平成19年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況
第1編 陸上交通
第1部 道路交通
第1章 道路交通事故の動向
第2節 平成19年中の道路交通事故の状況

第1編 陸上交通

第1部 道路交通

第1章 道路交通事故の動向

第2節 平成19年中の道路交通事故の状況

1 概況

 平成19年中の交通事故発生件数は83万2,454件で、これによる死者数は5,744人、負傷者数は103万4,445人であった(死傷者数は104万189人)。
 前年と比べると、死者数は608人(9.6%)、発生件数は5万4,410件(6.1%)、負傷者数は6万3,754人(5.8%)減少した(死傷者数は6万4,362人(5.8%)減少)。
 交通事故による死者数は7年連続で減少し、昭和28年(死者数5,544人)以来54年ぶりに5人台となった。一方、平成16年に過去最悪を記録した発生件数(95万2,191人)及び負傷者数(118万3,120人)は、3年連続で減少したものの、負傷者数は9年連続で100万人を超えるなど、依然として憂慮すべき交通情勢にある(第1-2表参考)。

■第1-2表 交通事故情勢はどのような方向に向かっていると思いますか?

第1-2表
選択肢 20年2月実施 20年4月実施
好ましい方向に向かっている 25.5% 10.6%
悪化する方向に向かっている 33.8% 37.8%
どちらともいえない・わからない 40.7% 51.6%
注 内閣府実施(平成20年2月,4月)のモニター意識調査より抜粋。

 近年、死者数が減少した要因としては、基本的には、道路交通環境の整備、交通安全思想の普及徹底、安全運転の確保、車両の安全性の確保、道路交通秩序の維持、救助・救急体制等の整備等、交通安全基本計画に基づく諸対策を総合的に推進してきたことによるが、定量的に示すことができる主な要因としては、<1>シートベルト着用者率の向上、<2>高速走行の事故の減少、<3>飲酒運転等悪質・危険性の高い事故の減少、<4>法令違反の歩行者の減少、等が挙げられる(第1-4図第1-5図第1-6図第1-7図)。

