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障害者政策委員会(第16回)議事録 1

○ 石川委員長 それでは、定刻になりましたので、これより第16回の「障害者政策委員会」を開催させていただきます。

委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。

本日の会議は16時までを予定しております。

では、まず事務局から、委員の出欠状況について報告をお願いいたします。

○ 加藤参事官 事務局でございます。

本日は、大濱委員、大原委員、門川委員、高橋委員、竹下委員、辻井委員が欠席との連絡を受けております。代理出席の委員はおられません。

また、野澤委員が1時間ほど遅れるとの御連絡をいただいております。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、本日の議事に入りますが、その前にいつもお願いしておりますが、議事の進め方について確認です。

発言の際は挙手をお願いします。委員長指名によって発言を始めてください。

御発言は、まず結論を述べ、次に理由、補足説明をしていただくのがわかりやすいかと思います。できるだけゆっくり、わかりやすく、またマイクに近づいて御発言をいただきたく思います。

それでは、よろしくお願いします。

本日は、障害者差別解消法に基づく基本方針の素案に関する意見交換を行います。

それでは、まず、会議の資料と流れについて事務局からお願いします。

○ 加藤参事官 流れについて御説明いたします。

本日の会議は、障害者差別解消法に基づく基本方針の素案に関する意見交換といいますか、きょう初めてでございますので、なるべく委員の皆様方から御意見を伺いたいと考えております。

資料といたしましては、お手元に資料1としまして「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(素案)」としたものが1つございます。

次に、具体的な進行についてでございますけれども、まず、事務局から基本方針の素案につきまして15分程度御説明申し上げた後、50分程度の意見交換といいますか、先生方からの御意見を伺いたいと考えています。

その後、15分の休憩を挟んで、再度意見交換を60分程度行います。

なお、所要時間に関しましてはおおむねの目安でございます。切りのよいところで委員長のほうに休憩をとっていただくということでお願いしたいと思っております。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、早速ですが、議事に入ります。

まず、事務局より基本方針の素案について、御説明をいただきます。

○ 加藤参事官 それでは、事務局のほうから、資料1に基づきまして御説明させていただきます。

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(素案)」についてでございます。御承知のように、昨年6月に障害を理由とする差別の解消に関する法律、通称、差別解消法と呼んでおりますが、成立いたしまして、その第6条第1項の規定に基づきまして基本方針を策定することになっております。

したがいまして、この基本方針というのは、差別解消法の趣旨、目的あるいは国会におけます法案審議、附帯決議を踏まえまして、その枠組みの中で政府が障害を理由とする差別の解消に向けた施策を実施していく、あるいは取り組んでいくことに関する基本的な考え方をお示しするものでございます。

全体はI~Vまでの5つの部分からなっております。あとは逐次読み上げてさせていただこうと思っております。

最初のIのところでございますが「障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する基本的な方向」ということでございまして、総論のところでございます。

「1 法制定の背景」。

近年、障害者の権利擁護に向けた取組が国際的に進展し、平成18年に国連において、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進するための包括的かつ総合的な国際条約である障害者の権利に関する条約が採択された。我が国は、平成19年に権利条約に署名し、以来、国内法の整備を始めとする取組を進めてきた。

権利条約は、合理的配慮の否定を含めた障害に基づく差別の禁止について、締約国に適当な措置を求めている。我が国においては、平成23年に障害者基本法の改正が行われ、基本原則として、同法第4条第1項に、「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」こと、また、同条第2項に、「社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによつて前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない」ことが規定された。

法は、障害者基本法の同規定を具体化するものであり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害者差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月に制定された。我が国は、本法の制定を含めた一連の障害者施策に係る取組の成果を踏まえ、平成26年1月に権利条約を締結した。

「2 基本的な考え方」。

「(1)法の考え方」。

全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するためには、日常生活や社会生活における障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁を取り除くことが重要である。このため、法は、後述する、障害者に対する不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供を差別と規定し、行政機関等及び事業者に対し、差別の解消に向けた具体的取組を求めるとともに、普及啓発活動等を通じて、障害者も含めた国民一人ひとりが、それぞれの立場において自発的に取り組むことを促している。

特に、法に規定された合理的配慮に当たる行為は、既に社会の様々な場面において日常的に実践されており、こうした取組を広く社会に示すことにより、国民一人ひとりの、障害特性に関する正しい知識の取得や理解が深まり、障害者との建設的な相互対話が促進され、取組の裾野が一層広がることを期待するものである。

「(2)基本方針と対応要領・対応指針との関係」。

基本方針に即して、国の行政機関の長及び独立行政法人等においては、当該機関の職員の取組に資するための対応要領を、主務大臣においては、事業者における取組に資するための対応指針を作成することとされている。対応要領及び対応指針は、法に規定される不当な差別的取扱い及び合理的配慮について、具体的事例も盛り込みながら分かりやすく示し、職員に徹底するとともに、広く国民に周知するものとする。なお、地方公共団体及び公営企業型以外の地方独立行政法人については、地方分権の観点から、対応要領の作成は努力義務とされている。

「(3)条例との関係」。

地方公共団体においては、近年、法の制定に先駆けて、障害者差別の解消に向けた条例の制定が進められるなど、各地で障害者差別の解消に係る気運の高まりが見られるところであり、法の施行後においても、地域の実情に即した既存の条例(いわゆる上乗せ・横出し条例を含む。)については引き続き効力を有し、また、新たに制定することも制限されることはない。

IIでございます。ここは行政機関等及び事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する、行政機関等と事業者との共通する部分、共通的な事項をまとめております。

「1 法の対象範囲。」

「● 障害者」。

対象となる障害者は、障害者基本法第2条第1号に規定する障害者、即ち、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」である。これは、障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとのいわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえている。したがって、法が対象とする障害者は、いわゆる障害者手帳の所持者に限られない。なお、高次脳機能障害は精神障害に含まれ、難病に起因する障害も心身の機能の障害に含まれる。

