平成29年 青年国際交流事業に関する検討会(第1回)議事要旨

  1. 日時:平成29年2月10日(金)14:00~16:00
  2. 場所:中央合同庁舎第8号館8階特別中会議室
  3. 出席者:
    (委員)牟田座長、池上委員、井上委員、ERIKO委員、竹尾委員、田中委員
    (内閣府)和田内閣府青年国際交流担当室長
    中村内閣府青年国際交流担当室参事官
    田中内閣府青年国際交流担当室参事官補佐
    越田内閣府青年国際交流担当室参事官補佐
    金児内閣府青年国際交流担当室参事官補佐
    吉田内閣府青年国際交流担当室参事官補佐
  4. 概要:
    • (1)開会
    • (2)和田内閣府青年国際交流担当室長 挨拶
      • 青年国際交流事業は、昭和34年以来1万9000人の青年を海外に派遣し、有意な人材育成に貢献。国事業の特色は、首脳との面会、各国政府が計画する視察先が挙げられる。
      • 長い歴史を持つ事業だが、外部からの指摘も踏まえ、不断の見直しを行ってきたところ。今後も、事業評価を適切に行っていただき改善点については速やかに反映させるべく、PDCAサイクルを適切に進めることが重要であると考えている。
      • 本検討会においては、青年国際交流事業の研修プログラムについて御議論いただくとともに、次世代グローバルリーダー事業、地域課題対応人材育成事業を中心として平成28年度の国際交流事業について具体的に検証していただきたい。
    • (3)事務局説明
      • 配布資料に基づき、平成29年度事業の概要及び実施済事業から見えた課題等について説明。
    • (4)意見交換(主な発言)
       (事業を通じて育成すべき青年像について)
      • 自らで目標を課し、それを実行に移す力を持つ青年。
      • 相手の気持ちを推量し、相談しながら問題を解決できる力を持つ青年。正論だけ言い続けて他者を寄せ付けない態度ではなく、周りの意見を聞いてまとめる力も重要。
      • 自分が活躍できる場を見つけ、自分で壁をぶち破っていける青年。
      • 自分事として物事をとらえ、当事者意識をもってやりきることができる青年。困難に窮しても、最後まで達成したいという強い気持ちを持つ青年。
      • 事業を通して経験したことを自分の中に落とし込める力を持った青年。
       (内閣府事業が行うべきカリキュラム)
      • ディスカッションのテーマに、「価値観」を取り入れた方がいいのではないか。例えば、人権に関する問題やお互いの能力等を認め合う公平性について考えさせると、より良い異文化理解となるのではないか。
      • スキルの構築等を目的とするならば今の事業期間で構わないが、人間関係の構築を目的とすると、現在の期間では達成できるか疑問に思う。
      • 自分で目的や動機を持てる青年は事業参加せずとも将来積極的に行動する可能性が高いのでは。目的意識が定まっていない青年にチャンスを与え、自分の能力に気づかせるプログラムがあってもいいのではないか。
      • すぐに生きるスキルではなく、将来困った時に思い出して役立つスキルが得られる機会が提供できればよいのではないか。また、難しい課題を抱えた人の目線に合わせてコミュニケーションを学ぶ機会も提供できればよいのではないか。
       (事業プログラムの在り方)
      • 青年それぞれに目標(短期、中長期、さらには具体的に)を課すことがよいのではないか。
      • 青年一人一人が活躍できる場を多数用意するのがよいのではないか。
      • 近年、様々な声を反映すべくプログラム改善を行ってきたことは理解。しかし、現状を改めて見ると、プログラムが詰め込まれすぎ。その為、青年が自分で考える時間が乏しくなっている。青年達は、何のために参加するのか分からなくなってしまっていないか。
      • テーマを絞るべき。事業実施にあたっては、青年に各プログラムの意味を理解した上で参加させる必要があるのではないか。
      • テーマ選定においては、一つの共有テーマを設定することや、行先国と関連するテーマを置くことを検討すべきではないか。
      • 現在のプログラムではあらゆる役割をこなすことを青年に求めているように思える。それでは平均的な青年しか生まれない。どういったタイプのリーダーを育てるのか明快にしたプログラムとすべきではないか。
      • 多様な国に行ってほしい。治安面等で訪問が困難な場合は、その国に行き現地の困難な課題を自ら経験した者を研修講師として招聘してもよいのではないか。
      • ホームステイは、その国の生活を実際に体験する現実的な学びの場。安全性はもちろん必要だが、質は問題でなく、与えられた場でどのように能動的に動くかが学び。ホストファミリーの対応に良し悪しはあると思うが、それが現実であり学びの場であることを事前の研修等でしっかりと理解させるべきではないか。
      • 青年育成の事業では、すぐに結果が出ず、結果の出方も多様。その為、事業の効果測定をどのようにするかは引き続きの課題ではないか。
      • 事業参加後すぐに、人が変わったように青年リーダーになるのは難しい。参加後の進路や地域での活動状況等を情報収集し、どのようなリーダーとして活躍しているかという中長期的なデータの蓄積が必要ではないか。
       (青年の募集・選考について)
      • 社会人の参加増は引き続き課題。多少の期間短縮では社会人参加は増えないと考える。今後は、雇用主へのアプローチが必要になるのでは。特に自前で研修をできない中堅企業の人材プログラムの一環として組み込んでもらってはどうか。
      • 外国青年には、オペラ歌手や医者、弁護士等の多様なバックグラウンドを持つ社会人がいる。日本青年にも、例えば、絵や写真等の芸術分野に秀でた青年等の様々な職業の青年を増やすことも検討してもよいのではないか。
      • 何かやってみたいという思いがつのり突破口を求めている、言い換えると現状に切羽詰まった感のある青年を選考していくべきではないか。
      • 相手の立場を知り、物事を解決できる青年を選考するには、グループディスカッションを課してはどうか。
      • 強い動機を持つ青年を見つけるには、とにかく青年に対して、「なぜ」と何度も理由を聞き続けることが重要。そこに青年の動機や好奇心が見え、本気かどうかが見極められるのではないか。
    • (5)閉会
以上