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障害者施策トップ > 新たな「重点施策実施5か年計画」策定

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重点施策実施5か年計画


〜障害の有無にかかわらず国民誰もが互いに支え合い
共に生きる社会へのさらなる取組〜


平成19年12月25日
障害者施策推進本部決定


 障害者施策において、政府は、平成14年に、15年度から24年度までの10年間を計画期間とする「障害者基本計画」(以下「基本計画」という。)を策定し、併せて、基本計画に基づく諸施策の着実な推進を図るため、前期5年間に係る現行「重点施策実施5か年計画」を策定した。
 基本計画においては、我が国が目指すべき社会を障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会とすることを掲げ、そのための課題、分野別施策の基本的方向等を規定したところである。
 以来、我が国の障害者施策は、基本計画及び現行「重点施策実施5か年計画」に基づき、共生社会の実現に向けて着実に推進され、各分野で法制度の改正等が行われてきたところである。

〈法制度の改正等〉
平成16年
・障害を理由とする差別の禁止等を内容とする障害者基本法の改正
・発達障害者に対する生活全般にわたる支援の促進等を図るための発達障害者支援法の制定
平成17年
・精神障害者に対する雇用対策の強化等を行うための障害者の雇用の促進等に関する法律の改正
・障害者が地域で安心して暮らすことができるよう、障害福祉サービスを質・量共に充実すること等を目的とした障害者自立支援法の制定
平成18年
・複数の障害に対応した教育を行うことのできる特別支援学校の制度化等を行うための学校教育法等の改正
・教育の機会均等に係る規定に障害者の教育に係る支援を盛り込んだ教育基本法の改正
・公共交通機関、道路、建築物等の一体的・総合的なバリアフリー化の促進等を内容とする高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の制定

〈国連の動向等〉
平成18年
・国連総会における、障害者の権利及び尊厳を保護し、及び促進するための包括的かつ総合的な国際条約である障害者権利条約の採択
平成19年
・国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)における「びわこミレニアムフレームワーク」に係る後期5年間の行動指針としての「びわこプラスファイブ」の採択
・障害者権利条約の署名

 共生社会は、障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う社会であるとともに、障害者が社会の対等な構成員として人権を尊重され、自己選択と自己決定の下に社会のあらゆる活動に参加、参画し、その一員として責任を分担する社会である。

 本計画においては、現行「重点施策実施5か年計画」期間において行われた法制度の改正の施行状況等を踏まえ、自立と共生の理念の下に、共生社会の実現に真に寄与するようにするため、以下に重点を置き、施策展開を図ることとするものである。

☆ 地域での自立生活を基本に、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害等の障害の特性に応じ、障害者のライフサイクルの全段階を通じた切れ目のない総合的な利用者本位の支援を行うこと。

☆ 障害者の地域における自立や社会参加に係る障壁を除くため、誰もが快適で利用しやすいユニバーサルデザインに配慮した生活環境の整備等を推進するとともに、IT(情報通信技術)の活用等により障害者への情報提供の充実等を図ること。

☆ 障害者自立支援法の抜本的な見直しの検討を進め、その結果を踏まえ必要に応じ本計画の見直しを行うこと。

☆ 障害者の権利及び尊厳を保護し、及び促進するための包括的かつ総合的な国際条約である障害者権利条約の可能な限り早期の締結を目指して必要な国内法令の整備を図ること。

 本計画においては、これらを基とし、基本計画の後期5年間における諸施策の着実な推進を図るため、平成20年度からの5年間に重点的に取り組むべき課題について、120の施策項目並びに57の数値目標及びその達成期間等を定めるものである。

I 重点的に実施する施策及びその達成目標

1 啓発・広報

○基本方針
障害者が地域において自立して生活し、障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会の理念の普及を図るとともに、障害及び障害者に関する国民理解を促進し、併せて、障害者への配慮等について国民の協力を得るため、幅広い国民の参加による啓発・広報活動を強力に推進する。

(1)啓発・広報活動の推進

○共生社会の理念の普及等
 障害者週間の行事の実施等を通じて、共生社会の理念の普及を図る。
 特に、将来を担う若者に対する啓発・広報を一層推進する。
 また、障害のある人が障害のない人と同じように生活するために必要な配慮・工夫について国民の理解と協力を得るため、啓発・広報を推進する。

(数値目標・達成期間)
○共生社会の周知度
・世代全体
40.2%〔19年〕→ 50%〔24年〕
○共生社会の周知度
・若者(20代)
26.7%〔19年〕→ 50%〔24年〕
※直近の実績の数値を矢印の左側に記載している。以下同じ。

○精神障害、知的障害、発達障害等に係る一層の理解促進
 国民の障害及び障害者に対する理解を引き続き促進する。とりわけ、国民の理解が遅れているとされる精神障害、知的障害、発達障害等については、その障害の特性や必要な配慮等に関し、国民の理解と協力が得られるよう一層の啓発・広報を推進する。
 また、地域社会における障害者への理解を促進するため、福祉施設、教育機関等と地域住民等との日常的交流の一層の拡大を図る。

○障害者権利条約及び障害者関連法令の周知
 我が国が署名し、今後締結を目指している「障害者の権利に関する条約」への関心を高めるため、同条約の国民への周知を図る。
 また、国民の障害者に対する理解を促進し、障害者の人権の確保等を図るため、同条約等に係る関連法令を含む障害者関連法令の国民への周知を図る。

○障害者の利活用への配慮等に係る啓発・広報の充実
 障害者が利活用する視覚障害者誘導用ブロック、補助犬、補装具等に対する理解を促進するとともに、円滑な利活用に必要な配慮等について周知を図る。
 特に、障害者用駐車スペースにおける不適切な利用を防止するなど、当該駐車スペースを必要とする障害者等が円滑に利用できるようにするため、当該駐車スペース及びいわゆる国際シンボルマークの趣旨の周知や、分かりやすい表示の普及等を図る。
 障害者団体等が作成する各種障害を対象とした啓発、周知等のためのマークについて、国民への情報提供を行い、その周知を図る。

○多様な媒体を活用した啓発・広報の推進
 インターネットの活用等、創意工夫のある広報媒体・広報手段を活用した効率的・効果的な啓発・広報を推進する。

○関係機関の連携・協力による啓発・広報の推進
 企業及び民間団体との連携、マスメディアの協力による啓発・広報を推進するとともに、人権擁護、福祉、労働、教育等の各行政分野の連携による幅広い啓発・広報を推進する。

○「心のバリアフリー」の推進
 バリアフリー化の推進に関する取組を表彰し、その取組を広く普及させること等により、障害者が自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性について国民の理解を深め、誰もが障害者等に自然に手助けすることのできる「心のバリアフリー」を推進する。