■第1-4図 シートベルト着用者率及び致死率(自動車乗車中)の推移

第1-4図 シートベルト着用者率及び致死率(自動車乗車中)の推移の図

(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

■第1-5図 危険認知速度別交通事故件数(一般道路)及び死者数の推移

第1-5図 危険認知速度別交通事故件数(一般道路)及び死者数の推移の図

(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

■第1-6図 飲酒運転・最高速度違反による交通事故の構成率及び死者数の推移

第1-6図 飲酒運転・最高速度違反による交通事故の構成率及び死者数の推移の図

(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

■第1-7図 歩行中死傷者(1当・2当)のうち違反あり歩行者の構成率及び歩行中死者数の推移

第1-7図 歩行中死傷者(1当・2当)のうち違反あり歩行者の構成率及び歩行中死者数の推移の図

(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

2 交通死亡事故等の特徴

(1)年齢層別交通事故死者数及び負傷者数
平成19年中の交通事故死者数を年齢層別にみると、65歳以上の高齢者(2,727人)が15年連続で最も多く、全死者数に占める割合は、65歳以上の高齢者の人口構成比(21.5%:「平成19年10月1日総務省推計人口」による。)の2倍を超える47.5%となっている。
 前年と比べると、すべての年齢層で減少しており、特に50~59歳(143人減)、60~64歳(129人減)及び16~24歳(102人減)が大きく減少した(第1-8図)。
 年齢層別の交通事故死者数の推移をみると、近年はすべての年齢層で減少傾向で推移しており、過去10年間では、特に16~24歳の若者の減少傾向が顕著である(第1-9図)。
 交通事故負傷者数を年齢層別にみると、30~39歳(19万8,908人)と16~24歳(18万3,959人)が多く、両者で全体の約4割を占めている。前年と比べると、16~24歳(1万6,718人減)が特に減少し、65歳以上の高齢者(63人増)が増加した(第1-10図)。
 死者数に占める割合が最も多い65歳以上の高齢者について状態別にみると、歩行中がほぼ半数(49.3%)を占め、他の状態に比べて高原状態にある。また、漸増傾向にあった自動車乗車中は、平成17年から3年連続で減少となったが、自転車乗用中は増加(20人増)した(第1-11図)。
■第1-8図 年齢層別交通事故死者数(平成19年)
第1-8図 年齢層別交通事故死者数(平成19年)の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-9図 年齢層別交通事故死者数の推移
第1-9図 年齢層別交通事故死者数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-10図 年齢層別交通事故負傷者数の推移
第1-10図 年齢層別交通事故負傷者数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-11図 高齢者の状態別交通事故死者数の推移
第1-11図 高齢者の状態別交通事故死者数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(2)状態別交通事故死者数及び負傷者数等
 平成19年中の交通事故死者数を状態別にみると、自動車乗車中(2,013人)が最も多く、次いで歩行中(1,943人)となっており、両者で全体の約7割を占めている。前年と比べると、すべての状態で減少しており、特に自動車乗車中(346人、14.7%減)が大幅に減少した。(第1-12図)。
 状態別の交通事故死者数の推移をみると、近年はすべての状態で減少傾向にあり、過去10年間では、特に自動車乗車中の減少が顕著であり、歩行中の死者数との差は年々縮小している(第1-13図)。
 交通事故負傷者数を状態別にみると、自動車乗車中が64万1,907人と最も多く、全負傷者数の62.1%を占めており、次いで自転車乗用中が17万1,178人(16.5%)となっている(第1-14図)。
■第1-12図 状態別交通事故死者数(平成19年)
第1-12図 状態別交通事故死者数(平成19年)の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-13図 状態別交通事故死者数の推移
第1-13図 状態別交通事故死者数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-14図 状態別交通事故負傷者数の推移
第1-14図 状態別交通事故負傷者数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(3)状態別・年齢層別の交通事故死者数
平成19年中の状態別の交通事故死者数を年齢層別にみると、次のような特徴がみられる(第1-15図)。
<1>
自動車乗車中については、16~24歳と65歳以上に2つのピークがあり、65歳以上の高齢者が全体の30.4%を占めた。
<2>
自動二輪車乗車中については、16~24歳の若者が全体の33.8%と依然として高い構成率となっている。
<3>
原動機付自転車乗車中の死者数については、65歳以上の高齢者が全体の44.9%と高い構成率となっている。
<4>
自転車乗用中及び歩行中については、65歳以上の高齢者が他の年齢層に比べ圧倒的に多く、それぞれ66.4%、69.2%となっている。
<5>
平成19年中の状態別・年齢層別の交通事故死者数を前年と比較してみると、30~39歳の自動車乗車中(79人減)が特に減少した。その他では、50~59歳の自動車乗車中(63人減)、65歳以上の自動車乗車中(62人減)、16~24歳の自動車乗車中(55人減)等が減少し、逆に65歳以上の自転車乗用中(20人増)、30~39歳の歩行中(19人増)が増加した(第1-16図)。
■第1-15図 平成19年中の状態別・年齢層別交通事故死者数
第1-15図 平成19年中の状態別・年齢層別交通事故死者数の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-16図 平成19年中の状態別・年齢層別交通事故死者数(対前年比)
第1-16図 平成19年中の状態別・年齢層別交通事故死者数(対前年比)の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(4)男女別・状態別の交通事故死者数
平成19年中の交通事故死者数を男女別にみると、男性では自動車乗車中の1,477人(39.6%)、女性では歩行中の1,013人(50.4%)が高い構成率を占めた。
 10年前と比べると、男女とも減少しているが、男の減少(44.1%減)が顕著である。状態別でみると、すべての状態で減少しており、特に自動車乗車中については、男女ともほぼ半減した(第1-17図)。
 また、年齢層別にみると、65歳以上の高齢者では女性の歩行中の占める割合が、15歳以下では男女とも歩行中及び自転車乗車中の占める割合が高い(第1-18図)。
■第1-17図 男女別・状態別交通事故死者数
第1-17図 男女別・状態別交通事故死者数の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-18図 年齢層別・状態別交通事故死者数(平成19年)
第1-18図 年齢層別・状態別交通事故死者数(平成19年)の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(5)飲酒運転による交通事故発生状況
平成19年中の原付以上運転者(第1当事者)の飲酒運転による交通事故件数は7,558件(構成率1.0%)で、前年と比べると4,067件(35.0%)減少した。うち死亡事故件数は430件(構成率5.7%)で、前年と比べると181件(29.6%)減少した(第1-19図)。
