馬場 榮治さん
~地域社会発展のために社会奉仕の精神で貢献~

名前(年齢) ばば えいじ
馬場 榮治さん(72歳)
地域 長崎県長崎市
活動概要 姉夫婦の陶芸教室を引き継ぎ、体験教室や幼稚園、小学校の授業補助を行っている。また、地域文化を守るため、文化協会事務局長として作品展や史跡散策、ふるさと祭りを実施し、同時に地域の世代間交流を図っている。
表章の類型 地域社会の中で、地域住民のリーダーやコーディネーター的な役割を発揮し生き生きと生活している事例
キーワード 陶芸教室/高齢者サークル活動/作品展/史跡散策/世代間交流/学社連携

(注)年齢は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

陶芸教室の作品展と馬場さんご夫妻

「和をもって笑顔絶やさず」をモットーに

 平成18年(66歳)、姉夫婦が辞めた陶芸教室を引き継ぎ、陶芸の体験教室を開きました。また、同年、地域の文化を守るための文化協会事務局長に就任しました。奥様が退職されたことを機に、文化協会の活動の一環として夫婦で陶芸教室を始めることにしました。
 さらに同年、老人会会長にも就任し、地域住民の半数以上を占める高齢者が、生き生きと楽しく、引きこもることもなく、豊かな生活を送るために、どのような活動が必要かを課題として考えていました。人生のモットー「和をもって笑顔絶やさず」を貫徹するために、微力ではあるけれど地域社会のために役に立とうと思ったことがきっかけです。

活動内容や現在の活動状況

町民運動会で人の生涯を仮装行列に表して参加した老人会


神社奉納踊り

活力ある老人会活動を目指して

 陶芸教室では、陶芸窯があることから、幼稚園や小学校の授業の手助けをしています。土づくりから成形、素焼き、釉薬塗り、そして焼成と作品を仕上げる工程を体験することができます。
 事務局長を務める文化協会では、春は作品展(絵画、写真などの展示)、夏は町内の史跡散策、秋には幼稚園児から高齢者までが一同に集まりカラオケ大会や昔遊びや手作りを楽しむコーナー、さらに作品展示を盛大に行うふるさと祭りを開催しています。特に、全ての行事において世代間交流が図れるように企画することを大切にしています。
 自治会の副会長そして老人会会長として、平成24年に式見里地域自治会のサークル活動(=サロン、ワイワイ里会と呼ぶ)を立ち上げました。さまざまな特技を持った高齢者の方々から後輩に教え、互いに楽しむという他地域の取組に共感して立ち上げたものです。内容は、自治会・老人会・婦人部と協議して決め、月に1回不定期に開催しています。毎回30数名の参加があり、リハビリ体操、手作り料理、カラオケ、簡単手踊りなどを楽しんでいます。
 また、老人会では年3~4回、通学路の草刈り、空き缶拾い、川清掃などの奉仕活動を実施し、地域環境美化に努め、同時にリサイクル推進委員として、環境に優しい活動の一環で常に資源を大切にリサイクルできるものは回収し、自治会の予算の一部に貢献しています。

ポイント、工夫している点

地域社会の発展に貢献

 「この町にもこんなものがあったら」と考え引き継いだ陶芸教室は、公民館と学校との「学社連携」の一つとしても展開しています。
 馬場さんは、さまざまな役職の役割とその責任を忠実に果たそうとしています。この行動力が地域の中でリーダーシップとなり、さまざまな行事が成功裡に終了しています。町民運動会では率先して競技に出場し、地域のみんなを引っ張り、運動会の雰囲気を盛り上げています。神社総代として、恒例の神社奉納には、責任を持って奉納踊りが成功するよう努めています。
 また、式見卓球クラブの代表として、「テレビとお友達になっている皆様、週に一度体を動かし、汗をかいてみませんか」「上手くなるより健康第一、なにより機敏さを養いとっさの時助かります」と機知に富んだ呼びかけを行っています。

学社連携の一環として小・中学校
の先生方による作品づくり

 〔本人インタビュー〕
 陶芸の良さを知ってもらい、多くの人に土いじりをしてもらえるよう呼びかけていきたいと思っています。
 世代交代が進まず、活動がマンネリ化してしまっており、高齢化が進み、あらゆる行事で出演者が少なくなっている点が今後の課題です。
 癒し、癒され、地域一丸となって、もっと楽しく参加したいと思われるように工夫していきたいと考えています。高齢者のボケ防止、健康増進にもつながるので、マイペースで楽しく背伸びしないで集うことを大切にしていきたいと考えています。