令和3年度交通安全フォーラムの開催結果について

テーマ:
地域で子どもを守る交通安全活動
日時:
令和3年11月11日(木)
午後2時00分から午後4時30分まで
開催方法:
交通安全フォーラムの様子をインターネット配信
主催:
内閣府、山口県
後援:
警察庁、文部科学省、厚生労働省、国土交通省
協賛:
交通安全フォーラム推進協議会構成団体
・一般社団法人 日本自動車工業会
・一般財団法人 全日本交通安全協会
・一般社団法人 日本自動車連盟
・公益財団法人 三井住友海上福祉財団
・公益財団法人 国際交通安全学会
・一般財団法人 日本交通安全教育普及協会
  • 内閣府では、国の重要施策及び開催都道府県が実施する交通安全対策上の諸問題を踏まえ、学識経験者等の専門家による研究発表、討議等を通じて、交通事故防止のための有効適切な提言を得て、国民の交通安全意識の高揚を図ることを目的とした「交通安全フォーラム」を毎年各地で開催している。
  • 令和3年度は、令和3年11月11日、山口県との共催のもと「地域で子どもを守る交通安全活動」をテーマとして開催した。新型コロナウイルス感染症予防のため交通安全フォーラムの様子をインターネットで同時配信した。
  • 今回で41回目となるフォーラムでは、専門家から基調講演の後、パネルディスカッションにおいては、コーディネーター及びパネリストから、ハード整備及びまちづくりの観点からの通学路の安全対策、山口県における子供の交通安全対策に係る取組事例、幼児期の子どもにおける交通安全教育、日ごろからの通学路での交通指導において交通指導員として心がけていること、放送活動を通じて交通安全に対する取り組みと思いについて説明が行われ、本テーマについて有益な提言がなされた。

専門家からの提言内容

基調講演及びコーディネーター

小川 和久 氏の写真
東北工業大学総合教育センター教授 小川 和久 氏

『地域で子どもを守る交通安全活動』

 通学路安全推進協議会は、各市町村に設置されており、道路管理者、警察、地域関係者(自治会区長、交通指導員等)、学校のPTA・保護者、教員、学識経験者・専門家等で構成されており、年2~3回開催し、地域の通学路の合同点検や対策を議論する場になります。
 この協議会の主たる目的は「点検」と「教育」であり、まず「点検」は抽出した通学環境内の危険箇所を関係者間で共有・分析し、各種安全対策を実施して環境改善を行うという手順で進め、特に分析においては子どもの視点での行動観察が重要です。
 次に、「教育」においては、自らが安全を守るという意識や態度をもつよう、児童生徒が主体的に学ぶ交通安全教育を実施する必要があります。
 交通安全教育の実施において重要なのは、幼児期、児童期、青年期の各発達段階に応じて教育を進めていく必要があるということです。 通学路安全推進のための今後の課題としては、学校側の課題としてアクティブラーニングによる学習の推進、地域との連携等、保護者側の課題として子どもの安全教育に保護者自身が関心を持つこと等、社会全体の課題としては、自動運転の技術の応用、道路交通環境自体を子どもの行動特性に適合させること等が挙げられます。


パネルディスカッション コーディネーター

鈴木 春菜 氏の写真

山口大学工学部准教授 鈴木 春菜 氏

 通学路の安全は危険箇所の対策だけではなく、安全な歩行空間をネットワークで確保するため、学校、地域、警察、道路管理者が一体となって連携して進める必要があります。
 道路の歩行者の安全対策は、幹線道路、生活道路で異なります。幹線道路では各交通主体の円滑な流動のため、交通流を分割して各主体の安全な移動空間を確保する対策が有効です。一方、生活道路では交通主体の混在が前提となり、自動車速度を抑制して歩行者の空間を確保する対策や各主体への注意喚起が有効です。
 しかし、ハード整備だけでは限界があります。予算の制約や合意形成の難しさにより即時の対応が困難なこと、物理的デバイスへのドライバーの慣れによる効果の低下や維持管理の問題です。ハード整備の有効性と限界を理解しソフト政策との組み合わせを検討することが必要となります。


パネルディスカッション パネリスト

田中 憲治 氏の写真

山口県県警本部交通部参事官 田中 憲治 氏

 全国で子供が犠牲になる重大事故があとを絶ちません。今回のフォーラムでは、県内における子供の交通事故の発生状況や特徴を説明し、こうした事故の実態に基づき、通学路の緊急合同点検の実施、交通安全施設の整備、小学校等での交通安全教育、通学路における取締り、ボランティアの方々との連携など、山口県警察が行ってきた施策を紹介しました。
 こうした対策を確実に進め、交通情勢に応じて見直しをしていくとともに、ボランティアの方々には、交通・防犯の両方の視点から子供たちの安全を見ていただけるよう、情報提供や連携をしていきたいと考えています。


白石 敏行 氏の写真

山口大学教育学部教授 白石 敏行 氏

 就学前の子どもの交通安全教育に当たっては、子どもの行動特性や発達の特性を認識した上で進めていく必要があります。
 幼稚園等では、保育者が日常の生活を通して、交通上のきまりに関心をもたせるとともに、家庭と連携を図りながら適切な指導を具体的な体験を通して繰り返し行うことが必要です。
 また、保護者の役割も重要です。登降園時に子どもに標識の意味や交通量の多い危険な場所等を繰り返し教え、交通安全の習慣を身に付けた場合には、これを認めてあげることにより更に意欲的に知識を身に付けていくようになります。


吉尾 憲治 氏の写真

山口県交通指導員 吉尾 憲治 氏

 私は、山口県交通指導員として、日々、通学路において立哨・交通指導をしています。指導員として心がけていることは、児童の見守りの際、児童が道路の横断方法等を正しく身に付けられるように配意していることです。特に、車への停止合図は、よく目立つように、大きく行うようにしています。
 子供が交通ルールを守れるようになるまで、何度も反復して教える必要があり、家庭(保護者)の協力が不可欠です。
 横断歩道を渡ろうとする歩行者を見ると逆に速度を上げるドライバーがおり、非常に残念な気持ちになります。車は「走る凶器」でもあることを忘れないでください。


國本 泰功 氏の写真

KRY山口放送報道制作局アナウンス部長 國本 泰功 氏

 本フォーラムでは、事故現場の記者としての体験、県内の交通安全の取組に関する取材、番組の中での企画等を映像で紹介しました。
 まず、トンネル内で作業中の車にトラックが衝突して大破・炎上し3人が亡くなった事故では、自らトンネルに入って取材し事故の悲惨さをレポートしました。
 次に、ある死亡事故現場で、近所の人を集めて警察官が講習をする様子を紹介しました。同様の事故を防ぐ効果が高い取り組みだと思います。
 また、交通安全関連の特集を自ら企画した「交通安全クイズ」を紹介しました。子どもや保護者が見ていることを意識して放送しました。
 今後とも放送を通じて交通安全に寄与できればと考えています。



(パネルディスカッション開催状況)
過去3回の開催状況
令和2年度 東京都
(インターネット配信)
安全に移動できる地域を目指して
令和元年度 佐賀県佐賀市 追突事故と高齢者の交通事故防止を考える
~ すすめ、安全なミライへ ~
平成30年度 山梨県甲府市 飲酒運転の根絶に向けて
~ 富士山に誓って なくそう!飲酒運転 ~