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ボーイング787型機のバッテリートラブル事案への対応について

平成25年1月7日(米国時間),ボストンのローガン国際空港において駐機中の日本航空ボーイング787型機の補助動力装置用バッテリーから出火する事案が発生した。また25年1月16日には,全日本空輸ボーイング787型機のメインバッテリーが飛行中に発煙し,高松空港に緊急着陸する事案が発生した。これらの事案を受け,ボーイング787型機の運航は数ヶ月にわたり全世界で運航が停止された。事案発生時には,日本の航空会社はボーイング787型機を24機(世界全体では49機)運航しており,利用者及び航空会社等に多大な影響を及ぼした。本事案については,製造国である米国等の関係国及び我が国の航空関係者と緊密に連携し,その原因究明及び再発防止策を検討し,安全・安心の確保に万全の措置を講じて運航再開に至っている。

原因究明,再発防止策の検討

ボーイング787型機のバッテリートラブル事案の発生を受け,国土交通大臣をヘッドとする省内連絡会議を設置するとともに,航空局及び運輸安全委員会が,米国連邦航空局(FAA)及び米国国家運輸安全委員会(NTSB)と緊密に連携し,原因究明及び再発防止策の検討を行った。

ボーイング社は,事案発生直後から社外の専門家から得られた意見や運輸安全委員会やNTSBの調査で判明した事実等を分析し,想定される原因を約80項目に原因を絞り込んだ。

更に,この80項目を原因や対策の類似性の観点より,以下の4グループに分類した。

  1. <1> 電極ナットの不適切な締付け
  2. <2> 外部短絡や電圧変化による電解液への負荷
  3. <3> セルの過放電による化学変化
  4. <4> 製造時における異物等の混入

そのうえで,これら全ての原因に対応できる是正措置として,以下の3段階の是正措置を策定した。

  1. <1> 4グループ約80項目の原因によるバッテリーセルの過熱を防止するための直接的な対策
  2. <2> バッテリーセルに過熱が発生した場合に,他のバッテリーセルへの熱の伝播への対策
  3. <3> 万一,バッテリーセル間で熱が伝播した場合の火災等の防止

航空機全体の設計は,何重もの防御措置が講じられているが,この3段階の是正措置は,バッテリー不具合に対し,更に三重の対策を講じる内容となっている。

国土交通省としては,FAAと緊密に連携しつつ,ボーイング社の原因究明及び是正措置の内容の分析及び評価を行った結果,ボーイング社の是正措置は妥当なものであると判断し,平成25年4月26日に是正措置に関する改修を行ったボーイング787型機の飛行再開を認めることとした。

航空会社に対する安全・安心の確保の要請

ボーイング787型機の運航の再開に際しては,運航が長期間にわたって停止されていたことに鑑み,安全の確保はもちろんのこと,利用者の安心の確保することも極めて重要であると考え,我が国の航空会社に以下の2点について強く要請した。

  1. <1> 機体の点検・整備,運航乗務員の能力の確保等に万全の措置を講ずること
  2. <2> 利用者等に対する適切な情報開示を実施すること

これを受けて,我が国航空会社は,バッテリー改修後の確認飛行,運航乗務員の慣熟訓練等を実施した。バッテリー改修作業については,サンプリングで航空局職員が立ち会うとともに,立会いを実施しなかった機体についても,作業記録等により,確認を行った。また,改修後の確認飛行については,国内で行われた全てに立会いを実施し,安全性を確認した上で,平成25年5月26日に有償運航の再開に至っている。有償運航の再開後も,航空会社の独自の取り組みとして,以下の措置を講じている。

  1. <1> 飛行中のバッテリーの電圧値の地上における監視
  2. <2> 一定期間使用したバッテリーのサンプリング詳細検査
  3. <3> ボーイング787型機の運航状況等,利用者に対する安全運航に関する情報のホームページ等における積極的な開示

その後も、運輸安全委員会及びNTSBにおいて、ボーイング787型機のバッテリートラブル事案の根本原因の究明に向けて調査中である。国土交通省としては引き続き、関係者と緊密に連携し、航空機の運航の安全・安心の確保に努めている。

【政府ホームページ掲載先】

ボーイング787型機のバッテリートラブル事案発生から運航再開までの対応については、下記ホームページに掲載している。
http://www.mlit.go.jp/common/001002893.pdf(PDF形式)別ウィンドウで開きます

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