 過去10年間の推移をみると、飲酒運転に対する罰則等が強化された14年以降の減少が顕著であり、さらには、18年9月以降の飲酒運転根絶に対する社会的機運の高まりとともに、19年9月の飲酒運転の厳罰化等により、19年の死亡事故件数は10年前の約3分の1(平成9年に比べ64.5%減)に減少した(第1-19図)。
 また、飲酒運転による事故件数を月別にみると、18年9月以降は前年を大きく下回る傾向が続いている(第1-20図)。
■第1-19図 原付以上運転者(第1当事者)の飲酒運転による交通事故件数、交通死亡事故件数の推移
第1-19図 原付以上運転者(第1当事者)の飲酒運転による交通事故件数、交通死亡事故件数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-20図 月別飲酒運転による交通事故件数
第1-20図 月別飲酒運転による交通事故件数の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(6)シートベルト着用の有無別死者数
平成19年中の自動車乗車中の死者数をシートベルト着用の有無別にみると、非着用は1,001人で、前年に比べて209人(17.3%)減少した(第1-21図)。
 過去10年間のシートベルト非着用の死者数を乗車位置別にみると、シートベルト着用者率の向上に伴い、各席とも非着用の死者数は減少する傾向にある(第1-22図)。
 平成19年中の自動車乗車中の死傷者のシートベルト着用有無別の致死率をみると、非着用者の致死率は着用者の9.4倍と高くなっている(第1-23図)。
■第1-21図 シートベルト着用の有無別自動車乗車中死者数の推移
第1-21図 シートベルト着用の有無別自動車乗車中死者数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-22図 乗車位置別シートベルト非着用死者及びシートベルト着用者率の推移
第1-22図 乗車位置別シートベルト非着用死者及びシートベルト着用者率の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-23図 座席位置別・シートベルト着用有無別致死率(平成19年)
第1-23図 座席位置別・シートベルト着用有無別致死率(平成19年)の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(7)チャイルドシート使用の有無別死傷者数
平成19年中の6歳未満幼児の自動車同乗中の死者数は、21人(うちチャイルドシート使用は9人)であり、重傷者数は154人であった(第1-24図)。
 6歳未満幼児の自動車同乗中の致死率及び死亡重傷率をみると、チャイルドシートの使用者率の向上に伴い、致死率、死亡重傷率ともに減少する傾向にある(第1-25図)。
 平成19年中のチャイルドシート使用有無別の死亡重症率をみると、正しく使用した場合に比べ、不使用者は2.9倍に、不適正使用者は5.9倍と高くなっている(第1-26図)。
■第1-24図 チャイルドシート使用有無別死者数及び重傷者数の推移
第1-24図 チャイルドシート使用有無別死者数及び重傷者数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-25図 チャイルドシート使用者率、致死率及び死亡重症率の推移
第1-25図 チャイルドシート使用者率、致死率及び死亡重症率の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-26図 チャイルドシート使用有無別致死率及び死亡重症率(平成19年)
第1-26図 チャイルドシート使用有無別致死率及び死亡重症率(平成19年)の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(8)月別、曜日別、昼夜別交通事故発生状況
平成19年中の交通事故発生状況を月別、曜日別、昼夜別にみると次のとおりである。
月別交通事故発生状況
発生件数、死者数ともに12月がピークとなっており、年の後半に多くなる傾向が続いている。また、平成19年中の死者数は2月を除き前年同月以下となった(第1-27図)。
曜日別交通死亡事故発生件数
全体の平均は一日当たり15.3件であり、土曜日(16.5件)、金曜日(16.0件)、木曜日(15.6件)の順に多い(第1-28図)。
昼夜別交通事故発生状況
夜間の発生件数が事故全体の約4分の1(26.5%)であったのに対して、夜間の死亡事故件数は、ほぼ半数(49.9%)であった。昼夜別の死亡事故件数の推移をみると、夜間が昼間を上回ってきたが、昼夜間の差は年々減少し、19年は昼間が13件上回った(第1-29図)。
■第1-27図 月別交通事故死者数及び事故発生件数の推移
第1-27図 月別交通事故死者数及び事故発生件数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-28図 曜日別一日平均死亡事故発生件数
第1-28図 曜日別一日平均死亡事故発生件数の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-29図 昼夜別死亡事故件数及び交通事故発生件数の推移
第1-29図 昼夜別死亡事故件数及び交通事故発生件数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(9)道路形状別交通死亡事故発生件数
 平成19年中の交通死亡事故発生状況を道路形状別にみると、交差点内が最も多く(37.1%)、次いで一般単路(交差点、カーブ、トンネル、踏切等を除いた道路形状をいう。)(34.5%)、カーブ(16.8%)の順になった(第1-30図)。
■第1-30図 道路形状別死亡事故発生件数(平成19年)
第1-30図 道路形状別死亡事故発生件数(平成19年)の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(10)第1当事者別の交通死亡事故発生件数
 平成19年中の第1当事者(交通事故の当事者のうち、過失が最も重い者又は過失が同程度の場合は被害が最も軽い者をいう。)の交通死亡事故発生件数を車種別にみると、自家用乗用車(49.2%)、自家用貨物車(20.1%)の割合が多く、これだけで全体の約7割を占めている(第1-31図)。
 第1当事者の法令違反別に交通死亡事故発生件数をみると、漫然運転(14.6%)、脇見運転(13.3%)、安全不確認(10.2%)の順に多い(第1-32図)。
 自動車運転者が第1当事者となった死亡事故件数は、減少傾向で推移している。これを運転者の年齢別にみると、16~24歳の若者は、平成19年には元年の4分の1減少したのに対し、65歳以上の高齢者は高い傾向が続いており、19年には元年の約2.8倍となった(第1-33図)。
■第1-31図 第1当事者の車種別死亡事故発生件数(平成19年)
第1-31図 第1当事者の車種別死亡事故発生件数(平成19年)の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-32図 第1当事者の法令違反別死亡事故発生件数(平成19年)
第1-32図 第1当事者の法令違反別死亡事故発生件数(平成19年)の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
■第1-33図 自動車運転者(第1当事者)の若者・高齢者別死亡事故発生件数の推移
第1-33図 自動車運転者(第1当事者)の若者・高齢者別死亡事故発生件数の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(11)事故類型別交通死亡事故発生件数
平成19年中の事故類型別に交通死亡事故発生件数をみると、車両相互事故が最も多く(44.9%)、以下、人対車両(33.7%)、車両単独(20.8%)の割合が多い。さらに細分類してみると、出会い頭衝突(17.0%)、その他横断中(横断歩道・横断歩道付近以外での横断中)(15.0%)、工作物衝突(14.3%)、正面衝突(11.2%)の割合が高かった(第1-34図)。
■第1-34図 事故類型別死亡事故発生件数(平成19年)
第1-34図 事故類型別死亡事故発生件数(平成19年)の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

