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障がい者制度改革推進会議(第28回)
議事録

小川議長 定刻になりましたので、これより第28回「障がい者制度改革推進会議」を開催させていただきます。

本日の委員の出欠状況ですが、門川委員、遠藤オブザーバー、福島オブザーバーが御欠席、その他の委員は御出席です。

会議の公開はこれまでと同様といたします。

進行上の時間配分については、後ほど東室長より報告があります。

本日の会議は17時まで予定をいたしております。

それでは、これより先の進行については、藤井議長代理よろしくお願いいたします。

藤井議長代理 藤井です。これから先は私の方で議事を進めてまいります。

本日12月13日は、4年前の今日、障害者の権利条約が国連で採択された記念日であります。私も思い起こすんですが、Nothing about Us Without Us、私たち抜きに私たちのことを決めないでという言葉を非常に鮮明に思い起こします。是非権利条約の内容、水準を想起しながら本日も進めてまいろうと思っていますので、よろしくお願いします。

本日の議事の概略について東室長より説明をお願いいたします。

東室長 こんにちは。担当室の東です。

今日も障害者基本法の改正についてというテーマで行いたいと思います。事前にお示ししました第二次意見(素案2)について議論いたすことになります。これにつきましての御意見は本日の会議中にできるだけ言っていだたきたいと思っておりますけれども、不足部分につきましては明日の午前10時までにお願いしたいと思っております。よろしくお願いします。若干フォーマットを変えております。どの部分をどのようにという形で明確に書いていただくようにお願いしたいと思います。

なお、年内は今日と17日金曜日、残りの2回ですので、皆さんの御協力をよろしくお願い申し上げます。

今回も15分の休憩を3回としまして、4つのコーナーに分けることにします。

冒頭に資料の誤りがありますので、御説明申し上げます。

まず資料1、資料2、資料3と基本的に3種類あります。そのほか今日委員の皆さんが持ち込まれた資料がお手元にあるかと思います。

資料1は、前回の議論を反映したものになっております。

資料2は、見え消し版ということで、前回お示ししました素案について、素案2がどのように変わってきているのかということがわかるような形で出しているものです。

資料3は、資料1について各省庁から御意見をいただいております。イタリック体で書いてある部分が各省庁の意見ということになります。

ただ、資料1と資料2の目次につきまして、間違っているところがありますので、その部分を訂正した目次が表裏の1枚ものということで出されております。どこが間違えかと申しますと、目次を開けていただきますと「3 基本的施策関係」の中の「10)ユニバーサルデザイン並びに交通・移動の確保」とありますけれども「並びに」以下は「11)公共的施設のバリアフリー化」の後に続けるものですので、表題として間違っております。資料2も同じような間違えがありますので、そこを訂正したものを1枚の紙でお渡ししております。

次に資料3なんですが、修正箇所が3か所ほどあります。

1つ目は、資料3の後の方に別紙3-2というものがございます。これは厚生労働省から提出されたもので、位置づけとしては全項目に係る留意点として出されたものですが、その中の「7)障害のある子ども」と「4.推進体制」の部分につきまして、厚生労働省から提出されました留意点が一部漏れておりましたので、加えたものがお手元にきていると思います。資料3の別紙3-2の修正について追加分を下線という形で表題がついていると思います。ただ、これにつきましては、点字及びルビ振りがありませんので、該当部分を議論するときに口頭で読み上げたいと思っております。

続きまして、資料3本体の部分ですが、各則の中の「2)労働及び雇用」というものがあります。これは30ページから始まる部分ですが、これについて厚生労働省から出された留意点が反映されておりませんでしたので、追加部分を下線を引いた形で提出しております。それは別紙3-2「2)労働及び雇用」の修正について、修正分は下線という表題のペーパーがあると思います。これも同じような形で追加部分は後ほど口頭で読み上げたいと思っております。

3点目ですが、資料3の「8)相談等」とあります。資料3「8)相談等」の49ページを開けていただけませんでしょうか。49ページの「8)相談等」の一番最後に留意点を出したところが「厚生労働省」となっておりますけれども、これは「法務省」の誤りです。これは手書きで修正していただけませんでしょうか。正確には「法務省」です。

以上が訂正です。

続きまして、今回も15分の休憩を3回として4つのコーナーに分けて議論いたします。

それでは、まず資料1の冒頭の「目次」を見ていただけませんでしょうか。

第1のコーナーは50分ほどを予定しております。冒頭に私からこれまでの1、2、3の経緯について簡単に説明した後、前文と総則部分について議論していただくことになります。

第2のコーナーは50分で各則の議論に入ります。前半25分をめどに「1)地域生活」「2)労働及び雇用」「3)教育」について議論していただきます。続いて、後半25分をめどに「4)健康、医療」「5)障害原因の予防」「6)精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続の確保」について議論していただきます。

第3のコーナーは40分で各則についての議論を続けますが、前半20分をめどに「7)障害のある子ども」「8)相談等」「9)住宅」「10)ユニバーサルデザイン」について議論していただきます。続きまして、後半20分をめどに「11)公共的施設のバリアフリー化、並びに交通・移動の確保」「12)情報アクセス・コミュニケーション保障」「13)文化・スポーツ」について議論していただきます。

最後の第4コーナーは50分で、そのうち40分を各則の議論に充てます。前半20分をめどに「14)所得保障」「15)政治参加」「16)司法手続」「17)国際協力」について議論していただいた後、引き続きまして、後半20分をめどに「4 推進体制」と「II 『障害』の表記」について議論していただくことになります。

その後、報告事項と質疑を予定しております。

本日の予定は以上のとおりです。

藤井議長代理 それでは、今ありましたように、この時間の範囲なので今日どうしても議論し尽くせない点等が当然あると思います。明日の午前10時までに文書にて意見を提出してほしいということでありますので、頭に入れてください。

なお、今日岡崎大臣が途中でお見えになる予定です。切れのいいところで、またごあいさつ等をお願いしようと思っています。多分そう長くはいらっしゃらないと思うんですが、来ていただける予定であります。

それでは、第1コーナーに入る前に各委員からの意見の反映状況、関係省庁から出されている見解等を含めて、東担当室長からお願いいたします。

東室長 担当室の東です。

前回、会議が終わった後にいただいた意見を項目的に分けていきますと、およそ450ぐらいの項目にわたる御意見をいただきました。具体的にここをこう直せという言葉遣いの御意見から、総括的な意見までいろいろございました。ほかの問題とのバランスとかをいろいろ勘案しながら、最低限今の段階で入れておくべきと考えたものについては、不十分ではありますが、一応反映させたつもりでおります。

その反映の経過は資料2を見ていただければわかると思っております。ただ、資料2は見え消し版ということになっておりますけれども、これを点字とかテキストデータにするのは技術的に難しいところがありまして、一部の委員の皆様方には資料1だけで送らせていただいているところもあるかと思います。その点につきましては、これはどうなったんだと聞いてもらえればと思っているところです。

そういう作業を前提にしまして、資料3があります。先ほど言いましたように、資料3は各項目についての関係各省庁の意見ということで書いてあります。意見としては従前の自分の意見に対してどうそれが反映されたかという部分についての御意見もあろうかとは思いますが、各省庁の意見に対して、基本的にこの推進会議としてはどう考えるかという点についても御意見をいただければと思っているところです。

担当室としての説明は以上です。

藤井議長代理 それでは、第1コーナーに入ってまいります。

まずこの時間帯は13時55分まで進行してまいりますけれども、これを2分します。前文の扱い及び総則の「1)目的」「(2)定義」「3)基本理念」「4)差別の禁止」までを第1コーナーの前半で議論します。残り「5)障害のある女性」から最後「11)その他」までは第1コーナーの後半で議論を進めていこうと思っていますので、よろしくお願いいたします。

今ありましたように、議論のポイントは、資料3に各省庁の回答があるんだけれども、推進会議としてどういう考えをとるか。ここに力点を置きながら議論を進行していこうと思っていますので、頭に入れながら進行に協力してください。

それでは、今、言ったように前文の扱い及び総則の「4)差別の禁止」までで発言をいただきますが、この部分で御発言したい方は何人いらっしゃいますか。佐藤委員、長瀬委員の順番で始めます。

佐藤委員、お願いします。

佐藤委員 どうもありがとうございます。

7ページの厚労省のコメントについての考え方でもよろしいでしょうか。

藤井議長代理 どうぞ。

ごめんなさい。その前に今日はここに厚労省の方がいらっしゃいませんので、そのコメントを言った上で、推進会議の立場で自分はこう思うと言ってもらえればいいと思います。

佐藤委員 はい。

推進会議の素案の中で障害者間の種別・程度による制度間格差をなくしという表現に対して、障害の種別によって必要となる支援は当然異なるものである。障害の程度によって必要となる支援の内容は異なるべきものだという反論をしている様子なんですけれども、これは機能障害の種類が違っても同じサービスを画一的にやれということを推進会議が言っているわけではなくて、視覚障害者にも手話通訳を保障せよとか、聴覚障害者に点字の文章を提供せよとか、そんなことを言っているわけではないですので、当然機能障害の種類によって必要となる支援の違いというのはあるだろう。

例えば雇用において職業的に仕事が困難にもかかわらず、雇用の制度から外されている障害者がいるとか、十分に働けなくて所得の保障が必要なのに日常生活動作が自立している、職業的な困難があって所得の保障が必要にもかかわらず、身辺処理が自分でできる、留守番ができるという観点からの障害の規定によって所得の保障の制度が使えたり、使えなかったりする。そういうことをなくして、ニーズに応じて各雇用とか所得とか福祉、それぞれのニーズに応じて必要な人にすべて提供するような制度を構築するべきだということを推進会議では言っているわけですので、大分認識が違うと感じます。

既に平成8年、総務庁が当時の労働省に対して、障害者の雇用・就業に関する行政監察の勧告というものを出していまして、雇用施策上の重度障害者の範囲について、個々の職業能力に応じて重度の認定を行うべきだ、身体障害者手帳の医師の診断に基づく福祉の行政で使っている医学的な判定基準によって、職業的な重度、中軽度という分け方をいつまでも続けるべきではない。職業能力を中心とした考え方に改めるべきだということを平成8年5月に出しているわけです。当時は労働省だったわけですが、そのときから厚労省の方でこういう検討を行っていれば、今、推進会議であえてこの問題を提起する必要もなかったようなことなんですけれども、そういう経過があるにもかかわらず、今また障害の種別によって必要となる支援は当然異なるということで、総務庁から、ずっと前から言われていることについても、まだ改善をしないばかりか、推進会議がその改善をせよと言っているのに対して、こういう理解であります。確かに簡単ではないことはわかりますけれども、こういう方向でのニーズに基づく支援の体制をという方向に対して、後ろ向きの姿勢を示しているということは大変残念なことだと思います。

以上です。

藤井議長代理 長瀬委員、どうぞ。

長瀬委員 ありがとうございます。東京大学の長瀬です。

私からは総則関係のところで、外務省から提出されたその他の留意点について申し上げたいと思います。皆さんのお手元の資料では、資料3の一番最後に添付されております別紙4「外務省から提出されたその他の留意点」というところでございます。

まず最初に「2.総則関係」の「1)目的」の第1パラグラフのところで、外務省のものを読み上げますと「『障害者を保護の客体であるとする見方から、すべての基本的人権の享有主体であるとの見方へ、考え方の根本を転換することが障害者権利条約の理念』とあるが、障害者権利条約にそのような規定はない」と外務省から出されております。

確かに障害者権利条約自体の中にこういう言葉もありませんし、そういう規定がないのはたしかです。ただ、障害者権利条約の事務局を担っている国連の担当部局が出している文書を見ますと、パラダイムシフトという言葉が使われておりまして、そして、具体的には、今、申し上げた障害者がすべての基本的人権の主体であるという表現が出されております。ですので、この外務省の意見は、事実は確かにそうなのですけれども、権利条約の交渉過程で出されたさまざまな考え方、意見に基づいてこの条約を説明する際に、国連事務局が使っている表現であるということに気がつかないことは多分外務省の場合はないでしょうから、そこを意図的に無視して、この条約に規定がないというところだけを述べているのは非常に遺憾といいますか、非常に残念だと思います。

今、日本が推進会議を通じて、障害者基本法の抜本的改正、新しい障害者総合福祉法または差別禁止法をつくるという条約に基づいた本当にダイナミックな動きをしていると思います。そして、それは私たちが日本の取組みとして条約の考え方を更に深めていく、そういう取組みをしているのだと思います。そのときに単にその規定はないということだけで、更に障害者権利条約の考え方を深めようという取組みにブレーキをかけてしまうのは非常に残念な書き方だろうと思います。それが第1点です。

もう一点だけですけれども、次の「2)定義」のところも同じで、外務省は「『障害者の社会参加の制限や制約の原因が障害者個人にあるのではなく、機能障害(インペアメント)と社会との関係によって生じるものであるという『社会モデル』に立つ障害者権利条約』とあるが、障害者権利条約には、モデルに関する明示的規定はない」としています。

これも外務省のおっしゃるとおりです。明示的規定はありません。しかし、障害者権利条約の交渉の過程の中で社会モデルという表現もありましたし、また研究者の立場で申し上げますと、障害者権利条約は広い意味での社会モデルの一環であるというのは間違いないわけですから、これに関する外務省の書き方も非常に残念な、後ろ向きなものだということを申し上げざるを得ないと思います。

以上です。ありがとうございます。

藤井議長代理 大変大事な御指摘であり、また根幹に関わる問題でもあると思いますので、更に議論で深めなければいけないと思います。

川崎委員から手が挙がっていますので、川崎委員、お願いします。

川崎委員 ありがとうございます。

先ほど佐藤先生から言われたことに関連いたしまして、6ページ、7ページにかけての障害者間の種別・程度による制度間格差をなくすというところなんですが、私ども精神障害者の立場で制度間格差をなくすという文言を入れていただいたと思いますけれども、精神障害者はずっと医療モデルということで、その制度の中におりまして、福祉制度の中に精神の人が割り込めていないという実情が今あります。確かに自立支援法によりまして、3障害一元化となりましたが、実態は何ら変わっていないというところがあります。

障害福祉の施策というのは、従来の身体障害者と知的障害者、対象者がどうしてもそこに決められていることから、精神障害者がずっと要望なり活動をしていることですが、心身障害者福祉手当とか心身障害者医療費の助成の対象になっていないということがあります。これは確かに都道府県の事業でありますけれども、私どもが都道府県等に活動いたしましても、これは対象になっていないし、財源の確保がないということで、ずっと要望は戻されている制度であります。所得保障にも関係することでありますので、精神障害者もほかの障害者と同じような制度が利用できるような、制度間格差をなくしてほしいということが私の意見です。

それに少し加えて言わせていただきますと、手帳制度に関しましても、交通費の軽減ということが精神の方では実施されていないということがあります。確かに当事者家族の運動によりまして、少しずつは改善されてきておりますけれども、大方がまだ全然軽減されていないし、助成もされていない。どちらかといいますと、地域格差も起きているという感じを持っておりまして、この辺を整理するためにも、この制度間格差をなくすという文言は基本法に入れていただきたいと思っております。

関連いたしますが、先の話なんですが、18ページにも同じように制度間格差のことがありますので、併せてお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

藤井議長代理 佐藤委員と川崎委員の話を総合しますと、制度の基本における共通性はすべての障害者です。その上に障害種別や程度からくる個別の条件が上積みされるという構造だと思います。どちらか一方でということはおかしいわけであって、特に大事なことは根幹の共通です。制度の基本における考え方は共通にすべしということだと思いますので、こんなふうに整理させていただきます。

北野委員、どうぞ。

北野委員 これは資料3の11ページのところで、厚生労働省から確認をされておられますので、再度我々も一緒に確認をさせていただきたいと思います。こういう表現をしていただいています。11ページの真ん中辺りですけれども「基本的人権については憲法により平等に明らかにされているものと考えられるが、障害者についてのみ、『障害者が基本的人権の享有主体であることを確認する』ことにより、どのような法的効果が生じるのかを明らかにしておく必要がある」。厚生労働省にこのような表現をしていただくのはちょっと残念ではありますけれども、この法的効果について再度確認をしておきたいと思います。

それは資料3の6ページのところで表現をちゃんとしておるつもりであります。6ページにはこういうふうに書いております。6ページの下から2つ目でありますけれども「すべての障害者が基本的人権の享有主体であること及び、この権利の実現のためには自立と社会参加を保障するための支援が必要であること」という表現をいたしております。表現を変える必要は全くないと思うんですけれども、勿論「すべての障害者が障害のないものと同様に」という表現を入れてもいいと思います。つまり障害を持っている方が享有主体であることを確認する必要があるのは、まさに他の市民と同様に自立と社会参加を保障するためには、支援や合理的配慮が必要である。支援や合理的配慮が必要であるから、これをすることによって初めて障害を持っている市民も国民も憲法で保障された基本的人権が享受されるということを確認するために明確にこの表現を入れておるわけですから、これは是非とも確認しておきたいと思います。

2つ目は、内閣府から同じ11ページのところで表現をいただいております。今の11ページで、内閣府からは「我が国においては、憲法で基本的人権が保障され、その下でこれを具体化する権利義務が個別法に規定されている。これを前提として、基本法において『地域社会で生活する権利』という抽象的な規定の仕方が適切かどうか、また障害者の地域生活については現在総合福祉部会で検討が進められているところであるので、場合によっては、基本法において障害者の地域生活を実現するための施策の方向性を規定し、具体的な権利については総合福祉法(仮称)の中で規定することが望ましいか等の観点も含め、現行国内法制との整合性にも配慮しつつ、慎重に検討する必要がある」という表現をいただいております。

まさにそのことを踏まえて、極めて抽象的な概念としての地域社会で暮らす権利という表現を今回この中で入れておるわけでありまして、総合福祉法におきましては、地域社会で生活する権利の具体的な権利として、サービスの選択権であるとか、サービスの受給権というものを再度明確にしていく必要がある。ですから、一般的な権利として地域社会で生活する権利という表現を入れておるということを御理解していただければと思います。

以上です。

藤井議長代理 関連ですか。4人も手が挙がっているんですが、関連でまず大谷さんと堂本さんに発言していただきます。関口さんと大濱さんの発言で一応第1コーナーの前半は終わりますので、あとはまた文章等でお出しいただきます。

大谷委員、どうぞ。

大谷委員 大谷です。

ほとんど北野委員が言ってくださったんですけれども、ちょうどそのことを発言しようと思って手を挙げたところで、同じ趣旨のところです。

再三いろんなところに出ていますけれども、とりあえず11ページです。厚生労働省から享有主体であることの法的効果はどのように生じるかという質問を受けた立場からすれば、私たちは人権の具体化ということは再三言っていると思います。障害のある人の基本的人権を実質的に保障するために、まず確認することが必要なんだということは再三述べていると思います。そして、具体化するということはどういうことなのかというのは、合理的配慮をしなければ障害のある人の人権は基本的に実質化できないということも何度も私たちはこの場で確認していると思いますので、改めて厚生労働省に何度も言ったということを返していただきたいと思います。

