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「ゾーン30プラス」の取組状況について

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「ゾーン30プラス」の目的

第11次交通安全基本計画においては,「生活道路における安全確保,地域が一体となった交通安全対策の推進」等が重視すべき視点とされるとともに,講じようとする施策として,「生活道路等における人優先の安全・安心な歩行空間の整備」が掲げられ,その具体的手法として,「物理的デバイスと組み合わせたゾーン規制の活用」等が位置付けられている。

令和3年8月26日より,最高速度30キロメートル毎時の区域規制とハンプや狭さく等の物理的デバイスとの適切な組合せにより交通安全の向上を図ろうとする区域を設定し,生活道路における人優先の安全・安心な通行空間の整備の更なる推進を図る施策である「ゾーン30プラス」を推進している。

「ゾーン30プラス」の概要

「ゾーン30プラス」は,歩行者等の通行が最優先され,通過交通が可能な限り抑制されるという基本的なコンセプトに対する地域住民の同意が得られ,次のいずれにも該当する区域の中から,警察と道路管理者が協議して設定する。

○ 最高速度30キロメートル毎時の区域規制が実施され,又は実施が予定されていること。

○ 警察と道路管理者,地域の関係者等との間で,ドライバーの法令遵守意識を十分に高めるための物理的デバイスの設置について,適切に検討され,実施され,又は実施が予定されていること。

これら要件を満たす区域について,警察と道路管理者は共同で「ゾーン30プラス」整備計画を策定するものとしているが,その際,地域の要望等をしっかり把握しながら進めていくなど,策定初期の段階から地域との合意形成を図りながら整備計画を策定していくことが重要である。

整備計画を策定した後,対策の実施,対策効果の把握と進み,効果検証を経て,必要に応じて対策の改善・充実を図るというPDCAサイクルを基本として,継続的な取組を推進していく。

なお,「ゾーン30プラス」の入り口には,当該区域内が歩行者等の通行が最優先される道路環境であること及び物理的デバイスが設置されていることをドライバーに周知し,車両の速度及び通過交通を抑制するため,全国統一のシンボルマーク入りの路面表示と看板を設置することとしている。

「ゾーン30 プラス」の路面表示・看板
「ゾーン30 プラス」入り口(長崎県佐世保市 御本町・大塔町地区)

「ゾーン30プラス」の取組状況(令和4年度末時点)

令和4年度末時点で,全国122地区において「ゾーン30プラス」の整備計画が策定されており,また,これら122地区以外の各地においても整備計画の策定に向けた取組がそれぞれ進められており,整備計画の策定に向けた地域との協議等を始め,それぞれの現地状況にあった対策内容の検討等が進められている。

「ゾーン30プラス」に取り組むに当たっては,地域の実情を踏まえ様々な対策を組み合わせていくことや他地域の取組・工夫も参考にしながら整備計画を策定し,対策を進めること,PDCAサイクルによる対策の改善・充実を図ることが重要である。

生活道路対策は,その対象が地域に密着した道路であるがゆえに,対策実施に当たっては地域との合意形成だけでなく,技術的な困難を伴うことも多い。対策を実施する地方公共団体等に対し支援を行い,安全な生活道路,人優先の安全・安心な通行空間の実現につながる取組を進めていく。

○本施策の詳細については,以下のURL(国土交通省ホームページ)を参照
http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/sesaku/syokai.html

ハンプ(宮城県富谷市 大清水一丁目地区)
スムーズ横断歩道(交差点部)(高知県四万十市 中村小学校地区)
狭さく(埼玉県草加市 住吉二丁目地区)
シケイン(クランク)(広島県福山市 新涯町一丁目・新涯町三丁目地区)
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