第1章 高齢化の状況(第2節 3(3))

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第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向

3 高齢者と健康・福祉

(3)若年期からの健康づくりが重要

65歳以上の高齢者の死因となった疾病をみると、平成17(2005)年において、心疾患、脳血管疾患の2つの疾病で約3割を占めている(前掲図1-2-31)。また、高齢者が介護を要する状況となった理由の4人に1人は脳血管疾患である(前掲図1-2-36)。

肥満者の多くが、高血圧症、高脂血症、糖尿病等の生活習慣病を併せ持ち、これらの危険因子が重なるほど、心疾患、脳血管疾患を発症する危険性が明らかとなった。

そういった中で、平成17(2005)年4月、日本内科学会等の8つの学会が、内臓脂肪の蓄積に着目して、「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の考え方を取りまとめ、メタボリックシンドロームに着目して、効果的に生活習慣病予防を行うことを提言している。

平成16年の「国民健康・栄養調査」によると、メタボリックシンドロームが強く疑われる者と予備群と考えられる者の合計は、総数で男性45.6%、女性16.7%となっている(図1-2-41)。年齢階級が高くなるほど増加する傾向がみられるが、特に40歳以降増加する傾向がみられ、40~74歳では男性の51.7%(2人に1人)、女性の19.6%(5人に1人)が、メタボリックシンドロームが強く疑われる者又は予備群と考えられる者である。

図1-2-41 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)該当者・予備群の現況

また、メタボリックシンドロームに関連する生活習慣の状況を年齢階級別にみると、運動習慣のある者の割合は20歳代、30歳代などの若い世代で低く(20歳代男性は19.4%、女性は18.5%、30歳代男性は13.8%、女性は13.5%)、朝食の欠食率についても若い世代が高い状況にある(20歳代男性は34.3%、女性は22.0%、30歳代男性は25.9%、女性は15.0%)(図1-2-42)。

図1-2-42 年齢階級別にみた生活習慣の状況

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