事後活動とは?

内閣府青年国際交流事業の参加者たちは、帰国後も事業に参加して得た経験をいかして、それぞれの地域、職域、学校又は青少年団体等において、国際交流活動や青少年活動等を行っています。こうした事業参加後にも継続して行う、社会に携わる活動のことを「事後活動」と呼んでいます。
具体的な活動例などにつきましては 事後活動ニュース既参加青年の活躍状況をご覧ください。

事後活動組織

iyeoロゴ 各事業に参加した日本青年たちは、日本青年国際交流機構(IYEO)を組織し、海外で得た貴重な体験をいかし、地域社会、あるいは職域などにおいて社会貢献及び国際理解・協力等の促進のための諸活動を行っています。
sseaypロゴ
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 外国青年たちは、国ごとに事後活動組織(「東南アジア青年の船」事後活動組織及び「世界青年の船」事後活動組織など)を組織し、様々な社会貢献活動や日本とのつながりを維持する活動を行っています。

国内における活動

青少年国際交流事業事後活動推進大会

 内閣府、地方公共団体等の行う青少年国際交流事業の既参加青年が集まり、地域における事後活動の推進状況を報告するとともに、全国的な事後活動を更に充実させるための方策について積極的に意見交換を行い、また既参加青年相互の交流と研鑽を図り、今後の国際交流活動及び地域社会における諸活動の推進に貢献するとともに、国際交流活動を一般の方にも紹介していくことを目的として毎年1回持ち回りで行っています。

青少年国際交流を通して国際社会や地域社会への貢献を考えるつどい(ブロックイベント)

 全国8つのブロックのうち、青少年国際交流事業事後活動推進大会を実施するブロックを除く7つのブロックにおいて、事後活動に関する情報交換や地域・職域の特色をいかした事後活動に関する意見交換を行うことにより、地域における既参加青年等のネットワークを強化し、国際交流活動や青少年育成活動を活性化させることを目的として実施しています。

国際的な活動

「世界青年の船」事後活動組織国際大会(SWYAA Global Assembly)

 「世界青年の船」事業(SWY)に参加する各国の事後活動組織及び日本青年国際交流機構は、国際的ネットワークであるSWYAAインターナショナルを結成し、下船後のネットワークの強化及び社会貢献活動を活性化する目的で、毎年1回SWYAA国際大会を開催しています。

東南アジア青年の船-SSEAYP International General Assembly(SIGA)

 「東南アジア青年の船」事業(SSEAYP)に参加するASEAN各国の事後活動組織及び日本青年国際交流機構は、国際的ネットワークであるSSEAYPインターナショナルを結成し、各国事後活動組織がより効果的な社会貢献活動の実践を目指して研鑽を積み、意見交換を行うことを目的として毎年1回各国持ち回りで総会(SIGA)を開催しています。

日韓交流連絡会議

 日韓交流連絡会議は日韓両国の青年たちが、「日本・韓国青年親善交流」事業で得たきずなを再確認するとともに、培った経験と国際感覚をいかし、国と世代を超え、長い期間でネットワークを構築し、両国の事後活動について意見交換等を行い、具体的な実行計画を策定することを目的として開催しています。

既参加青年の活躍状況

 既参加青年の活躍状況の具体例を紹介します。

1 事業で得た「エンパワメント」の学びをきっかけに、株式会社を設立

 宇田 恭太さん(平成28年度シップ・フォー・ワールド・ユース・リーダーズ(現「世界青年の船」事業)参加)

 私が事業の中で最も学びを得たプログラムがグループディスカッションです。青年の船事業では、それぞれが関心あるテーマごとにグループに分かれ、ファシリテーターの助言の下、各国の参加青年とディスカッションを行います。私が所属したのは「ユースエンパワメント」のグループで、どのようにして若者に勇気を与えるか、どのようにして若者の心を開くかについて議論しました。

 このグループでは“We support you & trust you!”を合言葉に、メンバーがお互いを信頼し、サポートし合うことを心掛けていました。そうした環境の中で、私自身がメンバーやファシリテーターの方から多くの励ましや勇気をいただき、事業参加前は海外経験もなく全く英語に自信がなかった中、最終的にはステージに立って英語で発表ができるまでになりました。この体験を通じて、信頼できる仲間が応援してくれれば、どんな場所でも挑戦することが可能であるということを実感し、今度は自分が周りの人たちをエンパワメントできる人間になりたいと強く思いました。

 事業参加後は、起業を目指したいと考えるようになりました。その中で、良いビジネスアイディアを持っていても、失敗が怖いとか、資金が足りないとか、法律がよく分からないとか、あと一歩が踏み出せない人が多くいることを知りました。そこで、かつて事業で得た「ユースエンパワメント」での学びから、令和元年3月、起業に不安を持つ人を支援する会社「インキュベーションポートやまがた株式会社」を設立し、同社の代表に就任しました。
 現在は同社の代表を交代し、日本学術振興会の特別研究員を拝命しています。事業参加前は海外経験もなかった私が、専攻する理工学の分野において積極的に国際学会に参加し、発表する機会も増えました。

 自分がこのような挑戦ができたのも全てはこの「世界青年の船」事業に参加したからこそだと思っています。

2 事業参加で得られたネットワークを活用して国際交流イベントを開催

 久保 梓さん(平成23年度日本・韓国青年親善交流事業参加)

 大学で韓国語を学び、もっと韓国について学びたいと考えていた中、韓国青年と文化交流やディスカッション、ホームステイなど多様なプログラムがある日本・韓国青年親善交流事業を知り、旅行や語学研修とは異なる視点でから韓国を見ることができると思い、事業に参加しました。
 そして、事業参加によって、多くの経験と多くの出会いを得られ、自分の世界を広げることができました。そうしたことへの感謝から、韓国派遣終了後もこの事業に関わっていきたいと考えました。

 内閣府青年国際交流事業の大きな特徴として、事業ごとのOB団体や、事業を越えて事後活動を行う都道府県ごとのOB団体が組織されており、一会社員として過ごす中では出会うことのない、熱い思いを持った人たちとともに活動ができるということがあります。
 私も事業参加後、韓国派遣OB組織や埼玉県IYEOに参加しました、その活動の一例として、韓国派遣団OBを中心とした有志団体を設立し、平成27年7月に、IID 世田谷ものづくり学校にて韓国のポップカルチャーを通して日韓の理解を深めるイベント「日韓国交正常化50周年記念事業『ポップカルチャーから見る日韓新時代』」を開催することができました。このイベントでは、日韓文化を研究する教授によるキーノート、語学・ドラマ・音楽業界の日韓両国の有識者によるパネルディスカッション、ワークショップを実施し、その後の活動に対する大きな励みになりました。

 このように事業を通じて様々な人とともに活動することで日々大きな刺激を受けています。