そして、それと同じ意味で、これも再三私が発言させていただきました。下の段落の、内閣府には是非御理解いただきたいんですけれども、我々の会議は人権条約の国内法整備のための委員会であるということを確認させていただいている。そうだとするならば、人権条約を国内法として整備するときに何が必要なのか。人権条約にとって命となっているものの理念は一体何なのか。せめてこれは人権として新たに確認する必要があるということは再三述べさせていただいています。

具体的に言えば、例えば女子差別撤廃条約のときには固定的役割分担が差別なんだということを確認する。これは後で述べたいと思いますけれども、子どもの権利条約のときには意見表明権、子ども自身が意見表明権を持っているということは、人権の享有主体ではなくて人権を行使する主体なんだ、これが民主主義の基本の権利なんだ、ということは何度も国際社会で確認されているにもかかわらず、我が国はそれも確認しなかった。障害者権利条約のときには、今度こそ基本となる理念を外さない。基本となる理念というのは地域社会で生活する権利、インクルーシブな社会をつくる、まさにこれが基本なんだ。それを確認するところがここにはない。障害者基本法の場所で確認しなければ、確認する場所がない。そして、それを受けたところで総合福祉法等でより具体化していくことが必要なんだと思います。

個別法として憲法で人権は規定されて、それ以外の人権は認めないかのこどく、すべての個別法は具体的な民民の権利義務関係ですべて落としこめるかのような錯覚を内閣府が起こしているとすれば、それは是非訂正していただきたい。我々は人権の具体化として地域社会で生活する権利を明文化することを求めているということを改めて内閣府に認識していただきたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 堂本委員、どうぞ。

堂本委員 私が言おうと思ったことをほとんど大谷さんが言われたので、ダブらないところだけを言います。

今の憲法にあるから個別法に書かなくていいというのは間違っていると思います。具体化するためには総合福祉法は勿論ですけれども、後で資料を配らせていただきますが、精神障害が自由意思で入院するのではない場合には、別の法律に定めるところによって適正な手続を経るようにしないと人権は守れません。

二次意見に対しての各省の意見は、現行法と照らして述べているだけだと思いました。権利条約を踏まえて、どこを踏み出さなければいけないのか、何のために推進会議があるのか、その目的自体がわかっていないのではないか。抜本的に改正することが目的なのですから、そこのスタンスを変えてもらわない限り、個別法と憲法との間の問題は解決しないと思うので、その点を強く主張したいと思っております。

どうもありがとうございました。

藤井議長代理 今お三方から憲法での役割、実体法である総合福祉法で権利のことは言えばいいのではないか。基本法で権利を一体どういうふうに見るかということで、憲法制定以降、実態が変わってこなかったという点でいうと、憲法だけでは無理だということはわかっている。そして、総合福祉法で権利性をというんだけれども、逆にお三方のあれでは、勿論そこでも書くんだけれども、やはり基本法でも権利条約の視点からきちんと明文化すべしということでした。今日はこの後ずっと議論が続くと思いますので、一旦ここでそういうふうにしておきます。

これ以外に、今、関口さんと大濱さんの手が挙がっていますので、関口委員からお願いします。

関口委員 ありがとうございます。全国「精神病」者集団の関口です。

精神病者の立場からいうと、今すぐ精神障害者の地位が向上するとか、そういうことはある程度時間がかかることであると思っています。ただ、少なくとも基本法の中に権利性を含めた方向性を求めなければいけない。

5ページのところで「第3には、障害者に関連する政策決定過程に障害者が参画する重要性に鑑みて、障害者に関する施策の実施状況を監視する権能を担う機関を創設することである」とあります。これが多分本則の中にも落とし込まれていくんだと思うんですけれども、とりわけ今の1~4までのところに書いてあることがどれだけ実現できているだろうかということをモニタリングして、必要ならば勧告して直させて、より十全な権利の実現を図るということをどこかで書いておく必要がある。これは附則よりも勿論本則の方がいいと思うんですけれども、それを書いておかないと、文言だけ非常に立派なものができてしまっても、それを内実として充実させていくということが担保されていないし、精神障害者の立場は全くよくならないと思うので、その辺を御検討願います。

藤井議長代理 大濱委員、どうぞ。

大濱委員 相当部分がダブっていますので、ダブっているところは簡単に言わせていただきます。

資料3の7ページ目で、先ほどから議論されているところです。制度間の格差の問題です。この問題は基本的に障害のある者と障害のない者が平等ということで、やはり不公平がない状態にするということです。そういう意味で、厚労省はこの辺の文章を曲解しているというのか、わかっていてやっているのかどうかわかりませんが、公平ではない現状があるので、制度間格差をなくすということで言っているのであり、これは厚労省が言っている意味合いと大分違うということが1点です。

あと、9ページ目です。「地域社会における生活の実現」となっていますが、できれば「地域社会における生活の権利」ということで、きちんと権利ということを明確にしていただきたい。この点も先ほどから何人かの方から御意見がありましたので、補強しておきたいところです。

藤井議長代理 何行目ですか。正確にお願いします。

大濱委員 9ページ目の「3)基本理念」の大きな鍵括弧の「地域社会における生活の実現」というところです。

藤井議長代理 それでは、まだ発言はあろうかと思うんですが、第1コーナーの5)~11)、残りの7項目の点で御意見をと思っています。発言をしたい方は挙手をいただけますか。勝又委員、清原委員、新谷委員で一旦いきます。

勝又委員、お願いします。

勝又委員 勝又です。

「5)障害のある女性」について意見を申し上げます。

前回から今回にかけて私は意見出しをいたしまして、その意見が取り入れられているということでありがとうございます。

後ろの方に各則があるわけですけれども、私の意見では総則に入れて、各則にもまた入れるようにということで意見を出していたわけですが、各則に入れていた意見についても総則の方に一部盛り込んでいただいたということです。

16ページですけれども、真ん中辺から「さらに、かつて国際会議で採択された指針(『びわこミレニアム・フレームワーク』及び、『びわこプラスファイブ(2007)』)において障害のある女性のエンパワーメントが採択されたにもかかわらず、効果的な施策はおこなわれなかったという反省もある」とあります。これは現実に今まで議論されてきたにもかかわらず、それが進んでいないという現状認識をしっかり出していただいたことは非常にいいと思います。

それから、内閣府の方でイタリックで書いてある「実施・検討に当たっての留意点」というところでは、これでいいと言っていただいていると理解いたしますけれども、特に最近出ました男女共同参画の第3次基本計画においては、かなりの部分で障害のある女性についても言及をしていただいていると評価しておりますので、このような形で進めていただければいいと思います。

ありがとうございました。

藤井議長代理 勝又さん、表題が変わったのはいいんですか。人権保障です。

勝又委員 人権保障を入れておりましたけれども、ほかの子どものところについても人権保障というものが入っておりませんので、基本的に人権保障をするというのは総則の方で書いているという理解ですので、いいかと思います。

藤井議長代理 前回は「障害のある女性の権利」と書いてありましたけれども、いいですね。

勝又委員 はい。

藤井議長代理 それでは、ここで大臣がお見えになりましたので、早速ですが、岡崎特命大臣より一言ごあいさつをと思いますが、岡崎大臣よろしゅうございますか。

岡崎大臣 皆様こんにちは。遅れて申し訳ありません。

本日も障がい者制度改革推進会議に御参集いただきまして、本当にありがとうございます。

本日は引き続き第二次意見のとりまとめについて議論をしていただいておりますけれども、17日には推進会議においてしっかりと最終的なとりまとめをしていただくことになっているわけでございます。

毎回長時間にわたって皆さんに御議論いただいておりますけれども、改革の実現に向けて今日も皆さんのお力をいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございます。(拍手)

藤井議長代理 それでは、そのまま進めてまいります。

清原委員、お願いします。

清原委員 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。

17ページ以降に「6)国及び地方公共団体の責務」をまとめてくださっています。この内容については、今までの議論を反映していただいておりますので、原案どおりで結構だと思います。

先ほど来の皆様の意見表明と関係するんですが、18ページの「実施・検討に当たっての留意点」についてです。内閣府から「我が国においては、憲法で基本的人権が保障され、その下でこれを具体化する権利義務が個別法に規定されている」ということからくる留意点について書かれています。私は今まで皆様が言われた内容、ニュアンスとはちょっと違うことであえて発言させていただくのですが、これまでとりまとめてきた内容で提言をしていくということは私自身も同意しているわけですが、ただ、今回、内閣府にこのように書いていただいている留意点というのは、今後私たちが第二次意見を出した後、具体的に国が検討される上で、このようなことが懸案になりますということを今の段階で明確に示していただいたものであり、委員の皆様と意見が違ったとしても、私は重要なコメントだと思っています。しかも、法律をつくっていくときには、言うまでもなく内閣法制局でありますとか、議員立法であればその立場での法制局のコメントというものが付されるわけで、それを先取りして示していただいているものと思います。だからこそこれに留意しつつ、岡崎大臣には乗り越えていただかなければいけないわけでございますから、この留意点あるいは疑問点というものを私たちも聞いた上で、また意見を出していくということになると思います。

もう一点申し上げますと、この先の19ページ以降に「7)国民の理解・責務」というものが整理されています。そのときに事業者の具体的な責務について個別分野の中で明確にしていくということもありますし、私たちとしては事業者等の責務を明らかにすることで多くの皆様の意見が出ましたので、第二次意見にはそれが触れられていなければいけないと思いますけれども、これにつきましても、今後具体化していくには、責務を書くときには配慮すべき点があると書いてあるということは重要だと思います。

更に配慮がございまして、ここの中で私たちが配慮しなければいけないときに、この会議では障害者の皆様の基本的な人権というものを現状の問題を踏まえて最大限実現していくためになすべきことを基本法に盛り込むというスタンスで議論が進んでおりますけれども、実際、障害者に対する理解がまだまだ不十分である方というのは国民の中にいらっしゃるわけで、そういう国民の方に対してより一層の理解をお願いする、言い方は余りよくないんですが、やはり啓発活動というものをしっかりとやっていきませんと、このような第二次意見が出されたことに対して、逆の反応が強く出過ぎてしまうこともおそれての提案が厚生労働省からも出されているように思います。私としては全府省を挙げてこのテーマについて最大限の努力をすべきだと思いますけれども、今回書いていただいているものを踏まえつつ私たちが第二次意見をきっぱりと提出していくことと、それをより幅広い国民の皆様に伝えていくことが必要であるということは、随所にあります各府省のコメントから読み取れました。ですから、それぞれの省が書かれていることについて単にネガティブとだけはとらえず、今後私たちがこの第二次意見を広めていくときの留意点としても認識したいと考えました。

以上でございます。ありがとうございます。

藤井議長代理 新谷委員、お願いします。

新谷委員 全難聴の新谷です。

最初は19ページ「7)国民の理解・責務」のところですけれども、事務局案でも事業者の中に例示として公共事業者とかマスメディアという言葉が入っていないんですが、国民の理解のところでマスメディアの果たす役割というのは、単なる事業者のとどまらない大きな役割があると思います。公共事業者はちょっとあいまいかもわかりませんけれども、少なくともマスメディアは入れることはできないでしょうか。権利条約でもマスメディアの果たす役割は書いていたと思ったんですけれども、それを検討いただきたいと思います。

それから、ここの関連は、事業者に対する義務づけの問題を基本法の中でどこまで書くのかということです。省庁の意見では基本法は事業者への義務づけが困難であるといういろいろな指摘が載っていますけれども、基本法としてどこまで踏み込めるのか。国、公共事業体を経由して事業者に義務づける。国、公共事業体への責務を義務づけて、あとは間接的に事業者を縛るのか、その辺の全体の仕組みについてはもう少し議論をいただきたいと思います。

25ページはそれとの関連というか、こちら側が大もとだと思うんですけれども、残念ながら、事務局案では相変わらず法制上の措置にとどまって、法律の制定、改定にまで踏み込んでいただいていないんですが、これはやはり各省庁と折衝した流れの中で法律の改正、制定というところまでは書けない、法制上の措置なんだと理解せざるを得ない、せめぎ合いの結果でしょうか。その辺をお伺いしたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 これはどうしましょうか。東さん、先にお答えもらえますか。それでは、東担当室長からお願いします。

東室長 「事業者の責務」というところですけれども、新谷委員から公共事業体、マスメディアということをここに入れるべきであるという御意見は承っておりました。ただ、公共事業体というものがどの範囲を指すのか。国及び地方自治体は当然入りますけれども、それはある意味で独自の項目としてあるわけです。それを除いたものはどこら辺にあるのかというのは範囲がはっきりしないという問題があったと思います。

マスメディアについても確かに大きな問題ではありますけれども、マスメディアにつきましては、やはり報道の自由との関係があります。マスメディアをどう扱うべきかということにつきましては、非常に慎重にならざるを得ないところがありまして、まだ今の段階ではペンディングにしたいというところです。

法制上の措置につきまして、改正、制定というのは法制上の措置そのものと同じではないかということなんです。そうでなければ、差別禁止法制を含む必要な法制上の措置の中に差別禁止法の制定というのが入らないことになります。当然新しい法律の制定、もしくは改正、廃止ということを全部含んで法制上の措置と読むべきであると私は思っております。

以上です。

藤井議長代理 タイムラグがあると思うので、新谷さんにまず今の答えについて理解をしていただかないといけませんが、いかがでしょうか。

新谷委員 納得はできないんですけれども、実際に法制上の措置でいえば、法律の制定、改定と書いている法律もあるわけです。基本法もあるわけです。その書き方にならえない理由がはっきりあるのであれば、同じではないかというのであれば、逆にここの意見としては法律の制定、改正と書いてもいいのではないかという話になります。そうではなくて、法制上の措置というのはちょっと違うニュアンスがあるんだというのだったら、その理由をお聞きしたいと思いました。

藤井議長代理 再度、東さんからお願いします。

東室長 それについては、もう一度検討してみます。

藤井議長代理 今の東さんの御意見では、同意義であるということだけれども、新谷さんから同意義だったら2種類を使う必要はないということなので、これはもう一度深めることにしましょう。

尾上委員、中西委員の順番でいきます。

尾上委員からお願いします。

尾上委員 どうもありがとうございます。

この後もいろいろと意見があるんですが、まず最初に確認をしておきたい点ですけれども、これも既に何人かの方がおっしゃられていますが、推進会議は私たち抜きに私たちのことを決めないでほしいという理念の下、権利条約の批准に向けた国内法の整備等をするための障害者制度改革に向けてしっかりと議論をしてきたつもりです。その意味を改めて推進会議のメンバーが確認をすると同時に、各省庁や関係者の方々に受け止めてほしいと思います。これは私たち推進会議の委員のみならず、今日もたくさんの方が傍聴に来ておられますし、インターネット等を通じて拝見されている方もたくさんおられます。たくさんの方々の期待を担った制度改革だということです。

その点で、まず1つあえて申しますと「実施・検討に当たっての留意点」と書かれている点です。先ほど清原委員がおっしゃられたように、しっかり耳を傾けなければならない部分も勿論あるわけなんですが、一方で実施できない、すべきでないと言わんばかりの、そういう意味では「実施・検討に当たっての留意点」という範囲を逸脱したような御意見も見えます。そういう意味で、再度どうやったら実施できるのかという視点から、各省庁から意見を求めたいところであります。

資料3の23ページの下の厚生労働省のところですが、社会モデルや制度的な格差については、先ほどの第1ラウンドで皆さんが御指摘をしたところなので、全く同じ意見ですということを申し上げます。

その上で「『切れ目のない支援』とあるが、すべての障害者が、24時間にわたって連続して」云々と書かれています。厚生労働省さんを含めて各省庁ですけれども、私たち推進会議の意見をしっかり読み込んでいただきたいと思っています。すべての障害者が24時間ということはだれも言っていないです。必要な人には24時間あるいは24時間×2人のときもありますから、必要な支援をちゃんと得られるようにしてほしいと言っているのが1つです。

もう一つは「切れ目のない支援」というのは、24時間という時間だけではなくて、例えば通勤や通学あるいは入院中に使えない、そういった制度間の切れ目といったことも議論になっていたと思います。この点は先日の12月7日の総合福祉部会の訪問系の作業チームでは、まさにこういうまとめをしようとしているところです。シームレスな支援と他分野との役割分担、財源調整ということで、どんなに障害が重度であっても、地域の中で他の者と平等に学び、働き、生活し、余暇を過ごすことができるような制度が必要である。そのために例えば通勤や通学、入院時にも重度訪問介護等を利用できるようにすべきだという具体的な提言もしようと考えているところです。そういう意味で、非常に短絡的な読み方をして、推進会議をこんなことを言っている、だから、とてもできないという書きぶりではなくて、しっかりとどういった議論をしてきたのかということを受け止めてもらった丁寧な意見を返していただきたいというのが1点です。

もう一つあえて申しますと、例えば総合福祉部会で検討中なんだから、こういう結論をすべきではないと言いながら、まさにシームレスな支援ということについては作業チームで先ほど言ったようなところまで具体的な提言が進んでいるにもかかわらず、それをあたかも無視するかのような書き方をするのはいかがなものか。一方でこう言い、あちらでああ言いということでいえば、こういうものを御都合主義と言わなければならないのではないでしょうか。一貫した視点で推進会議の意見を受け止めていただきたいと思います。

もう一点、24ページの下から3分の1ぐらいのところであります。「『障害者の意見の尊重』とあるが、例えば、障害者の方と障害のない方の利害が対立するような場合に、障害者の意見が一方的に尊重されると基本法たる法に規定することは適当ではない」とありますが、だれも尊重をこんなふうに思わないです。

しかも、ちょっと見てください。「障害者に関する施策は、その施策の策定と実施のプロセスに可能な限り障害者その他の関係者が参画して」という形で、私たちの方でも「可能な限り」ということは既に言っているわけです。尊重というのは、言ったとおりそのままということをだれも期待していないわけです。ここも尊重という言葉を誤解か曲解しているのか知らないけれども、こんな議論を続けていると時間の無駄だという気がします。

改めて申しますけれども、推進会議の今までの議論や提起している内容を丁寧にしっかり正しく読み込んでもらって、意見をもう一度返してほしいと思います。

以上です。

藤井議長代理 今、大変大事なことを言われまして、1つは問題現象や困難実態をどうやったら打開できるのかということを推進会議及び関係省庁がどうやって前進させていくのか。ここに知恵を出し合おうという観点がやはり要るのではないかということと、推進会議の論議の全体像または論議の本質をもう少し見てほしいという指摘があったと思いますが、関連として北野委員から出ていますので、どうぞ。

