平成7年に制定された「科学技術基本法」により、政府は「科学技術基本計画」(以下基本計画という。)を策定し、長期的視野に立って体系的かつ一貫した科学技術政策を実行することとなりました。これまで、第1期(平成8〜12年度)、第2期(平成13〜17年度)、第3期(平成18〜22年度)の基本計画を策定し、これらに沿って科学技術政策を推進してきました。そして、平成23年8月19日、平成23〜27年度の第4期基本計画が閣議決定され、新たな計画がスタートしました。総合科学技術会議は、この基本計画の策定と実行に責任を有しています。
総合科学技術会議は、内閣総理大臣からの諮問を受け、第4期基本計画の策定に向けて検討を行ってきました。そして、検討の結果を「科学技術に関する基本政策について」として取りまとめ、平成22年12月に答申を行いました。その後、政府によって、平成22年度中に第4期基本計画が策定される予定でしたが、平成23年3月11日に起こった東日本大震災を受けて、総合科学技術会議において内容を見直すこととし、これを経て平成23年8月に策定されました。
世界は今、環境、エネルギー、食料、感染症など、地球規模の様々な問題に直面しています。さらに、東日本大震災は、我が国の未曾有の危機であるだけでなく、世界的な課題となっています。このような世界規模の多様な問題に対して、各国は協調、協力して取り組まなければなりません。我が国は、科学技術の先進国として、これらの問題に先駆けて対峙していきます。 こうした背景のもと、第4期基本計画では、以下の3つの基本方針と、5つの目指すべき国の姿を掲げています。これらの基本方針と目指すべき国の姿を第1章に、第2章〜第5章には、その実現に向けて達成すべき課題と推進方策を明示しています。
1.「科学技術とイノベーション政策」の一体的展開
我が国が取り組むべき課題をあらかじめ設定し、その達成に向けて、科学技術政策に加えて、成果の利活用に至るまでのイノベーション政策も幅広く対象に含め、これらを一体的に推進する。第3期基本計画における分野別の重点化から、課題達成型の重点化に転換する。
2.「人材とそれを支える組織の役割」の一層の重視
天然資源に乏しく、人口減少が見込まれる我が国において、科学技術イノベーション政策を強力に推進していくために、これを担う優れた人材の育成と、能力が十分に発揮できるような大学や公的研究機関の人材を支える組織的な支援機能の充実を強化する。
3.「社会とともに創り進める政策」の実現
国民の期待や社会的要請を的確に把握し、政策の企画立案、推進に生かすため、国民との対話や情報提供を一層進め、国民の理解と信頼と支持を得る。
1.震災から復興、再生を遂げ、将来にわたる持続的な成長と社会の発展を実現する国
2.安全かつ豊かで質の高い国民生活を実現する国
3.大規模自然災害など地球規模の問題解決に先導的に取り組む国
4.国家存立の基盤となる科学技術を保持する国
5.「知」の資産を創出し続け、科学技術を文化として育む国
総合科学技術会議は、関係府省と連携し、第4期基本計画に沿った政策の推進を促すとともに、その推進状況について、第4期基本計画に掲げた課題と照らしながら検証を行っていきます。また、得られた個々の成果を我が国が抱える課題の達成へ結びつけるための仕組みを整備していきます。これらを通じ、科学技術イノベーション政策全体のマネジメントを強化し、総合科学技術会議としての責任を果たしていきます。