第2章 高齢社会対策の実施の状況 

(3)介護サービスの充実

ア 必要な介護サービスの確保
 地域介護・福祉空間整備等交付金のうち、広域的なサービスを提供する施設の整備を対象とした「都道府県交付金」を廃止・一般財源化し、身近な生活圏域で介護予防から介護サービスの利用に至るまでの必要なサービス基盤を整備していく「市町村交付金」の対象を拡充して、地方公共団体が創意工夫をいかした介護・福祉サービスの基盤整備を行える仕組みとした。
 高齢者が住み慣れた地域で生活を続けていくことができるよう、〔1〕総合相談支援、〔2〕虐待の早期発見・防止などの権利擁護、〔3〕包括的・継続的ケアマネジメント支援、〔4〕介護予防ケアマネジメントといった機能を担う地域の中核機関として、平成18年4月以降、地域包括支援センターの設置を進めている。
 福祉用具、住宅改修については、相談援助・情報提供等を行うことにより、適切な普及の促進を図っており、また、福祉用具の選択・活用に関する情報を広く提供するため、福祉用具・住宅改修の利用事例、車いすや特殊寝台の選び方、介護保険給付対象福祉用具の寸法や機能等を示した商品情報をデータベース化し、これらの情報を利用者や介護支援専門員等がインターネットで検索できるシステムを、平成16年4月から運用している。

イ 介護サービスの質の向上
 ユニットケアを行う施設において、その整備の促進及び施設の特徴をいかした適切なサービスの提供を確保するため、施設管理者及びユニットリーダー(平成18年度より配置することが義務付けられた)を対象とした研修を実施している。
 また、特別養護老人ホーム等の現場の意識改革や、ケアの向上などを目指して「身体拘束の廃止」の取組を推進するとともに、施設内での感染症の発生を防止し、発生時でも適切な対応が出来るよう施設の管理者と感染症対策担当者を対象として研修を実施した。
 介護保険制度の運営の要である介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質の向上を図るため、平成17年度に引き続き、実務研修及び現任者に対する研修を体系的に実施するとともに、18年度より資格の更新制を導入し、更新時研修を義務付けた。また、地域包括支援センターにおいて、介護支援専門員に対する指導助言や関係機関との連絡調整等を行い、地域のケアマネジメント機能の向上を図った。
 さらに、利用者の介護サービスの選択に資するため、「介護サービス情報の公表」制度を平成18年4月より施行した。都道府県知事は、事業者から介護サービスの内容、事業所の運営状況等に関する情報等の報告を受けて調査を行い、その結果をインターネットで公表するものであり、18年度には、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、通所介護、福祉用具貸与、居宅支援介護、特定施設入居者生活介護、介護福祉施設サービス及び介護保健施設サービスの9サービスについて開始した。

ウ 認知症高齢者支援対策の推進
 認知症の高齢者等が住み慣れた地域で生活を続けていくことができるよう、平成17年6月に成立した改正介護保険法において創設された「地域密着型サービス」が、18年4月から施行されている。
 また、都道府県や指定都市で実施している研修内容の充実を図るとともに、引き続き、全国3か所の「認知症介護研究・研修センター」において、介護技術の共同研究、都道府県や指定都市における認知症介護に関する指導者の養成を行い、認知症介護の専門職員等の育成、資質の向上に努めた。
 さらに、認知症対策については、早期の段階からの適切な診断と対応、認知症に関する正しい知識と理解に基づく本人や家族への支援など、地域単位での総合的かつ継続的な支援体制を確立していくことが必要である。そのため、主治医等を中心とした早期診断等の地域医療体制の充実、早期段階に対応したサービスの普及、地域における認知症の理解の普及や本人・家族等の支援ネットワークの構築支援、認知症介護の専門職員等に対する研修の充実等、認知症の各ステージに応じた対策を推進するため、「認知症対策等総合支援事業」の実施により、各都道府県・指定都市における取組に対する支援を行った。
 なお、平成17年度から開始した、認知症の正しい知識の普及を図り、認知症の人が尊厳をもって地域で暮らし続けることを支える「地域づくり」を推進していくための広報キャンペーンについては、引き続きこれを実施したところであり、同キャンペーンの中心である「認知症サポーター100万人キャラバン」については、18年度においてサポーター養成講座の講師役であるキャラバンメイトを9,086名、サポーターについては、162,424名養成した(いずれも19年3月31日現在)。

 第3節 分野別の施策の実施の状況

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