北野委員 今、尾上委員のおっしゃったことなんですけれども、私も24ページの、今、言われた障害者の意見の尊重の部分は、曲解されているといいますか、むしろ私たちの書いた文章を素直に読んでいただきたいと思います。「障害者その他の関係者が参画して意見を述べ、当該意見が尊重されること」と書いてあります。つまり障害者の意見が一方的に尊重されるというのは、そもそも理解の間違えであります。障害者その他の関係者が入って考えていくことについて尊重していただきたいということでありまして、これは一方的な問題では全くない。

ですから、25ページのところも当然その辺に関係しますけれども、障害者基本法のところでも、障害者及び関係者の参画を得て基本的な計画を策定すると書いてあります。これについては何も疑問点を書いていらっしゃいませんから、これから厚生労働省と我々の推進会議が一緒に議論できたらいいと思います。

以上です。

藤井議長代理 中西委員、どうぞ。

中西委員 議論はもう一回「5)障害者のある女性」ところに戻っていただきたいんですけれども、資料1の13ページです。先ほど勝又さんが言っていらっしゃったびわこミレニアム・フレームワークとびわこプラスファイブですが、これに関しては「効果的な施策はおこなわれなかった」と書いてあるんですけれども、まだこの実施期間は終わっていませんので、過去形ではない。今後やってくれるかどうかの期待がもてるか、もてないかというともてない方が強いんですけれども「おこなわれなかった」ではなくて「行われてこなかった」という表現にして、まだ希望はもたせておきたいと思います。

ここに関しては障害者に関する国際文書、権利条約の前の段階での82年の障害者に関する世界行動計画でも、93年の基準規則でも女性障害者に関しての規定は何もないんですが、それとは別に95年に北京で行われました第4回の世界女性会議の際の行動綱領に女性障害者のことが出ていますので、それを使っていただけたら完全に何も行われてこなかったという立証になるのではないかと思うので、それをつけ加えてください。

以上です。

藤井議長代理 それに関して、東室長からどうぞ。

東室長 漠然とつけ加えてくださいと言われても、文案自体をこちらで起案することはできません。正確な名称などがわかりません。

中西委員 わかりました。後で出します。

東室長 時間がない中で申し訳ないんですけれども、その言葉を2行とか3行とか、このバランスに合わせてお願いできますか。

中西委員 かしこまりました。

藤井議長代理 どうぞ。

竹下委員 すぐ終わります。非常に気になるんですけれども、皆さん先ほどから言っている、例えば厚労省の意見に対して反論しているのは、怒られる言い方ですけれども、反論になっていないと思います。空中戦になっているんです。

例えば尊重のところでいえば、厚生労働省の主張は今でも尊重しているんだ、ここに尊重と入れて何が変わるんだと居直られているわけで、我々は挑戦されているんです。そうであれば、ここでいう尊重というのは従来とどこが違うのかを言わなければいけないんです。

例えば、審議会において10人の審議委員がいて、1名の障害者委員がいたら、その意見を聞いたらそれで尊重したことになるというのがこれまでの姿勢です。しかし、我々が権利条約の下で言っているのは、仮に審議委員が10人いたら、6人はその関係者で構成する審議会において物事を決めるというのが尊重の意味です。具体的に言わないと多分厚労省とかみ合っていかないと思います。

終わったことなので、文書で出さなければならないかと思いますけれども、例えば人権の享有のところでも、厚労省の言っているのは、要するにわざわざ基本的人権の享有主体をうたうのは、これまでそういう基本的人権の享有主体にふさわしくない法制度をやってきたということまで言わなければいけないんです。

例えば公職選挙法の11条、要するに障害者に後見人を付けただけで選挙権、被選挙権を奪うというのは、基本的人権の享有主体を否定するということまで言わなければいけないんだと思います。そこまできちっと指摘していかないと、厚労省からの我々の答申に対しての攻撃への反論にならないのではないかということが気になります。

以上です。

藤井議長代理 大変大事な指摘で、そういう視点は是非別紙において発言をお願いしたいと思います。

久松委員、長瀬委員までで一応このコーナーは終わります。

久松委員、どうぞ。

久松委員 全日本ろうあ連盟の久松です。

各省庁の意見の中でネガティブな意見を出されているのは構わないのですが、私たちはどう受け入れられるかということ、また変更できるかということ、先ほど藤井さんがおっしゃったように、具体的に実施するために戦略的な議論をする方向に持っていくことはとても良いことだと思います。ネガティブな意見の中でも、誤解を与えるような表現であるとか、事実と違う言い方であるとか、真実でない記述の仕方、それをそのまま看過できないようなことを指摘していかないといけないのではないかと思っています。

改めて厚生労働省のコメントの中の別紙3-2です。ページ数が書かれていないのですが「厚生労働省から提出されたその他の留意点」というものです。別紙3-2です。「全体について」の「(1)言葉の意味の明確化と客観化」と書いてあります。ここで言われていることについて否定はしません。

問題だと思うのは、前の別紙3-1「『障害者が障害のない者と平等に』という表現は、『障害者』というレッテル貼りにつながりかねないので、『障害の有無にかかわらず、全ての者が』という表現にすべきと考える」というところです。「『障害者』というレッテル貼りにつながりかねない」という認識を厚生労働省が持っているということは非常に問題があるのではないかと思っています。こういう表現は看過できないのではないかと思います。先ほど藤井さんが指摘された範囲です。

元に戻りますが、今回の厚生労働省のコメントは重箱の隅をつつくような書きぶりが多いという感じを受けます。例えば障害者の福祉という言葉の使い方、表現は避けるべき、国民の議論が必要という言い方がされていますが、もととも制度改革推進会議の中の皆さんの議論では、障害者基本法は福祉の増進という表現ではなく、障害者の権利性が担保された理念、障害者権利条約の理念に基づいて見直すのだということで、福祉という言葉に限定されることではないという議論をしてきています。福祉を省くということについては、言葉を削除することにつなげて、使わないのはおかしいという問題提起の仕方は明らかに誤解というか、そこだけにこだわっている書き方ではないか。そこが問題だと思います。

例えば22ページです。「障害者の福祉といった表現を避け」とありますが、福祉という言い方を使わないと決めるような誤解をされる。こういうコメントの仕方に問題があるかと思いますので、誤解のない書き方をしてもらわなければいけないと思います。

それと、今後各省庁のコメントをどう論議していくかということですが、事実に反するような書き方があった場合、こういうコメントを見直してもらえるかどうか、見直していくべきではないかということについても意見を出していただきたいと思っています。

あと細かいところは、それぞれのページに沿って御説明したいと思います。

以上です。

藤井議長代理 最後に長瀬委員、どうぞ。

長瀬委員 ありがとうございます。長瀬です。

3点申し上げたいと思います。

1点は簡潔に、先ほど勝又委員から御発言のあった「5)障害のある女性」についてです。これについては当初こうした独立した総則という形にもなっていませんでしたので、これだけ中身のある総則として「5)障害のある女性」が取り上げられたことは評価したいと思います。

2点目は、先ほども既に尾上委員、北野委員、竹下委員からも御指摘のあった施策の基本方針のところの障害者の意見の尊重に関するところです。1点だけ申し上げたいのは、厚生労働省の留意点の最後のところで「『可能な限り尊重』や『尊重されるよう配慮』のような表現の方が国民の理解を得やすいのではないか」と書いてありますけれども、この文脈の国民というのは明らかに障害のない人という意味で使ってあるので、こういう形で実際には障害のない人という意味で国民という表現を使われるのはいかがかと思って読みました。

3点目が一番の本題ですけれども、資料3ですと、21ページの「8)国際的協調」のところです。今までの基本法の総則及び各則にもなかった国際というところが「8)国際的協調」という形で入ったのはうれしく思います。私自身、前回まで「国際協力」ということで総則の部分にもということで主張してまいりましたけれども、今回、読み直して「8)国際的協調」という形で総則に入り、各則の方は「国際協力」という現在の形を支持いたします。

前回も申し上げましたけれども、先週は8日から10日まで国連の人権理事会の見直しが行われております。その関係で大使による非公式会合というものがバンコクで行われまして、国連人権理事会自体がアクセシビリティーをちゃんと確保するということについて、国際障害同盟の代表として出席してまいりました。せっかくの機会ですので、日本の推進会議の中でイエローカードが使われているということを合理的配慮の一環という形で紹介してまいりました。国連人権理事会のこれからの方針の中にアクセシビリティーが盛り込まれるということについては、例えばトルコですとかメキシコ、ニュージーランドといった国から既に支持するという意見の表明があるのですけれども、残念ながら日本からは今回の非公式会合の席上でも支持するという意見は得られませんでした。

そういう意味で現在の認識のところを読み返しますと、今後も障害者の権利の確保、尊厳の尊重を目的とする障害者権利条約を生み出した国際的な潮流を踏まえというのではまだ弱いと思いました。例えば今回の見直しの中でも、日本として障害者の権利を守る、尊厳を尊重するという潮流をつくり出す側として、主体的に参加するという意識が残念ながらまだ決定的に欠けているのではないかということをひしひしと感じました。これも文章でお出ししますけれども、潮流を踏まえるだけでは足りなくて、潮流を推進するということが必要だと感じております。

以上を踏まえ基本法には次の観点を盛り込むべきであるというところにつきましては、前回も申し上げましたけれども、障害者の尊厳だけではなくて、障害者の権利を確保し、障害者の尊厳に資する観点からというふうに更に強化すべきだと思います。これについても文章でお出ししたいと思います。

ありがとうございます。

藤井議長代理 まだ発言はあると思うんですが、予定より時間が二十数分オーバーしています。

第1コーナーは大変大事な議論がありました。本来東室長の提起は資料1に対する推進会議としてのより強化された意見をということだったんですが、資料3の関係省庁からの留意点等が出されて、随分ここに議論の比重が置かれました。この議論は大変大事であって、1つは曲解、誤解という辺りをどう解くかという問題があり、これは今後曲解、誤解に加えて意見の違いというものがあると思います。こういう点では今後とも議論をしていく必要があるだろう。

清原委員からはやはりここを乗り越えるような議論も要るだろう。言わば想定問答、今後いろんな壁がある中で、最低この辺は乗り越えなければいけないという辺りも大事だろう。

同時に竹下委員からは、理念上とか感覚的なことではなくて、政策上形のある反論をしないと、これは空中戦ではいけないという指摘もあって、いずれも大変大事な指摘であります。

しかし、資料1を強化していくという観点しかありません。長々とこの段階で文章ということではなくて、もし端的にということであれば、明日の10時までにお願いしたいと思っております。

今から2時35分まで休憩しまして、その後、第2コーナーに入ります。少し縮めていきますけれども、15分間の休憩をとります。

(休憩)

藤井議長代理 それでは、第2コーナーに入りますので、着席及び傍聴者を含めて私語を慎んでください。よろしいですか。

第2コーナーは少し時間を修正します。第2コーナーは前半と後半に分けます。前半の方は「1)地域生活」「2)労働及び雇用」「3)教育」の3つです。その後は「4)健康、医療」「5)障害原因の予防」「6)精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続の確保」までを後半でやります。

最初に東室長より「2)労働及び雇用」の実施・検討の留意点に関わって修正箇所がありますので、これをまず読み上げていただきまして、論議に入っていきます。東室長から読み上げをお願いします。

東室長 先ほどお示ししました別紙3-2に修正点についてという文章がありますけれども、その該当箇所は資料3でいいますと32ページに当たります。32ページの中ほどに「働く場での合理的配慮及び必要な支援として」云々という推進会議の認識を書いた部分があります。これについての留意点として漏れていたものが、以下読み上げるものです。

「別紙3-2(1)~(3)及び3.基本的施策関係の2)に加え、「合理的配慮及び必要な支援として、障害に応じた職場環境と労働条件の整備、ジョブコーチ等の人的支援の配置、コミュニケーション支援などの支援」について、何が合理的配慮であり、何が必要な支援に該当するのか、また、それぞれの言葉の具体的な内容やその実施手段、実施主体などについて、実現可能性も踏まえ、具体的に明らかにしておく必要がある」。この部分が厚生労働省に出されていた部分ですが、これについて書いてなかったのでつけ加えたということになります。

以上です。

藤井議長代理 それでは「1)地域生活」「2)労働及び雇用」「3)教育」の3分野に関して論議を始めてまいりますので、発言したい方は挙手をいただけますか。大濱委員、松井委員、土本委員という順番でまいります。極力結論から言っていただければ助かります。お願いします。

大濱委員、どうぞ。

大濱委員 資料3の27ページですが「地域移行」という大きなタイトルがありまして、その真ん中あたりになります。この段落の下から6行目「若しくは、よりそれに近い少人数のグループホームやケアホームでの生活を前提とした形に過渡的に転換し」という文言を全部削除していただきたいと思っています。

その理由として、これはずっと考えていたんですが、これはどうもおかしい。地域生活に移行ということであれば、グループホームとかケアホームみたいなものを認めるような文言を基本法の中に入れるべきではないという考えです。要はグループホームにしても、ケアホームにしても、5人とか10人とはいえ、幾ら小規模とはいえ、やはり障害者だけが生活する様式というのは施設の延長線上の1つの形態ではないかということで、権利条約のいうインクルーシブとか共生社会を考えますと、やはりすべての障害者が障害のない人と同様にインクルーシブな社会の一員として、社会の中に溶け込んで、融和して生活するということがまさしく共生社会であります。そうなりますと、5人とか10人の障害者だけが生活するというのは、あくまでも特殊な生活様式と考えられます。ですので、やはりこの部分は基本法の中では削除していただいた方が適切ではないかという意味で、この部分はお願いしたい。

特に53ページの国土交通省のところでも、同じようにグループホーム、ケアホームは建設しづらいということが書いてあります。よくマスコミ等ではグループホームとかケアホームの新設の際、反対運動がされているなどの表現がありますが、これは逆説的にとらえると、地域の中で障害者だけが暮らすというのは、地域社会の中でやはり特殊な存在、特殊な生活様式だから地域社会で受け入れづらい。社会の中に融合していった方がいいのではないか。要するに障害者が地域生活の中に融和して暮せ、障害のない人であっても、障害のある人であっても一緒に暮らそうという一般社会からの逆説的なメッセージととらえた方がむしろいいのではないか。そういう意味も含めて、グループホーム、ケアホームというのは基本法の中にはふさわしくないだろう。やはり施設から在宅への移行ということを重点的にしてもらいたいというのが第1点です。

2点目ですが、同じページの上から2行目なんですが「制度の改善が必要」とあります。自立支援訴訟団の中にもありますように、できましたら、個々の間に「制度の改善や」の後に「介護保険と障害施策を選択できる仕組み」という文言を入れていただきたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 1点目の件はかなり原理的な考え方だと思うんですが、現実論をという意見もあります。

大久保さんや川崎さんからも当然これはコメントがあると思うんですが、大久保さんいかがですか。

大久保委員 大久保です。ありがとうございます。

グループホームとかケアホームは決して終の棲家とは考えていないです。ただ、現実において重要な地域での住まいの場としての1つの選択肢であるということと、広く活用されている。何より、今、施設にいる方にとってより普通の暮らしに近いという形の中でグループホームは有効な1つの住まいの形である。そして、前提は選択できるということです。

あと、確かに10名とか20名、2ユニット20名とかいろいろありますけれども、今、総合福祉部会でも議論しておりますが、できる限り4~5人ぐらいの形が望ましいのではないかという議論もしています。また現在、2名からでもグループホーム、ケアホームにできることになっております。これは諸外国においてもそんなに否定的ということでもないと思います。ですから、選択肢の1つということ、決して終の棲家みたいな位置づけでないということで考えれば、ここを消していくというのはどうかと思います。

以上です。

藤井議長代理 短い時間で川崎さんコメントはございますか。

川崎委員 簡単に申します。

実は子どもが今グループホームで生活しておりますが、やはりグループホームで得た知識からアパートで生活したいということを言い出しておりますので、障害者がすぐには地域に行く前に、短期間でもこのような施設が家族としてはあってもいい、過渡的なものとしてあってもいいという感想であります。

藤井議長代理 大濱さん、どうぞ。

大濱委員 ありがとうございます。

「過渡的な」という言葉を是非入れてくださいと前回申し上げて、帰ってきてまた考えたら、やはり原理的には違うだろうという感じに達したものですから、そのように発言させていただきました。

ですから、基本法の理念として本当に入れることがふさわしいのか。要するに終の棲家みたいなものが基本法には書かれるべきではないかということで、そういう原理的なことを申し上げたつもりです。どうしてもということであれば、やはり過渡的なまたは一時的なということで、選択肢の1つとしてとか最終的なものではないとか、そこら辺をきちんと強調した上で、地域の中でインクルーシブに生活することが最終目標だということをはっきり位置づけた上でこれを書いていただくのであれば結構だと思いますが、あくまでも原則をきちんととらえた上で書き入れていただきたいという意味合いです。

藤井議長代理 森さん、関係ですか。

森委員 はい。

藤井議長代理 関連でどうぞ。

森委員 森です。

大濱委員のいう理念はよくわかるわけですが、この推進会議は理念ばかりを追いかけていたら、現実は大混乱が起きるのではないかと思います。私はこのグループホームができた歴史的なことを考えたり、今後どうなっていくだろうということを考えたときに、今の時点でこれがだめだということを言ってしまったら大反響が起きると思っておりますので、「過渡的な」という言葉を入れることについては、私は反対です。

藤井議長代理 大体今の議論の収束の方向でいいわけですね。選択できる、終の棲家ではないという辺りのことが含まれればと大濱さんが言われました。

森委員 それならいいです。大久保さんと同じ意見はしません。

藤井議長代理 一言で短く言っていただけますか。佐藤委員も関連ですか。

関口委員 グループホーム、ケアホームというのは自立支援法の中で障害程度区分が違うということと、グループホームが過渡的だということです。2年もしくは3年で出ていかなければなりません。精神障害者の地域移行を考えたときに、ケアホームというのは要するに食事の手当がつくわけです。お年を召された方に自炊して暮らしていけといってアパートに放り出されて大丈夫かという話が1つありまして、これはケアホームも含めて私は必要だと思っています。

藤井議長代理 佐藤委員、どうぞ。

佐藤委員 厚労省の意見の中でグループホームのことについても言及されているわけですけれども、資料3の別紙3-2の修正についてというところにも書かれているわけですが、厚労省の問題提起は2点あって、1つは基本法で書くべき基本的なことと総合福祉法など個別法で書くべき具体的なこととの仕分けが十分になされていないのではないかということと、現に総合福祉法や作業チームで検討している途中のものについて第二次意見書で基本法に盛り込むべきこととして決めてしまっていいものかという2点があるわけです。確かに基本法というのは基本的なことを書き込むものなので、グループホーム、ケアホームという言葉が出てくるようなものなのか、ましてそこに過渡的とか永続的とか、そこまで基本法に書くということになると、教育とか所得保障などについても相当具体的なものを基本法の中で書くのか、その辺の整合性のことが問われるのではないかと思います。