(2)福祉教育等の推進

○相互理解の促進
 障害のある幼児児童生徒と障害のない幼児児童生徒との相互理解を深めるための活動を一層促進する。

○障害者を理解するための教育の推進
 小・中学校等の特別活動等において、障害者に対する理解と認識を深めるための指導を推進する。

(3)公共サービス従事者等に対する障害者理解の促進

○行政機関、企業等の職員に対する障害者理解の一層の促進
 行政機関、企業等の職員に対し、障害者への配慮マニュアルの活用、各種研修の実施等により、障害の特性や必要な配慮等に関し周知を図り、その一層の理解と協力を促進する。

(4)ボランティア活動の推進

○ボランティア活動及び企業等の社会貢献活動の理解促進
 児童生徒、地域住民等のボランティア活動への理解を引き続き促進するとともに、企業やその職員等の社会貢献活動の充実を図るため、取組事例の紹介等により、その一層の理解と協力を促進する。

2 生活支援

○基本方針
 利用者本位の考え方に立って、個人の多様なニーズに対応する生活支援体制の整備やサービス基盤の量的・質的な充実を計画的に推進し、障害の有無にかかわらず安心して暮らせる地域社会の実現に向けた体制を確立する。
 また、ライフサイクルを通じて切れ目のない相談支援及び各種サービスの提供を図るとともに、成年後見制度の利用促進等による権利擁護を図り、地域生活を支援するための技術開発を促進する。

(1)利用者本位の生活支援体制の整備

○利用者の立場に立ったサービス体系の実現と事業者の経営基盤の強化
 障害者自立支援法の施行状況等を踏まえ、その抜本的な見直しの検討を進めるとともに、利用者負担の見直しと事業者の経営基盤の強化に取り組む。

○地域自立支援協議会を中心とした相談支援体制の充実
ア ライフサイクルを通じた障害福祉サービスの利用援助や当事者による相互支援(ピアカウンセリング)、権利擁護のために必要な援助等を提供する体制の充実のために、地域自立支援協議会を中心とした障害者の地域生活を支えるネットワークを構築する。
イ 国立専門機関等において、地域で生活する障害者や支援者が、障害の特性に応じた支援方法などについて、より高度な専門的・技術的支援を受けることができる体制を整備する。

(数値目標・達成期間)
○地域自立支援協議会の設置市町村数
 700市町村〔19年〕→全市町村〔24年〕

○乳幼児期における障害児への支援
 乳幼児期における障害児への支援について、障害児施設等による療育や家族への支援を行うとともに、保育所や幼稚園等においても、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう対応することが子どもの発育にとって重要であるので、障害児を受け入れている保育所や幼稚園等に対し、専門性を持った障害児施設等から巡回支援を実施するなど、環境を整備する。

○成年後見制度の利用促進等による権利擁護
 パンフレットの作成・配布やホームページによる情報提供等により、引き続き、成年後見制度の利用方法等の一層の周知を図るとともに、成年後見制度等の利用を支援する。

○矯正施設に入所している障害者等の地域生活支援の推進
 厚生労働行政と法務行政が連携を図り、矯正施設に入所している障害者等について、相談支援事業を活用することなどにより、社会復帰に向けた地域生活支援を推進する。

(2)地域移行の推進

○障害福祉計画に基づく障害福祉サービス等の計画的な基盤整備
 障害者自立支援法において、障害者が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、施設入所者の地域生活への移行や一般就労への移行等に関する数値目標を設定するとともに、その達成に必要な障害福祉サービスや相談支援サービス等が地域において計画的に提供されるよう、都道府県及び市町村による、障害福祉計画の作成が義務付けられたところであり、同計画の着実な推進を図る。

○精神障害者の退院促進と地域移行の推進
 受入条件が整えば退院可能とされる精神障害者の地域生活への移行を推進する。

(数値目標・達成期間)
○訪問系サービス(注1)の利用時間数
約376万時間〔19年度〕→約522万時間〔23年度〕
○日中活動系サービス(注2)のサービス提供量
約713万人日分〔19年度〕→約825万人日分〔23年度〕
○療養介護事業の利用者数
約0.4万人分〔19年度〕→約1.0万人分〔23年度〕
○児童デイサービス事業のサービス提供量
約26万人日分〔19年度〕→約34万人日分〔23年度〕
○短期入所事業のサービス提供量
約24万人日分〔19年度〕→約35万人日分〔23年度〕
○共同生活援助事業(グループホーム)、共同生活介護事業(ケアホーム)の利用者数
約4.5万人〔19年度〕→約8.0万人〔23年度〕
○相談支援事業の利用者数
約3万人〔19年度〕→約5万人〔23年度〕
○福祉施設入所者数
14.6万人〔17年度〕→約13.5万人〔23年度〕
○退院可能精神障害者数
4.9万人〔19年度〕のうち、約3.7万人の減少〔23年度〕
(注1)居宅介護事業、重度訪問介護事業、行動援護事業、重度障害者等包括支援事業
(注2)生活介護事業、自立訓練(機能訓練)事業、自立訓練(生活訓練)事業、就労移行支援事業、就労継続支援A型事業、就労継続支援B型事業及び新体系サービスに移行していない身体障害者更生施設、身体障害者療護施設、身体障害者授産施設(通所・入所)、知的障害者更生施設、知的障害者授産施設(通所・入所)、精神障害者授産施設(通所・入所)、精神障害者生活訓練施設、小規模通所授産施設(身体・知的・精神)、福祉工場(身体・知的・精神)
※「訪問系サービスの利用時間数」から「相談支援事業の利用者数」までは、各都道府県の障害福祉計画における19年度の平均的なサービス見込量(1月当たり)の合計値である。また、「退院可能精神障害者数」については、各都道府県の障害福祉計画における数値を19年度に集計したものである。

○障害者に対する住宅セーフティネットの構築
 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)の趣旨を踏まえ、公営住宅などの供給や優先入居の措置等の促進を図る。また、あんしん賃貸支援事業(民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るために情報提供等を実施する。)と、居住サポート事業(賃貸契約による一般住宅(公営住宅及び民間賃貸住宅)への入居を希望しているが、入居が困難な障害者等に対し、入居に必要な調整や支援、家主への相談・助言を行う。)の連携により、障害者の一般住宅への入居を進める。

○障害児の居場所の確保
 放課後や夏休み等の長期休暇の間の居場所を確保するための施策を推進する。

○身体障害者補助犬法への理解の促進
 身体障害者補助犬法の改正を踏まえ、都道府県の補助犬に関する苦情相談窓口で対応がなされるよう「相談対応マニュアル」を整備するなど、円滑な施行を図るとともに、引き続き、補助犬への理解の促進及び受入れの円滑化のための広報・啓発を推進する。

