第1章 高齢化の状況(第2節 コラム2)

[目次]  [前へ]  [次へ]

第2節 高齢者の状況

コラム2 「高齢者は何歳からか」

5人に1人が高齢者で、その数は2,500万人を超えた。

65歳以上を高齢者と定義すると、我が国における高齢者像はこのようになる。

50年前の昭和30年当時は、平均寿命が、男性が63.60歳、女性が67.75歳であり、おおむね平均寿命を超えた人が高齢者と呼ばれていた。

その平均寿命は、現在(平成16年)では、男性78.64歳、女性85.59歳となり、この50年間に男性で15歳、女性で18歳も伸びている。

また、百歳以上の長寿者は、25,000人を超えている(25,554人)。

平均寿命が伸び、元気で活動的で、社会や地域において、それまで培ってきた知識や経験をいかし活躍している高齢者の方は多く存在する。

内閣府が行った「年齢・加齢に対する考え方に関する意識調査」から国民の意識をみると、「高齢者」のイメージとして、一般には、「心身がおとろえ、健康面での不安が大きい」が72.0%と最も多く、「収入が少なく、経済的な不安が大きい」、「古い考えにとらわれがち」、「周りの人とのふれあいが少なく、孤独である」など、健康面、経済面で否定的にとらえ、「経験や知識が豊かである」、「時間にしばられず、好きなことに取り組める」など、知識や考え方の面で肯定的にとらえている。

高齢者のとらえ方については、60歳以上を対象とした内閣府の「高齢者の日常生活に関する意識調査」では、「70歳以上」が46.7%と最も多く、次いで、「75歳以上」が19.7%となっている。

また、20歳以上を対象とした「年齢・加齢に対する考え方に関する意識調査」においても、「70歳以上」が48.7%で最も多く、次いで「65歳以上」が18.5%、「75歳以上」が12.9%となっており、両調査から、年齢に関わらず、全体の7割前後の人が「70歳以上」を「高齢者」と認識していることがわかる。

一方、高齢者のとらえ方について、年齢区分のほか、「年齢で一律にとらえるべきではない」との選択肢を加えた、20歳以上を対象とした「高齢社会対策に関する特別世論調査」においては、『「65歳以上」のまま』は21.7%、『「65歳以上」より高い年齢』が、これの2倍以上の44.4%となっている。また、「個々人の事情に即して判断すべきであり、年齢で一律にとらえるべきではない」が32.9%となっている。

これら調査から、高齢者を65歳より高い年齢とするとらえ方が幅広く支持されており、年齢で一律にとらえるべきではないとの考え方がこれに次ぐことがわかる。

このように、平均寿命の伸長、元気で活動的な高齢者の増加、「高齢者」概念に係る国民の意識の変化等を踏まえ、高齢者自身も高齢社会の担い手・支え手の一員となり、生涯にわたり、自らの能力や経験を生かしつつ、就労、ボランティア活動、地域活動など多様な形態で参加できるような社会を形成する上でも、旧来の画一的な「高齢者」観、「高齢社会」観の見直しが必要ではないだろうか。

高齢者のイメージ

[目次]  [前へ]  [次へ]