第3章 高齢社会対策の実施の状況

5 高齢社会対策の動き

平成13年度に推進された高齢社会対策について、主な法律の制定・改正の動きを挙げれば、次のとおりである。

1) 雇用対策法等の一部改正
 経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するため、雇用対策法(昭和41年法律第132号)等の一部改正が行われた。
 この改正では、事業主による離職予定者の再就職支援の促進、事業主の募集・採用における年齢制限緩和の努力義務とともに、労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力開発の促進、地方公共団体の自主性をいかした地域雇用開発の推進等を内容としている。

2) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正(129ページ参照)
 子育てのための時間の確保の推進等、子育てをしながら働き続けることのできる環境を整備するため、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)の一部改正が行われた。
 この改正では、育児休業又は介護休業の申出又は取得を理由とした不利益取扱いの禁止、時間外労働の制限の制度の創設、子の看護のための休暇措置の努力義務等を内容としている。

3) 国家公務員の育児休業等に関する法律、地方公務員の育児休業等に関する法律の一部改正
 国家公務員、地方公務員について、育児を行う職員の負担を軽減するため、育児休業等の対象となる子の年齢を三歳未満に引き上げること等を内容とする国家公務員の育児休業等に関する法律(平成3年法律第109号)、地方公務員の育児休業等に関する法律(平成3年法律第110号)の一部改正が行われた。

4) 農業者年金基金法の一部改正
 農業者年金制度について、農業に従事する者を幅広く被保険者とするとともに、長期的に年金財政の安定が図られるよう被保険者自らが積み立てた保険料等を基礎として年金を支給するものに改めること等を内容とする農業者年金基金法(昭和45年法律第78号)の一部改正が行われた。

5) 農林漁業団体職員共済組合法等の廃止(136ページ参照)
 公的年金制度の一元化の一環として、農林漁業団体職員共済年金を厚生年金保険に統合するため、厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律(平成13年法律第101号)が成立した。

6) 確定拠出年金法の成立
 国民の高齢期における所得の確保に係る自助努力を支援し、公的年金とあいまって国民の高齢期における生活の安定と福祉の向上を図るため、確定拠出年金制度を創設することを内容とする確定拠出年金法(平成13年法律第88号)が成立した。

7) 確定給付企業年金法の成立
 確定給付型の企業年金について、その受給権保護等を図る観点から、労使の自主性を尊重しつつ、その統一的な枠組みを定めた確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)が成立した。
 同法により、適格退職年金は10年後に廃止され、既存のものは確定給付企業年金等に移行することとなり、また、厚生年金基金については、確定給付企業年金に移行することで厚生年金の代行部分の国への返上が可能となった。

8) 健康増進法案の国会提出
 国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るために必要な措置を講じることを内容とする健康増進法案を第154回国会に提出した。

9) 健康保険法等の一部を改正する法律案の国会提出
 医療保険制度及び老人保健制度の安定的運営を図るため、健康保険法等の一部を改正する法律案を第154回国会に提出した。
 改正法案においては、高齢者医療制度の改革として、
● 高齢者の経済的地位の向上に応じた負担とする観点から、70歳以上の高齢者の患者負担について定率1割負担(一定以上の所得の者に関しては定率2割負担)を徹底すること及び低所得者に配慮しつつ、自己負担限度額等を見直すこと、
● 後期高齢者に施策を重点化する観点から、老人医療の対象年齢を現行の70歳以上から75歳以上に5年間で段階的に引き上げるとともに、老人医療費に係る公費負担の割合を現行の3割から5割に5年間で段階的に引き上げること、
● 老人医療費の伸びを適正化するための指針を策定すること、等の内容が盛り込まれている。
 また、附則において、保険者の再編・統合を含む医療保険制度の体系の在り方、新しい高齢者医療制度の創設、診療報酬体系の見直しに関する基本方針を平成14年度中に策定し、その方針に基づき所要の措置を講ずることを始め、医療保険制度の改革に関する各般の課題について改革を進めることが規定されている。

10) 学校教育法の一部改正
 小・中・高等学校等においてボランティア活動など社会奉仕体験活動等の体験活動の充実を図ること等を内容とする学校教育法(昭和22年法律第26号)の一部改正が行われた。

11) 社会教育法の一部改正
 教育委員会の事務に、青少年に対してボランティア活動など社会奉仕体験活動等の体験活動等の機会を提供する事業の実施等の事務を規定することを内容とする社会教育法(昭和24年法律第207号)の一部改正が行われた。

12) 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案の国会提出
 建築物のバリアフリー化を一層強力に推進していくため、特定建築物のうち一定の用途及び規模のもののバリアフリー対応の義務付けの創設及び努力義務の対象の拡大、容積率特例制度を始めとする認定建築物に対する支援措置の拡大等を内容とする高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案を第154回国会に提出した。

 

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