第2章 高齢社会対策の実施の状況

2 健康・福祉

  「健康・福祉」分野については、高齢社会対策大綱において次のような方針を示している。

  若年期からの健康づくりによって高齢期に至っても長く健康を保つようにし、健康を害してもできるだけ回復に努め、健康を損なっても悪化を防いで日常生活の維持を図り、健やかで充実した生活を確保し、長寿を全うできるよう、生涯にわたる健康づくりを総合的に推進する。
  高齢者介護については、介護を国民皆で支え合う仕組みとして創設された介護保険制度の着実な実施を図り、その定着を図る。また、平成12年度から開始されている「ゴールドプラン21」を着実に実施することにより、質の高い介護サービス基盤の整備を図るとともに、今後急増が見込まれている痴呆性高齢者(※)の支援対策等を推進する。
  また、今後の高齢社会においても、安心して良質な医療を受けることができるよう、医療の質を保ちながら老人医療費の伸びを適正なものとしつつ、老人医療費を世代間、医療保険制度間で公平に分担していく仕組みへと高齢者医療制度を再構築する。
  さらに、活力ある高齢社会の構築には少子化への対応が重要であることから、子育てを支援するための施策を総合的かつ計画的に推進する。
※現在は「認知症高齢者」として用いられている。

(1)健康づくりの総合的推進
ア 生涯にわたる健康づくりの推進
  生涯にわたる健康づくりを推進するために、平成12年から、9分野70項目の目標を掲げた「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を推進しており、14年には、「健康日本21」を中核とする国民の健康づくり・疾病予防をさらに積極的に推進するため、「健康増進法」(平成14年法律第103号)が制定され、15年5月に施行された。また、平成19年には「健康日本21」中間評価報告書が公表され、この中間評価の結果を踏まえ、代表目標項目や新規目標項目を設定するなど、生活習慣病対策の一層の推進を図っている(図2−3−8)。

図2−3−8 健康日本21中間評価報告書(概要)
図2−3−8 健康日本21中間評価報告書(概要)

  平成19年4月に取りまとめられた「新健康フロンティア戦略」に基づく施策を着実に実施した。
  また、「食育推進基本計画」(平成18年3月食育推進会議決定)に基づき、家庭、学校・保育所、地域等における食育の推進、食育推進運動の全国展開、生産者と消費者の交流促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化、食文化の継承のための活動への支援、食品の安全性の情報提供等を実施した。
  さらに、食育推進の一環として健康づくりに資する食生活の実現を図るため、「何を」「どれだけ」食べたらよいかを示した「食事バランスガイド」を多様な媒体等を活用して周知するとともに、外食産業や小売業における普及・活用を促進した(図2−3−9)。

図2−3−9 高齢者を対象としたリーフレット(抜粋)
図2−3−9 高齢者を対象としたリーフレット(抜粋)

  また、健康な高齢期を送るためには、壮年期からの総合的な健康づくりが重要であることから、市町村が実施主体となり、40歳以上の者を対象に、老人保健法(昭和57年法律第80号)に基づく健康教育、健康診査、機能訓練、訪問指導等の保健事業を総合的かつ着実に推進した(表2−3−10)。

表2−3−10 保健事業一覧
表2−3−10 保健事業一覧

イ 健康づくり施設の整備等
  健康を増進するための民間サービスの振興については、一定の要件を満たした運動施設及び温泉施設を健康増進施設として認定している(平成20年3月現在、運動型健康増進施設404施設、温泉利用型健康増進施設28施設)。また、15年7月に健康増進施設認定規程(昭和63年厚生省告示第273号)を改正し、温泉利用施設の新たな普及版(「温泉利用プログラム型健康増進施設」)の認定を行うこととした(平成20年3月現在30施設)。また、医師、保健師等の地域保健関係職員に対する研修事業などを行い、健康づくりの支援の役割を担う人材確保や育成を進めている。
  さらに、健康づくりを総合的に推進するため、海岸浴のための施設と連携した海岸づくりを行うほか、散歩や散策によって健康づくりができるよう歩行者専用道等の整備を図っている。
  また、自然との触れ合いの中で健康づくりができるよう、そのための機能を備えた水辺空間の整備など、必要な施設等の整備等を推進してきた。
  そのほか、高齢者の健康づくりの場としての森林の利用を推進するため、健康づくりに資する森林の整備を推進するとともに、森林体験活動の場となる実習林や体験施設などの整備等を実施した。
  国立公園の主要な利用施設であるビジターセンター、園路、公衆トイレ等において、バリアフリー化を推進するなど、高齢者にも配慮した自然とのふれあいの場の整備を実施した。

ウ 介護予防の推進
  介護保険制度を予防重視型のシステムへ転換するため、平成17年6月に成立した「介護保険法等の一部を改正する法律」(平成17年法律第77号。以下、「介護保険法改正法」という。)において、新予防給付や地域支援事業を創設し、18年度以降、要介護度が軽い者に対する介護サービスをより介護予防に効果的なものに見直すとともに、要介護・要支援になるおそれのある者を対象とした介護予防事業等を実施している(図2−3−11)。

図2−3−11 介護保険法等の一部を改正する法律(概要)
図2−3−11 介護保険法等の一部を改正する法律(概要)

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