関連してなんですけれども、部会で検討しているから推進会議の第二次意見書で結論を出すべきでない、基本法で先取りすべきでないということについてはおかしな話で、要するに具体的なものか基本的なものかの区分けは必要だけれども、基本法を来年の国会で出して、その次の年が福祉であり、その次が差別禁止とかいろんな法律になるわけで、個別の法律の方針が決まってから基本法の書きぶりを考えるということになると、日程がくるってくるし、まず基本法を決めてからそれを実施するような法律、個別法という順番からしても、部会で検討しているんだから待つべきだということにはならないのではないかと思います。

2つの点を申し上げました。

藤井議長代理 2点とも極めて妥当なような気がします。

松井さん、どうぞ。

松井委員 松井です。

たくさん論点はありますけれども、幾つかに絞って話をさせていただきたいと思います。

厚労省から出てきている別紙3-1の<5>のところに「全ての障害者が労働法規の適用を受けることは、現実的には難しいと考えられ」云々と書いてありますけれども、私たちもすべての人に労働法を適用しろと言っているわけではなくて、今の福祉的就労をしている多くの方が権利性も労働者性もないところで何十年もやってきている。そこを現時点で何とか変えない限りはチャンスがないということで提案しているわけです。そういう意味では、先ほど尾上さんもおっしゃっていたように、どうすれば現状が改善できるのかという点で協力いただきたいと思うわけです。

同じ別紙3-1の一番最初の「『障害者が障害のない者と平等に』」というところですが「『障害の有無にかかわらず、全ての者が』」という表現になっていますけれども、労働だけをとっても障害を持った人たちの就業率、あるいは賃金のレベルが障害のない人と比べて大きく格差があるという実態があるので、それは「『障害の有無にかかわらず、全ての者が』」ということにはならないはずなんです。だから、そういう実態を踏まえた形でどう対応するかということが問題だということです。

それから、先ほど別紙3-1の<5>のところで、実際に労働法が適用にならない人たち、つまり労働という形ではなかなか難しい人たちに対する対応は当然必要なので、これについては地域生活支援の27ページの真ん中の支援の内容の在り方のところの下の方に追加した部分がございます。つまり、「また、就労が困難な障害者に対しては、創作・趣味活動、自立訓練、生産活動、居場所の提供などを提供する場が整備される必要がある」という表現を加えていただいたことは非常にありがたいんですが、これについては、基本法には次の観点を盛り込むべきであるという、後ろの方には全く出てこない。そういう意味でこの追加部分を後ろの方に入れていただきたいと思います。

佐藤委員からも既に指摘がありましたけれども、かつて総務省が今の雇用促進法の対象になっている人たちについて、機能障害ではなくて労働の困難さという観点から見直すべきであるということを指摘しています。厚労省は十数年前にそういう指摘を受けていたわけですから、その指摘を踏まえて対応すべきところを放ったらかしてここまできたので、そこをあたかもこちらの責任でやれということはおかしいと思います。

以上です。ありがとうございました。

藤井議長代理 このコーナーはあと1名か2名です。

久松さんから手が挙がっています。久松さん、どうぞ。

久松委員 全日本ろうあ連盟の久松です。

33ページですが、真ん中の辺りの労働と雇用というところです。33ページです。障害者が障害のない者と平等に職業紹介等のサービスを利用できるようにすること、その下に厚生労働省からのコメントがあります。黒ポツの2つ目「現在も、障害者が一般の方と同様の職業紹介サービス等を受けることは妨げられていないため、具体的にどのような点において、平等に職業紹介サービス等を利用できるようにすべきかを明らかにする必要がある」と厚労省から出てきていますが「現在も」という書き方については事実に反しています。

私どもで昨日の夜調べてもらったものがあります。私ども聞こえない者がハローワークに職業紹介で行くときの手話通訳ですが、現行制度を基にした手話通訳者、ハローワークでの通訳の配置、手話協力員となっていますが、手話協力員は月に7時間しかついていません。

また、全国にハローワークは550か所ありますが、そのうち手話協力員が配置されているのは、わかっている範囲で297か所しかありません。聞こえない人、手話通訳を必要とする聾者がハローワークを利用する場合、手話協力員のいるところを探さなければいけない。仮に手話協力員がいたとしても、月に7時間しかいないという状態で利用できる時間も非常に限られています。

ですから、もし厚生労働省が現在も妨げていないと言うならば、550か所全てに手話協力員の配置を実施していただきたいということになります。事実と違うことを書いていますので、そういうところは省いていただきたいと思っております。

以上です。

藤井議長代理 土本委員、お願いします。

土本委員 土本です。

資料3の30ページの「1)地域生活」の上から8行目です。「本年6月に閣議決定した財政運営戦略では『ペイアズユーゴー』原則が定められており」とありますが、ペイアズユーゴーという意味がわからない、書いていないのでお願いしたいと思います。

藤井議長代理 東室長の方でお答えいただけますか。

東室長 正確にはわかりません。

藤井議長代理 これはだれですか。厚労省の意見ですね。後で正確に調べてから、またお答えいただくようにします。土本さん、後でお答えいただくということでいいですか。ここにいるメンバーはだれもわからないんです。土本さんが勇気を持って言ってくれたから、わからないということもわかったんです。

土本委員 そうしたら、後でお願いします。

藤井議長代理 ほかにいかがでしょうか。尾上委員、大谷委員どうぞ。時間がないので短目で、少し協力してください。

尾上委員 それでは、短目にします。

忘れないうちに資料3の32ページですが、私の修文の文章に誤字があって、それがそのまま反映されてしまっているので、まず訂正をお願いします。32ページの下のパラグラフの5行目ぐらいです。「障害者の休職、昇進及び復職」とありますが「休職」は「求職」です。「休職」になっております。間違いですので「求職」に変えてください。求職から昇進、復職に至る全プロセスという意味で書きました。それが1点です。

続きまして、27ページ、28ページのところであります。先ほどのところとも関係しますが、佐藤委員がおっしゃられたとおり、今、総合福祉部会で検討しているから云々というのは違うのではないかというのは、まさに私も同感です。

28ページのところでは、協議調整の仕組みについては、今後更に障害者総合福祉法案の検討過程において検討されるべきものだみたいなことが書かれているんですけれども、この点は経過を確認しておきますと、第3回の推進会議で障害程度区分の廃止とそれにかわる協議調整による支給決定プロセスが議論され、その後、論点に基づいて総合福祉部会でいろんな方々からの御意見がございました。協議調整の仕組みであるべきではないという意見はなかったと思います。協議調整をしていくために必要な、例えばガイドラインが要るのではないか、ツールが要るのではないか、そのための人的体制はどうするのか、そういう実施に当たっていろいろ検討しなければならないことがある。でも、基本的には協議調整をして決定できる仕組みに変えていきましょうというのが大枠での議論の確認でございます。

そういう意味では、今回具体的な協議調整の仕組みはこうあるべきだということを提言しているのではなくて、26ページの下から2つ目のパラグラフ「支給決定の仕組み」の最後のところを見ていただければと思いますが「『社会モデル』的視点から何が必要な支援であるかの判断がなされるべきであり、本人の意思を前提とした協議と調整のプロセスが用意されるべきである」とあります。つまり用意されるべきだということで、それ以上でもそれ以下でもないわけです。その上でそのプロセスを実現していくためにはどうするかということを今まさに作業チームでやっているということですので、ここは全く変更の必要はないと思うところであります。

あと、教育のところに関してです。何ページと言えばいいのかわからないんですが、資料3の36ページに関係して、別紙2-1なります。障害のある子どもとない子どもが同じ場でともに学ぶことができることを原則とするとともに云々という、就学先決定の仕組みに関連してのところです。ほかにもたくさん言いたいことがあるんですが、1点だけ申し上げておきますと、別紙2-1の3ページ目、中教審においても云々と書かれている部分です。○のところですけれども「○保護者は、学校や市町村教育委員会が自分の子どもを地域で進んで受け入れてくれるという姿勢が見られないと、心を開いて就学相談をすることができない」と書いています。心を開いて就学相談できないというのはまさにそのとおりというか、そうしたことを避けなければいけないと思います。だからこそ、特に希望しなければ当たり前に地域の学校で必要な支援と合理的配慮を得られる仕組み、そして、本人や保護者が希望される場合、あるいは聾や盲聾、難聴等でコミュニケーションや手話といったことで選ばれる場合というのはあるけれども、行かされるのではなくて、自ら選んでいくというのが特別支援学校の在り方ではないかということを提案しました。

何度も申し上げてしますけれども、東大阪市などは既に実施されていて、そのことによってむしろ安心して相談ができる。つまりあそこに相談に行ったら、どこかに行かされるのではないかと戦々恐々として行くのではなくて、こちらの学校だったらどういうことが得られ、こちらの学校だったらこういうことが得られるという、ここでいう心を開いていろんなところに相談ができるためにも、改めて申し上げますけれども、就学決定の仕組み、具体的には今の学校教育法施行令の第5条や22条の3の改定は必要であるということで、むしろ文科省が書かれている文章からしても、私たち推進会議がいっている方向の制度の見直しが要るのではないか。単に一般ではなくて制度の問題だということを指摘しておきたいと思います。

藤井議長代理 大谷委員、どうぞ。

大谷委員 大谷です。

教育のことについて発言させてください。別紙2ということで、今、尾上委員が指摘した1、2、3というのがあります。文科省としての見解なんですけれども、これは本当に誤解に基づくのか等々、事実認識が異なっているところもありますので、昨日の夜、急いで書面をつくりました。今日机上配付しております。長くなると怒られてしまうから、文章を出しておきましたので、これを是非読んでいただきたいと思います。

私の事務のミスで2つの文章に分かれてしまっています。教育に当たっての留意点に対する意見書とインクルーシブ教育と合理的配慮ということで文章が2つに分かれておりますけれども、実は添付するという趣旨で1つのホチキスでとめるべきものが配付時点で分かれてしまっているので、2つの書面が出されたかのようになってしまっています。申し訳ありません。

要するに今どういう状態になっているのかという認識においても、文科省が共通認識を持っていなかったのかということで、非常に意外だったんですけれども、現行法制度が分離されているということは再三申し上げて、それについては共通認識になって制度改革に臨むということだったと思いましたら、いきなり文科省としては、現行は就学基準に該当する障害のある子どもは特別支援学校に就学する原則分離別学の仕組みになっているという指摘は当たらないと述べています。しかし、これに関しては文科省がここでの意見を尊重してくれと言っている特別委員会、いわゆる特特委においても原則分離別学の仕組みを改めようと提案されています。

同じページの別紙2-1の2枚目の冒頭の2行目で「就学基準に該当する障害のある子どもは、特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め」と述べておりますので、なぜこのようなことをあえて文科省が今ここで言い出したのか全く理解できないんですけれども、そのことは是非改めていだたきたいと思っております。

ここで文科省が原則分離ではないんだと言っていることそのものが、実は原則分離を裏づけるものなんだということを今日書面で出させていただきました。平成18年の改正は普通学級にいた子に対して支援をした。特別支援学校にいた子を普通学校に戻しているという趣旨で規定されたものではないとか、認定就学制度に関しては例外的に認めていることであって原則分離別学を言っているとか、保護者の意見の聴取の義務づけとおっしゃっていますけれども、これはインクルーシブ教育からの要請ではなくて、保護者の教育選択権もしくは養育監護の責任、適正手続の要請から出てくるところの保護者の意見聴取権、聴取義務であって、これをやっているからインクルーシブ教育だとはならないんです。そのようなこと、インクルーシブ教育に進んでいるんだとあえて述べておりますから、事実誤認だと思います。

それから、3割の子が行っているからインクルーシブ教育の方向だと言っていますけれども、実は3割の子どもが行っていても、実際例外的に措置されている子は確かにいます。ただし、原則分離別学の中であえて保護者の強い要求によって統合されている結果、保護者の負担で行っているということで、何ら支援がされていない。3割の子どもに支援を保障するということが、今、必要なのに、3割の子どもが行っているからこの指摘は当たらないという形で、ある種開き直ったような形でここで反論してくるというのは事実誤認の上で論理をすり替えているとしか思えません。ですから、これも訂正していただきたいと思います。

こういうふうに全部やっているととても長くなってしまいますので、文章を提出しました。ただし、文科省が最後に合理的配慮に関してはここでは議論していないと述べておりますので、今年8月にまとめたインクルーシブ教育と合理的配慮の概要版を今日は添付で出させていただきました。推進会議の本論の方、文科省は我々が理念に偏っていて具体がないという趣旨で言っているところもありますので、本日の意見を踏まえて、例えばインクルーシブ教育制度の具体的な内容、合理的配慮義務の具体的な内容を我々の共通認識としても文言を加えさせていただきたい。そのことによって文科省に我々は単に理念だけを追求するのではなくて、具体的にインクルーシブ教育を構築するために制度設計を持っているということを理解していただきたいと思いますので、ここに数行ずつぐらい加えさせていただきたいと思います。今晩中にまた文章を提出しますので、是非明日までに何とか修文という形でまとめさせていただきます。

東室長 大谷さん、ちょっと長いです。もう余り時間がないです。

肝心なところを聞きます。就学基準に該当する障害のある子どもは特別支援学校に原則就学するという従来の就学決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人、保護者の意見、専門家の意見等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当と別紙2-1の2枚目の上の方に書いてありますけれども、これについてはどうなんですか。

大谷委員 これについても、既に前回意見を出させていただいています。ですから、分離別学の根拠だったところの障害の種類と程度に応じた教育が、障害の状態に応じた教育になっている。障害の状態に応じた支援が保障されるのであって、障害の状態に応じた十分な教育というのは私は分離別学の根拠となってしまうからおかしいと提案させていただいています。

東室長 それと誤解されているのではないかと思いますけれども、作業としては各省庁からきた意見に対して反論を書くということではないんです。2行、3行つけ加えるとおっしゃっていましたが、これは各省庁からの意見であって、第二次意見の中に各省庁の意見がそのまま書かれるということでは決してありません。それは第一次意見書を作成するときも同じだったと思いますけれども、それはいいですか。

大谷委員 勿論のそこを認識した上でなんですけれども、正直申し上げて、文科省は理念に偏っていると言っていますが、我々の共通認識の中でももう少し具体的なことを盛り込んだ方が文科省も理解してくださるということで、共通認識のところに少し具体的な文言を加えさせていただければと思っているんです。

藤井議長代理 今、東さんが言われたように、私たちがとりまとめようとしているのは、今日もずっと言っていますように、資料1をどう強化するかということで、そこに各省庁の反論を加えるものにはなりませんので、端的に短い文章で明日までにということは繰り返し言っておきます。

長瀬さん、短い時間で申し訳ないです。大分時間がオーバーしているので、一言お願いできますか。長瀬委員、どうぞ。

長瀬委員 ありがとうございます。長瀬です。

私も教育のところにつきましては、今の尾上委員または大谷委員と意見が重なるところがありますので、それについては申し上げません。

1点だけ具体的な提案です。また書面でも出しますけれども、資料3の「3)教育」の35ページの真ん中の「学校教育における多様なコミュニケーション手段の保障」というところですが、今「さらに、教育現場において、一人ひとりのニーズに基づき、あらゆる障害の特性に応じたコミュニケーション手段を確保するため、教育方法の工夫・改善等必要な措置を講ずるべきである」になっていますけれども「教育方法の工夫・改善等」の後に加筆としまして「アクセシブルな教科書の保障」という文言の追加を提案いたします。これは特に発達障害や知的障害のある子どもさんたちを念頭に置いた教科書という意味です。これは文章で提出させていただきます。

ありがとうございます。

藤井議長代理 それでは、第2コーナーの後半で「4)健康、医療」に始まって「6)精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続の確保」の部分まで発言を求めますが、いかがでしょうか。堂本委員、大濱委員、佐藤委員の順番でまいります。

手話通訳及び要約筆記、指点字の方たちから言葉が早過ぎるということですので、少し配慮し合ってゆっくり目にお願いいたします。

堂本委員からお願いします。

堂本委員 私も大谷委員と同じで意見を書いてまいりました。堂本委員提出資料というもので、これを後で見ていただければと思いますので、はしょって発言させていただきます。

どこかといいますと、まず37ページからの「4)健康、医療」なんですけれども、今までは地域生活を可能とする医療の提供と難病だけだったのに、ここに人権尊重の視点から精神医療の体制整備を位置づけていただいてありがとうございました。すっきりしたと思います。

唯一この中の文言で、下から4行目になりますけれども「入院及び隔離拘束の際の保護者に替わる公的機関」とあります。保護者制度をなくした場合にとても大事なのは、だれが本人の代行というか権利を守るかということですが、公的機関のところに括弧でもいいかと思いますが、是非、司法の関与というものを入れていただきたいと思います。関口さんからもありましたように、弁護士さんや裁判所の人とかいろいろあるので、行政の立ち会い、司法の関与が重要です。

39ページの1行目に「今後、これまでの施設収容に偏った」とあるのですが、精神障害の場合ですとほとんどが入院なので「病院への入院を主体とする施策」というふうに、ここは「病院」にした方がよろしいのではないかと思います。

あと、下に付いている厚労省のコメントについて意見ですが、3つ目のポツになります。「医療法上、医師等の医療の担い手は、医療を提供するにあたり、適切な説明を行い」というのは、精神障害の場合もインフォームドコンセントをきちっとやって説明をしなさい、という意味です。問題は「努めなければならない」としか書いてないことです。これはほかの病気でも同じですけれども、精神障害の場合は特に生涯にわたって人生が変わってしまうことがあるので、医療を受ける者の理解を得なければならないとここは強める必要があると思っています。

精神病疾患の方が一般病棟で診察が受けられない。拒否されるのです。医療法上、医師は正当な理由がなければ患者の診察を拒んではならないと書いてある、とのコメントですが、くせものはこの正当な理由がなければというくだりです。精神疾患であるということが正当な理由になってしまうことが問題なので、厚生労働省はこういうが、現実はそれがきちっと運営されていないということだと思います。

「4)健康、医療」はそれで終わります。

藤井議長代理 時間がないので端的に結論を言ってください。

堂本委員 一番大事なところです。42ページからになります。最後の部分です。書き換えについては明日の10時までに文章で出します。そうではなくて、これは厚生労働省のおっしゃっていることに対して、先ほど尾上委員もおっしゃったし、ほかの方からも出ましたけれども、「現行法でこれだけできているからいい」と言われるのはとても困ります。

44ページの2つ目のポツを見ていただきたいと思います。「原則として病院への隔離・収容を受けることなく、地域社会において必要な支援を受けながら自立した生活を営む権利があること」とあります。一番の問題はその下です。現行法で医療の必要性や法に基づく適正な手続による入院、医療が行われているとおっしゃっているのです。これは実際に基本法ができるときに、こういう厚生労働省の考え方がありますと、権利条約で一番人権が阻害されている精神医療について現行法でいいということになってしまうと、現状が継続してしまう。そうではなくて、ここで少しでも人権に配慮した法体系に変えるのが今回の目的です。ここは大変気になるところです。

