第1編 陸上交通
第2部 鉄道交通
第2章 鉄道交通安全施策の現況
第1節 鉄道交通環境の整備

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第1編 陸上交通

第2部 鉄道交通

第2章 鉄道交通安全施策の現況

第1節 鉄道交通環境の整備
1 鉄道施設等の安全性の向上

鉄道交通の安全を確保するためには,基盤である線路施設について常に高い信頼性を確保する必要があり,土砂崩壊,落石,雪崩等による施設の被害を防止するため,防災設備の整備を促進するとともに,鉄道事業者に対し,適切な保守及び整備を実施するよう指導した。

2 鉄道施設の老朽化対策の推進

鉄道事業者に対して,予防保全の観点から構造物の定期検査の実施,それに基づく健全度の評価を行い,適切な維持管理を行うよう指示するとともに,人口減少が進み経営状況が厳しさを増す地方の鉄道事業者に対して,鉄道施設の長寿命化に資する補強・改良に対する支援等を行った。

3 鉄道施設の豪雨対策の強化

近年,頻発化・激甚化する豪雨災害に適切に対応するため,河川に架かる鉄道橋梁の流失等防止対策や鉄道に隣接する斜面からの土砂流入防止対策といった豪雨対策を推進した。

4 鉄道施設の地震対策の強化

首都直下地震や南海トラフ地震等の大規模地震に備え,多くの鉄道利用者の安全確保や,一時避難場所としての機能の確保等を図るため,主要駅や高架橋等の耐震対策を推進した。この結果,首都直下地震又は南海トラフ地震で震度6強以上が想定される地域等に存在する主要鉄道路線の耐震化率について,おおむね100%を達成した。

5 駅ホームにおける安全性向上のための対策の推進

駅ホームの安全性向上については,ホームドア整備の前倒しや駅員による誘導案内などハード・ソフト両面からの転落防止対策を推進している。このうちホームドアについては,交通政策基本計画(令和3年5月28日閣議決定)及び移動等の円滑化の促進に関する基本方針(2年12月25日)に基づき,7年度までに,優先度が高い3,000番線,うち平均利用者数が10万人/日以上の駅で800番線を整備することとしている。3年度末時点において,駅全体で2,337番線,うち平均利用者数が10万人/日以上の駅で406番線が整備された。また,ホームドアのない駅においても,「新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策について~中間報告~」(3年7月公表)を取りまとめ,引き続きITやセンシング技術等を活用した視覚障害者のホーム転落防止対策について検討している。

6 運転保安設備等の整備

曲線部等への速度制限機能付きATS等,運転士異常時列車停止装置,運転状況記録装置等について法令により整備の期限が定められたものの整備については,平成28年6月までに完了したが,整備の期限が定められていないものの整備については引き続き推進した。

※ 1時間あたりの最高運行本数が往復10本以上の線区の施設又はその線区を走行する車両若しくは運転速度が100キロメートル毎時を超える車両又はその車両が走行する線区の施設について10年以内に整備するよう義務付けられたもの。

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