柿澤 好治さん
~早朝体操で地域住民の体力向上と健康増進に貢献~

名前(年齢) かきざわ こうじ
柿澤 好治さん(88歳)
地域 東京都杉並区
活動概要 地元「善福寺公園」で昭和49年から39年間毎日、早朝YMCAデンマーク体操とNHKラジオ体操を行っている。リーダー世話人として、地元住民の体力向上、健康増進に貢献している。
表章の類型 地域社会の中で、地域住民のリーダーやコーディネーター的な役割を発揮し生き生きと生活している事例
キーワード デンマーク体操/ラジオ体操/タートルマラソン

(注)年齢は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

発足39周年を記念して参加者の皆さんとの光景

肥満体を改善したい

 昭和49年夏、49歳の頃、地方勤務から東京に戻り肥満気味で体重減量を思案していた折、日曜の早朝に自宅近くの善福寺公園を散歩中、偶然近所に住む石川英夫と言う青年が一人で徒手体操をしているところに遭遇しました。聞いたところYMCAのデンマーク体操で、希望者がいればボランティアで出勤前の早朝に指導をしてもらえ、しかも会費は不要で参加も自由ということだったので、早速近所の人や公園を散歩中の人に声をかけ、参加者を募ることにしました。
 こうして、毎朝午前6時からの30分間をデンマーク体操に充て、その後NHKラジオ体操を行うこととしました。また、有志メンバーと相談して自主活動グループ名を「善福寺体操クラブ」とし、柿澤さんはそのリーダーおよび世話人になりました。

活動内容や現在の活動状況

NHKラジオ体操の光景
(写真中央で指導するのが柿澤さん)


デンマーク体操でリーダーを務める
(左端が柿澤さん)

ボランティア精神を大切に早朝体操の継続

 デンマーク体操は、68の動作を30分間、リーダーの号令に合わせて行う体操です。これは容易ではなく、体操を紹介してくれた青年が転居後は、録音テープを用いて行っていました。更に、参加者の高齢化や真冬などを考慮し、1つの動作の回数を6回から4回に、4回から2回に減らすなど変形する工夫もしています。また、ラジオ体操を行う場所まで移動する必要があるため、デンマーク体操の始まりを5時50分開始とし、6時30分からラジオ体操を10分間行うように時間の変更も行いました。
 デンマーク体操とラジオ体操は、元旦と大雨の日を除いて毎日実施しています(平成24年は321日実施)。1月から2月は20数名の参加、3月から12月は100名以上の参加があります。特に、ラジオ体操は、柿澤さんがNHKラジオ体操連盟公認指導員の資格を有していることから、夏期巡回ラジオ体操期間は100名を超える学童とその父母の参加があり、公園は200名を超える賑わいを見せます。
 体操を始める前には世話人や有志が中心となって、広場の清掃、抒情歌の合唱、準備運動(スクワット)を行い、維持運営しています。ラジオも交代で持参することにしています。
 クラブ行事として、夏の暑気払い、暮れの忘年会などを行いグループで親睦を深めるようにしています。平成14年には杉並区長より「地域公共の健康づくり貢献者」として感謝状が贈呈されました。

ポイント、工夫している点

毎日続けることで健康管理

 早朝体操は、昭和49年発足以来39年が経過し、参加者の中には10年、20年継続している人も多く、参加者から「腰痛肩こり、ひざ痛が和らぎ、体重も減り、毎日が楽しくなった」と喜ばれるようになり、すっかり定着しています。これはデンマーク体操のリーダーとして毎週月曜日には自ら号令をかけ参加者を先導しているほか、世話人として体操クラブの運営にも積極的に取り組むなど中心的役割を果たしている柿澤さんの熱意と努力によるものです。特に、屋外で行われるデンマーク体操は、年間を通してオープンに実施している例を聞かないほどユニークな存在でもあります。今や早朝体操は善福寺公園の名物ともなっています。

その他の活動

タートルマラソン国際大会の企画運営にも携わる

 善福寺体操クラブの他に社団法人日本タートル協会の理事に就任しています。毎年10月に荒川で開催される15,000人規模の「タートルマラソン国際大会」の企画運営に携わっています。このマラソンは障害のある方も参加できるハーフマラソン、5km、10kmのコースで行われます。その他に、東京走友連盟幹事、日本陸上競技連盟公認審判員、善福寺健走会会長も務めています。

早朝体操後の柿澤さん

 〔本人インタビュー〕
 今年米寿を迎え、元気に早朝体操を続けていますが、後継者の育成も大切です。日頃は健康な妻と一緒にスポーツジムで体力の維持に努めています。健康な生活が送れるように「気力・体力・努力」をモットーに、これからもYMCAボランティア精神で有意義な日々を過ごしたいと思っています。