2つ目の●でございますが「● 事業者」。

対象となる事業者は、商業その他の事業を行う者(地方公共団体の経営する企業及び公営企業型地方独立行政法人を含み、国、独立行政法人等、地方公共団体及び公営企業型以外の地方独立行政法人を除く。)であり、目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わず、同種の行為を反復継続する意思をもって行う者である。したがって、例えば、個人事業者や対価を得ない無報酬の事業を行う者、非営利事業を行う社会福祉法人や特定非営利活動法人も対象となる。

3つ目の●でございますが「● 対象分野」。

法は、障害者の自立と社会参加に係る分野が広く対象となる。ただし、行政機関等及び事業者が事業主としての立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消するための措置については、障害者の雇用の促進等に関する法律の定めるところによる。

「2 不当な差別的取扱い」。

「(1)不当な差別的取扱いの基本的な考え方」。

●が2つありまして最初の●ですが、法は、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、財・サービスの提供を拒否・制限する、障害のない者に対しては付さない条件を付けるなど、障害者と障害のない者の間での異なる取扱いにより、障害者の権利利益を侵害することを禁止している。なお、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、不当な差別的取扱いではない。また、当該異なる取扱いが客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、その目的に照らしてやむを得ないと言える場合は、不当な差別的取扱いとはならない。

2つ目の●です。したがって、障害者を障害のない者と比べて優遇する取扱い(いわゆる積極的改善措置)、障害者に対する合理的配慮の提供による障害のない者との異なる取扱いや、合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当たらない。不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく、障害者を、障害のない者であって、問題となる事務・事業について本質的に関係する諸事情が同じ者より不利に扱うことである点に留意する必要がある。

「(2)正当な理由の判断の視点」。

正当な理由の有無については、行政機関等及び事業者において、個別の事案ごとに、障害者、事業者、第三者の権利利益(例:安全の確保、財産の保全、事業の目的・内容・機能の維持、損害発生の防止等)及び行政機関等の事務・事業の目的・内容・機能の維持等の観点に鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的に判断することが必要である。行政機関等及び事業者は、正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとする。 4ページの「3 合理的配慮」。

「(1)合理的配慮の基本的な考え方」。

最初の●です。法は、権利条約の趣旨を踏まえ、いわゆる「社会モデル」の考え方に基づき、行政機関等及び事業者に対し、その事務又は事業を行うに当たり、個々の場面において、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう社会的障壁の除去の実施について、必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」という。)を行うよう求めている。

2つ目の●です。合理的配慮の具体的内容は、障害の特性、事務・事業の目的・内容・機能、人的・体制上の制約、物理的・技術的制約、地域性、事務・事業規模から見た費用・負担の程度、財政・財務状況等、また、具体的場面や状況に応じて異なるものであり、さらに、各種技術の開発や普及状況に応じて変わりうるものである。

典型例としては、ポツが3つありますけれども、最初のポツは、車椅子利用者のために段差に板を渡す、高い所に陳列された商品を取って渡すなどの物理的環境への配慮。

2つ目のポツですが、筆談や読み上げによるコミュニケーション、分かりやすい表現を使って説明をするなどの意思疎通の工夫。

3つ目が、障害の特性に応じた休憩時間の調整などのルール・慣行の柔軟な変更などが挙げられる。なお、今後、合理的配慮の好事例、好事例と書いていますが具体的な事例を蓄積し、広く国民に提供するものとする。

3つ目の●ですが、合理的配慮は、社会的障壁の除去を必要としている障害者が現に存在する場合の個別の対応であり、障害者から意思の表明がある場合に、双方の建設的対話を通じた相互理解の中で提供されるべきものであり、代替措置の選択も含め、可能な範囲で柔軟に対応することが望ましい。合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとする。

4つ目の●ですが、意思の表明に当たっては、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する配慮を必要としている状況にあることを言語(手話を含む。)のほか、筆談、実物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝達など、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段により伝えられる。また、障害者からの意思表明のみでなく、知的障害や精神障害(発達障害を含む。)等により本人の意思表明が困難な場合には、障害者の家族、介助者等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含む。また、意思の表明がない場合であっても、障害者に対して適切と思われる配慮を提案するなど、自主的な配慮に努めることは、法の定める合理的配慮には当たらないが、法の趣旨に鑑みれば望ましい。

5つ目の●ですが、合理的配慮は、行政機関等及び事業者の事務・事業の目的・内容・機能に照らし、必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること、障害のない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること、事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないことに留意する必要がある。また、当該配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合、障害者との関係性が長期にわたる場合等には、その都度の合理的配慮の提供ではなく、次に述べる環境の整備を考慮に入れることにより、中・長期的なコストの削減・効率化につながる点は重要である。

6つ目の●です。合理的配慮は、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化や情報アクセシビリティの向上等の環境の整備(「V」において後述)を基礎として、個々の障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される措置である。したがって、各場面における環境の整備の状況により、実施される合理的配慮の内容は異なることとなる。

「(2)過重な負担の基本的な考え方」。

過重な負担については、行政機関等及び事業者において、個別の事案ごとに、以下の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的に判断することが必要である。行政機関等及び事業者は、過重な負担に当たると判断した場合は、障害者にその理由を説明するものとする。

○ が5つ並んでいまして、最初の○は、事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)。

2つ目が実現困難度(人的・体制上の制約、物理的・技術的制約、地域性)。

3つ目の○が費用・負担の程度。

4つ目が事務・事業規模。

5つ目が財政・財務状況。

「III 行政機関等が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項」。

「1 基本的な考え方」。

行政機関等においては、その事務・事業の公共性に鑑み、障害者差別の解消に率先して取り組む主体として、不当な差別的取扱いの禁止及び合理的配慮の提供が法的義務とされており、国の行政機関の長及び独立行政法人等は、当該機関の職員による取組を確実なものとするため、対応要領を定めることとされている。行政機関等における差別禁止を確実なものとするためには、差別禁止に係る具体的取組と合わせて、相談窓口の明確化、職員の研修・啓発の機会の確保等を徹底することが重要であり、対応要領においてこの旨を明記するものとする。