あとは書いたものをごらんいただければよろしいか思います。

あと、7日に行われました合同作業部会チームの報告も今日にここに提示してございますので、ごらんいただければと思います。

どうもありがとうございました。

藤井議長代理 関口委員、簡単にお願いします。

関口委員 どうもありがとうございます。関口です。

資料3の別紙3-2の修正についてという厚生労働省が出したものですけれども、留意点についてということで、まず42ページの「保護入院等」の「等」は当然医療観察法でございます。はっきりさせておきたいと思います。

それから、具体的な実現可能性といいますけれども、これはモニタリングがあるわけですから、それを通じて具体的に実施していくということだと思います。実現することは困難であってもやってもらわなければ困るので、2枚目に精神医療の在り方については、厚生労働省の中にチームをつくったらそこでやらせてくれと書いてあるんですけれども、そうはいきません。推進会議でやりたいですということです。

精神病者集団の中で6そのものを全部削除しろ、基本法にはふさわしくないという意見がありました。とはいえ、閣議決定された中に精神医療の部分が入っていて、強制入院、社会的入院、地域移行の部分も入っているので、それはできないと主張しました。私の方が多数派だったので今日はペーパーを出しておりませんけれども、例えば24年度中に強制入院については結論を得るということになっています。25年度が差別禁止法です。その前に総合福祉法ができるわけですけれども、そういうことを考えると、基本法で適正手続についてきちっと言っておかなければどうにもならないだろうという判断がありました。

適正手続保障についてですけれども、いわゆる手続適正議論というものがあります。実態はどうであろうと手続が行われれば、それは正義に合致しているという主張であります。これは適正手続の中身が重要なのでございまして、手続さえやればいいんだということは、厚生労働省も今も適正な手続をやっているからいいんだと書いてあるんです。いいんだったら、何でこんなことをやっているんですか。全部うまくやっているんだったら、制度改革推進会議に精神障害者が呼ばれる必要はないです。

入院病床の削減についても世界で一番病床数が多くて、パーセンテージも多いのを削減するということを書く必要はないみたいなことが書いてあるんです。これはどこを見て物を言っているんですかということをはっきり申し上げたい。

以上です。

藤井議長代理 佐藤委員、どうぞ。

佐藤委員 今まさに関口委員が取り上げたことなんですけれども、12月7日の総合福祉部会で第二次意見素案に対しての説明がなされたことを聞いて、部会のメンバーから精神障害者の医療を独立した改正基本法の条文として掲げることについては、やめてほしいとありました。今の関口さんの意見と反対なんですけれども、精神障害者が特別視される、あるいは精神障害者の医療についての特別な法制度が絶対必要なんだという理解という認識を強めてしまうということから、独立した条文化に対してはやめてほしいという意見が出ました。

改めて6)のところを読んで、末尾の方に基本法に盛り込むべき2点というのが書かれているわけですけれども、医療のところでも似たような条文があります。こういうことを盛り込むべきだということ、できるだけ病院ではなくて地域での医療を受けられるようにということと、医療についてはできるだけ本人の意思、自由を尊重すべきだ、それは一般医療のところにも書いてあるので、精神のところだけ独立した条文で取り上げないでいただきたい。特に精神障害についての配慮ということで、社会的入院の解消などを条文ではなくて項目として必要であれば補強するなどの形でやった方がいいのではないか。

関口さんが主張されたように、こういうものが是非強調されるべきだというのは、そのものを当然基本法の中に盛り込むわけですけれども、盛り込むべき場所として、一般医療の中で協調するという組み換えが必要なのではないかと思いました。

以上です。

藤井議長代理 堂本委員、どうぞ。

堂本委員 今おっしゃったことは6)の項目を全部なくすということですか。

藤井議長代理 6)と4)の合体というような意見です。

堂本委員 合体ですか。それは絶対にやめてください。医療以外のことが幾らでもあるわけです。人権の問題だけのことで、例えば入院だけではなくて家族の問題とかそういったことで、なぜこれをわざわざ分けていただいたかというと、それは医療の中に入らないもの、健康に入らないもので、今、精神の問題が山のように人権的なことであるからなんです。ですから、医療の中ではとても書ききれません。

それから、この間、発言された方は関口さんと同じグループの方ですけれども、彼女の場合には精神医療の精神すら取ってしまう。一切精神障害者を差別しないという思想を持っている方が発言をされましたので、彼女は非常にマイナーだと思います。今、実際に日本で入院している精神障害者は32万人です。その32万人を代表する発言ではございません。もっと経済的なことなどで社会的な悩みを持っている人がいっぱいいて、社会的入院を削減していくということが一番大事なわけですけれども、医療の質の向上とか、今、関口さんの言ったようなことを医療に入れたとしても、社会的入院の削減は不可能です。ですので、これを統合することには絶対に反対いたします。

藤井議長代理 この問題は論点が2つあると思います。

1つは厚労省と推進会議の認識が余りにも違うということで、今後これをどうやって埋めていくのかという問題が1つです。

もう一点は、医療という点から、ことさら6)を特化するのではなくて、4)との合体論という意見が出ていました。しかし、4)は医療一般であって、6)というのは人権問題を引きずった問題です。これはやはり特出しをしておかないといけない。つまり基本法というのは今後とも改正があると思うんだけれども、今回の基本法改正でこの部分を引き上げるんだという決意を込めて、この部分はあってもいいのではないかというのが今の意見だと思うんですが、佐藤委員、再度いかがですか。

佐藤委員 基本法の在り方については推進会議の方で検討する内容ですので、今日の場での議論で進めていただければいいと思います。ただ、精神の疾患とその他の疾患とか全然違うものだとか、すごく違った原理で医療がなされるということではなくさなければいけないので、そういう理解の点からいっても、制度論の点からいっても、そういう課題意識を推進会議では持っているということです。余り特殊化しないということについて、将来的な課題として認識をしているということは第二次意見書の中で取り上げていただけるといいのではないかと思います。

藤井議長代理 今までの発言を聞いていても、将来的にはその方向はいいわけですね。堂本委員、方向性としては精神だけの医療に特化ということではなくて、医療一般ということですね。

堂本委員 佐藤先生に是非申し上げたいことは、精神を特化しない方がいいとおっしゃいましたが、ディスエーブルという英語をILOの条約で身体と知的障害とだけ訳されて、メンタルヘルス精神障害が訳されていない。そのために50年間差別され、逆に特別視されてきたわけです。福祉の対象にもならなかった。それが現在なのです。だから、差別をなくすために半世紀ぐらいかかるかもしれません。しかし、はじめなければなりません。

どなたかがこの間もおっしゃいましたけれども、呉秀三の「この国に生まれたるの不幸」というのがありますが、現在もそのまま日本では続いている状況があるわけです。ですから、特別視しないで済むなら、関口さんも特別視されたくない、だれも特別視されたくない。しかし、特別視されて、ひどい目に遭っている人が大勢いる以上は、その人たちの人権を救済しなければならないのが喫緊の課題です。先生がおっしゃるような方向性にもっていくのは、恐らく5年、10年先だろうと思います。そして、日本が本当に人権を大事にする国になったときに変化が起こるんだろうと思います。今おっしゃっていることはちょっと時期尚早なのではないですか。

藤井議長代理 大体そういう方向ですね。

関口さん、そういう方向でどうですか。

関口委員 私が6)について是認したのは、前回の6月29日の閣議決定のものに医療の部分で精神関連が3つあったんです。すなわち強制入院、社会的入院、質の向上といいましょうか人員配置、この3つに対して答えなければいけないという意味でもって6)は立てざるを得ないだろうというのが私の判断でした。

結論から言えば医療は医療ですから、できるだけ医療法に包摂する方がいいわけです。また精神に特化した法律はつくらない方がいいわけです。それはそうなんですけれども、例えば適正な手続で行われておりますといっても、精神医療審査会で3%しかイエスが出ない。そんな状態で適正な手続、しかも3か月経ってからくるみたいなことでは言えないだろう。厚生労働省さんは何を言っているのか。厚生労働省さんのチームがやると言っているけれども、あなたたちは今までもずっとやってきたのではないか。何一つ変わっていない。病床数の削減も1回も明言したことがない。今度も明言を避けているんです。これはある意味基本法で書くのではなければ、私らが関われる余地はなくなるんです。厚労省に丸投げになってしまうんです。それだけです。

藤井議長代理 大体そういう方向でだと思います。

大濱委員、どうぞ。

大濱委員 前回も申し上げたと思うんですが、資料3の38ページの上から2行目の「差別が禁止されなければならない」の後に「また」ということで継ぎ足してもらいたいと思います。「地域でパーソナルアシスタントを利用している重度障害者の場合、入院時においてもパーソナルアシスタントが必須である」という形で、やはり地域生活をしている重度の障害者の場合、入院時にもパーソナルなアシスタントが必要だということを後段に明記していただきたいというのが第1点目です。

それと39ページの下から2段目のパラグラフです。「重症心身障害者等」という言葉がありますが、前は「重度心身障害者」となっていました。重症心身障害者は児童福祉法によりますと、重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童という言葉に定義がなっているんです。したがって「重症心身障害者等」となっていますが「重症心身障害者及び重度の身体障害者」という文言を加えてほしいということが2点目です。

第1点目のパーソナルアシスタント、入院時の介護が必要だということは40ページの最後のポツのところにも加えていただきたいと思います。一番最後のポツで結構ですので、加えていただきたい。実施に当たっての留意点に加えていただきたい。

以上です。

藤井議長代理 そこはきちんと明文化して出してください。

ここでも時間を大分オーバーしてしまったんですが、ここで一旦第2コーナーを終わらせていただきます。

恐らくまだ発言していない方がいると思うので、文章で提出をお願いします。

今から15分間、50分まで休憩して第3コーナーに入りますが、今日は少しばかり延長を覚悟してください。次回もそうだと思うんですが、大体これで収束の方向にいきますので、今日は20分程度の延長は覚悟していただいて、休憩に入ります。

(休憩)

藤井議長代理 それでは、着席をしてください。いいですか。大谷さん、着席してください。よく見えます。

お諮りしたいのは、どうしても今日この後スケジュールのある方がいっぱいいらっしゃいますので、5時20分には終わろうと思っています。そうしますと、次のコーナーは7分野まとめて35分間程度にさせていただきます。

2つ目です。資料3なら資料3でいいんですが、何ページの何行目かということをお話いただいて発言していただくと、後で整理する上でとても役に立ちますので、そこの配慮をお願いします。

更にもう一点、第4コーナーに入る前に土本さんはどうしても17時10分に部屋を出ないと北海道に帰れませんので、第4コーナーの冒頭にわかりやすい第二次意見に対してやりたいと思います。少し順番を入れ替えたいと思います。そういうことで御発言の機会をと思っていますので、この辺も進行に協力してください。

それでは、今、言いましたように「7)障害のある子ども」の部分から始まって「13)文化・スポーツ」までの7分野になります。時間はそう多くとれませんけれども、どうしてもこの場で言っておきたいということに絞って御発言をいただきます。御発言したい方いかがでしょうか。

その前にごめんなさい。「7)障害のある子ども」のところについてお願いします。

東室長 担当室の東です。

資料3の別紙3-2の修正についてという文章が出ていますけれども、その中で「7)障害のある子ども」について厚労省からの見解として意見が出ております。「障害のある子どもに対して早期に適切な支援を行うためには、障害の『早期発見』という視点も不可欠ではないか。また、『推進会議の問題認識』の【障害のある子ども及び家族への支援】について、『早期に適切な支援』という部分を、『早期に発見し早期に適切な支援』に修正すべきではないか」という意見でございます。

以上です。

藤井議長代理 そこは修正箇所として押さえておいてください。

今、手が挙がっているのは清原委員、新谷委員、久松委員、順番でいきます。

まず清原委員お願いします。

清原委員 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。

内容について修正をということではなくて、構成について確認をし、提案をさせていただければと思います。と申しますのは、本日総則関係のところの「5)障害のある女性」が入りました。大変意義あることだと思います。そこで基本的施策関係の「7)障害のある子ども」とあるわけですが、改めて読み直しまして、障害のある女性と同様、障害のある子どもが総則関係に入るということを個人的には提案しているんですが、ただ、確認をさせていただきたいのは、これまでの全体での議論の中で、既に「障害のある女性」は総則に入れようということが確認されていて、「障害のある子ども」については各則でということであれば、それは取り下げますが、改めて内容を読ませていただきまして、別項目で「障害のある女性」、6番目に「障害のある子ども」と入ることが意義があるのではないかということが1点目です。

2点目に申し上げます。7~13までになりましたので、大変提案しやすくなったのですが「12)情報アクセス・コミュニケーション保障」というものがございます。情報アクセスとコミュニケーションの保障につきましては、各施策関係のそれぞれにコミュニケーションの支援やコミュニケーションの保障というものが含まれています。

例えば「2)労働及び雇用」でも31ページに生活支援、移動支援に加えてコミュニケーション支援を含むとなっていますし、また「3)教育」では言うまでもなく学校教育における多様なコミュニケーション手段の保障となっています。更には「8)相談等」という項目でも重要な項目として相談におけるコミュニケーションの確保というものがあります。このように挙げればきりがないわけでございますが、コミュニケーションの保障あるいは情報アクセスといいますのは、総合的な各分野に共通する重要なものの1つではないかと思われます。したがいまして、基本的施策関係の中にとどめるとしても、例えば「8)相談等」の後に入れるとか、基本的施策関係の項目の順番について再検討の余地があるのでございましたら、そのようにしていただくと全体の関係性の中での位置づけが一層明確になるのではないかと考えます。

内容については異議はないわけですが、1点目が「7)障害のある子ども」を総則関係に入れてはいかがかということ、2番目は「12)情報アクセス・コミュニケーション保障」を移動可能であれば「8)相談等」の次ぐらいというか、全体にもう少し係る部分、最初の部分に位置づけられていれば、より整合性が増すのではないかと考えまして御提案です。

以上です。ありがとうございました。

藤井議長代理 今の意見に反対の方はおられますか。

次にまいります。新谷委員、久松委員の順番でいきます。

新谷委員、お願いします。

新谷委員 新谷です。

2点あります。

1点目は、今、清原さんから話のあった「12)情報アクセス・コミュニケーション保障」の分野なんですけれども、これは全分野に関わるんですが、やはり情報アクセス・コミュニケーション保障特有の論点もあるので、こういう項目立てをしていただくのはあり難いんですけれども、前にもお話しましたけれども、情報アクセスとコミュニケーションとはちょっとフィールドが違う。情報アクセスはむしろそれぞれが自分の判断のために情報収集するとか、対人関係のコミュニケーションとはちょっと違います。表題としては情報アクセス・コミュニケーションでも構わないんですけれども、内容としては別に書いてほしいという提案をお出ししているんですけれども、今回はやはり並列的に書かれている。それでもわかるんですけれども、目的としているフィールドは随分違うところがあります。特に情報アクセスの分野は随分広い射程距離がありますので、これは情報アクセスを取り出して提案したような文章で別でやっていただけないかという希望があります。

それに関連するんですけれども「10)ユニバーサルデザイン」のところに入れるべきかどうかがよくわからないんです。ここでは研究開発、技術開発の件が議論されていないんですけれども、ユニバーサルデザインの前段階で現在の技術開発の進展を踏まえて、障害分野への技術開発の適用の問題が1つあると思います。それを総則関係の中に織り込むのはちょっと難しいのであれば「10)ユニバーサルデザイン」の表題を「10)技術開発とユニバーサルデザイン」ぐらいにして、ユニバーサルデザインに入る前に障害者のニーズを事前に調査して、現在の研究開発と障害者のニーズを融合させていくという視点を1つ加えていただければと思います。

現実の弊害として、福祉機器の開発は厚生労働省がおやりになっている。ユニバーサルデザインは経済産業省がおやりになっている。また総務省は総務省で情報分野の独自の研究をされているということで、障害部分を全部見渡した意味での技術開発の適用問題というのはどこも扱っていないような気がするので、それは基本法の中でそういう方向性を出しておけば、施策なり技術開発を1つ融合する視点が出てくるのではないかと思います。ユニバーサルデザインの前に技術開発の項目を置いていただければと思います。

以上です。

藤井議長代理 久松委員、どうぞ。

久松委員 全日本ろうあ連盟の久松です。

資料は資料3の48ページ「8)相談等」の項目です。48ページの真ん中の辺りです。厚生労働省の「実施・検討に当たっての留意点」の部分です。下のところでコメントしたいと思います。

まずいつでも相談が利用できる体制にするためにコミュニケーション支援が必要な場には必要なコミュニケーション手段を提供することは当たり前のことだと思うのですが、厚生労働省のコメントがコミュニケーション手段の提供は福祉的支援として行われるものに限定されるものではないことに留意すべきであると書いてあります。要は何が言いたいのかわからないのですが、相談事業に限らずあらゆる分野でコミュニケーション手段を提供するということは当たり前のことです。今回相談支援の中にあるコミュニケーション手段を提供するということを福祉的支援として行えるものに限定するのではないという考え方を厚生労働省が出しているのであれば非常にありがたい考え方なのですが、この書きぶりは、結局コミュニケーション手段の提供は必要ないという言い方をしたいのかどうかがわからないのです。読み方の問題だと思いますが、もっと明確に記述していただきたいと思います。

次に障害者自身が相談業務を担う機会を増やすため、必要な措置を講じることについての厚生労働省コメントを読んでも意味がわかりません。結局、障害自身が制度改革推進会議としてまとめた意見で言いたいことは、障害者当事者が業務として相談を担う機会を増やすということ、そういう意味で書いていると思うのですが、相談業務に限らずという書きぶりは相談業務として障害を持つ当事者が担っていくという、今までこういう機会がなかったことが問題視されていたわけで、相談を業務として障害を持つ当事者が担うということを今後整備することで、初めて障害者が相談をする機会、あるいは選択することができるということです。この書きぶりを読むと誤解があると思われますので、整理が必要だと思います。

次に64ページ「13)文化・スポーツ」の一番最後のところです。経済産業省のコメントの最後の部分です。映画、DVDでの字幕付与については既に業界団体や民間企業が連携してNPO法人メディアアクセスサポートセンターを設立しています。同団体においてというような書き方をしておりますが、私の知る限りではいろいろな団体、グループが字幕付与のボランティアで頑張っている所がたくさんあるということです。特定のこのような団体を書き込むということは公平性の観点からよろしいのかどうか。特定の団体名を出すということに非常に違和感を感じます。行政としては何もやっていないということは事実なわけで、民間団体に委ねるような考え方でなく、環境整備を図ることについて積極的な姿勢を示すことを求めていきたいと思います。それが必要だと思います。

以上です。

藤井議長代理 尾上委員、どうぞ。

尾上委員 まず「8)相談等」のところ、48ページです。先ほど久松委員から指摘のあったところですけれども、厚生労働省のコメントとの関係で、具体的な文章の追加を提案します。

