・幼稚園利用者、九州)
図表3-5-5 身の回りの日用品を利用して困ったこと(高齢者、保育所・幼稚園利用者)
6 自由回答(問18)
自由回答の中から主な意見を抜粋し、テーマ別に掲載します。
建築物について
- 今住んでいるマンションは10年前に建てられたものです。バリアフリーという言葉はその頃出つつあったと思いますが、共用部段差、正面玄関のインターホンの高さ、鍵の位置などはもし自分が車椅子になったら困るだろうと感じるものです。修繕するにはマンションの管理組合での承認が必要ですが、金額によっては難しいかと思います。こういった団体へのバリアフリーへの助成金も考えて欲しいと思います。(保育園・幼稚園利用者、北海道・東北)
- スーパーのトイレにベビーベッドやそれに相当するものがついていない所が多いので、月齢の低い赤ちゃんのオムツ替えは苦労した。またスーパーは2階建てで、階段しかない所もあり、ベビーカーと買物袋を持って階段を昇り降りするのは大変だった。逆にデパートはオムツ替え台や授乳室が整備されていて(お湯が出るのは助かる。ミルクを作れるので)、子どもが生まれてからよく利用するようになった。トイレも個室が広く、子どもを座らせる椅子がついていて落ちついて用が足せる。駅やスーパー、レストランはデパートを手本にして欲しい。(保育園・幼稚園利用者、東海)
- 公共機関・準公共機関・公園・遊園地などの施設に障害者用のトイレ設置を義務付けるようにしてほしい。(高齢者、北海道・東北)
- 行政が管理する建物などは比較的よく整備されつつあるが、自治会単位の公民館や集会所などは、まだ高齢者には使いづらく不親切な箇所が多い。(高齢者、関東甲信越北陸)
公共交通機関について
- エレベーター・エスカレーターの設置に関して、かなり不充分な所があるのではないか。高齢者がホームへ移動するのに困っている場面に出会うことが多い。(高齢者、中部)
- バリアフリーを進めていく中で、今ある施設を改造するあまり、無理な構造となっている。特に地下鉄のコンコースからホームに下りるのにエレベーターを作ったため、ホーム幅が狭くなり、歩行が困難になった駅がある。コンコースからホームへ下りる階段が狭いし、改札からも遠くなった。バリアフリーも行き過ぎると通常使用している人の危険となり得る。もっと考えるべきである。とにかく設置すれば良いとの考えは良くない。(保育園・幼稚園利用者、中部)
- 一人歩きに自信が無いのでタクシーを使います。押し車で行きたいのですが、バスの乗降の段差が高いので、押し車を持ってあがれません。段差が低くなればバスを利用できるのにと思っております。(高齢者、九州)
まちづくりについて
- 点字ブロックの上に自転車を平気で置いて行かれる人を時々見ることがありますが、厳重に管理できないでしょうか。せっかくの設備が生かされず、障害を持った方を不安にします。事故が起こらない様に考えて欲しいです。(高齢者、中部)
- 点字ブロックなどの必要性は分かりますが、道幅が狭い場合、ベビーカーでの移動の際どうしても上を通る事になりガタガタしてしまいます。また歩道橋はベビーカーでは無理です。歩道橋脇の道幅が狭く、すれ違う事が出来ないため、ベビーカーでゆっくりしていると危なく、普通に歩いていても怖いです。(保育園・幼稚園利用者、中国・四国)
- 歩道の幅が狭い。商店の看板・商品が道路を狭めている。自転車道路を別に作ってもらいたい。(高齢者、東海)
- 初めて手押し車で外出した時、歩道の悪さにびっくりしました。(高齢者、中部)
- 村落の道路において整備が不十分。大きい道より狭い道にも目を向けて整備して欲しい。水たまり、デコボコ段差など。(高齢者、関東甲信越北陸)
情報利用・製品について
- 経営の合理化や静かな環境づくりとバリアフリー化とは両立しない面があるかもしれませんが、老人の立場から特に次の点について考慮をお願いします。a最近、駅や社内でのアナウンスが少なくなっています。これは、老人や目の不自由な人にとっては非常に不便で危険をともなうので再考してください。bホームセンターや書店で商品や本を高い棚に載せている店があり、背の低い老人には手が届きません。店員の数も少ないので呼んでも来ません。cレストランはメニューの字が小さいし、外国語で書かれている店もあり読めません。料理の写真が載
- 最近は常に横文字が多くて理解しづらい。出来れば横文字の下に日本語で書いて欲しい。我々は日本人で日本国で暮していると言いたいです。バリアフリーなども感じで大体の意味はわかるが、正確には説明できません。(高齢者、中部)
その他、心のバリアフリーについてなど
- 弱者(障害、子ども、高齢者)に対応したものが、基準(普通)になるように世の中が変化して欲しいと強く思います。特に、教育によって伝わるようにして欲しい。また教育のバリアフリー化を進めてもらいたい(障害、保育所と幼稚園を統合、小中学校通しての教育等)。(保育園・幼稚園利用者、北海道・東北)
- 最も大切なのは人の心。階段で四苦八苦しながらヨロヨロとベビーカーを持って昇り降りしていると、手伝ってくれる方がたまにいて本当に有難い。自分も子どもの手が離れたら、サッと手伝えるような人になりたい。学校でそういう教育もして欲しい。(保育園・幼稚園利用者、中部)
- 電車の優先席に普通の人が座るのはいいのですが、お年寄りや小さな子を連れた人が乗ってきても譲る人が少ないので、モラルの向上をしていただきたいと思います。(保育園・幼稚園利用者、関東甲信越北陸)
- 健常者だけの物の見方では実際に利用される人の事はわかりづらいので、利用される方の意見を聞きながら、使いやすくされるといいと思います。(保育園・幼稚園利用者、近畿)
参考
- 問1~問17の各問で困ったことがある人を「利用して困ったことがある」とし、その他の選択肢とともにグラフ化したものが下図である。
- 高齢者、保育所・幼稚園利用者いずれも「歩道」と「身の回りの日用品」で困ったという回答が多くなっている。また、高齢者は「駅、鉄道」、「テレビ」、「スーパー、コンビニ、デパート」等で、保育所・幼稚園利用者は「病院、診療所」、「スーパー、コンビニ、デパート」、「レストラン、食堂」で困った人が多い。