また、合理的配慮について、行政機関等が講ずべき措置の内容、程度、留意すべき事項等は、障害の特性、事務・事業の目的・内容・機能、人的・体制上の制約、物理的・技術的制約、地域性、費用・負担の程度、事務・事業規模、財政状況等、また、具体的場面や状況に応じて異なり、さらに、各種技術の開発や普及状況に応じて変わりうるものであり、行政機関等の実情に応じた実効性ある取組を進める必要がある。

「2 対応要領について」。

「(1)対応要領の位置付け及び作成手続」。

対応要領は、行政機関等が事務又は事業を行うに当たり、職員が遵守すべき服務規律の一環として定められる必要があり、国の行政機関であれば、各機関の長が定める訓令等が、また、独立行政法人等については、内部規則の様式に従って定められることが考えられる。

国の行政機関の長及び独立行政法人等は、対応要領の作成に当たり、障害者その他の関係者を構成員に含む会議の開催、障害者団体等からのヒアリングなど、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、作成後は、対応要領を公表しなければならない。

「(2) 対応要領の記載事項について」。

対応要領の記載事項としては以下のものが考えられるということで15まで挙げております。

1趣旨。

2障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の提供に関する基本的な考え方。

3障害を理由とする不当な差別的取扱いの事例及び合理的配慮の提供の好事例。ここも好事例とありますけれども、具体的な事例ということでよろしいかと思います。

4相談体制の整備。

5職員への研修・啓発。

「3 地方公共団体等における対応要領に関する事項」。

地方公共団体等における対応要領の作成については、地方分権の趣旨に鑑み、法律上は努力義務とされている。地方公共団体等において対応要領を作成する場合には、この上のところでございますけれども、2の(1)(2)に準じて行われることが望ましい。国は、地方公共団体等における対応要領の作成に関し、適時に資料・情報の提供、技術的助言など、所要の支援措置を講ずるものとする。

「IV 事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項」。

「1 基本的な考え方」。

事業者については、不当な差別的取扱いの禁止が法的義務とされる一方で、事業における障害者との関係が分野・業種・場面・状況によって様々であり、求められる配慮の内容・程度も多種多様であることから、合理的配慮の提供については、努力義務とされている。このため、事業者に対しては、各主務大臣が所掌する分野における対応指針を作成し、自発的な取組を求めることとされている。各事業者における取組については、差別禁止に係る具体的取組はもとより、相談窓口の整備、事業者の研修・啓発の機会の確保等も重要であり、対応指針の作成に当たっては、この旨を明記するものとする。

合理的配慮について、事業者が講ずる措置の内容、程度、留意すべき事項等は、障害の特性、事業の目的・内容・機能、事業者と障害者との関係性(長期にわたり密接な関係を持つ分野もあれば、その都度の契約関係を基本とするものもある)、人的・体制上の制約、物理的・技術的制約、地域性、費用・負担の程度、事業規模、財務状況等、また、具体的場面や状況に応じて異なり、さらに、各種技術の開発や普及状況に応じて変わりうるものである。このため、事業者は、主務大臣が作成する対応指針を参考として、取組を主体的に進めることが期待されるとともに、主務大臣においては、所掌する分野の特性を踏まえたきめ細かな対応を行うものとする。

「2 対応指針」。

「(1)対応指針の位置付け及び作成手続」。

主務大臣は、個別の場面における事業者の適切な対応・判断に資するための対応指針を作成しなければならない。作成に当たっては、障害者や事業者等を構成員に含む会議の開催、障害者団体や事業者団体等からのヒアリングなど、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、作成後は、対応指針を公表しなければならない。

なお、対応指針は、事業者の適切な判断に資するために作成されるものであり、盛り込まれる合理的配慮の好事例とありますが、ここも具体的事例ということで、事業者に強制する性格のものではなく、また、それだけに限られるものではない。事業者においては、対応指針を踏まえ、具体的場面や状況に応じて柔軟に対応することが期待される。

「(2)対応指針の記載事項について」。

対応指針の記載事項としては以下のものが考えられる。16までです。

1趣旨。

2障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の提供に関する基本的な考え方。

3障害を理由とする不当な差別的取扱いの事例及び合理的配慮の提供の、ここも事例ということ。

4事業者における相談体制の整備。

5事業者における研修・啓発。

6国の行政機関(主務大臣)における相談窓口。

「3 主務大臣による行政措置」。

事業者における障害者差別解消に向けた取組は、主務大臣の定める対応指針を参考にして、各事業者により自主的に取組が行われることが期待される。しかしながら、事業者による自主的な取組のみによっては、その適切な履行が確保されず、例えば、事業者が法に反した取扱いを繰り返し、自主的な改善を期待することが困難である場合など、主務大臣は、特に必要があると認められるときは、事業者に対し、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができることとされている。

こうした行政措置に至る事案を未然に防止するため、主務大臣は事業者に対して、対応指針に係る十分な情報提供を行うとともに、事業者からの照会・相談に丁寧に対応するなどの取組を積極的に行うものとする。また、主務大臣による行政措置に当たっては、事業者における自主的な取組を尊重する法の趣旨に沿って、まず、報告徴収、助言、指導により改善を促すことを基本とする必要がある。主務大臣が事業者に対して行った助言、指導及び勧告については、取りまとめて、毎年国会に報告するものとする。