○発達障害者施策の推進
 発達障害者支援法を踏まえ、発達障害者の乳幼児期から成人期までの一貫した支援を推進する観点から、保健・医療・福祉・就労・教育等の制度横断的な関連施策の推進を図る。
ア 発達障害者には幅広い領域の支援が必要となっていることを踏まえ、各自治体においてネットワーク作りを効果的に促進するためのモデル事例集を平成21年度までに策定する。
イ 標準的な支援方法が確立されておらず、幼児期から成人期まで一貫した支援が十分ではないことを踏まえ、平成21年度までに地域において実施されている支援方法を把握し、支援マニュアルを策定する。
ウ 発達障害児やその保護者に対応できる技能を持つ専門家が少ないことを踏まえ、地域で核となって支援を進める人材を育成するための研修を行う。

(3)スポーツ、文化芸術活動の振興

○スポーツ、文化芸術活動の振興
 障害者の社会参加等を促進するため、障害の有無にかかわらず、誰もが参加するスポーツ、文化芸術活動の振興を図るとともに、地域におけるスポーツ大会及び文化講座等や全国の障害者が参加する「全国障害者スポーツ大会」及び「全国障害者芸術・文化祭」を開催する。

(4)福祉用具の研究開発・普及促進と利用支援

○優れた技術や創意工夫のある福祉用具の実用化開発に対する支援
ア 高齢者・障害者及び介護者の生活の質の向上を目的として、生活支援分野、社会活動支援分野を中心として優れた技術や創意工夫のある福祉用具の実用化開発を行う民間企業に対し、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じて研究開発費用の補助を行う。
イ 脳とコンピュータをつなぐブレイン・マシン・インターフェイス(BMI:Brain Machine Interface)技術の開発によって、失われた身体機能の回復・補完を可能とする高度な義手・義足等の開発等を戦略的に推進する。
ウ 視覚障害者、聴覚障害者、認知障害者等向けの情報支援機器、義肢装具、電動車いす、福祉車両、介護者を支援するための生活環境関連機器、ロボット等、先端技術を活用した福祉用具等の利用支援の観点から、利用者ニーズに関する調査研究、人材育成を含めた支援技術の確立等を推進するとともに、補装具費支給事業等を適切に実施し、また、相談支援体制の確保を図る。
 併せて、福祉用具等の安全評価を実施し、利用者ニーズに合った福祉用具の開発を推進するため、研究開発・評価の段階で利用者の参加を促進する。

(5)専門職種の養成・確保

○福祉人材の養成確保
ア 「福祉人材確保指針」を踏まえ、介護職員のキャリアアップの仕組みを構築するなど、福祉人材の養成・確保のための取組を強化する。
イ サービス管理責任者の養成及び継続的な研修システムを整備するとともに、リハビリテーション関係専門職員等の養成を推進する。

3 生活環境

○基本方針
 誰もが、快適で生活しやすいユニバーサルデザインに配慮した生活環境の整備を推進する。
 このため、障害者等すべての人が安全に安心して生活し、社会参加できるよう、住宅、建築物、公共交通機関、歩行空間など生活空間のバリアフリー化を推進し、自宅から交通機関、まちなかまで連続したバリアフリー環境の整備を推進する。
 また、防災、防犯対策を推進する。

(1)住宅、建築物のバリアフリー化の推進

○公共賃貸住宅のバリアフリー化の推進
 新設されるすべての公共賃貸住宅について、バリアフリー化を実施する。

○障害者等の利用に配慮した住宅ストックの形成の推進
ア 手すりの設置、広い廊下幅の確保、段差の解消等がなされた住宅ストックの形成を推進する。

(数値目標・達成期間)
○高齢者(65歳以上の者)の居住する住宅のバリアフリー化率
・一定のバリアフリー化(注1)
29%〔15年度〕→75%〔27年度〕
・うち、高度のバリアフリー化(注2)
6.7%〔15年度〕→25%〔27年度〕
(注1)2箇所以上の手すり設置又は屋内の段差解消に該当
(注2)2箇所以上の手すり設置、屋内の段差解消及び車いすで通行可能な廊下幅のいずれにも該当

イ 共同住宅のうち、道路から各戸の玄関まで車いす等で通行可能な住宅ストックの形成を推進する。

(数値目標・達成期間)
○共同住宅のうち、道路から各戸の玄関まで車いす等で通行可能な住宅ストックの比率
10%〔15年度〕→25%〔27年度〕

○建築物のバリアフリー化の推進
不特定多数の者又は主に高齢者、障害者等が利用する特別特定建築物(床面積が2,000平方メートル以上のもの)のバリアフリー化を推進する。

(数値目標・達成期間)
○床面積2,000m2以上の特別特定建築物のうち、バリアフリー化されたものの割合
37%〔17年〕→約50%〔22年〕

○官庁施設のバリアフリー化の推進
ア 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下「バリアフリー新法」という。)に基づいて、新営する国のすべての官庁施設を、移動等円滑化誘導基準に照らし、「すべての施設利用者が、できる限り、円滑かつ快適に利用できる」施設として整備する。
イ バリアフリー新法に基づいて、国の合同庁舎について、窓口までの経路、高齢者、障害者等に対応した便所(オストメイト対応)、駐車スペース等の整備を実施する。

(数値目標・達成期間)
○国の合同庁舎のうち、窓口までの経路、高齢者、障害者等に対応した便所(オストメイト対応)、駐車スペース等の整備が行われた施設の割合
7%〔19年度〕→50%〔24年度〕

ウ 窓口業務を行う官署が入居する国の既存官庁施設について、手すり、スロープ、視覚障害者誘導用ブロック、高齢者、障害者等に対応した便所、自動ドア、エレベーター(延床面積1,000平方メートル以上のもの)等の改修を実施する。

(数値目標・達成期間)
○窓口業務を行う官署が入居する国の既存官庁施設のうち、手すり、スロープ、視覚障害者誘導用ブロック、高齢者、障害者等に対応した便所、自動ドア、エレベーター(延床面積1,000平方メートル以上のもの)等の改修を実施した割合
57%〔14年度〕→100%〔22年度〕

○地方公共団体による公共施設等のバリアフリー化の推進
 地方公共団体が行う公共施設等のバリアフリー化を支援する。

(2)公共交通機関、歩行空間等のバリアフリー化等の推進

○旅客施設のバリアフリー化の推進
 一日当たりの平均利用者数が5,000人以上である鉄軌道駅、バスターミナル、旅客船ターミナル及び航空旅客ターミナルに関し、原則すべてについて、段差の解消、視覚障害者誘導用ブロックの整備、便所がある場合には高齢者、障害者等に対応した便所(オストメイト対応)の設置を推進する。
 また、これ以外の鉄軌道駅についても、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず、高齢者、障害者等の利用の実態を踏まえて、バリアフリー化を可能な限り実施する。

