平成29年 青年国際交流事業に関する検討会(第3回)議事要旨
- 日時:平成29年3月24日(金)14:00~16:00
- 場所:中央合同庁舎第8号館8階特別中会議室
- 出席者:
牟田座長、池上委員、井上委員、ERIKO委員、竹尾委員、田中委員(内閣府)和田内閣府青年国際交流担当室長
中村内閣府青年国際交流担当室参事官
田中内閣府青年国際交流担当室参事官補佐
越田内閣府青年国際交流担当室参事官補佐
金児内閣府青年国際交流担当室参事官補佐
大部内閣府青年国際交流担当室参事官補佐
吉田内閣府青年国際交流担当室参事官補佐
- 概要:
- (1)開会
- (2)内閣府からの資料説明
- (3)意見交換
- 内閣府事業と私的旅行の違いの一つは、継続的な人的ネットワークを得られる点。事業参加することで、何が得られるのかより具体的に前面に出すべき。
- 非常にできる青年でも均質的な世界で育って成功体験ばかりすると、社会に出てから失敗したときに弱いところが出る。船事業のような閉鎖空間において、様々な背景を持つ人たちとぶつかり失敗することは重要。それを体験できるのが本事業の一番の狙いかと思う。
- 旅行会社から現在の旅行業界の需要状況を聞いたところ、体験や交流ができるスタディツアーが人気とのこと。あえてインターネットのない地に踏み入れることも人気の一つであり、船事業はまさにそれを体現している場。そのことを前面に打ち出すこともよいのでは。事業の募集をかけるときに、テーマを提示することも重要では。
- 多くの船に乗った青年は、自分がいかに能力がないかというのをしみじみと感じて船を下りるのだろうと思う。それが次の励みになると思う。
- 事業の意義の一つとして、日本を外から見ることの重要性がある。一方で、明治時代は外から学ぶ時期であったが、現在は日本社会の経験や課題を他国の人と共有する段階にきている。「明治期には」という具体例は良い点なので、この節目に今後の日本青年に求められること、青年交流の意義等をより具体的に打ち出すべき。
- グローバルなリーダーや地域のリーダー育成に加え、グローバルな知見をローカルに活用できるリーダーが求められていることから国際的・国内的の両面に通用するリーダーを育成することが重要。最終とりまとめでは、リーダー像についてより具体的な表現が入るとよい。
- リーダー人材を育成することは誰も疑わない。その人材が、内閣府事業を終えた時にどこまでのリーダーシップを発揮することができて、将来どこまでできるのかということを具体的な行動で書けるとよいのでは。
- 私の考えるリーダーは、いろいろな情報を引き出せる人、また、どんな人とでも様々なことを一緒にやれる能力を持っている人と考える。いわゆる教養や考える力を持っていると言えるが、それを要請するには、体験やいろんな場面にぶつかることが重要と思う。
- 最近の教育の世界では、体験格差が大きいと言われる。その為、結果的に高レベルの教育を受けるチャンスを逃していることがある。体験格差を是正できるアクティブラーニングを本事業で少し強く打ち出すべき。アクティブラーニングは年々高度化しているため、専門家に入っていただきプログラムの更なる改善ができないか。
- 事前研修などで、自分史のような自分を振り返り、また将来について継続的に自分を客観視する習慣を身につけることができるようなプログラムを組んでいただきたい。
- 今日、雇用の流動化の中で、グローバルに対応できる人材が求められている。想定していない事態に直面した時に、どう対応できるかが特に必要とされている。過去の経験では対応できない厳しい局面が入ったタフなプログラムを取り入れ、青年がそれを乗り越える成功体験を得られることが重要ではないか。そのようなプログラムであれば、より実践的な研修を求める企業は派遣してみようかと思うのではないか。
- リーダーシップのある人材を育てるには、青年の資質と環境要因があると考える。資質を持った人材を集めることは大前提として、このプログラムでは、環境の提供ができるのではないか。ある環境や出会いの機会を与えることで、自分がどうしてもやり遂げたいという当事者意識を持たせることが重要。
- 時代の流れで新聞・テレビからインターネットにニュースの情報源が変わるにつれて、若い人は、自分にとって心地よい情報しかとらなくなっているのではないか。自分で選択して得ている情報では、「日本は素晴らしい」と思っていたとしても、外から見た時に、それ以外の意見もある。そういった面からは、自分にとっても心地よくない指摘を受ける機会、弱みに気づく機会を持つことが重要。
- 強みを知るためには、同時に弱みも知る必要あり。物事を両面から見られる力は重要であり、現実を見る力につながる。また、周りから悪い点を指摘された場合には、逃げずにしっかりとディスカッションをして受け止める力が重要。
- 最近の若者は少しのことで心が折れる傾向があると聞く。人とのコミュニケーション方法、共感の方法等を伝えることで、打たれ強く、また打たれても立ち上がれる方法をプログラムに含めることができると良いのではないか。そのことで、企業の方にも、なかなかよいプログラムではないかと評価してもらえる。
- H28年度の「世界青年の船」事業参加者は3分の1ぐらいが社会人と聞く。社会人が少ないと議論が以前からあったが、この程度の割合になり良い傾向だと思う。今後も社会人参加を増やすには、研修の一環にするなど勤め先の了解を得られるようにすべき。その為には、過去の派遣元から、派遣許可を出した背景、派遣成果等の具体的実態のヒアリング調査を実施してはどうか。
- 内閣府事業パンフレットは、事業参加後のイメージが想像しにくいのでは。参加後にどういう未来・可能性が待っているかというのが想像できる内容が書かれていると、社会人も一歩踏み出して参加してみようと思うのではないか。写真や文章において未来を提示できるような工夫が必要では。
- 長期的視野で考え、目的を明確化することが重要。例えば、企業派遣を目的にするのであれば、企業にとってメリットが見えるようにする必要ある。今までは個人向けに事業を紹介していたと思うが、ターゲットが変わると紹介の方法も変わってくる。
- 学生時代から様々な経験をしており本来意識が高いが、現在の仕事ではなかなか自己実現ができていない青年がいる。その青年は事業のターゲットとしやすいのではないか。
- 難しいかもしれないが、特色重視のような形で、募集青年の狙いを定めて募集広報や選考をすべきではないか。
- 各カリキュラムでどのようなことが得られるか、ステークホルダーや社会に対して発信できるよう可視化すべき。
- 事業終了後のフォローアップも大切。事後活動や、既参加青年がどのように変わりキャリアパスに活かしたなどといった情報を収集すれば、長期的に見たときに非常に貴重なデータにもなり、強みとしていうことができる。
- 事後活動ではネットワークを活かして色んな貢献事業を行っている。同窓会組織で把握している活動について、その特色、強み、弱みなどをある程度精査して書くとインパクトがあるのではないか。
- 事業評価をするには、主観的になるが、自己評価の結果をメインに使う必要あり。一方で、教育アセスメントという技法についても、事業に合ったようなものを組み合わせて取り入れることも必要ではないか。
- 閉会
以上