「V その他障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する重要事項」。

「1 環境の整備」。

法は、不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前的改善措置(いわゆるバリアフリー法に基づく公共施設や交通機関におけるバリアフリー化、障害者による円滑な情報の取得・利用、意思表示やコミュニケーションを支援するための情報アクセシビリティの向上等)については、個別の場面において、個々の障害者に対して行われる合理的配慮を的確に行うための環境の整備に努めるものとしている。新しい技術開発が環境の整備に係る投資負担の軽減をもたらすこともあることから、技術進歩の動向を踏まえた取組が期待される。また、環境の整備には、ハード面のみならず、職員に対する研修等のソフト面の対応も含まれることが重要である。

障害者差別の解消のための取組は、このような環境の整備を行うための施策と連携しながら進められることが重要であり、ハード面でのバリアフリー化施策、情報アクセシビリティ向上のための施策、職員に対する研修等、環境の整備の施策を着実に進めることが必要である。

「2 相談及び紛争の防止等のための体制の整備」。

障害者差別の解消を効果的に推進するには、障害者及びその家族その他の関係者からの相談に的確に応じることが必要であり、相談に対応する際には、障害者の性別、年齢、状態等に配慮することが重要である。法は、新たな機関は設置せず、既存の機関等の活用・充実を図ることとしており、相談及び紛争防止等のための体制整備に当たっては、国及び地方公共団体においては、相談窓口を明確にするとともに、必要に応じて相談や紛争解決に対応する職員の確保・充実を図るものとする。内閣府においては、相談窓口等に関する情報について収集・整理し、ホームページへの掲載等により情報提供を行うものとする。

「3 啓発活動」。

障害者差別については、国民一人ひとりの障害に対する知識・理解の不足、障害者に対する意識の偏りに起因する面が大きいと考えられる。差別のない社会を実現するための妨げとなるこれらの要因を解消するためには、国民各層の障害に対する理解・関心を深めることが不可欠であり、各種啓発活動に積極的に取り組むものとする。

「(1)行政機関等における職員に対する研修」。

行政機関等においては、所属する職員一人ひとりが障害者に対して適切に対応し、また、障害者及びその家族その他の関係者からの相談等に的確に対応するため、法の趣旨の周知徹底、障害者から話を聞く機会を設けるなどの各種研修等を実施することにより、職員の障害に対する理解の促進を図るものとする。

「(2)事業者における研修」。

事業者においては、障害者に対して適切に対応し、また、障害者及びその家族その他の関係者からの相談等に的確に対応するため、研修等を通じて、法の趣旨の普及を図るとともに、障害に対する理解の促進に努めるものとする。

「(3)地域住民等に対する啓発活動」。

内閣府を中心に、関係省庁、地方公共団体、事業者、障害者団体、マスメディア等の多様な主体との連携により、インターネットを活用した情報提供、ポスターの掲示、パンフレットの作成・配布、法の説明会やシンポジウム等の開催など、多様な媒体を用いた周知啓発活動に積極的に取り組み、国民の障害に対する理解の促進を図る。また、国は、グループホーム等を含む、障害者関連施設の認可等に際して、周辺住民の同意を求める必要がないことを十分に周知するとともに、地方公共団体においては、当該認可等に際して、周辺住民の同意を求める必要がないことに留意しつつ、住民の理解を得るために積極的な啓発活動を行うことが望ましい。さらに、家庭や学校を始めとする社会のあらゆる場における機会を活用し、子供の頃から障害に対する知識・理解を深め、障害の有無にかかわらず共に助け合う精神を涵養する。

「4 障害者差別解消支援地域協議会」。

「(1)趣旨」。

障害者差別の解消を効果的に推進するには、障害者にとって身近な地域において、主体的な取組がなされることが重要である。地域において日常生活、社会生活を営む障害者の活動は広範多岐にわたり、相談等を行うに当たっては、どの機関がどのような権限を有しているかは必ずしも明らかではない場合もあり、また、相談等を受ける機関においても、相談内容によっては当該機関だけでは対応できない可能性がある。このため、地域における様々な関係機関が、相談事例等に係る情報の共有・協議を通じて、各自の役割に応じた事案解決のための取組や類似事案の発生防止の取組など、地域の実情に応じた差別の解消のための取組を主体的に行うネットワークとして、障害者差別解消支援地域協議会(以下「協議会」という。)を組織することができることとされている。内閣府においては、法施行後における協議会の設置状況等について公表するものとする。

「(2)期待される役割」。

協議会に期待される役割としては、関係機関から提供された相談事例等について、適切な相談窓口を有する機関の紹介、具体的事案の対応例の共有・協議、協議会の構成機関等における調停、斡旋等の様々な取組による紛争解決、複数の機関で紛争解決等に対応することへの後押し等が考えられる。また、関係機関において紛争解決に至った事例、合理的配慮の提供に係る、ここも具体的事例、相談事案から合理的な配慮に関する環境の整備を行うに至った事例などの共有・分析を通じて、構成機関等における業務改善、事案の発生防止のための取組、周知・啓発活動に係る協議等を行うことが期待される。

「5 差別の解消に係る施策の推進に関する重要事項」。

「(1)情報の収集、整理及び提供について」。

本法を効果的に運用していくため、内閣府においては、行政機関等の協力を得ながら、個人情報の保護等に配慮しつつ、国内における具体的事例や裁判例等を収集・整理する。あわせて、海外の法制度や差別解消のための取組に係る調査研究等を通じ、権利条約に基づき設置された、障害者の権利に関する委員会を始めとする国際的な動向や情報の集積を図るものとする。これらの成果については、障害者白書や内閣府ホームページ等を通じて、広く国民に提供する。

「(2)基本方針、対応要領、対応指針の見直し」。

技術開発を始めとする経済社会情勢の変化は、特に、合理的配慮の提供について、その内容、程度、負担等に大きな変化をもたらし得るものであり、法の施行後においては、こうした動向や障害者差別に関する具体的事例、合理的配慮の好事例の集積等を踏まえるとともに、国際的な動向も勘案しつつ、必要に応じて、基本方針、対応要領及び対応指針を見直し、適時、充実を図るものとする。