(数値目標・達成期間)
○一日当たりの平均利用者数が5,000人以上である鉄軌道駅、バスターミナル、旅客船ターミナル及び航空旅客ターミナルのうち、段差の解消、視覚障害者誘導用ブロックの整備、便所がある場合には高齢者、障害者等に対応した便所(オストメイト対応)の設置が行われた割合
100%〔22年〕

○車両等のバリアフリー化の推進
ア バリアフリー化された鉄軌道車両の導入を推進する。

(数値目標・達成期間)
○バリアフリー化された鉄軌道車両の導入割合
20%〔18年度〕→約50%〔22年〕

イ 低床化されたバス車両の導入を推進する。

(数値目標・達成期間)
○低床化されたバス車両の導入割合
33.1%〔18年度〕→100%〔27年〕

ウ ノンステップバスの導入を推進する。

(数値目標・達成期間)
○ノンステップバスの導入割合
17.7%〔18年度〕→約30%〔22年〕

エ バリアフリー化された旅客船の導入を推進する。

(数値目標・達成期間)
○バリアフリー化された旅客船の導入割合
11.5%〔18年度〕→約50%〔22年〕

オ バリアフリー化された航空機の導入を推進する。

(数値目標・達成期間)
○バリアフリー化された航空機の導入割合
54.4%〔18年度〕→約65%〔22年〕

カ 福祉タクシーの導入を推進する。

(数値目標・達成期間)
○福祉タクシーの導入台数
9,651台〔18年度〕→約18,000台〔22年〕

○都市公園のバリアフリー化の推進
 都市公園における園路及び広場、駐車場、便所等を始めとした公園施設のバリアフリー化を推進する。

(数値目標・達成期間)
○園路及び広場の設置された都市公園のうち、園路及び広場がバリアフリー化されたものの割合
約40%〔18年度〕→約45%〔22年〕
○駐車場の設置された都市公園のうち、駐車場がバリアフリー化されたものの割合
約30%〔18年度〕→約35%〔22年〕
○便所の設置された都市公園のうち、便所がバリアフリー化されたものの割合
約25%〔18年度〕→約30%〔22年〕

○路外駐車場のバリアフリー化の推進
 特定路外駐車場(自動車の駐車の用に供する部分の面積が500平方メートル以上であり、かつ、その利用について駐車料金を徴収する路外駐車場のうち、道路付属物であるもの、公園施設であるもの、建築物であるもの、建築物に付随しているものを除いたもの)のバリアフリー化を推進する。

(数値目標・達成期間)
○特定路外駐車場のうち、バリアフリー化されたものの割合
28%〔18年度〕→約40%〔22年〕

○歩行空間のバリアフリー化の推進
 原則として、バリアフリー新法に基づく重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成するすべての道路について、バリアフリー化を実施する。

(数値目標・達成期間)
○重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路のうち、バリアフリー化されたものの割合
44%〔18年度〕→100%〔22年〕

○高速道路等のサービスエリア等のバリアフリー化の推進
 今後整備する高速道路等のサービスエリア及びパーキングエリア並びに主要な幹線道路の道の駅については、高齢者、障害者等に対応した便所、駐車スペースの整備を推進する。

○河川利用の拠点施設のバリアフリー化の推進
 直轄河川において新設される水辺プラザ等の河川利用の拠点において、手すり・緩傾斜スロープ等の設置、堤防・護岸の緩傾斜化等を実施する。

○港湾緑地のバリアフリー化の推進
 人の利用に供するすべての新設港湾緑地において、手すり、スロープ、休憩施設、高齢者、障害者等に対応した便所、駐車スペース等を整備する。

○国立公園のバリアフリー化の推進
 国立公園の主要な利用拠点において、直轄で整備する施設のバリアフリー化を推進する。

○森林総合利用施設のバリアフリー化の推進
 バリアフリーに配慮した森林総合利用施設の整備を推進する。

○ソフト施策の推進
ア 身体的状況、年齢、言語等を問わず、「いつでも、どこでも、だれでも」移動等に関する情報を入手することを可能にする自律支援施策を推進する。
イ バリアフリー情報提供システム「らくらくおでかけネット」等を通じてバリアフリー情報の統一的な提供を促進するとともに、バリアフリー教室の実施等により、国民の「心のバリアフリー」に対する理解の浸透に努める。

(3)安全な交通の確保

○バリアフリー対応型信号機等の整備の促進
 原則として、バリアフリー新法に基づく重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成するすべての道路において、バリアフリー対応型信号機等を整備する。

(数値目標・達成期間)
○重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路のうち、バリアフリー対応型信号機等が整備された割合
100%〔22年〕

(4)運転免許取得希望者等に対する利便の向上

○持ち込み車両等による障害者等に配慮した教習等の実施
ア 指定自動車教習所に対する持ち込み車両等を使用した教習の実施等の指導を行う。
イ 持ち込み車両等による技能試験の実施等を推進する。
ウ 免許申請時等における障害者等のプライバシー保護への配慮及び運転適性相談等に係る態勢の充実を図る。

○聴覚障害者に配慮した免許制度の推進
 健聴者と同じ適性試験の合格基準に達しない聴覚障害者が、ワイドミラー等を条件として普通自動車免許を取得することができる制度の導入を推進し、その場合における免許試験・講習等の態勢の充実を図る。

(5)防災、防犯対策の推進

○防災対策の推進
ア 障害者等災害時要援護者関連施設に係るきめ細かな治山対策を実施する。
イ 砂防、地すべり対策及び急傾斜地崩壊対策事業の実施により、土砂災害のおそれのある自力避難の困難な障害者等の災害時要援護者が24時間入院・入居している施設を重点的に保全する。
ウ 行政機関と福祉関係者等による防火指導等を一層推進する。
エ 緊急通報システムによる消防への緊急通報体制の一層の充実など障害者に係る火災予防体制を強化する。

○災害時の支援体制等の整備
ア 自主防災組織による支援体制を整備する。
イ 最新の通信技術を踏まえつつ、平成24年度までに災害時の住民への情報伝達のあり方についてまとめる。
ウ 国による市町村モデル計画の策定や全国キャラバンの展開等を通じ、平成21年度までを目途に、市町村において要援護者情報の収集・共有等を円滑に進めるための避難支援プランの全体計画などが策定されるよう促進し、災害時要援護者が安全に避難するための支援体制を確立する。

