【中学生区分】 ◆優秀賞 坂本 篤宣(さかもと あつのぶ)

僕の未来を変えていく
坂本 篤宣 (高松市立山田中学校 2年 香川県)

僕は進行性の病気の影響で車椅子に乗って生活しています。また、体も徐々に動かしにくくなり、できないことが増えてきました。

そんな僕の学校生活を支えてくれるのが友達や先生です。その中でも、特に関わることが多く、気軽に頼りやすい同学年の友達は、僕が困っていると自然に助けてくれます。しかし、助けるとき以外は、同級生として、変な遠慮なく対等に接してくれます。

ある授業での班活動のときのことです。みんなで神経衰弱をすることになりました。しかし、教室内での広範囲の移動は車椅子では難しいため、移動する方法を考えていました。すると、カードを置く場所を僕の机の上に変えてくれて、無理なく楽しく活動することができました。

また、今年の運動会前に僕は全員リレーで走りたいと担任の先生に伝えました。すると、昼休みに担任の先生を中心に、各クラスの体育委員や足の速い友達が協力してくれて、足で走る速さと車椅子で走る速さを比較して有利にも不利にもならない丁度いいスタート位置を見つけることができました。

このように病気だからできないと勝手に考える人より、小さなことも協力的に考えてくれる人がいることで世界が少しずつ明るい方向に変わっていき、いろいろな立場の人が尊重されるのではないでしょうか。

ただ、病気の僕が親切から感じることはこれだけではありません。僕は、親切な友達に疑問を感じることがあります。

小学校高学年の頃から、本格的な電動車椅子を使うようになり友達から助けてもらえても、自分は助けられないので、なぜこんなに親切にしてくれるのだろうという疑問を感じ始めたのです。中学生になると、助けてもらうことも小学生のときより増えました。それでも友達の対応はあまり変わりませんでした。だから、本当は仕方なく助けてくれているのではないかと考えることがあります。絶対にそんなはずないと否定したいのに、考えたくない想像が脳裏に浮かんできます。そして、助けてもらえた感謝と親切を信じきれない弱い自分への嫌悪感で複雑な気持ちになってしまいます。

それでも、僕とずっと友達でいてくれたなら、僕がもっと自信を持てたなら、いつか心の底から感謝できる日が来ると自分を信じています。実際に、僕が希望を見失いかけたときでも、ここで諦めたら、親切にしてくれた人達が悲しむかもしれないと考え、希望を取り戻したことは幾度となくあるからです。

きっと遠くない未来では、今の友達が助けてくれたことに心の底から感謝できていると強く思います。また、僕も親切をできる限り返したいです。そのために、いろいろなことを勉強して、直接でなくても、人や世界を助けられるような知識を身につけておきたいと思います。人生が急に終わっても、後悔しないように今を大切に生きていくと心に誓います。

過去も、今も、未来も、支えてくれて本当にありがとう。