井田 千江さん
~心に悩みを抱く人に寄り添うカウンセラー~

名前(年齢) いだ ちえ
井田 千江さん(76歳)
地域 北海道旭川市
活動概要 保健師として勤務中に心の悩みを抱く人たちに出会った経験から相談相手になりたいと在職中にカウンセラー資格を取得し、定年退職後に志を同じくする仲間と電話による心の悩み相談活動を行っている。
表章の類型 過去に培った知識や経験をいかして、それを高齢期の生活で社会に還元し活躍している事例
キーワード カウンセラー/犯罪被害者相談員

(注)年齢は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

講習会で講師を務める井田さん

心に悩みを抱く人のカウンセラーになろう

 現役時代には、総合病院で助産婦として新しい命の誕生に数多く接し、その後、行政保健師として地域住民の健康増進のため、乳幼児の母子の健康、老人福祉、自治体の医療・福祉サービスと民間の機関や地域住民との間での調整、病気の拡大予防など、さまざまな経験をしました。
 しかし、在職中に保健師の業務内容が指導中心の立場であることに疑問を抱くようになりました。指導に出向いた現場でさまざまな相談を受ける機会があり、引きこもりや不登校、対人恐怖、拒食、過食など、人々が抱えるさまざまな心の悩みに対して、心理学的な手法を用いて相談に応じる支援の必要性を抱くようになったのがカウンセラーを志したきっかけです。

活動内容や現在の活動状況

講習会で講義中の井田さん


講習会で講義中の井田さん

専門知識を身に付けて相談支援

 医療や保健に関する専門知識だけでなく、相談に応じる心理学を専門的に学ぼうと在職中に夜間講習を受講してカウンセラー3級から1級までの資格を取得しました。問題意識を抱くことは、目標を立てることにつながり、目的を達成する努力することにつながります。
 カウンセラー1級取得後、認定を受けた仲間と心に悩みを抱える人たちが相談できる場所を提供したいと思い、総合病院で健康相談員や地域包括支援センターでの働きを終えた平成6年(当時60歳)、電話相談による「心の悩み相談」を婦人団体の一室を借りて、自分たちで費用を出し合いボランティア活動として始めました。
 現在はスタッフ数20名で、月・火・木は電話相談、水・金は面接相談に応じることにしています。相談件数は、電話相談日は1日7~8名、面接相談日は1日3名となっています。スタッフは1日3名体制で相談に応じています。スタッフの大半は医療関係者や福祉関係従事者で、カウンセラー養成の実習生も含まれています。このスタッフ体制で井田さんが中心となり、指導的な立場で会の運営に努めています。
 現代社会は、家族構成、社会環境、労働環境などの急激な変化に伴い、幼児から高齢者まで心に悩みを抱く人たちは増加傾向にあります。専門医にかかる前に気軽に相談できる場が求められています。そのために、カウンセラーの必要性も高まっています。そこで、井田さんはカウンセラー1級の資格取得後、平成6年からカウンセラー養成講座の講師として後輩の育成にも尽力しています。

ポイント、工夫している点

学び続ける姿勢を大切に

 カウンセリングは、理論的な心理学を学んでも、人と関わる現場の実践がなければ仕事として活躍するレベルに達しません。セラピーを体験して自分自身を理解し、話しを聞き知識を習得し、ロールプレイングでカウンセリングスキルを学びます。この意味でカウンセラー同士が、悩み相談の事例を通して学び合う研修を定期的に開いています。相談者の悩みをじっくり聞き、相談者が自分自身を見つめ直し、その人に最適な方法を見つけ、カウンセリングを通して少しでも前向きに歩み始めるよう相談支援について学び合うことを大切にしています。

その他の活動

命と向き合い人に役立つ仕事をしたい

 平成15年(69歳)からシルバー人材センターの発展のため理事に就任し、現在は、女性会委員長として会員の就業の場の拡大推進のための講習会講師も務めています。
 平成22年から犯罪被害者相談員も行っています。助産婦や保健師として命と向き合った経験をいかして、生涯、人の役に立つ仕事を目標に活躍し続けています。

 〔本人インタビュー〕
 これからも、自分の体が健康な限り、心の悩み相談と犯罪被害者相談を続けて自殺予防のために一人でも多くの人の役に立てるよう尽くしたいです。また、カウンセラーが必要とされているので後進の育成にも尽くしていきます。

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