3つ目のパラグラフ、黒ポツでいうと1つ目です。「障害者が利用しやすい身近な場で、いつでも相談を利用できる体制を整備し」の後に「本人中心の相談ができるよう充実をし」という本人中心の相談ということと、そのための相談支援の充実が要るのでないかというのが厚生労働省さんの言い方なので、本人中心の支援ができるように充実するという文章にしたらどうかというのが1点です。

もう一点は先ほど久松委員がおっしゃられたとおり、障害当事者による相談ということが、厚生労働省の書きぶりだといかにも業務ではなくてボランティアでやっておけばいいんだという認識があるとしたら、これも推進会議の議論とは大違いだと思っています。そういう意味で業務ということにした上でなんですが、あえて申し上げておきますと、障害者自身が担うもののみについて記述することは均衡を欠くと書いていますけれども、これまで歴史的にそういった障害者自身による相談がしっかり制度的に位置づけられることなく、当事者活動としてきた中で、ある意味で当事者の相談体制が十分できていない、それをちゃんと底上げをする、そういった言わば現状として圧倒的に不足をしているから、それを底上げしようということなので、均衡論は明らかに現状を取り違えているということを指摘しておきたいと思います。そういう意味で、底上げのためにこの措置が要るんだということを強調したいと思います。それが1点です。

2つ目は56ページです。56ページの「10)ユニバーサルデザイン」のところなんですけれども、このテーマでの議論のときに申し上げたんですけれども、ユニバーサルデザインで重要なのはそのプロセスへの参加、過程への参加ということだと思います。そこの部分が後のポツでは出てきているんですけれども、本文の方に入っていないんです。56ページの下から4つ目のパラグラフ「そのためには、ユニバーサルデザインに基づく製品」云々という文章に続けて、例えば、「更にユニバーサルデザインを進めていくためには障害当事者が規格の策定や評価に関与できるような仕組みが必要である」とか「障害当事者が規格策定や評価に関与できるような仕組みが必要だ」ということをここに入れればどうかというのが意見です。これはまた具体的に文書にいたします。

58ページです。58ページの交通バリアフリーのところです。下から3つ目のパラグラフになります。「以上を踏まえ」と書いているところのすぐ下です。「国及び地方公共団体は、地域間格差の実情を踏まえ、切れ目のない交通手段も確保するという観点から」とありますが、これはこの前から追加をしていただいた部分なんですが、それを受けてその次の国交省の回答がかみ合っていないという感じがするんです。

59ページの2つ目のパラグラフ、3行目になります。「各地域における交通手段の連続性の確保については、地域の実情に基づき、バリアフリー新法に基づく移動等円滑化基本構想において措置することが可能である」とあります。ここでの論点は、例えばそもそも公共交通機関がない、自家用車が運転できなければほかに交通手段がないという地域もどんどん生まれてきている中で、切れ目のない移動といいましょうか、STSも含めてということなので、そこがちゃんとわかるように「切れ目のない交通並びに移動手段」というものを、58ページの下から5行目ぐらいに入れてもらえたらと思います。

これが最後です。61ページです。61ページの「12)情報アクセス・コミュニケーション保障」の「情報提供における障害者の参加」というところに関連して、先ほど長瀬委員から電子図書の部分があって、それで思い出しました。今年は電子書籍元年みたいなことで、これからいろいろ規格がつくられていくということもありますので、ここに「電気通信及び放送」とありますが、その次に「電子出版」というもの入れればどうかと思います。「放送」の次に「電子出版」です。

同じパラグラフの3行目になりますが「プロセスにおいて障害者の意見を聴取する」となっていますけれども、やはりここも先ほどのプロセスに参画するという意味で「障害者が参画する機会を設け」とすればどうか。

「電子出版」ということと「意見を聴取する」を「参画する機会」に変えることを提案いたします。

以上です。

藤井議長代理 大濱委員、どうぞ。

大濱委員 今の尾上さんのところに更に追加ですが、47ページの最後のパラグラフの「ピア・カウンセリング」の前に、やはり「本人中心の」と入れていただきたい。

その下の4行目の「エンパワーメント支援ができる」というのは、47ページの「本人中心」と同時に「エンパワーメント支援」を入れてもらいたいと思います。特にポツの中に、本人中心ということと、そのためにはエンパワーメントのための本人中心であるという視点をしっかりと打ち出していただきたいというのが1点目です。

51ページの一番最初のポツになります。ここで「費用助成等の施策も促進する」とありますが、この場合、実際に障害者が利用するというのは大規模な建設物ではなくて、小規模なアパートなどを改築してもらいたいという思いが非常に強いわけです。しかも、1階部分ということも兼ねて「その際、小規模な賃貸住宅も含めて1階部分の改修工事の優遇措置の優先適用や申請手続きの簡素化により、効率的な施策を促進する」という文言を入れていただきたいです。これは後から文章で出します。理由も出しますので、よろしくお願いします。

以上です。

藤井議長代理 中西委員、どうぞ。

中西委員 中西由起子です。

前回と同じ「10)ユニバーサルデザイン」に関する提言何ですが、よく理解されていなかったようなので、本日追加資料ということで出させていただきました。56ページのところです。2点あります。

1つ、視覚障害者対応の銀行のATMについて全く対応がなされていないように書かれていますが、実際は郵貯銀行ではすべてのATMで実施され、また11月30日の発表では都市銀行では全体の83%という数字が出ていて、数字としてはかなり出ているので、この記述は正しくないのではないかということです。

そのほかにユニバーサルデザインに関してのもう一つの問題点は、さまざまな問題がここで列記されているんですけれども、例えば解決策として考えられる点字メニューとか点字教科書などはユニバーサルデザインかというと、ユニバーサルデザインではないんです。ですので、ここでの指摘の問題の在り方、問題の並べ方を変えなければいけない。これは削除すべきだと考えます。

例えば低床バスとか電車の中での電光板での案内はユニバーサルデザインと言えると思いますので、それを変えていくことが必要だと思います。そうなると一体どういうふうに問題提起をしていくのかということが難しく、果たしてユニバーサルデザインの項目はここに残しておくことが必要なのか、アクセシビリティーのところに出すべきなのかと考えるんですが、私が考える限りは問題点の指摘がかなり難しいので、むしろこれはアクセシビリティーの中の1つとして出していく方がいいと思います。削除した文で構わなければ、それは出させていただきます。

藤井議長代理 そういう意見はお出しください。

長瀬委員、どうぞ。

長瀬委員 ありがとうございます。

先ほど尾上委員が発言された内容とほぼ同趣旨ですので、結構です。

ありがとうございます。

藤井議長代理 川崎委員、関口委員の順番でいきます。

川崎委員、どうぞ。

川崎委員 家族会の川崎です。

「8)相談等」のところなんですが、ページでいいますと47ページに「ピア・カウンセリング」で「ピア」という言葉があるんですけれども、私ども家族会におきましても、家族同士の相談をしておりまして、これも「ピア」というところに含まれるべきだと思います。現在、ピア・カウンセリングは当事者も含めまして、ボランティアで活動しているということがありまして、48ページの「障害者自身が」という文言のところは家族も含めたピア・カウンセリングで、やはり制度化されることが必要であるということを文章として出させていただきたいと思っております。

藤井議長代理 家族への支援というのは大変大事な視点だと思うんですが、ピア・カウンセリングという概念が家族同士のものもピア・カウンセリングに入るんでしょうか。

川崎委員 そうだと思います。仲間同士ということでそう思ったりしています。

藤井議長代理 どなたかよろしいですか。関口委員、どうぞ。

関口委員 ピア・カウンセリングの教室をやっています。ピアというのはお子様を持ったお母さんの間の寄り合いとか、あるいはがん患者の寄り合いとか、そういうものを全部ピアと言っておりまして、その間で行われる話し合いというか相談はピア・カウンセリングになると思います。

ついでに私の言いたかったことも47ページなんですけれども、今、家族会には幾らか政府からお金がついているようですが、実は自立支援法を施行するに当たって、自治体の方で地域資源ということで各種の患者会等を調べ上げているはずなんです。そういうところにお金がつかないかというのが1つ。

もう一つは、そういうところにお金だけついてもしようがない。つまり権限がなければしようがないので、病院の中にいる人あるいは仲間でもいいんですけれども、電話をかけてきたときに病院の中に立ち入れられる権限をいただきたい。

例えば大阪でやっているものがありますけれども、あれは大阪の医師会というか精神病院協会とお話合いをしてやっているわけです。どうしても病院とのお話し合いが先で断られたらおしまい、何の権限もない。これでは困るので、少なくとも病院の中に入っている人が掲示板に入っている電話番号にかけてきたときに、仲間が駆けつけていって、精神医療審査会につなぐなりする。それが3か月以上かかるというのであれば、訴えの利益はない。現状そうなっているわけですから、それは何とかしてくれということを言いたい。

以上です。

藤井議長代理 このコーナーはここまででよろしいですか。東さんからお願いします。

東室長 担当室の東ですけれども、中西委員からユニバーサルデザインに関して独自の項目ではなくすという提案がなされていますが、皆様の御意見はどうなんでしょうか。その点をはっきりしていただかない限り対処のしようがありません。

それとコメントですけれども、関口さんから親同士もピア・カウンセリングと呼んでいるというお話がありましたが、ピアというのは仲間という意味で、だから、同じ背景、同じ立場を持つ者同士を仲間と呼ぶという意味ではいいでしょうけれども、歴史的にいうとコウ・カウンセリングという同じ背景を持つ者同士のカウンセリングの中で、障害当事者がやった部分をピアと言って、コウ・カウンセリングの障害者版という形でずっとやってきた歴史もあるんです。そういう背景を持っていますので、親同士がやるということの重要性は非常に高く評価すべきだと思うんですが、それをピアという形で包括して呼んだ方がいいのかどうかというのは1つの論点ではないかと思っているところです。それについても御意見があればいただきたいと思います。

藤井議長代理 大変大事な2つの論点がありますから、ここは少し時間をとらなければいけません。

ユニバーサルデザインについて、中西委員は前回からこれをバリアフリー、アクセシブルというところにむしろ収束してもいいのでないか。しかし、権利条約には定義の第5項目目にユニバーサルデザインがある。例示問題がいろいろありましたけれども、例示問題は別にしておいて、概念上あるいは項目上なくてもいいのかということで、皆さんいかがでしょうか。

新谷委員、どうぞ。

新谷委員 アクセシビリティーという概念は非常に動的な概念であって、ユニバーサルデザインというのは割とコアな考え方がありますので、ユニバーサルデザインという項目はやはり必要だと思います。

ユニバーサルデザインで大事なことは障害者に特化したユニバーサルデザインではないという中西さんの御指摘が非常に大事なところで、逆にユニバーサルデザインの方が広くて、それが障害者にも使いやすいという視点がユニバーサルデザインと思いますので、書き方としては工夫が要るかと思いますけれども、ユニバーサルデザインそのものは必要だと思います。

ただ、先ほども言いましたように、その前に技術研究開発のところの1つのつけ加えが必要だというのが私の意見です。

藤井議長代理 中西委員にまた発言していただきます。

ほかにあった方がいいという意見はありますか。特にないですか。

勝又委員、どうぞ。

勝又委員 勝又です。

ユニバーサルデザインというものが実際にあるわけですけれども、それを基本法の中にうたっていくことによって、障害者にとって社会的に非常に使いやすいものが増えるという形で、積極的に利用していくような視点があるのかないのかということで、そこら辺はむしろそういうものは必要ないとおっしゃっているんだったら、必要ないのだろうと思うんですけれども、新谷さんがおっしゃったように、すべての人に使えて、かつ障害者に使いやすいものをそこで担保していくということを強調できるのであれば、あってもいいと思います。

藤井議長代理 中西委員、どうぞ。

中西委員 ユニバーサルデザインの項目をなくすのではなくて、あくまでも新谷さんがおっしゃったように、観点は違うんですが、アクセシビリティーがまず重要であって、その中でユニバーサルデザインが考えられるという観点からいえば、ユニバーサルデザインの記述部分はなかなか難しく、かなりの量でこれを説明するだけの材料ができていないような気がしますので、アクセシビリティーの中に入れて、項目としては1、2、3、4、5と言われる中には入らないかもしれませんが、権利条約でユニバーサルデザインが定義のところでちゃんと注目を浴びたように、この基本法の中でも当然取り上げられるべきとは考えています。

藤井議長代理 理解できなかったんですが、項目としてはアクセシビリティーのところに合体するんですか。

中西委員 はい。

藤井議長代理 そこに包含してしまうということですか。

中西委員 そうです。

藤井議長代理 しかし、条約の定義の5項目目にあるように、これに光を当てることが大事だというのはどういうふうに表現したらいいですか。

中西委員 ですから、アクセシビリティーの中で1つきちんとアクセシビリティーと平行に並べていくという意味での発言です。

藤井議長代理 アクセシビリティーという項目の中に、小項目で分けて入れるという表記の方法ですか。

中西委員 はい。

藤井議長代理 さて、どうでしょうか。関口委員、どうぞ。

関口委員 ユニバーサルデザインの何かに1回呼ばれたことがあるんですけれども、例えばiPodでも何でもいいんですが、音楽を聞くものがあります。それに対して難聴の方だったらボリュームを上げなければいけないわけです。それに対して何アンペアまでしか出せないとなっているんです。アメリカで聞いていたおかげで難聴になったという訴えがあって、それが通ってしまったものですから、大きな音は出せない。でも、逆に聞こえにくい人にとっては大きな音が出せた方がいいわけで、それは裏ぶたなりを調整して何アンペア以上が出せるとしておく。それがユニバーサルデザインだと思います。ある意味アクセシビリティーなんです。だから、普通の人も使えるけれども、特化した人に対しても使える余地を残しておくことがユニバーサルデザインだと思うので、それは別立てて項目を立ててちゃんと説明したらいいと思います。

藤井議長代理 あと1~2名いかがですか。

勝又委員が言った意見で、現状のいろんな企業が商品開発あるいは設計段階でこれがあった方がより私たちも働きかけやすいし、また企業も取組みやすい。バリアフリーだけでは少しということがあったときに、現状では戦略上この項目の有効性というのはぬぐい難いという意見も多かったと思います。

尾上委員、いかがですか。

尾上委員 章立てについてはもう少し議論した方がいいのかもわかりませんが、少なくともユニバーサルデザインについて、推進会議としての問題認識は指摘をする必要がある。しかも、1つの見出しに匹敵するぐらいの重要性があるものだと思います。というのも、この間、推進会議でも例えば多機能トイレだけが使いやすくなって、一般のトイレは段差があったまま使いにくいままで、それをいかにもユニバーサルデザインと言われて、私たちからすればそれは全然ユニバーサルではないという思いを持たざるを得ない。企業やそういう人たちを批判する意味ではありませんが。

そこに先ほど申し上げたとおり規格をつくったり、開発過程あるいは実際につくったものを評価する過程に十分な当事者参画がなければ、言葉だけのユニバーサルデザインというのはかえってデザインの水準が下がっている事例も事実としてあるということからしますと、権利条約でもユニバーサルデザインが言われ、それこそ私たち抜きに私たちのことを決めないでという推進会議の理念からしても、ユニバーサルデザインにおいては当事者がさまざまなプロセスに参加をして言わば水準を上げていく、それが必要不可欠なんだということを発信していく意味でも重要ではないかと思います。

藤井議長代理 尾上さん、バリアフリーとの違いをもっとはっきり言ってください。

尾上委員 論者によっていろいろな言い方があるので、正確かどうかというのはさておいたとして、ユニバーサルデザインそのものは基本的に一般市場に供される商品やサービスをすべての人が基本的に使えるようにということなんです。それと同時に、やはりそれだけでは限界があるので、もう少しいろんな意味での個別対応やよりユニバーサルデザインで想定している以上に重装備というんでしょうか、いろんな事例があるので、短い時間で誤解を招く言い方をあえてしますと、もう少し重装備的なものも含めて個別対応が必要なもの、そういう意味での両方のアプローチが必要ということで、ユニバーサルデザインとバリアフリーということは必ずしも対立するものではない。むしろユニバーサルデザインの水準、ベースを上げることで社会的な資源や財源などをよりバリアフリーというところに、より水準の高いものに特化できるというのが、尾上の名前で出した意見の基本的観点です。

藤井議長代理 中西さん、更にいかがですか。今、大体そういう方向であるんですが、いかがでしょうか。

中西委員 そうだと思います。ユニバーサルデザインが高まることによってアクセシビリティーが上がる。バリアフリーのチェックをしていくことによってユニバーサルデザインのあるべき姿が見えてくるということです。

藤井議長代理 現状では戦略的に項目は別の方がいいのではないかという御意見が多かったと思います。

中西委員 それを別にするかどうかという問題としては、十分に説明し切れていないということで、それができますかということから別項目にした方がいいと言ったのが理由で、ここで十分に今までの余地を残す、これが十分議論として提出され得るのであれば、それで結構です。

藤井議長代理 清原委員、新谷委員から手が挙がっていますが、一言ずつお願いします。

清原委員、どうぞ。

清原委員 ありがとうございます。清原です。

自治体の立場から申し上げますと、バリアフリー化といいますと、今ある移動あるいは生活上の障害を改善して使いやすくするという視点が強いんですが、ユニバーサルデザインの場合には公民挙げて、自治体であろうと民間であろうとより一層使いやすいものを求めていく、さらなる技術革新の未来志向を示すキーワードでございますし、私は実際に事業者の皆様にもさまざまな取組みをお願いする基本法の観点からいいましても、ユニバーサルデザインというキーワードを残していただいた方がいいと思います。これまでの議論に加えて、今日のやりとりで説明の部分が補強できるのではないかと考えます。

以上です。

藤井議長代理 新谷委員、どうぞ。

新谷委員 ユニバーサルデザインを障害者の観点からどんどん突き詰めていくと、ユニバーサルデザインではなくて福祉機器的領域に入っていくということがあると思います。だから、ユニバーサルデザインを議論するときのステークホルダーというのは高齢者もおられる、子どもいる、障害者もいるというとらえ方で議論しないと、障害者分野だけでいくと、その前の議論の障害者分野への福祉機器をどういうふうに見るかという話になってくると思います。

現実にアメリカで起こったことは、携帯のバイブレーター機能というのは聞こえない人にとってはたしかに必要だったわけですけれども、これがユニバーサルデザインとして広がった。聞こえる方も今バイブレーション機能をほとんど使います。最初は私たちは音が聞こえないからバイブレーターがあれば着信したとわかって、非常にありがたかったわけです。だけれども、今はそうではないです。使い方もユニバーサルデザインです。だから、障害者分野からそういうふうになったものがあるけれども、逆のケースは携帯の中に磁気ループを入れろとFCCが通信業者に命令した。だけど、それは実行されていないわけです。その理由はループを使うというのは聴覚障害者だけなわけです。そうすると、ユニバーサルデザインではなくて、やはり福祉機器というアプローチをしないと全体に開発が進まない、ユニバーサルデザインのかけ声では進まないところがある。