○障害者の消費トラブル等の防止
 消費者基本計画(平成17〜21年度)を踏まえ、障害者の消費者トラブルの防止に向けて、国民生活センターから、消費生活相談の現場で把握された警戒を要すると思われる悪質商法や製品事故に関する情報を始め防犯・防災情報を含む見守りに必要な情報を、障害者やその家族、日ごろから障害者に接している周りの方々へ迅速に届ける総合的ネットワークを作ることにより、地域の見守り力を高める動きを支援する。

○防犯・安全ネットワークの充実
ア FAXによる緊急通報受理(FAX110番)、Eメールによる緊急通報受理(メール110番)の利用状況を勘案しつつ、運用の在り方を検討する。
イ FAXにより警察署と障害者とが情報交換を行うFAXネットワーク等、地域における防犯ネットワークの利用状況を勘案しつつ、運用の在り方を検討する。

○交番における障害者等の利用に配慮した施策の推進
 交番における障害者等の利用に配慮した施策を引き続き推進する。

○防犯性能の高い建物部品の普及促進
 住宅等に対する侵入犯罪対策として大きな効果が期待できる建物部品を掲載している「防犯性能の高い建物部品目録」の公表及び普及を図る。

4 教育・育成

○基本方針
 発達障害を含む障害のある子ども一人一人のニーズに応じた一貫した支援を行うために、各関係機関等の連携によりすべての学校における特別支援教育の体制整備を進めるとともに、特別支援教育に携わる教員の専門性の向上等により、特別支援教育の更なる充実を推進する。
 また、障害のある社会人等に対しても、ニーズに応じた学習の機会を提供していくことにより、着実な支援の推進を図る。

(1)一貫した相談支援体制の整備

○個別の支援計画の策定・活用の推進
 教育、福祉、医療、保健、労働関係機関等が緊密な連携の下、一人一人のニーズに応じた適切な支援を一貫して行うため、学校において、個別の教育支援計画の位置付けの明確化、その策定・活用の推進を図る。

(数値目標・達成期間)
○個別の教育支援計画策定率 ・小・中学校  20%〔18年〕→50%〔24年〕

○校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名などの支援体制の整備
 発達障害を含む障害のある幼児児童生徒への支援のため、幼稚園・小学校・中学校・高等学校等において校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名などの支援体制を整備する。特に幼稚園、高等学校を重点的に整備する。

(数値目標・達成期間)
○校内委員会の設置
・幼稚園(公立)
32.7%〔18年〕→70%〔24年〕
・高等学校(公立)
25.2%〔18年〕→70%〔24年〕
○特別支援教育コーディネーターの指名
・幼稚園(公立)
29.4%〔18年〕→70%〔24年〕
・高等学校(公立)
18.5%〔18年〕→70%〔24年〕

(2)専門機関の機能の充実と多様化

○特別支援学校の小・中学校等に対する支援の推進
 幼稚園・小学校・中学校及び高等学校等の教員への支援、障害のある幼児児童生徒への指導・支援、特別支援教育に関する相談・情報提供、関係機関との連絡・調整等、特別支援学校の小・中学校等に対する支援を推進する。

(3)指導力の向上と研究の推進

○特別支援学校教諭免許保有率の向上  特別支援学校において、教員の特別支援学校教諭免許状の保有率向上を図る。

(数値目標・達成期間)
○特別支援学校教諭免許保有率向上を中期計画(5年以内)等に位置付ける都道府県の割合
32都道府県〔18年度〕→全都道府県〔24年〕

○特別支援教育に関する教員研修の促進
 特別支援教育に携わるすべての教員の専門性を向上させるため、都道府県の講習や校内研修の促進を図る。各種指導者養成研修など、都道府県の指導者に対する研修を推進する。

○障害に関する外部専門家の学校における活用
 発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対し適切な支援を行うため、専門的知識・経験を有する外部専門家が教員に適切な指導・助言を行えるよう、外部専門家の活用を促進する。

○国立特別支援教育総合研究所における教育現場のニーズを踏まえた重点的な研究や研修の実施、教育情報の提供
 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所は我が国唯一の特別支援教育のナショナルセンターであることから、国の喫緊の課題や教育現場のニーズを踏まえ研究や研修を重点的に実施するとともに、特に新たな課題となっている発達障害を含めた教育情報の提供を行う。

(4)社会的及び職業的自立の促進

○特別支援学校と関係機関等の連携・協力による、現場実習先の開拓・新たな職域の開拓
 特別支援学校卒業後の職業的自立を推進するため、特別支援学校・教育委員会、労働関係機関、企業等の緊密な連携・協力の下、現場実習先の開拓や新たな職域の開拓を図る。

○障害者の職業自立に対する理解啓発の促進
 障害のある生徒及びその保護者等に対し、障害者の一般雇用や雇用支援策に関する理解の促進を図る。

○特別支援学校高等部と連携した効果的な職業訓練の実施
 卒業後の就職先が内定していない就職希望者に対し、より早い段階で職業訓練を活用することにより職業能力の向上を図り、就労に向けた切れ目のない支援を実施する。

○障害学生の支援の充実
ア 独立行政法人日本学生支援機構が行う「障害学生就学支援ネットワーク」(全国の大学や関係機関がネットワークを作り、障害学生就学支援制度の整備を目指す。)等の事業を推進することにより、障害のある学生が学びやすい環境をつくる。
イ 「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」において採択されたプログラム(障害学生支援関係を含む。)について、財政支援を行うとともに、今後、広く社会に情報提供することで、各大学等における学生支援機能の充実を図る。
ウ 大学入試に関し、障害者の受験機会等を確保する観点から、障害の種類に応じた配慮(試験時間の延長、点字・拡大文字による出題、介助者の付与等)を行うことを各大学に要請する。

○放送大学における視聴者のニーズに応じた多様な字幕番組の制作
 聴覚障害のある学生等からの要望を受け、希望の多いテレビ番組について字幕を制作し、字幕付与番組として放送する。

(5)施設のバリアフリー化の促進

○特別支援教育に係る施設整備計画策定事例の周知
 特別支援教育に係る施設の計画的な整備のため、特別支援学校や小・中学校等の具体的な整備計画の事例を取りまとめ、各都道府県等への周知を図る。

5 雇用・就業

○基本方針
 雇用・就業は、障害者が地域でいきいきと生活していくための重要な柱であり、働くことを希望する障害者が能力を最大限発揮し、就労を通じた社会参加を実現するとともに、職業的自立を図るため、雇用政策に加え、福祉政策や教育政策と連携した支援等を通じて障害者の就労支援のさらなる充実・強化を図る。