基本方針の見直しに当たっては、あらかじめ、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、障害者政策委員会の意見を聴くものとする。対応要領、対応指針の見直しに当たっても、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

以上でございます。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの事務局からの基本方針(素案)の説明を受けまして、委員会として議論していきたいと思います。

御意見、御質問を受けたいと思います。

まず私、正面向かって右側、大河内委員の側と真ん中の川崎委員、柘植委員がいらっしゃる島と呼ばせていただいてもいいでしょうか。ここで御意見、御質問のある委員は挙手をお願いいたします。ありがとうございました。

それでは、順に御指名いたします。

大河内委員、お願いします。

○ 大河内委員 大河内です。

御説明ありがとうございました。ページ数がわからなくて恐縮なのですけれども、障害者の年齢、性別というところがありました。ごめんなさい、そこではないですね。

済みません、後にしていただいても可能でしょうか。見つけてからもう一度発言させていただきます。申しわけございません。

○ 石川委員長 ありがとうございます。了解です。

それでは、川崎委員、お願いします。

川崎委員 初めに、今、読まれた全体の中からでよろしいのですね。区切ってはおらない。わかりました。

家族会の川崎です。

私のほうからは、合理的配慮について、2つほど意見をさせていただきます。

1つは、この会の前回、前々回で事業所等からのヒアリングがありましたけれども、その中で合理的配慮というのがどうしても環境整備とハード面が強かったように私は感じました。実は、精神障害者、知的障害者など、見えない障害に対する配慮といたしまして、やはり障害をしっかりと理解することとか、それに対する対応の仕方とか、ソフト面に対する合理的配慮がもう少し位置づけられたらいいかなというのが1つ。

もう一つ、事業所、これは6ページのIV、基本的な考え方の中に、事業所については合理的配慮の提供が努力義務とされているのですけれども、実は今回、障害者雇用促進法が改正されまして、障害者雇用促進法におきましては、事業所等におきましてもこれは義務とされております。そういう点を踏まえまして、やはり今回の法におきましても、これは義務化されるべきではないかというのが意見でございます。

以上、2点です。

○ 石川委員長 ありがとうございます。

繰り返し申し上げておりますけれども、法に基づいて私たちは基本方針(素案)に対して意見を申し上げる立場なので、法そのものの見直しについて、今はそのときではないということを御理解いただきたいと思います。1点目については後で事務局のほうから回答いただくことができると思います。

では、柘植委員、お願いします。

○ 柘植委員 筑波大学の柘植です。

3点あります。

2ページ目の一番上の段落、3行目「特に、法に規定された合理的配慮に当たる行為は、既に社会の様々な場面において日常的に実践されており」云々というところです。教育の領域では、一部の担当の者から、新たな概念で、これはゼロから始めるのかと勘違いをされている方もいて、そうではなくて、既に日常的にやっているものもあるのですよという話をすることもあるのですが、この文章ですと、既に社会のさまざまな場面において日常的に実践されているということで、それを社会に示すのだということで、もはやもうオッケーなのだというように読み取りがあるのですけれども、もちろん、既に好事例としていろんなところで実践されてうまくいっているものもあるのだけれども、そこまでいっていない、あるいは全くそうではないというものもあるとすれば、もうちょっとここの記述が事実に即した記述で、しかも合理的配慮というものがここで最初に出てくるのかな。こういう新たな共通言語というものが登場したことによって縦割りの弊害をなくしたり、サービスを提供する側と受ける側の言った、言わないというものを配慮したりということで、これまでの配慮をより適切に、より高品質に提供するとてもいい概念が来たのだというような書きぶりがあったほうがいいのかなと思いました。

2点目です。4ページ、意思の表明です。

1回目の会議のときに発言したかと思いますけれども、そこにあるとおり、表現的にはこれでよろしいかと思います。知的障害だとか発達障害だとか、あるいは子供であったりして、自分の意思表明が十分できない方には、周りの人が察してあげて、こんな感じでどうかということを提供する。特に教育の分野では非常に重要なことかなと思います。

ただし、だから全部やってあげるよではなくて、子供であっても、知的障害があっても、発達障害があっても、教育の中でこれからの時代、そのような意思の表明についてのことを学んだり、そういうスキルを学んで、できる範囲で証明していくというような教育がこれまで以上、障害児教育の中で行われることが必要ではないかなと思いました。この記述だと、何か大丈夫だよ、やってあげるよという雰囲気しか読み取れないような気がしたものですから。

最後、6ページ、努力義務でございます。

これも第1回目だったでしょうか、発言したことなのですけれども、教育特有の問題だとは思いますけれども、公立学校と私立の学校と国立大付属の学校の3種類が混ざって学校というものがあります。国立大付属と公立は義務なのですが、私立学校が努力義務ということになってしまって、先ほどの川崎委員の発言とも関係するのですが、対応指針を説明してということで、これでうまい具合にいくのでしょうけれども、指針を作成して、その進捗状況を確認して、うまくいかなければ相談するとか、支援をもらうとかというようなつくりといいますか、努力義務とされているからだけではなくて、もう少しそれを努力義務なのだけれども、学ぶ場所で障害のある子供たちが差ができないように支援してあげるようなことも大事だみたいなものは書き込むことができるのかどうかということです。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございました。とてもよい意見を出していただいたので、さらにできればということでお願いなのですけれども、実際にこういう表現、こういうふうに書くといいのではないかという具体的な文言を柘植先生にこの後に出していただくということはできないでしょうか。明後日ぐらいまでに。

これは後で申し上げようと思っていたのですけれども、もう素案の書きぶりを調整というか仕上げていく段階なので、また事務局が悩むことになりますので、やはりここはぜひ柘植先生にお願いしたい。よろしいですか。