3 高速自動車国道等における交通事故発生状況

(1)概況
高速自動車国道等(高速自動車国道及び指定自動車専用道路(道路交通法第110条第1項の規定により国家公安委員会が指定する自動車専用道路)をいう。以下同じ。)における平成19年中の交通事故発生状況は、交通事故件数1万2,674件(うち死亡事故222件)が発生し、死者数244人、負傷者数2万1,005人であった(うち高速自動車国道では、交通事故6,282件(うち死亡事故151件)、死者数166人、負傷者数1万874人。指定自動車専用道路では、交通事故6,392件(うち死亡事故71件)、死者数78人、負傷者数1万131人。)(第1-35図)。
 高速自動車国道等において、これを前年と比較すると、死者数は18人(6.9%)、負傷者数は1,002人(4.6%)減少した。
■第1-35図 高速自動車国道等における交通事故発生状況の推移
第1-35図 高速自動車国道等における交通事故発生状況の推移の図
(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます
(2)死亡事故率
 高速自動車国道等は自動車専用の道路であり、原則として上下線が分離されていることから事故率は低く、高速自動車国道についてみれば、平成19年で1億走行台キロ当たりの交通事故は8.7件である。
 しかし、高速自動車国道等は高速走行となるため、わずかな運転上のミスが事故に結びつきやすく、しかも一たび事故が発生すると被害が大きく、関係車両や死者数も多数に及ぶ重大事故に発展することが多い。このため、交通事故発生件数に占める死亡事故件数の割合(死亡事故率)は、その他の道路の約2.7倍である。
(3)事故類型別及び法令違反別発生状況
平成19年中の高速自動車国道等における事故類型別発生状況は、車両相互の事故が事故全体の85.7%、車両単独事故が13.3%で、車両単独事故の割合がその他の道路(5.1%)に比べ高い。
 車両相互の事故では、車線上の停止車への追突が最も多く、次いで走行車への追突の順となった。
 車両単独の事故では、防護さく等への衝突が最も多く、次いで中央分離帯への衝突の順となった。
 また、平成19年中の高速自動車国道等における法令違反別発生状況は、前方不注視が交通事故全体の41.0%で最も多く、次いで動静不注視(22.0%)、安全不確認(10.4%)、ハンドル操作不適(6.6%)の順となった。
(4)昼夜別交通事故発生状況
平成19年中の高速自動車国道等における昼夜別交通事故発生状況をみると、夜間は発生件数が全体の30.2%であるのに対し、死亡事故件数は56.8%を占めた。これを交通事故発生件数に占める死亡事故件数の割合(死亡事故率)でみると、夜間が3.3%、昼間が1.1%で、夜間は昼間の約3倍である。

目次 | 前へ | 第2章 道路交通安全施策の現況