(1)障害者の雇用の場の拡大

○障害者雇用率制度を柱とした障害者雇用の一層の促進
 障害者の雇用機会の拡大による職業的自立を図るため、障害者雇用率制度を中心として、障害者雇用の一層の促進を図る。このため個別の企業への雇用率達成指導を厳格に実施するとともに、障害者の雇用管理に関する専門的支援を充実する等、特に中小企業への働きかけを強化する。また、障害者雇用促進法及び障害者基本計画に基づき除外率制度の段階的縮小を進める。

(数値目標・達成期間)
○雇用障害者数
64万人〔25年度〕

○各府省・各地方公共団体における「チャレンジ雇用」の推進等
 各府省・各地方公共団体において、職場実習を活用するなどして、知的障害者等が、一般雇用に向けて経験を積むための「チャレンジ雇用」を推進する。

(数値目標・達成期間)
○チャレンジ雇用の推進
全府省で実施〔20年度〕

○公的機関における障害者雇用の一層の促進
 国及び地方公共団体の障害者雇用を一層促進し、実雇用率の更なる上昇を図る。特に障害者雇用率の達成率が低い都道府県教育委員会での障害者雇用の取組の促進を図る。

(数値目標・達成期間)
○公的機関の障害者雇用率
すべての公的機関で障害者雇用率達成〔24年度〕

○精神障害者、発達障害者等の雇用促進
 精神障害の特性に応じた支援の充実・強化を通じて、精神障害者の雇用機会の拡大を図る。
 また発達障害者等について、調査研究や支援のための技法開発を進め、企業等の理解の促進等を図ることにより雇用の促進を図る。

(数値目標・達成期間)
○精神障害者の雇用
・56人以上の規模の企業で雇用される精神障害者数
0.4万人〔19年〕→1.5万人〔25年〕
・精神障害者ステップアップ雇用
常用雇用移行率 60%〔24年度〕

〔障害者の能力や特性に応じた働き方の支援〕
○障害者の在宅就業の促進
 多様な就業形態による就業機会の拡大を図るため、在宅就業団体の登録数を増やす。

(数値目標・達成期間)
○在宅就業支援団体登録数
16団体〔19年〕→100団体〔24年度〕

○短時間労働による障害者雇用の促進
 障害者の能力や特性に応じた働き方を支援するため、障害者のニーズを踏まえつつ、短時間労働に対応した障害者雇用促進法制の整備等により、障害者の雇用機会の拡大を図る。

○農業法人等への障害者雇用の推進
 農業法人等における障害者雇用を推進するため、農業法人等に障害者雇用のノウハウ及び関連情報等の提供を行う。  また、農業分野におけるトライアル雇用を推進するため、農業法人等に関連制度等の情報を提供する。

(2)総合的支援施策の推進

〔雇用、福祉、教育等の連携による地域の就労支援力の強化〕
○ハローワークを中心とした「チーム支援」の充実・強化等
 ハローワークを中心に福祉・教育等関係機関と連携した「障害者就労支援チーム」による支援を行うこと等により、就職の準備段階から職場定着までの一貫した支援を展開する。

(数値目標・達成期間)
○ハローワークを通じた障害者の就職件数
24万件〔20〜24年度の累計〕

○障害者職業センターにおける専門的支援の推進
 障害者職業総合センターにおいて、発達障害者、精神障害者等これまで効果的な対応ができずに来た障害者への新たな支援技法の開発を行い、普及を図る。また、地域障害者職業センターにおいては、どの地域においても、比較的軽度な障害者を含め、あらゆる障害者を対象として、それぞれに必要な職業リハビリテーションサービスを提供することとした上で、就職等の困難性の高い障害者に対する専門的支援に重点化する。併せて、就労支援を担う専門的な人材の育成、地域の就労支援機関に対する助言・援助を積極的に行い、地域の就労支援力の底上げを図る。

(数値目標・達成期間)
○地域障害者職業センター
・支援対象者数   12.5万人〔20〜24年度の累計〕
・職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業における支援
 終了後の定着率  80%以上〔24年度〕

○障害者就業・生活支援センターの全国展開と支援の充実
 障害者の身近な地域において就業面と生活面における一体的な支援を行う障害者就業・生活支援センターについて、すべての障害保健福祉圏域に設置するとともに、地域のニーズや支援実績等に応じた実施体制の充実を図る。

(数値目標・達成期間)
○障害者就業・生活支援センター
・設置数135〔19年〕→全障害保健福祉圏域に設置〔23年〕
・利用者の就職件数    9,000件〔24年度〕
・就職率           50%以上〔24年度〕

○職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援の推進
 職場での適応に課題を有する障害者及び事業主に対してきめ細かな支援を行う職場適応援助者(ジョブコーチ)の養成を進め、障害者の円滑な就職及び職場適応を推進する。

(数値目標・達成期間)
○ジョブコーチ養成数
1,500人〔18年度〕→5,000人〔23年度〕
○ジョブコーチ支援
支援終了後の定着率   80%以上〔24年度〕

○中途障害者等の雇用継続のための支援
 在職中に身体障害者、精神障害者、難病患者等となった者に対し、適切な職業リハビリテーションサービスを提供し、雇用の継続を図る。

(数値目標・達成期間)
○精神障害者総合雇用支援
支援終了後の復職・雇用継続率  75%〔24年度〕

○関係機関が連携して職業自立の支援を行うための個別の支援計画の策定・活用の推進
 障害者の職業自立を支援するため、雇用、福祉、教育等の関係機関が緊密な連携の下、個別の支援計画の策定やその活用の推進を図る。

〔一般就労への移行を促進するための支援等の充実・強化〕
○トライアル雇用の推進
 事業主に障害者雇用のきっかけを提供するとともに、障害者に実践的な能力を取得させて常用雇用に移行するための短期間の試行雇用(トライアル雇用)を推進する。

(数値目標・達成期間)
○トライアル雇用
対象者の常用雇用移行率  80%以上〔24年度〕

○福祉施設から一般就労への移行の促進
 福祉施設から一般就労への移行を促進するため、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所の計画的整備を行う。
 また、職場実習など施設外での就労に協力可能な農業法人等の情報を提供する。

(数値目標・達成期間)
○一般就労への年間移行者数
0.2万人〔17年度〕→0.9万人〔23年度〕
○就労移行支援の利用者数
29.2万人日分〔19年度〕→72万人日分〔23年度〕
○就労継続支援の利用者数
83.1万人日分〔19年度〕→277万人日分〔23年度〕
※「就労移行支援の利用者数」及び「就労継続支援の利用者」は、各都道府県の障害福祉計画における19年度の平均的なサービス見込量(1月当たり)の合計値である。