○ 柘植委員 はい。

○ 石川委員長 ありがとうございます。

それでは、阿部委員、お願いします。

○ 阿部委員 阿部です。

2つの点について確認ということです。

1つは、3ページ目の事業者、対象分野とありまして、その対象分野のところですけれども、ここのただし書きのところで、行政機関及び事業者が事業主としての立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消するための措置については障害者の雇用の促進等に関する法律の定めるところによると記しています。そういたしますと、行政機関がかかわるところでの分野について、すなわち公務員の場合にはどういうことになるのかということを教えてほしいのです。行政機関で働く人、また行政機関が事業所になっている労働の場とかということなのか、その辺のところを確認したいと思いました。

2点目なのですけれども、それは4ページですけれども、●の2番目に、合理的配慮の具体的内容となっていまして、小さい丸がありまして「車椅子利用者のために段差に板を渡す、高い所に陳列された商品を取って渡すなどの物理的環境への配慮」とあります。なるほどなと思う一方、これは段差に板を渡すという表現があります。スロープをつくるというのも合理的配慮だと思っていたのですけれども、ここで板を渡すと例示することによって何となく板を渡すだけが合理的配慮ととられてしまうように思いましたので、そういう誤解が生じないようにすべきではないかと思いました。

段差に板を渡すことももちろん合理的配慮だと思いますけれども、この対応としては、緩やかなスロープをつくるということもあるのではないか、その表現についてで、2点について確認です。お願いします。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

それでは、清原委員、お願いします。

○ 清原委員 ありがとうございます。全国市長会、三鷹市長の清原です。

市の立場から、基本方針(素案)について6点、コメントと質問をさせていただきます。

1点目、2ページ目でございますが、(3)に「条例との関係」とあります。このところは、地方公共団体において既存の条例が法施行後においても引き続き効力を有すること、しかし、新たに制定することについても制限することはないこと、それぞれを明記しているということは大変現実的で重要だと思いますので、この案のように、既存の条例、また、業界用語だと思いますけれども、「(いわゆる上乗せ・横出し条例を含む。)」、これはこの表現で私は通じるのですけれども、大丈夫かどうかを気にしてもいます。しかし、既存の条例を尊重するということと、新たに制定することも進めるということは重要と思います。

2点目でございますが、これはその上の(2)の「基本方針と対応要領・対応指針との関係」及び6ページに飛びますが、3として「地方公共団体等における対応要領に関する事項」に関して申し上げます。確かに法律では、地方公共団体における対応要領の作成は努力義務とされています。しかしながら、三鷹市を含め多くの自治体としても、努力義務とはなっていますが、やはり国の対応要領の内容を注目して、できる限り自治体においてもこのような対応要領をつくる方向で検討を始めています。

そこで質問ですが、国としてはこの方針、今、議論しておりますが、これによる対応要領の策定時期について、おおむねいつごろを想定されているかをお知らせいただければと思います。

3点目、また戻っていただきまして2ページ目の「法の対象範囲」について申し上げます。

法の対象範囲につきましては、「障害者を障害者手帳の所持に限らないこと」とされています。また「発達障害や高次脳機能障害、また難病に起因する障害を含む」ことを明記しています。このことは、障害者総合支援法の考え方と整合したものでありますし、実際に自治体の現場で障害者の皆様に対応する際には、これはもう当然のことでございますので、これが明記されているということは、改めて適切なことだと思います。

4点目でございます。4ページに「合理的配慮の基本的な考え方」の●の最後に、「合理的配慮の好事例を蓄積して広く国民に提供するもの」とするとあります。加藤参事官は、「好事例」とありますが「具体的事例」と先ほど言いかえられました。これは、大変よい方向での言いかえではないかと思います。

すなわち、先ほど来、柘植委員もおっしゃいましたように、私たちが今まで当然と思ってしてきたことも、やはり必要なものとして今後も継続することが望まれますし、また改めて幾つかの自治体等で取り組んでいることがもっと流布されて、ほかの地域や事業所の参考になるということもありますので、「具体的事例」と表現していただいたのは、好事例だけではなくて、これまではこういう事例があったけれども、改善が見込まれている事例とか、あるいは失敗例もひょっとしたら役に立つかもしれません。ですから、具体的事例が蓄積される仕組みが大事です。ただ、どのようにして具体的事例のデータベースをつくるか。内閣府のホームページ等でそうした具体的事例が蓄積されるのか、あるいは各地域にそれぞれ取り組んでいらっしゃるNPO法人などがあって、そうしたところが取り組んでいただけるかもしれませんし、そういう意味では、この具体的事例の蓄積と提供の方法がこの方針に基づいて柔軟に展開されることを望んでいます。

5点目ですが、8ページ目、「相談及び紛争の防止等のための体制の整備」というのが書かれています。障害者差別の解消を効果的に推進するために、障害者等の相談に的確に応じるための体制というのについて、このように書かれています。すなわち、法は新たな機関を設置せず、既存の機関等の活用充実を図ることにしています。ですから、一律に必ずしも新たな体制を求めるものではないということが慎重に書かれています。これは自治体によっては、やはり何か全て新しい法に基づいて新たな体制をつくらなければならないのではないかと、無用な負担感を感じているケースが少なからずあります。そうではなくて、この法の趣旨を改めて踏まえて、今まである相談の機関を充実していくということ、あるいは今までの体制で対応できるということもございますので、現実的な対応についての記述として重要かと思います。

具体的な対応を考えますとここでお願いでございますが、私は都道府県における体制整備というのも極めて重要だと思います。地方公共団体という表現ですと、広域自治体である都道府県と基礎自治体である市町村が両方含まれるのですが、やはり小規模の市町村に限らず、それなりの規模の市町村であっても、やはり都道府県との適切な役割分担、機能分担がなされることは大いに期待できるところでございまして、都道府県における体制整備も含むものだと受けとめさせていただきました。

