平成26年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況
第1編 陸上交通
第2部 鉄道交通
第1章 鉄道交通事故の動向
1 近年の運転事故の状況
鉄道交通における運転事故※は,長期的には減少傾向にあり,平成6年に1,123件であったものが,16年には782件,26年には773件で,26年は前年比4.0%減であった(第1-40図)。
事故種類別にみると,踏切障害が251件(32.5%),人身障害454件(58.7%),道路障害48件(6.2%)であった(第1-29表)。
区分 | 列車事故 | その他の事故 | 合計 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
列車衝突 | 列車脱線 | 列車火災 | 小計 | 踏切障害 | 道路障害 | 人身障害 | 物損 | 小計 | ||
件数(件) | 1 | 15 | 0 | 16 | 251 | 48 | 454 | 4 | 757 | 773 |
0.1% | 1.9% | 0.0% | 2.1% | 32.5% | 6.2% | 58.7% | 0.5% | 97.9% | 100.0% | |
死傷者(人) | 72 | 48 | 0 | 120 | 160 | 15 | 456 | 631 | 751 | |
(0) | (2) | (0) | (2) | (93) | (2) | (208) | (303) | (305) |
運転事故による死者数は305人で,第9次交通安全基本計画の目標に反し増加したが(10.5%増),乗客の死者数はゼロであった(第1-29表)。
2 平成26年中の列車事故の状況
列車事故(運転事故のうち列車衝突事故,列車脱線事故及び列車火災事故をいう。)は,16件(運転事故件数の2.1%)であり,前年比6.7%増となり,列車事故による死者は2名であった。
3 平成26年中の踏切事故の状況
踏切事故※は,踏切保安設備の整備等により,長期的には減少傾向にある。平成26年は254件で前年比14.5%減であり,踏切事故による死者数は95人で前年比1.1%増であった(第1-41図)。
原因別にみると,列車が通過する直前の横断等道路交通側の原因が50.0%であり,衝撃物別にみると,自動車と衝突した事故が46.9%を占めている(第1-42図)。
また,第1種踏切道での事故件数が85.4%を占めているが,踏切道100か所当たりでは第1種が最も少なくなっている(第1-30表)。
踏切道 | 踏切道数 | 件数 | 構成率 (踏切道) |
100か所当たり の事故件数 |
---|---|---|---|---|
か所 | 件 | % | 件 | |
第1種 | 29,880 | 217 | 88.8 | 0.73 |
第2種 | - | - | - | - |
第3種 | 794 | 9 | 2.4 | 1.13 |
第4種 | 2,981 | 28 | 8.9 | 0.94 |
計 | 33,655 | 254 | 100.0 | 0.75 |
4 人身障害事故の発生状況
平成26年の人身障害事故は454件,死者数は208人で前年比14.3%増,このうちホームから転落して又はホーム上で,列車と接触して死傷する事故(ホーム事故)は,26年は220件で前年比4.8%減であり,ホーム事故による死者数は35人で前年比12.9%増であった(第1-43図)。
なお,ホーム事故は,酔客による事故件数が60.9%を占めている。
5 平成26年中の鉄道交通における重大事故の発生状況
平成26年2月15日に東京急行電鉄の東横線元住吉駅構内において,列車衝突事故が発生し72人が負傷するなど,2件発生した(第1-31表)。
発生 月日 |
事業者名 | 線名・場所 | 事故種類 | 死傷 者数 |
脱線 両数 |
主原因及び概要 |
---|---|---|---|---|---|---|
2/15 | 東京急行電鉄 | 東横線 元住吉駅構内 |
列車衝突事故 | 72人 (0人) |
4 | ホームを過走し停車していた先行列車に,後続列車が衝突,その衝撃で脱線した。 |
6/21 | 九州旅客鉄道 | 指宿枕崎線 生見駅~薩摩和泉駅間 |
列車脱線事故 | 18人 (0人) |
1 | 列車走行中,線路内を支障している木を認めたため非常ブレーキを使用したが,線路内に流入していた木及び土砂に乗り上げ脱線した。 |