○授産施設等で働く障害者の工賃水準を引き上げるため「工賃倍増5か年計画」による福祉的就労の底上げ
 平成19年度からの5か年において、官民一体となった取組を推進し、工賃水準の倍増を図るとともに、一般雇用への移行を進める。

(数値目標・達成期間)
○授産施設等の平均工賃月額 12,222円〔18年度〕→平均工賃倍増を目指す〔23年度〕

○福祉施設等における仕事の確保に向けた取組の推進
 福祉施設等における障害者の仕事の確保に向け、国は、公共調達における競争性及び公正性の確保に留意しつつ、福祉施設等の受注機会の増大に努めるとともに、地方公共団体等に対し、国の取組を踏まえた福祉施設等の受注機会の増大の推進を要請する。
 また、企業から福祉施設等に対する発注を促進する税制を創設し、当該税制の活用を促すこと等により、障害者の仕事の確保に向けた取組を推進する。

○特別支援学校高等部卒業者の就労支援の推進
 特別支援学校高等部卒業者の職業自立を推進するため、特別支援学校とハローワーク、企業等の関係機関等の連携・協力により現場実習の開拓を行うなど、就労支援の推進を図る。

○高等学校・大学における就労支援の推進
 高等学校における発達障害を含む障害のある生徒の就労を支援するため、各自治体や学校等において、教育、医療、保健、福祉やハローワーク、地域障害者職業センター等の労働関係機関等が連携した特別支援教育体制を整備する。また、大学における障害のある学生の就労を支援する。

○障害者の就労に対する理解啓発の促進
 障害者やその保護者、企業関係者、福祉関係者等を始めとした国民全体に対し、障害者の就労に対する理解啓発を促進する。

〔障害者の職業能力開発の推進〕
○公共職業能力開発施設における障害者職業訓練の推進
 障害者職業能力開発校において、職業訓練上特別な支援を要する障害者に重点を置いた支援を実施するとともに、一般の公共職業能力開発施設において、障害者の受入れを推進する。

○障害者の態様に応じた多様な委託訓練の拡充
 就労移行支援事業の利用者、特別支援学校の生徒等の職業訓練機会の充実を図るため、企業、社会福祉法人、特定非営利活動法人、民間教育訓練機関等地域の委託訓練先を開拓し、障害の態様に応じた多様な委託訓練を実施する。

(数値目標・達成期間)
○障害者の態様に応じた多様な委託訓練の就職率
41.3%〔18年〕→50%〔24年〕

6 保健・医療

○基本方針
 障害者に対して、適切な保健サービス、医療、医学的リハビリテーション等を充実し、障害者のQOL(生活の質)を高めるとともに、障害の原因となる疾病等の予防・治療が可能なものについては、これらに対する保健・医療サービスの適切な提供を図り、障害の予防・早期発見・早期治療に努める。
 また、こころの病についても医療的ケアの充実を図り、「うつ」や自殺の防止を推進する。

(1)障害の原因となる疾病等の予防・治療

○生活習慣の改善による循環器病等の減少
 生活習慣の改善により、循環器病等の減少を図る。

○糖尿病の予防・治療の継続
 糖尿病について、検診を受ける者の増加、有病者数の減少及び有病者の治療継続率の向上を図る。

○難治性疾患に関する病因・病態の解明
 難治性疾患に関し、病因・病態の解明、治療法の開発及び生活の質の向上につながる研究開発を推進する。

(2)障害に対する適切な保健・医療サービスの充実

○高次脳機能障害の支援拠点機関の設置等
ア 高次脳機能障害への支援を行うための支援拠点機関を、全都道府県に設置する。
イ 国立専門機関等において、高次脳機能障害のための認知リハビリテーション技法の確立や評価尺度の開発を推進するとともに、高次脳機能障害者に対する都道府県単位の支援ネットワークに対する専門的な支援を行い、その支援技術の普及を図る。

(数値目標・達成期間)
○高次脳機能障害支援拠点
18都道府県〔18年度末〕→全都道府県〔24年度〕

○障害者の健康維持とQOL(生活の質)の向上
 障害者の健康維持とQOLの向上のため、障害者向け医療サービスシステム及び障害者の健康維持管理に関する研究開発及び普及を図る。

○認知症疾患に対する専門医療の提供等
 急増する認知症患者に対応していくため、専門医療や保健福祉サービスの提供、地域連携の強化を図るとともに、情報提供を行う。

(3)精神保健・医療施策の推進

○一般医のうつ病診断技術の向上
 精神科医以外の一般医を対象にうつ病に関する研修を行い、一般医のうつ病の診断技術の向上を図る。

○自殺未遂者・自殺者親族等のケアに関する知識の普及
 自殺未遂者・自殺者親族等のケアのガイドラインを作成し、関係者に配布するなど、自殺未遂者・自殺者親族等のケアの方法について普及させる。

○精神科救急医療体制の確保
 精神障害者の緊急時における精神医療を適切に提供するため、精神科救急情報センターや精神科救急医療施設を始めとした精神科救急医療体制について、地域の実情に応じた確保を図る。

○医療刑務所におけるリハビリテーション機器の更新整備
 医療刑務所等8施設に機能回復訓練に必要なリハビリテーション機器を更新整備する。

(4)研究開発の推進

○再生医療の手法を取り入れた研究の推進
ア 再生医療の手法を取り入れた脊髄神経機能の再獲得可能性に関する研究を推進する。
イ 細胞移植・細胞治療等によってこれまでの医療を根本的に変革する可能性を有する再生医療について、必要な幹細胞利用技術等を世界に先駆け確立し、その実用化を目指した研究開発を推進する。

○うつ病等の精神疾患に関する研究
ア うつ病等の精神疾患の病態解明や、早期発見、治療技術に係る開発、社会復帰プログラムの開発のための研究を行い、その普及を図る。
イ 少子高齢化を迎えた我が国の医療・福祉の向上等への貢献を目指し、アルツハイマー病やうつ病等の精神神経疾患の予防・治療法の開発などに結びつく脳科学研究や分子イメージング研究を戦略的に推進する。

(5)専門職種の養成・確保

○精神科医をサポートできる心理職等や専門職種の養成
 心理職等を対象とした精神医療に関する研修を行い、精神科医をサポートできる心理職等の養成を図るとともに、精神保健福祉士について資質の向上を図る。

7 情報・コミュニケーション

○基本方針
 IT(情報通信技術)の活用により障害者の個々の能力を引き出し、自立・社会参加を支援するとともに、障害特性に対応した情報提供の充実を図り、障害によりデジタル・ディバイドが生じないようにするための施策を積極的に推進する。

