開会挨拶「高齢社会フォーラム・イン東京」

嶋田 裕光
内閣府大臣官房少子高齢社会対策等企画調整室 室長

嶋田 裕光 内閣府大臣官房少子高齢社会対策等企画調整室 室長の写真

 内閣府で少子高齢担当をしております嶋田と申します。本日はこのような天候の中にも関わらず多数、このようにお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の、高齢社会フォーラムin東京の開会にあたりまして、主催者側の1人としまして、僭越ではございますけれども、一言御挨拶を申し上げたく思います。

 まず、初めにこの高齢社会フォーラムでございますけれども、本フォーラムは今から約20年前の平成11年からこの東京で、開催が始まっています。平成21年からは、少子高齢社会において、求められるシニアのかたがたの社会参加活動を促進することを目的といたしまして、文部科学省、厚生労働省からも後援をいただきまして内閣府が主催した形になっております。本日は関係者の皆さま方に多大なご尽力を賜りまして、このようにフォーラムを完成できましたことをこの場を借りまして、厚く御礼申し上げます。

 さて、話は変わりますけれども、わが国の総人口、ご承知のように減少傾向にございます。昨年、統計では40万人減ったということでございますので、中核都市が二つぐらいなくなっていくと、そのような勢いで人口が減っています。一方で、65歳以上人口を見てもらいますと、総人口に占める割合という、高齢化率というふうに言っておりますけれども、それが27.6パーセント(平成29年7月時点)。つまり、4人に1人以上は、65歳以上という、そういうような数値となっておりまして、この数値が毎年過去更新してるということが続いているところでございます。

 また、厚生労働省の発表によりますと、長寿化を反映いたしまして、日本人の65歳時の平均余命は、女性24.38年、男性だと19.55年ですので、20年を超える、又は近くあるというような状況で、これも世界最高水準ということで、長期化する傾向にございます。このように長期化する高齢期におきましても、よく、第二の人生と言われますけれども、充実した生活を送るためにも、自らのライフデザインを描き、その実現に向けた早い段階からの準備が大切じゃないかなというふうに思う次第でございます。このため、政府といたしましては、ニッポン一億総活躍プランや、働き方改革実行計画にそって、高齢期になるかたがたの活動を支援したり、また、併せて人生100年時代構想会議というのも昨年立ち上げまして、人づくり改革の検討も進めているところでございます。

開会挨拶の写真

 今後も、高齢化の進展が見込まれるわが国におきましては、高齢者のかたがた、これまでの人生で培った経験や知識、豊富な人脈といった強みを存分に発揮して、活躍いただける環境を整えるとともに、お年寄りの方も、若者も誰もがあらゆる場で、活躍できる全員参加型の社会というのを目指して、持続可能な経済社会を築き上げていくことが重要だと考えております。こうしたことから、現在、政府ではこの先に見込まれる日本社会の姿とか、課題を先取りしまして、適切に対応していくことができるように高齢社会対策の指針となる高齢社会対策大綱の見直しを進めているところでございます。

 さて、本日のフォーラムの流れということでございますけれども、まず基調講演で、東京都健康長寿医療センター研究所の社会参加と地域保健研究チーム研究部長の藤原佳典先生から、『高齢者から発進、世代をつむぐ、三方よしの地域づくり』ということをテーマに、お話しをいただきたいと思います。先生から、内閣府におきましても、有識者として、高齢社会対策の在り方について日頃より、幅広くご知見を賜ってるところでございます。

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 また、午後からの分科会でございますけれども、『こうすればみんなが主役になれる。地域も職場も女も男も』『海外から見た日本の高齢社会』『認知症になっても日常をフツウに続けられるコミュニティを考える』の三つをテーマに、それぞれの分野に深い見識をお持ちのコーディネーターの方々および、多才なパネリストの方々をお招きをしておりまして、活発なご議論を展開させていただきたいと思っております。最後に本日のフォーラムが皆さまに一層のご活躍のきっかけとなることを祈念いたしまして、簡単ではありますけれども、開会にあたってのあいさつとさせていただきたいと思います。本日はどうぞ、よろしくお願いいたします。