特集 「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策について」
第2章 未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策
第2節 未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策の経緯

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特集 「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策について」

第2章 未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策

第2節 未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策の経緯

1 相次ぐ子供が犠牲となる交通事故,高齢運転者による交通事故

平成31年4月19日,東京都豊島区において高齢者が運転する暴走した乗用車により親子2人が死亡,運転者・同乗者を含む10人が重軽傷を負った。また,令和元年5月8日には,滋賀県大津市の交差点において直進車と右折車が衝突し,巻き添えで散歩中の保育園児2人が死亡,14人が重軽傷を負った交通死亡事故が発生するなど,痛ましい事故が相次いで発生した。

2 関係閣僚会議の開催

このような事故を受けて,令和元年5月21日に,第1回「昨今の事故情勢を踏まえた交通安全対策に関する関係閣僚会議」が開催された。この会議において,総理から,

・高齢者の安全運転を支える対策の更なる推進

・高齢者の移動を伴う日常生活を支える施策の充実

について,新たな技術の進展なども考慮しつつ,一層強力に推進するとともに,

・未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路の安全確保

について対策を早急に講じるよう指示がなされた。

同日付で,交通安全対策本部長(内閣府特命担当大臣(交通安全対策担当))決定に基づき,関係省庁の局長級を構成員とするワーキングチームを設置し,対策を検討し,6月18日に,第2回関係閣僚会議において,「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」を決定した。この対策は,以下を基本に,緊急に対応すべき施策を始め重点的に取り組むべき施策を取りまとめたものとなっている。

① まず,緊急に取り組む対策として,子供を交通事故の被害から守るため,未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路等の安全確保を早急に進める。

② 次に,安全運転サポート車の普及や運転免許証の自主返納者への各種支援策の広報・啓発など「高齢者の安全運転を支える対策」については,これまでも取り組んできたが,これらを一層加速させる。

③ さらに,免許返納後の高齢者の移動の足となる公共交通の利用環境の改善,最新の自動運転技術を取り入れた新しいモビリティの活用等の「高齢者の移動を伴う日常生活を支える取組」について,大胆に取り組む。

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