第1章 高齢化の状況 

(3)高齢者の世帯の家計収支は全体でみれば黒字だが無職世帯では赤字

 世帯主の年齢が65歳以上である世帯の家計の状況についてみると、世帯主の年齢が65歳以上である勤労者世帯の可処分所得は一世帯当たり1か月平均29万4,823円で、そのうち消費支出は25万6,708円となっており、可処分所得が3万8,114円上回っている。これに対し、世帯主の年齢が65歳以上の無職世帯の可処分所得は16万5,971円、消費支出は20万1,238円であることから、可処分所得が3万5,268円下回っており、不足分は貯蓄の取り崩しなどで賄われている(表1-2-20)。

表1-2-20 世帯主の年齢が65歳以上の世帯の収入と消費
(単位:円)
区分 勤労者世帯 無職世帯
全体 世帯主の年齢が65歳以上の世帯 全体 世帯主の年齢が65歳以上の世帯
実収入 476,159 332,127 176,830 188,122
うち勤め先収入の占める割合(%) (94.5) (60.3) (6.4) (4.5)
社会保障給付の占める割合(%) (3.0) (35.7) (86.1) (88.7)
 
実支出 361,079 294,013 225,319 223,390
消費支出 285,057 256,708 202,888 201,238
非消費支出(税,社会保険料など) 76,022 37,304 22,431 22,151
 
可処分所得(実収入−非消費支出) 400,137 294,823 154,399 165,971
 
黒字(実収入−実支出=可処分所得−消費支出) 115,080 38,114 △ 48,489 △ 35,268
 
平均消費性向(%)
    (可処分所得に対する消費支出の割合)
71.2 87.1 131.4 121.2
資料:総務省「家計調査(総世帯)」(平成18年)
(注)年平均の1か月間の金額

 世帯主の年齢が65歳以上の世帯(二人以上の世帯(農林漁家世帯を除く。))について消費支出の内訳をみると、「食料」の割合が25.3%と高いが、1980年代以降の傾向をみると、その割合が低下している一方で、「交通・通信」、「保健医療」などの割合が上昇している。
 60歳以上の高齢者が優先的にお金を使いたいものについてみると、「健康維持や医療介護のための支出」が42.3%と最も高い割合となっており、次いで、「旅行」(31.7%)、「子供や孫のための支出」(29.0%)の順となっている。一方、お金を「使いたくない」と考えている高齢者も2割程度いる(図1-2-21)。

図1-2-21 優先的にお金を使いたいもの(3つまでの複数回答)
図1-2-21 優先的にお金を使いたいもの(3つまでの複数回答)

 60歳以上の高齢者が日常生活の中で負担に感じる支出についてみると、「医療費」が46.0%と最も高い割合となっており、次いで、「生命保険や損害保険などの保険料」(25.5%)、「食費」(24.2%)の順となっている。一方、「負担を感じているものは特にない」とする高齢者も2割程度いる(図1-2-22)。

図1-2-22 日常で負担を感じる支出(3つまでの複数回答)
図1-2-22 日常で負担を感じる支出(3つまでの複数回答)

 第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向

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