ということで、私は先ほどの項目立てとしてアクセシビリティーという先ほど中西さんがおっしゃったものでもいいんですけれども、アクセシビリティーの中には最初に技術開発がある、その次にユニバーサルデザインがあるという形で整理できれば、少しは考え方がはっきりすると中西さんの御意見を聞いて思ったんですけれども、この部分は確かに工夫が必要かと思います。

藤井議長代理 担当室で整理してもらいますが、おおむね今の議論で方向は出たと思います。項目という方向です。しかし、ここは丁寧に書き込むということだと思います。

もう一点、ピア・カウンセリングの点で出ていましたけれども、家族支援はだれも否定しなくて、しかし、果たして障害分野のピア・カウンセリングはそれでいいんだろうかという室長からの提起があったんですが、これに関してはいかがでしょうか。

川崎委員、どうぞ。

川崎委員 私どもは家族会で仲間同士の相談ということでピアを使っておりますが、今おっしゃいましたような観点からしまして、ここであえてピアは使わずに、48ページの下から2番目のポツのところ「障害者・家族が」という文章にしていただければいいと思います。

藤井議長代理 簡単にこれでいいですか。わかりました。また、今後ともこういう議論をしていこうと思います。

さて、時間が大分オーバーしています。今35分に近づこうとしていますが、最後は10分間の休憩をしていただいて、45分から残りの第4コーナーに入ります。10分間の休憩に入ります。

(休憩)

藤井議長代理 それでは、最後の第4コーナーに入ってまいりますので、よろしゅうございますか。

先ほど言いましたように、ここは最初にわかりやすい第二次意見について土本さんと長瀬さんの共同座長からお話をいただきます。

そして、その後、残り時間は、残りの各則、17分の残り4つ「14)所得保障」「15)政治参加」「16)司法手続」「17)国際協力」を残り時間の前半にやります。後半で「4 推進体制」と「II『障害』の表記」についてしていきます。そういう段取りで進めますので、よろしくお願いします。

それでは、最初にわかりやすい第二次意見についてです。土本さんが飛行機の関係で早目に帰ります。早目に帰ると言っていますけれども、予定どおり帰るんだけれども、長引いていますので、先にお話願います。土本座長、いいですか。

土本委員 土本です。

今日の午前中、第1回目の第二次意見をわかりやすくするということでしました。

出席は長瀬さんとチームの成冨さん、育成会の室津さん、自分と支援者の元氏さんが参加しました。

これからのつくり方の予定などを話し合ってきました。概要がどこで出てきて、それからたたき台を出して、それでつくり上げていくか。限られている時間で、今まで10回やってきたんですが、半分ぐらいでまとめるという形になると思います。

それと、今日会議をする前に長瀬さんと構成員の人がわかりやすいチームに参加してくれるということで来ていましたので、本当にありがとうございました。

そういうことです。補足をお願いしたいと思います。

藤井議長代理 それでは、もう一人の共同座長の長瀬さんお願いします。

長瀬委員 長瀬です。

特にありませんけれども、前回のメンバーは基本的に残ります。ですから、現在のメンバーを申し上げますと、土本さん、大久保さん、大久保さんの育成会の室津さん、北野さん、そして前回入ってくださった堂本さんは今後はOGとして引き続き御支援をいただけます。先ほど土本さんからお話がありましたように、新たにフレッシュな中西さんに入っていただくということで、第二次意見書の準備を進めたいと思います。

目標としまして、2月末の地域フォーラムに何とか間に合わせるということで、スケジュール的には結構大変だと思っています。また1月が1回ぐらいしか推進会議が予定されていないので、みんなでなかなか集まる機会がありませんので、ちょっと苦しい感じですけれども、可能な限りメールまた可能な限り実際に集まる形で作業を進めてきたいと思いますので、引き続き皆様の御支援のほどよろしくお願いいたします。

ありがとうございます。

藤井議長代理 それでは、第4コーナーの本論に入ってまいります。先ほど言いましたように、ここも2つに分けまして、前半は残り4つの各論、「14)所得保障」に始まって「17)国際協力」までです。この点で御意見のある方は挙手をお願いします。

大谷委員からお願いします。次に久松委員にいきます。

大谷委員 大谷です。ありがとうございます。

司法のところで修文していただきたいと思っております。73ページです。「推進会議の認識」のところなんですけれども、細かいことで恐縮ですが「公訴、公判、刑の執行、拘禁施設全般にわたっても同様で」となっています。障害のある被疑者など、被疑者だけではありませんので、被告人、受刑者になってからもいろいろ困難があるということをここでまず確認していただいた上で、そこに「など」を入れていただきたいということです。

74ページですけれども「司法に係る手続と必要な配慮」ということになっています。ただし、手続ということに限定されているようになってしまいますけれども、これは刑事施設においては処遇全般にわたって問題になってきますので、処遇というのは生活全般にわたって問題になってきますので「司法に関わる手続と処遇における必要な配慮」とか、そこに「処遇」という言葉を是非入れていただきたいと思います。

上から4行目も「手続全般にわたって」となっておりますけれども、手続だけではなくて「手続及び処遇にわたって、障害者の特性に応じた配慮が必要である」とする。

次の行は「障害者が参考人、証人、裁判員、傍聴者など間接的な関わりを持つ場合においても」となっているんですが、これは障害者が司法関係者である場合も同様の措置が行わなければならない。我々の世界での話で恐縮ですけれども、弁護士が接見に行ったときに幇助者を認めないとか、通訳の立ち会いは認めることが多いんですが、視覚障害の方に視覚障害のある弁護士が接見に行ったときに秘密接見を拒否されるというケースがありますので「司法関係者」ということを入れていただきたい。

そうすると「司法手続において障害者が必要とする手続上の配慮」という74ページの下から何行目かになるところなんですけれども、ここにも「手続及び処遇上の配慮」ということで入れていただきたいと思います。

それから、これは後で久松委員からも紹介されるだろうと思うんですけれども、75ページについて法務省から出された意見があります。正直申し上げて、事実誤認だと思われるような意見が記載されております。これに対してやはり障害のある弁護士である田門弁護士から意見が出ているので、紹介させていただきたいと思います。基本的には法務省はいろいろやっている、既にそのことに関しては講じていると言っておりますけれども、決してそんなことはなくて、一部のところで取組みがあるかもしれませんけれども、全般においては非常に遅れているということです。

例えば費用負担などに関しても、手話通訳等をつけたときには費用負担をされていないということを言っていますけれども、基本的にはこれは訴訟費用ということで当事者に負担させている。刑事事件においても原則訴訟費用は被告人負担になっておりますので、そこに手話通訳等をつけた場合には、訴訟費用として被告人に課せられる。民事においては訴訟費用を予納させられるということで、個人の負担が原則となっているような扱いもありますので、費用負担は国庫で賄っているかのような言い方に関しても問題があるのではないかと思います。

もう一点だけなんですけれども、全般に法務省の取扱いはコミュニケーションに対する手段等々に関して特化して言っていますから、仕方ないのかもしれませんが、ただ、最後のところで「受刑者には、障害の程度に応じて、当該受刑者が実施可能な刑務作業を指定するなどの配慮を講じている」言っております。ただし、これは知的障害のある受刑者が非常に効率の悪い袋はり等の作業を独居拘禁などでさせられて、結局は仮釈放のときに不利益扱いをされたり、工賃においても不利益を科せられるということでいろいろと問題があります。ですから、刑務作業において配慮を講じているということも、マイナスを科した上での配慮ということであればいろいろやっているかもしれませんけれども、不利益の取扱いは行われているということプラス精神障害者の人が刑事施設に収容されたときに、何ら配慮されていない扱いがあるだけではなくて、逆に規律維持のために保護室等の収容が多くなってしまうということもあります。

ここの記載、法務省がこのように配慮しているということをあえてここで言っているということに関してはまた反論したくなるんですけれども、ここは反論しても仕方ないようなので、せめて先ほど言った修文のところで「処遇上の配慮」ということを入れていただく中で、これから取り組んでいただきたい事項として扱っていただきたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 精一杯重複を省きながらの発言をお願いしたいんですが、久松委員、どうぞ。

久松委員 全日本ろうあ連盟の久松です。

「15)政治参加」というテーマで72ページから73ページです。特に73ページの総務省のコメントのところですが「選挙等に関する情報の提供と投票の方法等の選挙権及び被選挙権の行使に関する事柄については、選挙の公正かつ適切な実施の確保や他の制度との整合性に配慮することが必要である」と書かれていますが、これは40年前から言われて続けている言い回しです。聞こえない人が選挙権を行使するために情報保障として手話通訳をつけるということは、選挙権の公正な行使に合っていないと言われています。手話通訳をつけることが必ずしも認めてもらえないという経緯が今までありました。常にこういう言い回しで、選挙の公正という言い方が逆にそういうふうに言われていました。聞こえない人、障害を持つ人の権利の保障のために配慮すべきことなのですが、公正にと付けることで、逆に手話通訳などをつけることは公正ではないと言われてしまう。公平でないという言い方もされるわけです。これについて納得できる説明を今まで受けたことが1回もないのです。ですから、突っ込んでこういう言い方をする理由、障害者のために配慮することが選挙の公正を壊すのか。公平でないという言い方について具体的に説明を求めたいと思います。

続いて、大谷委員からの話もありましたが「16)司法手続」についてのところです。特に資料3の別紙1です。別紙1で法務省が3ページにわたってコメントを書いていますが、障害を持つ人、例えば聴覚障害者が取り調べを受ける、または逮捕状を提示されるときに配慮しているという書き方、法務省はすべて障害者のために適切な措置を講じていると繰り返し書いていますが、これは全面的に信用できないのです。事実に反することではないかと思っています。取り調べの状況は全く公開されていません。情報も開示されていない状況ですので、実際の当事者一人ひとりに事実確認をする以外方法はないわけです。実際に法務省に適正にやっていると言われれば調べようがないのが現状です。例えば交通事故の際、警察に行って手続をする場合、手話通訳がついたことがない。いろんな人に聞いてみても、手話通訳がつけられたことはないという声が多いのです。これは前の会議の場でも実例を出したにもかかわらず、適切な措置を講じているという書き方をされるのは誤解されるので迷惑です。取り調べのとき、あるいは逮捕のときも手話通訳をつけたことは一度もないはずです。ですから、取り調べのときに初めて通訳が必要、この人は手話ができないから筆談でやろうとかそういうやり方をやるべきですので、それにふさわしい措置を講じていると言えるかどうか疑問です。こういうコメントを載せることに非常に抵抗を持っていますので、あえて言わせていただきたいと思っています。

それと、例えば留置場で刑事施設に社会福祉士とか精神保健福祉士を配置していると書かれていますが、手話通訳士を配置していないのは公平に欠けると思います。誤解もあるかと思うのですが、聞こえない人はさまざまなコミュニケーションの集団を持っています。聞こえない人について筆談で意思疎通を図ることをしていると書かれていますが、手話通訳が必要な人に対しても筆談を強制したということは幾らでも聞いています。手話通訳を求めても、それを聞かないようなケースもあります。ですから、こういう書き方は非常に誤解があります。筆談を必要とする人には本当に筆談が提供されているかどうか。こういう書き方をされるともっと具体的な事例を出していきたいとこちらは考えています。

あとは裁判の公開についてですが、最高裁の判例にあります。裁判を公開裁判所の指揮権の範囲だと思うのですが、聞こえない人が裁判の傍聴にきたいと思っても、裁判所が手話通訳をつけることはありません。自から手話通訳を連れていかなければいけないのです。手話通訳を連れていっても、手話通訳をつけることを裁判所が認めるかどうかは裁判所が裁量権を持っていますから、手話通訳を連れていったからといって手話通訳を認めたということにはならないわけです。ですので、聞こえない人が傍聴に行っても手話通訳がついていない状況で裁判を傍聴するわけです。公開という言い方は正しい言い方ではありません。こういうことの問題を是非皆さんに認識していただければありがたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 長瀬委員の手が挙がっていました。

長瀬委員 ありがとうございます。長瀬です。

76ページ、77ページの「17)国際協力」のところについて申し上げさせていただきたいと思います。

冒頭で総則の「8)国際的協調」のところでも申し上げた点と相当重なることになると思いますけれども、まず外務省の意見で気になりますのは、77ページの上の方です。障害者権利条約は32条で国際協力を規定しているのですけれども、法律上の義務とすることまで求めていないというのもたしかです。外務省は32条の2項で各締約国の義務に影響を及ぼすものではないというところをわざわざ引用してきているのが理解できません。なぜここでそれを引用しているのか理解できない点です。と申しますのは、32条の2項は国際協力があってもなくても締約国は自分の国で障害者の権利条約を実施する義務を持つという意味ですので、わざわざこれを引用して障害者の権利条約は国際協力を義務としていないというのは理解に苦しむ点です。

また、その上のところで「特定の分野における国際協力について、立法措置を行わずとも実施可能な取組をあえて法制化することで、国際協力の柔軟性を損なうことのないよう」という点も非常に気がかりな点です。ヒアリングの際にも要請主義という言葉が使われていました。例えば日本が行う国際協力はきちんとバリアフリーが行われるとか、アクセシビリティーが確保される、合理的配慮が必ず提供されるという点については、逆に柔軟性はなくしてほしいと思っていると思います。ですから、そういう意味での柔軟性という点がここでわざわざ書かれているのは、非常に心配な外務省としての姿勢だという点だけを申し上げたいと思います。

ありがとうございます。

藤井議長代理 ほかにこのコーナーでありますか。関口さん以外はいますか。山崎さんですね。山崎さんはどの関係ですか。

山崎委員 全体についてです。

藤井議長代理 それでは、関口さんからいきましょう。

関口委員 ありがとうございます。全国「精神病」者集団の関口です。

「16)司法手続」のところなんですけれども、大谷さんの言われていることに全部賛成です。法律の専門家ではないので詳しくはよくわからないんですけれども、私は民事の告発をしたんです。地裁、高裁ともに負けました。幾ら判決文を読んでも納得できない。これは証拠説明ですかと弁護士に聞いたら、証拠説明ではありませんということがありました。

今の刑事訴訟法はどういうことになっているかというと、第168国会で平成20年1月15日に峰崎直樹さんという方が当時の福田内閣に対して質問主意書を出しています。証拠の標目及び特信情況に関する質問主意書というものですけれども、どうやら60年前の戦争中に証拠説明ではなくて、証拠の標目でよいと変えられたのが60年間変わらないでいるのはどういうわけですかという質問をしているんですけれども、福田内閣は裁判の迅速性のためだから問題ないんだというお答えをしているんです。証拠説明をしないで証拠の標目で足りるというのは私はどう考えても納得できなくて、標目で足りるんだったら確かに私の判決をそのまま通るんですけれども、説明していないのではないかというのが私の意見です。その辺のところは制度改革推進会議の枠からはみ出るかもしれませんけれども、基本的な問題なので言っておきたかったことです。

藤井議長代理 山崎委員、どうぞ。

山崎委員 山崎です。

前回と今日の議論を通じて全体にわたる若干の心配と疑問が湧きましたので、お話させていただきたいと思います。

それは第二次意見と恐らく来年に入ってから議論が始まると思われる基本法改正の要綱案、あるいは改正基本法案との関係の話です。皆さんそれぞれのお立場から非常に御熱心に精密な御議論をされていて、できるだけ漏れなく必要な論点を第二次意見に盛り込もうとされている。これは基本的に正しいお立場、御主張であると思います。ただ、いずれにしても基本法ですので、果たして第二次意見に盛り込まれる中核的なコアな部分とその周辺の重要な中身がすべて基本法の改正の中に盛り込むことが可能かどうか。これはなかなか難しい話ではないかというように予測しています。

現行の基本法は26条ですから、条文数が非常に増えるとか、あるいはそれぞれの各条の項目が非常に膨大なものになる。しかし、それでもよいから目いっぱい第二次意見の中身は改正法に盛り込むんだというのであれば問題ありません。しかし、そうではなくて、ある程度基本法は基本法なので、第二次意見に盛り込まれた中身をいい意味で精査をして、取捨選択して、場合によっては第二次意見に盛り込まれたものが基本法の改正の中に反映されないという事態もあり得ると思います。

恐らく今日出ていた各省庁からのさまざまな御意見、幾つかのパターンがあって、皆さんもおっしゃっているとおり、既に現行の個別法の中で生かされているんだから、第二次意見にこんなことは書く必要はないとか、現行の法の運用の中で実際にたっぷりやっているんだから、わざわざ新手で第二次意見に盛り込む必要はない、そういうことを言わば来年以降の我々に対する議論として予防線を張っているかに私には見えます。それで非常に心配になってまいりました。

そこで、私の意見としては、まず第一に第二次意見には目いっぱいの中身を盛り込むべきであると思います。ただ、その次の段階で、基本法の要綱案とかあるいはそれを踏まえた具体的に肉づけされた改正基本法案を議論する際には、場合によっては第二次意見の中の中核的な部分とそうでない部分を分けて、基本法の中に盛り込むことができない中身も出てくる事態があり得るのではないか。そうでないことを期待しておりますが、そうした場合、私どもの推進会議はどういう対応をすべきなのかという点が前回と今日の非常に精密な御議論を拝聴していて、率直に感じた心配でございます。その辺りを今後どのように扱われようとしているのか、東室長からもしお伺いできれば幸いです。

以上です。

藤井議長代理 全体に関わることなのであれですが、一旦4つの分野に関わることはいいですか。今のお話は全体に関わってきますので、少しその時間をとりますが「14)所得保障」に始まって「17)国際協力」までは一旦いいですか。「4 推進体制」やら「II『障害』の表記」が残っていますけれども、今そういう問題提起がありましたので、これに関わって新谷さん、堂本さんの手が挙がっています。関係してですか。

新谷さんからいきます。

新谷委員 推進体制や表記をやってからの方がいいのかもわかりませんけれども、今、山崎さんから問題提起がありました。今、省庁意見がこういうふうに全部出てきたので、これに対してここでいろんなことを言った内容が果たして省庁にきちっと伝わって、それに対してまたしかるべき返事がくるのかどうかは非常に不安があります。ペーパーを出して、ペーパーで回答がきていて、ペーパー同士の投げ合いというのは生産的な面もありますけれども、非生産的な面もあると思います。担当室から17日に第二次意見をまとめる必要があるという非常に厳しいスケジュールはよく理解できるんですけれども、ここに書いた省庁の意見をそのまま横に置いて第二次意見をとりまとめるということで、果たして全体が進むのかどうかということに非常に懸念を持つわけです。時間的に非常にタイトかもわかりませんけれども、関係省庁とのヒアリングをもう一回実施するタイミングはないですか。集中的なヒアリングを省庁とやって、それを踏まえた上で推進会議としては最終的な第二次意見をきちんと出すべきだと思います。やはり省庁の誤解を解く面もあるし、文章でやりとりではお互いに至らない面もあると思うので、17日を過ぎては絶対にだめというのもないと思いますので、集中的な省庁ヒアリングを設けていただくということは無理でしょうか。

