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第1章 第2節 6 高齢者の生活環境

第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向

6 高齢者の生活環境

○高齢者の9割は現在の住居に満足している

  • 60歳以上の高齢者に現在の住宅の満足度について聞いてみると、「満足」又は「ある程度満足」している人は総数で89.3%、持家で91.2%、賃貸住宅で69.9%となっている(図1-2-35)。
図1-2-35 現在の住居に関する満足度

○高齢者の交通事故死者数は減少

  • 65歳以上の高齢者の交通事故死者数は、平成23(2011)年は2,262人で前年より減少したが、交通事故死者数全体に占める割合は49.0%と半数近くを占めている(図1-2-36)。
図1-2-36 年齢層別交通事故死者数の推移

○高齢者による犯罪

  • 平成22(2010)年の65歳以上の高齢者の刑法犯の検挙人員は、13(2001)年と比較すると、検挙人員では約2.4倍、犯罪者率では約2倍(図1-2-37)。
図1-2-37 高齢者による犯罪(高齢者の包括罪種別刑法犯検挙人員と犯罪者率)

○一人暮らしの男性に、人との交流が少ない人や頼れる人がいない人が多い

  • 60歳以上の高齢者の会話の頻度(電話やEメールを含む)をみてみると、全体では毎日会話をしている者が9割を超えるものの、一人暮らし世帯については、「2~3日に1回」以下の者も多く、男性の単身世帯で28.8%、女性の単身世帯で22.0%を占める(図1-2-38)。
  • 近所づきあいの程度は、全体では「親しくつきあっている」が51.0%で最も多く、「あいさつをする程度」は43.9%、「つきあいがほとんどない」は5.1%となっている。性・世帯構成別に見ると、一人暮らしの男性は「つきあいがほとんどない」が17.4%と高く、逆に一人暮らしの女性は「親しくつきあっている」が60.9%と最も高くなっている(図1-2-39)。
  • また、病気のときや、一人ではできない日常生活に必要な作業(電球の交換や庭の手入れなど)の手伝いについて、「頼れる人がいない」者の割合は、全体では2.4%であるが、一人暮らしの男性では20.0%にのぼる(図1-2-40)。
図1-2-38 会話の頻度(電話やEメールを含む)
図1-2-39 近所づきあいの程度
図1-2-40 困ったときに頼れる人がいない人の割合

○孤立死と考えられる事例が多数発生している

  • 誰にも看取られることなく息を引き取り、その後、相当期間放置されるような「孤立死(孤独死)」の事例が報道されているが、死因不明の急性死や事故で亡くなった人の検案、解剖を行っている東京都監察医務院が公表しているデータによると、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数は、平成22(2010)年に2,913人となっている(図1-2-41)。
  • (独)都市再生機構が運営管理する賃貸住宅約76万戸において、単身の居住者で死亡から相当期間経過後(1週間を超えて)に発見された件数(自殺や他殺などを除く)は、平成22(2010)年度に184件、65歳以上に限ると132件となり、20(2008)年度に比べ全体で約2割、65歳以上では約5割の増加となっている((図1-2-42)。
  • 誰にも看取られることなく、亡くなったあとに発見されるような孤立死(孤独死)を身近な問題だと感じる(「非常に感じる」と「まあまあ感じる」の合計)人の割合は、60歳以上の高齢者の4割を超え、単身世帯では6割を超えている(図1-2-43)。
図1-2-41 東京23区内で自宅で死亡した65歳以上一人暮らしの者
図1-2-42 単身居住者で死亡から相当期間経過後に発見された件数
図1-2-43 孤独死*を身近な問題と感じる者の割合

○東日本大震災における高齢者の被害状況

  • 岩手県、宮城県、福島県の3県で収容された死亡者は、平成23(2011)年3月11日から24(2012)年3月11日までに15,786人にのぼり、検視等を終えて年齢が判明している15,331人のうち60歳以上の高齢者は10,085人と65.8%を占めている(図1-2-44)。
図1-2-44 年齢階級別死亡者数
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