最後に、これは事業者の方に向けて書かれた部分ですので市の立場が申し上げるのも僭越ですが、7ページに「事業者に対しての対応指針」についての記述があります。自治体におきましても、これまで例示されているようなバリアフリー化や情報アクセシビリティの向上をはじめとして、さまざまな施策や事業に取り組んできましたが、その事柄と障害者の差別解消の条件整備あるいは合理的配慮というのは密接に関係があります。そこで、事業所の皆様でもバリアフリー化や情報アクセシビリティについて御努力いただいてきた事例というのが当然ございます。

したがって、「対応の指針」に盛り込まれる内容については、社会のあらゆる分野から多くの事例を蓄積することが大切であり、自治体と同様に、これまでの取り組みも含めまして、ぜひこの「対応指針」については深めていくことが重要かと思います。

特に、窓口業務での対応など、自治体と共通する取り組みもありますので、障害当事者や支援機関等の御意見をお聞きしながら検討を進めるということについては、自治体と事業者の皆様のお取り組みの連携も考えられると思いますし、そのような方向性がさらに確認できればありがたいと思います。

以上、5つのコメントと1点質問をさせていただきました。よろしくお願いします。

○ 石川委員長 ありがとうございます。

市長会を代表されています清原委員にぜひお伺いしたいのですが、1点目についてなのですけれども、新しい条例についてはそれを制約するものではないと書きつつ、あと、そういう条例制定の機運が高まっているという一応現状を記述する形ながら、それを歓迎するメッセージともとれるような工夫がされているわけなのですが、もうひと頑張りして、歓迎されるとか、望まれるとかという書き方を基本方針等に入れることについて、市長会のお立場あるいは清原委員御自身のお立場としてお考えでしたらいかがかとお聞きしたい。

○ 清原委員 このことにつきましては、先ほど来、読み上げていただいた場合にも、地方分権の趣旨を尊重して努力義務とされたという法制定の経過が御紹介ありました。したがって、本当に自治体によって障害者の皆様の施策については、もちろん、基本的には法に基づきながら、それぞれ地域の独自性や個性を持っています。したがって、三鷹市長としては、努力義務とありますけれども、「新たに制定することも制限されることはない」という表現よりも、「新たに制定することも望ましい」としていただくほうが自然かなとは思います。ただ、この点について全国市長会総会では確認しておりませんので、雰囲気で申し上げますけれども、私も「制限されることはない」という表現というのはちょっと後ろ向きかなと思わないわけではありませんので、制定しようとしている自治体が元気づけられるためにも、「新たに制定することも望ましい」とか、「望まれている」とか、そういう表現でも特に問題はないと考えます。

○ 石川委員長 ありがとうございました。同感です。

それでは、伊藤委員、お願いします。

○ 伊藤委員 伊藤です。

私は先ほどもおっしゃられたので重複するかと思いますけれども、この文章、非常にわかりにくいです。全然頭に入ってこないというか、ここは努力してみんな理解したにしても、一般の国民の方々に理解してもらうためには、わかりやすい文章にする必要があると思うのです。法律よりもっとわかりやすくしなければならないのだと思うのです。

そういう意味では、石川委員長がよくおっしゃっているように、結論を先に書いたらどうかというような気がして、ずばっとこういうことをしてほしい、こういうことなのだと言ってから経過その他を書くというようなことにしてはいかがかなという印象を持ってずっと聞いておりました。なかなか聞いているだけでもついていくのが精いっぱいという感じでありました。

あと1つ質問がございます。この事業者というときに、ここに無報酬の事業を行う者とか、個人事業者とか、非営利とか社会福祉法人と書いてありますけれども、行政、公共団体だけでなくて、日本の中で非常に大きな役割を占めているのは、1つは医療だと思うのですが、この医療については、何か書くという余地があるのか、それとも、この中に全て入っているから、医療の人もよく自覚してこういう対応をしてくださいということになるのか、そこはお考えいただきたいと思います。

以上です。

○ 石川委員長 ありがとうございます。

それでは、大河内委員、ご準備よろしいでしょうか。

○ 大河内委員 大河内です。

先ほどは失礼しました。先ほど清原委員が御指摘されていた部分と重なります。8ページです。Vの「2 相談及び紛争の防止等の為の体制の整備」というところですけれども、まさに同じところで、その中で「法は、新たな機関は設置せず、既存の機関等の活用・充実を図ることとしており」と書いております。私は逆で、この新たな機関を設置しないということがどういうことなのかを御質問したいと思います。

というのは、既存の法の中で網羅されていないような障害だったり特性だったりする方もまだいらっしゃるだろうと思っている中で、新たな機関を設置しないと明記してしまうことがどういう影響を及ぼすのかというところがちょっと心配だったものですから、これはどういう意図で書かれているかを御質問したいと思います。

2点目、これはどことかかわるわけではないのですけれども、全体を見て、性別に関する記述はございましたけれども、女性という言葉が入っていないことは少し気になります。障害者の差別の問題と同様で、女性障害者の複合差別の問題というのも重要な問題として取り上げられています。まさに今でも女性障害者に対するいろいろな事件も最近でも起こりましたけれども、なかなか声が上げられない、上げにくい複合差別を受けている女性の障害者の権利だったり、差別解消ということについても、今回の基本方針の中では、性別に関する記述はございましたけれども、女性という記述がなかったことが若干気になっていて、何らかの形でその文言を入れられないのかなと個人的には思っております。これは意見でございます。

以上でございます。

○ 石川委員長 ありがとうございます。

それでは、花井委員、お願いします。

○ 花井委員 何点か意見を述べさせていただきたいと思います。

まず、2ページの法的対象範囲の障害者のところです。今、意見が出されたように、私も障害女性のことが全然触れられていない、ここの委員会の中で以前に問題になったことと思っています。この法律が成立したときの参議院の附帯決議の1項のところにそのことの記載があります。女性、高齢者や障害児に対する複合的な差別の現状を認識しというふうに書かれておりますので、この部分に書くのがいいのかどうか、今ずっと探していたのですが、どこでもいいですので記載いただければと思います。