(1)情報バリアフリー化の推進

○障害者IT総合推進事業の実施の促進
 障害者のITの利用・活用の機会拡大を図るため、地域におけるIT支援の総合サービス拠点となる障害者ITサポートセンターの設置・運営や、パソコンボランティア養成・派遣等を総合的に行う障害者IT総合推進事業の実施を促進する。

○障害者が使いやすい情報通信機器、システム等の開発・普及支援
 障害者が使いやすい情報通信機器、システム等の開発・普及支援を行うとともに、情報通信機器等のユニバーサルデザイン化の促進を図る。

○障害者の利用するIT機器に関するJIS規格の適切な見直し
 高齢者・障害者の利用するIT機器に関するJIS規格について、国際規格の動向にあわせ、必要に応じて見直しを行う。

○ホームページ等のバリアフリー化に係る普及・啓発の推進
 ホームページ等のバリアフリー化の推進のための普及・啓発を推進する。

○政府広報関連ウェブサイトの障害者対応推進
 政府広報関連ウェブサイトの障害者対応を進めるため、「政府インターネットテレビ」への字幕スーパーを挿入するとともに、「政府広報オンライン」に文字サイズの拡大機能や文字読上げツールを付加する。

○関係行政機関による障害者にとって分かりやすい広報の推進
 関係行政機関の実施する障害者施策に係る制度等について、障害者に十分配慮した、分かりやすい広報を推進する。

(2)社会参加を支援する情報通信システムの開発・普及

○電子投票の実施の促進
 電子投票システムの技術的な課題や導入団体の実施状況についての調査分析を引き続き行い、地方公共団体に対して必要な情報を提供し、電子投票の実施の促進を図る。

○日常生活用具給付等事業の適正な運用の促進
 情報・意思疎通支援用具の給付などを行う日常生活用具給付等事業の市町村における適正な運用を促進する。

○テレワークの普及・啓発の推進
 「テレワーク人口倍増アクションプラン」(平成19年5月29日テレワーク推進に関する関係省庁連絡会議決定)を着実に推進するなど、テレワーク普及に向けた総合的な支援環境の整備を図り、通勤困難者でも仕事が可能となるテレワークの普及・啓発を推進する。

○ユビキタスネット技術の研究開発の推進
 年齢・身体等の壁を乗り越え、高齢者や障害者を始め人にやさしいサービスを実現するためのユビキタスネット技術の研究開発を推進する。

○障害者が障害を意識することなく使える情報コミュニケーション機器の研究開発
 脳からの情報を用いて、障害者が障害を意識することなく使えるコミュニケーション機器を開発するための研究を実施する。

(3)情報提供の充実

○聴覚障害者情報提供施設の整備の促進
 聴覚障害者情報提供施設について、全都道府県での設置を目指し、その整備を促進する。

○字幕番組、解説番組及び手話番組の制作の促進
ア NHK総合及び在京キー5局等において、字幕付与可能なすべての放送番組(注1)に字幕を付与する。
 また、NHK総合及び在京キー5局等において、対象の放送番組(注2)の10%、NHK教育において、対象の放送番組の15%に解説を付与する。
 注1)複数人が同時に会話を行う生放送番組など技術的に字幕を付すことができない放送番組等を除く7時から24時までのすべての放送番組に範囲を拡大
 注2)権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く7時から24時までのすべての放送番組

(数値目標・達成期間)
○字幕放送時間の割合
NHK総合100%、在京キー5局平均77.8%〔18年度〕
※現行指針における字幕付与可能な放送時間(生放送番組など技術的に字幕を付すことができない放送番組等を除く7時から24時までの新たに放送するすべての放送番組の放送時間)に占める字幕放送時間の割合
→ 100%〔29年度〕
※新たな指針においては、字幕付与可能な放送番組の範囲を拡大し、その中に占める字幕放送時間の割合

○解説放送時間の割合
NHK総合3.7%、NHK教育8.8%、在京キー5局平均0.3%〔18年度〕
※総放送時間に占める解説放送時間の割合
NHK総合及び在京キー5局等10%、NHK教育15%〔29年度〕
※対象放送番組の放送時間に占める解説放送時間の割合

イ 字幕番組、解説番組及び手話番組の制作費に対する必要な助成を行う。

○映画の字幕付与の促進
 日本の映画の字幕付与について、映画関係団体とともに引き続き取組を促進する。

○視覚障害者用図書情報ネットワーク運営事業等の利用の促進
 視覚障害者がITを利用して、自宅から点字図書や録音図書の検索や貸出予約等を行うことができる「視覚障害者用図書情報ネットワーク運営事業」等の利用を促進する。

○視覚障害者を対象とした広報の充実
 視覚障害者向け資料「音声広報CD」及び「点字広報誌」について、引き続き発行する。
 また、広報媒体の特性等に応じて可能なものについて、音声コードの活用に配慮する。

○障害者の自立した食生活の実現に資する情報提供の推進
 障害者の自立した食生活の実現のための関連情報の提供を推進する。

○障害者の情報へのアクセスに配慮した著作権制度の在り方の検討
 障害者の情報へのアクセスに配慮した著作権制度の在り方について検討を進め、必要に応じて法整備を行う。

(4)コミュニケーション支援体制の充実

○手話通訳者等の養成、派遣の促進
 手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員等の養成を図るとともに、地域における視聴覚障害者のニーズに応じた手話通訳者の派遣等を行うコミュニケーション支援事業の適正な運用を促進する。

8 国際協力

○基本方針
 「びわこプラスファイブ」の採択等を踏まえ、障害者団体間の交流、政府や民間団体による各種協力の実施等によるアジア太平洋地域への協力関係の強化に努める。また、障害者権利条約の締結に向け必要な国内法令の整備を図る。

(1)国際協力の推進

○政府開発援助を通じた国際協力の推進
 独立行政法人国際協力機構(JICA)等を通じた研修員の受け入れ、技術協力プロジェクト等を実施する。
 また、草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じた支援を実施する。
 さらに、日本NGO連携無償資金協力及びNGO事業補助金を通じた支援を実施する。

(2)障害者問題に関する国際的な取組への参加

○国連における取組への参加
 国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)における障害者対策分野での協力を推進する。
 また、国連障害者基金への拠出を実施する。
 さらに、「障害者の権利に関する条約」について、可能な限り早期の締結を目指して必要な国内法令の整備を図る。

(3)情報の提供・収集

○国立特別支援教育総合研究所における国内外への教育情報の提供
 発達障害を含め障害のある子どもへの教育的支援を図るため、独立行政法人特別支援教育総合研究所において、国外の教育情報を収集するとともに、我が国の特別支援教育に関する情報等を国外に提供する。

II 計画の推進方策

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