藤井議長代理 後で一括してお答えできる部分はお答えしてもらいますので、堂本委員、どうぞ。

堂本委員 先ほど山崎委員がおっしゃった危惧は私も全く同感でございます。省庁から出されている今回の回答はほとんどが現行法の範囲でそれ以上の改革しようとしない。精神のところは入院の削減などは書くべきではないと書かれているわけです。「書くべきではない」などという議論はおかしいと思うんですが、そう書かれている。

権利条約という国際的な約束ごとの中で、日本は国際的に見れば制度的には遅れているので、そのことを大局的にどう考えるのかということ。

それから、もう一つは内閣府に本部が設置され会議がある。各大臣、閣僚が本部の委員でいらっしゃるわけです。私は男女共同参画会議は内閣総理大臣が招集して、各大臣と折衝をするという場面があります。そこに委員会から直接出している。確かに省庁との調整は必要なんですけれども、是非お願いをしたいことは、これは閣法で出されるのでしょうから、障害者基本法の立法作業を事務方で内閣法制局を含めてやり始めてしまったら、山崎委員のことが言われたことがぴったりで、結局何のためにあれだけ議論したのかということで終わるのはとても残念なことです。

本部の会議、総理大臣以下の閣僚の参加する会議があります。それが最近開かれているのでしょうか。多分開かれていないのではないかと思います。こうやって省庁の御意見を伺うこともとても大事だし、なるほど、こういうふうに考えているのだとか、ここはこう見ているんだ、随分面白く、またがっかりしたり、喜んだりして読みましたけれども、やはりやるべきことはこの会議として本部、本部長、内閣総理大臣が招集した会議できめることです。男女共同参画会議は委員長さんが出して、そこでまたパブリック・コメントをやり、また委員長が出してパブリック・コメントをやる。6月から多分3回ぐらい開かれているんです。こちらは1回も開かれていない。推進会議ばかりがこんなに活発に開かれていながら、一方で本部会議が開かれていない。そこのデュープロセス、法的な手続のもっていき方に問題があります。障害者制度は初めてですけれども、権利条約を批准するか、しないかというところのことは大臣レベルで決心でもしていただかないとね。全部ではありませんけれども、幾つかの大きい問題については総理大臣レベルの御決断をお願いするということが大事なのではないかと思いますので、その辺を是非検討していただきたいと思います。

藤井議長代理 約束の時間がまいったんですが、各論部分では「4 推進体制」と「II『障害』の表記」が残っています。今のお三人の意見は全体にかぶってくるので、意見が挙がっているんですが「4 推進体制」と「II『障害』の表記」を先に終えて、最後にその議論をする。今日の方向性についてはそんな感じだと思っております。

ちょっと中断しますが、各論を先にやっていきますので、進行に御協力をお願いします。もう一回戻ります。

「4 推進体制」の冒頭に一部修正がありますので、東さんからお話いただけますか。

東室長 担当室の東です。

「4 推進体制」につきまして、「資料3の別紙3-2の修正について(追加部分を下線)」という形で書いてある表題の3ページ目です。「4 推進体制」と題して「国における推進体制の在り方については、その所掌範囲や権限等について、関係省庁と協議し、合意を得た上で定められるべきである。また、『障害者に関する基本的な政策』、『障害者制度の集中的な改革』の内容、関係についても整理が必要である」。このようなものが出ております。

以上です。

藤井議長代理 「4 推進体制」と「II『障害』の表記」は大分収斂されているように思うんですが、特に御意見ございますか。

清原委員、どうぞ。

清原委員 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。

12月6日にも発言をいたした件ですが、本日の案にそのことが反映されていませんので、改めて申し上げます。

1点目です。どうしても障害者権利条約の文言のモニタリングということがありまして、日本語として直訳で1つの訳ですが「監視」という言葉があります。資料3の78ページ「地方」と書かれているところの3行目に「地方における施策の実施状況の監視を行う権限を新たに付与する」ということで「監視」という言葉が使われておりますし、80ページの「地方」というところにも、地方に置かれる審議会組織の事務として「施策の実施状況の監視事務を行うこと」と表現がされています。

何度も繰り返して申し上げますが、地域で障害のある方が暮らす最も基礎的な自治体である市町村の場合、障害者に関する施策や事業を協働して行うということと、それをよりよくしていくときのプロセスはやはり「監視」ではなく、せめてもの表現ですが「調査検証」とか「評価検証」とかそういう言葉の方がしっくりくるんです。日本語として「監視」という言葉を自治体で使うということはなかなかなじめません。行政活動を監視するという概念は、国、自治体の長に対する議会の監視という表現がなさるのがせいぜいでございます。その意味で繰り返して申し上げますが、もし使うのであれば「調査、評価(モニタリング)」とか、そういう方が実情に合うかと思います。

2点目は、国と地方というふうに対比的に提案がなされているわけですが、私たちがこの間に議論してきたのは、例えば各則の1番目に「1)地域生活」というものが挙がっておりますように、地域での生活ということが大きかったと思います。制度的なときに国対地方みたいに対立的に表現されるわけですが、都道府県が地方ということであるならば「地方・地域」ぐらいにしていただきたいです。市町村はやはり地域という言葉の方がなじみます。例えば組織として新しくつくる協議会の名前も「地域・障害者施策推進協議会」「地域・障害者政策協議会」そんなような「地域」という言葉の方がなじむと思いますので、その辺りも反映をしていただければと思います。

最後に今回79ページの中で積極的にこのような提案がまとめられました。「地方における障害者施策の多くは、市町村により実施されていることから、市町村においても、地方障害者施策推進協議会の権限を強化した新たな組織を必置とすべきである」とあります。これに対しまして、内閣府の実施運営に当たっての留意点が書かれておりまして、このような必置については「地域主権の考え方を踏まえつつ、慎重に検討する必要がある」というコメントがあります。当初読んだときは慎重で消極的な反応を内閣府がされたと思ったんですが、私はむしろこれを前向きに受け止めています。と申しますのも、現在、国では「地域主権」という言葉をあえて使わないようにされて「地域主権改革」とか「地方分権」という言葉をむしろ使われるようにされたようですが、「国と地方の協議の場」というのはきちんと用意されて、しかるべくさまざまな懸案について議論がされていくと思います。私は障害者施策につきましても、国と地方の協議の場でしっかりと議論されるべき課題であるということから、内閣府としては地域主権の考え方を踏まえつつ、地域の声をしっかり聞いて反映していく必要がある。この会議でも自治体の首長は私1人でございまして、必ずしも全国市長会あるいは町村会を代表していないわけですから、私としては必置がよいという考え方におりますけれども、やはりしかるべく実行性のある制度をつくっていく上では、今後国と地方と協議の場で、地域主権という考え方で市町村を尊重していただいて議論をしていただける。そういう担保の留意点がここに書かれているものと前向きに受け止めました。

先ほどの議論とも関係しますけれども、まとめて申し上げますと、推進体制というのは極めて重要でございますので、そこにいい意味での地域主権の考え方、しかし、どの自治体においても格差なく、しかるべく仕組みはつくっていくということをこの第二次意見で提案するということは大変重要だと思っておりまして、是非そのような方向でまとめていただければありがたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 関口さん、どうぞ。

関口委員 「4 推進体制」のところに、先ほど申しましたけれども、要するに基本法の中身を担保していくような数値目標なり何なりということが、勿論これは基本計画とかあるいは基本的な政策に関することとか、施策の実施状況というところにある程度入るんでしょうけれども、何のためにそれをするのかということが入っていないと、つまり障害者基本法の中身を実現するためにこういうことをやるんだということを入れておかないと、例えば精神だったら強制入院の割合を減らしたいわけです。あるいは社会的に入院を減らしたいわけです。これは数値目標をつけてほしいんです。病床を減らすのも同じです。これも全部その中に入っているということで考えていく。そのためにはここの目的のところにこの基本法の中身を実現するためということを何らかの文言で入れていただければと思います。

藤井議長代理 山崎さん関係ですね。どうぞ。

山崎委員 山崎です。簡単に申し上げます。

前回モニタリング機関が内閣などに提言をしたときに、それを受けた内閣が一定期間内に答える義務を負うという、いわゆる応答責任について発言いたしました。ただ、ペーパーを出さなかったために全く反映していただけておりません。今日ペーパーを出さないと全く反映されないということを肝に銘じて学習しましたので、明日の午前10時までに出しますので、よろしくお願いします。

藤井議長代理 それでは、最後になりますが、山崎委員から第二次意見は目いっぱい書くけれども、中核的なことはこのメンバーが責任を持って背負う場が来るんですとありました。

新谷委員からは、17日というデッドラインはもう少し何とかならないかということを込めながら、かつこれぐらい省庁と隔たりがあるのは具合が悪いので、集中ヒアリングができないかとありました。

堂本委員からは、本部の方にこれを上げるんだけれども、そこでもう少し数多い循環ができないかということが出ていました。

これは全部に関わってきますので、これに関して最後に少し議論し合います。

今後の進め方にも関わってきますが、まず東さんから今のことを受けながら、現段階でできる範囲で一旦お話いただけますか。

東室長 担当室の東です。

一番基本的な重要な問題だと認識しております。

まず時期的な観点からいきますと、一応年末に第二次意見を上げるということで、これまでずっとやってきましたので、その大枠は余り崩したくないと思っております。ただ、新谷委員からありましたように、もう一回ヒアリングをできないかということにつきましては、ヒアリングをやって効果的なのかどうかなのか、正直いってよくわからないところもあります。誤解ということであれば、それを解くという努力は非常に大事なことだろうと思います。ただ、誤解というベースではない大きな問題もあるわけですので、ヒアリングをすべきかどうかということを今の段階で決めるというのは難しいと思っております。

山崎委員からの御指摘の部分ですけれども、どの程度基本法に反映していくのか。基本法は基本法という枠組みがあります。基本法に全部を入れ込めばいいかというと、かえって中途半端になってしまうおそれも出てくるわけです。基本法が個別法を総括できるぐらいに体系的にできていれば、それはそれでいいんでしょうけれども、そういうことまでは難しいと思っています。ですから、基本法として一番コアな部分といいますか、そういうものはきちっと入れ込んでいくことになろうと思います。ただ、コアな部分の表現の仕方とかどれがコアな部分なのか、そこら辺については議論が必要だと思っているところです。

堂本委員がおっしゃった本部との関係ですけれども、第二次意見ができ上がれば、それを本部に提出する、手交するということは一応予定しております。まだ具体的に日程とか、どういう形でとかそういうことは決まっているわけではありませんが、本部に上げる。ただ、第一次意見みたいにそこから何らかの閣議決定が速やかになされるという関係ではないわけです。今度の閣議決定というのは基本法の改正ですから、改正時の閣議決定という形になりますので、第二次意見ができ上がった後、具体的にどういう改正になっていくのかということにつきましては、1月、2月の中で検討していくことになろうかと思います。

堂本委員がおっしゃったのは、具体的に閣法という形で上がってくる法案について推進会議の認識をどの程度反映できるのか、やはり本部との関係も非常に重要だろうという御指摘だろうと思います。それはそのとおりではないかと思っているところです。

そういうことで、具体的に次回どうするかということなんです。一応次回が最終ということでありますので、新谷委員の意見を取り入れるという形になれば、来年1月、年が明けてからという形になります。その点については基本的に今年中に一定の結論を出した方がいいのではないかと、今、私個人としては思っているところです。

大体そういうところです。

藤井議長代理 まず北野委員ですね。

北野委員 簡単な質問なんですけれども、もし17日に一定の方向、とりまとめができたとして、1月以降この会議は何をするのか。1月以降この推進会議がどういう機能を果たし、例えば閣議決定をされるまでに我々が今後やるべきどのようなことがあるのか、その辺のビジョンを少し教えていただきたい。

もう一つ、山崎先生がおっしゃられた例の応答義務については表現が入っております。78ページのところに応答義務について表現をしてもらっていますので、ちゃんと反映されております。

藤井議長代理 関口委員、どうぞ。

関口委員 6月29日閣議決定の概要版を見ておりますけれども、強制入院が24年内めどということになっています。医療費用負担と社会的入院解消は23年度内、それにプラスもう一つ自立支援医療、社会的入院、精神科医療現場における医師や看護師等の人員体制の充実のためというのが24年度内です。だから、24年度までにやるというのがあって、これは一体どこでどういう法律になるんでしょう。つまり基本法というのは23年度内にやらなければいけないんだと思うんですけれども、医療合同チームの考え方としては、与えられた課題すべてついて一定の方向性を出すという形でやっているんです。それは24年度だから、例えば別途精神保健福祉法を改正でやるんだという話になると、話がまるっきり変わってしまうわけです。そこら辺はどういうふうになっているのかと思います。

藤井議長代理 ほかにいかがですか。堂本委員、どうぞ。

堂本委員 今の関口委員の質問ですけれども、今日の厚労省からの意見で、別チームでやっているので余り決定的なことを出さないでほしいと書いてあります。多分役所の方はそこで決まったことで精神保健法の改正なりをやろうとしていると思います。そうすると、今までやってきたこの会議の議論との整合性をどうとるのですか。

藤井議長代理 東さんから今の北野さんのもう少し先々、1月、2月辺りについてのこと、精神の基本法ですべきこと、あとは閣議決定の年次的なことの関係性がどうかということで、お答えできる範囲で答えてください。

東室長 担当室の東です。

基本法改正ですべてが解決できるということではないわけです。その認識は一致していると思います。当然それに必要な単独の法律が具体的施策を担当しているとすれば、その法律がどうなのかということが最終的に問題になっていくわけです。ただ、そこに至る過程として、まず基本法を改正しようということになったわけです。ですから、基本法としては余り個別具体的なところまでは書けないけれども、逆に言えば推進会議は、基本的な方向性、権利条約を批准する上でどういう方向でなければならないのかという点については基本法で書くべきであるという御認識だろうと思っています。ですから、個別具体的にどうするかという議論まで、ここである意味では書くべきではないと私は思っています。ですから、先ほど言ったようにコアな部分を重点的に反映させるという観点の方がいいと思います。

そういう前提の下で、1月、2月、3月は何をやるのかという北野委員からの御意見ですけれども、第二次意見を基に具体的に事務方で法案の改正作業に着手することになります。ある程度の骨格が見えたところで、1月24日にそれが提示できるかどうかはまだわかりませんけれども、提示していただいて、第二次意見から見てどうなんだ、そこの議論をする。それは当然1回だけで済む話ではないわけですので、2月か3月にやっていくという形です。勿論推進本部に手交しますけれども、基本的にはここでその後の意見も挙げていく、推進会議で考えていくということがベースになろうかと思っております。勿論そういう中で政治的なリーダーシップを期待するということが非常に大事になるという気持ちは個人的には持っております。

御説明できることはそういうことだろうと思っています。

藤井議長代理 東さんに全部答えてもらうのは酷なので、これは関さんにもお答えしてほしいと思います。これもお答えできる範囲で結構なんですが、堂本さんがおっしゃった厚労省の方が別部隊で検討しているので、そこはどうしようかというダブルトラックの感じがなくはない。他の省庁もそういう傾向が幾つかあるんですが、関さん、これはどんなふうにとらえればいいんですか。いかがですか。

関(内閣府) 内閣府の関です。

堂本委員の御発言の中の実質的な部分というのはかなり医療作業チームで検討がなされている部分でもあり、その作業については厚労省でも聞いていただきながら進めている。内閣府の方が事務局機能を担う形で親会議の下でやっているという位置づけにはなっていますけれども、必要な連携調整を図っていく必要性もあるために厚労省の方々にも中の議論をフォローしていただいていますので、そういった中でこれから具体的にどういう形で進めていけるかということの調整は、時間のかかるものと、時間のかからないものがあるかもしれませんが、時間のかかる部分についても十分に議論していくことになるのではないかと思っております。医療作業チームの事務局、担当に私がつきながら、厚労省とも調整を図っていきたいと考えておりますので、今後またお話し合いを進めていく中で明らかになっていく部分というものがあるかと思います。

藤井議長代理 最後に17日が残っていますので、新谷委員から必ずしも17日にこだわるのかという意見もあったけれども、今日この段階ではやはり17日をデッドラインにしようということは確認させていただきます。

そして、山崎委員を始め何人からありましたが、新谷さんが言われた省庁との溝を埋めるということも今日の段階では宿題が残ったままになります。

とりあえず17日までの努力と17日以降の努力ということになると思うんですが、17日が終わる段階でどうなるかということはまだ不透明な面はあるけれども、17日に向けて全力を挙げるということを今日のまとめにしておこうと思います。

明日の10時までに各自きちんと結論の意見をあげる、努力をし合うということにして、とりあえず本日の議事はこれで終わりにさせていただきます。

マイクを小川議長にお返しします。

小川議長 本日は長時間の討議、お疲れ様でございました。

ここで東室長より今後の予定を含め報告すべき事項があれば、御説明をお願いいたします。

東室長 今、言いましたように、次回は12月17日ですが、次回のペーパーとしては今日出しました第二次意見(素案2)に今日の意見を反映させたものを出すというのが1つです。

それと、大事なことですけれども、改正に当たって政府に求めるべき意見、Pと書いてある部分、ペンディングにされている部分について、具体的な形で文案を起こしたものを皆様に提示する。ですので、専ら○をどうするかというところに議論の焦点が移っていくと思っています。○がついた部分はなるべく早く送りたいとは思っていますけれども、何せ今日あって金曜日ですから、ぎりぎりになるかもしれません。何とかよろしくお願いしたいと思っているところです。

事務局からの説明としては以上です。どうもありがとうございました。

藤井議長代理 説明がありますので、1点聞いてください。

東室長 担当室の東です。

土本委員が帰られた後ですが、書面は土本さんにも送りたいと思いますけれども、先ほど土本委員からわからないと言われたペイアズユーゴーの原則は何なのかということですが、実は6月22日の閣議決定で財政運営戦略というものがあります。その中で財政運営の基本ルールということで5つほどルールが書いてあります。その中の1番目のルールとして、財源確保のルール、括弧してペイアズユーゴー原則と書いてあります。その中では歳出増または歳入減を伴う施策の新たな導入、拡充を行う際は、原則として恒久的な歳出削減または恒久的な歳入確保措置により、それに見合う安定的な財源を確保するものとするという説明がなされておりますので、先ほどの原則はそういうことを意味すると思っています。

以上です。

小川議長 どうぞ。

松井委員 松井ですけれども、明日までに提出するフォーマットは特にないわけですね。

小川議長 室長、どうですか。

東室長 既に送ってあると思います。

松井委員 以前のものですか。

東室長 以前とはちょっと変えまして、どこの文章が問題なのかという問題の文章になるところを摘示してもらって、次にそこをどう変えるか、変えた結果を示していただくように、はっきりわかるような形に直しております。

小川議長 よろしいですか。ありがとうございました。

それでは、これをもちまして、本日の会議を終了いたします。

この後、この場所で記者会見を行います。

本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございました。御苦労様でございました。(拍手)

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