3ページの一番下です。一番下の障害者にその理由を説明するものとするとなっていますが、これはでは説明すればいいのかということにもなりかねません。説明し、やはり理解を求める、あるいは理解を得るというような文言を追加していただければと思います。

次に、5ページでございます。5ページの過重な負担の基本的な考え方というところがございます。過重な負担の要素については、要素を考慮しと、要素については記載があるのですが、判断基準については触れられておりません。そのことは判断基準を直ちに記載するということが現状では困難だということは理解しておりますので、各分野において事例を収集し、将来的に判断基準をつくるのだというような文言が、そういう方向性を示すことはできないだろうかということです。

先ほども述べましたように、理由を説明するものとするというところも、理由を説明し、理解を求めることとするといった文言にしていただければと思います。

さらに、ここのところですが、事業主は過重な負担だということであれば合理的配慮をしなくてもいいということですが、ただ、過重な負担に至らない段階で何らかの合理的配慮、できるだけそこを配慮するようなことに努めるとするといったことが追加できないだろうか。

その障害者の意向を十分尊重し、過重な負担にならない範囲内での合理的配慮を講じるものとするというような文言を想定しているのですが、入らないだろうかということでございます。

以上です。よろしくお願いいたします。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

一応これで右側と真ん中の島のほう、御意見、御質問いただきました。そこで、一旦ここで、幾つか質問があったので、それを事務局のほうで、今すぐにお答えいただけるものについてはお答えいただいて休憩としたいと思います。

振り返ってみますと、阿部委員から御質問がありました。川崎委員も御意見とも言えるし、御質問とも言えると思いますので、ソフト面についてという話がございました。大河内委員からも御質問がございました。ほかの委員からも質問がありましたので、加藤参事官、もし確認が必要であれば確認していただきつつ、お答えいただけますでしょうか。

○ 加藤参事官 まず、ハードだけではなくてソフト面ということでございますけれども、当然、我々もそこは意図してこの記述に努めておるところでございまして、研修でありますとか、あと4ページにあります合理的配慮のところにあります具体的な事例のところも一部段差に板を渡すとかというようなものもございますけれども、あとはむしろどういうふうに職員なり事業所が対応したらいいのかということを書いておるところであります。

特に下から3つ目の●のところで、障害者から意思の表明がある場合に、双方の建設的対話を通じた相互理解の中で提供されるべきものであり、代替措置の選択も含めて、可能な範囲で柔軟に対応することが望ましいということでございまして、ここは何も環境整備とかそういう物理的なことではなくて、とれる手立てはいろいろあるのだろうということで、むしろ対話の中で御相談いただいて工夫していただくのかなと考えているところであります。

○ 石川委員長 清原委員からの対応要領の策定時期ですか。

○ 加藤参事官 策定時期でございますが、以前、障害者政策委員会のスケジュールの想定という紙を出したときでございますけれども、下のほうにありますが、基本方針をとにかく12月上旬を目途に閣議決定をしたいということ、その基本方針を踏まえて行政機関等において対応要領、主務大臣において対応指針を作成、平成27年夏ごろを目途としてございます。

たしか3ページですか、阿部委員のほうから、行政機関がちょうど対象分野のところですか。ここはいわゆる労使関係については、行政であってもこの基本方針といいますか、障害者の雇用の促進法等に関する法律のほうで決着をつけるということであって、行政が一般の住民の方とかに対するサービスについて相談を受けるとか、そういうことについてはこの基本方針に係るということでいいのですか。

○ 阿部委員 公務員の方も雇用促進法の対象になるのですかといこうとだったのです。

○ 厚生労働省障害者雇用対策課 差別禁止につきましては国家公務員及び地方公務員は適用除外とされ、合理的配慮につきましては国家公務員は適用除外とされ地方公務員には障害者雇用促進法が直接適用されることが、改正障害者雇用促進法に規定されております。

○ 阿部委員 済みません、確認だけだったのは、国家公務員の人は障害者の雇用の促進に関する法律ではないですよねという確認でした。違うのですね。

○ 厚生労働省障害者雇用対策課 そのとおりでございます。

○ 石川委員長 あと済みません、段差の渡し板の話がございました。

○ 加藤参事官 多分そういう御意見というか出てくるのだろうなと思いながらこれを書いておったのです。というのは、ここは書けば書くほどそれしかないのかと思われる、誤解される。ですから、書きづらいというのが本当のところであります。おっしゃるように、まさにこういうものも一つの手段なのだけれども、ほかにもいっぱいあるわけで、それはその状況に応じて、まさに御相談いただいて、フレキシブルに選んでいただきたいというのが趣旨でございます。

○ 阿部委員 例えば段差に板を渡すとか、スロープをつくるとかと書いていただければもっと幅広く理解できたのかなと思って質問したところでした。

○ 石川委員長 ありがとうございました。

あとは、どうぞ。

○ 加藤参事官 伊藤委員のおっしゃった、事業者の中に医療関係は入るのかということでございます。当然医療は入ります。

○ 石川委員長 あと大河内委員から、新たな機関を設置しないということの意味について、これでいいのかという質問であったのですけれども、これについていかがでしょうか。

○ 加藤参事官 ここはまさに法律の解釈といいますか、法律上は特に新たな機関を設置するということを目的に書いておりませんので、要は既存のいろいろな相談窓口があるわけですので、そこの中でそれぞれの機能を充実させるなり、対応を充実させるとかということで、相談機関同士のすき間があいている部分はむしろ今のあるものをきちんと機能させることによってそのすき間を埋めていこうという、そういう趣旨でございまして、新たにそのすき間のために機関をつくるということは考えていないということでございます。

○ 石川委員長 それでは、ちょうど最初に予定していました50分をちょっと超過しましたけれども、ここで一旦休憩を挟みまして、2時55分再開とさせていただきます。

(休憩)

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