(PDF形式:297KB)別ウインドウで開きます

障害者政策委員会第5小委員会(第2回)議事録

氏田座長 時間となりましたので、「障害者政策委員会第5小委員会」の第2回会合を開催いたします。

委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

本日の会議は、12時までの2時間を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。

小委員会の開催に先立ちまして、1点お願いがございます。

いつものお願いで恐縮ですが、本小委員会におきましても、情報保障の観点から、障害者政策委員会と同様に、各委員が御発言を求めるときには、まず挙手をしていただきまして、指名を受けた後、御自身のお名前を述べられてから、可能な限り、ゆっくりと御発言いただくようにお願いいたします。

なお、本日は、所用等により、石野委員、竹下委員、中野専門委員、福島オブザーバーが御欠席との連絡を受けております。また、土本委員は、15分くらいおくれて御到着のよていです。高橋紘士専門委員におかれましては、御都合により、本小委員会終了前に退席の御予定があります。

議事に入ります前に、皆様のお手元の黄色いイエロースタンド、今日、初めて設置をさせていただいています。イエロースタンドにつきましては、委員の皆様の方にも事前に御連絡をさせていただいておりますが、この第5小委員会の土本委員から、前回の11月5日の全体会が終わった後に、皆さんの御発言の内容が片仮名語、英語が多かったりとか、あるいはとてもスピードが早かったりということで理解ができない部分が大変多かったということで御指摘をいただきました。

土本委員、イエローカードもお持ちなのですけれども、みんなの議論が白熱してこられているので、そこでイエローカードを出されることを躊躇されていらっしゃいまして、私たち側のここにリマインダーということになると思います、もう少しゆっくり、わかりやすくということで、ちょっとスピードが早まったり、議論が高まったときに、このイエロースタンドにお目を通していただいて、少しゆっくりお話を全体的にしていただけるとありがたいなと思います。いつもお願いしている、できるだけわかりやすく、ゆっくりと発言することを心がけてくださるよう、よろしくお願いいたします。

それと、限られた時間の中での議論となりますので、できましたら、御発言につきましては、お一人3分程度を目安に要旨をまとめて、わかりやすく御発言いただけると大変ありがたいです。御協力のほど、よろしくお願いいたします。

それでは、本日の議題及び資料について、事務局より御説明願います。よろしくお願いします。

東室長 おはようございます。担当室の東でございます。

まず、議事次第をご覧いただけますでしょうか。論点等を書いてございます。

本小委員会における2つ目の論点、<2>ということで、今日は「公共施設及び交通機関等のバリアフリー化の推進」について調査審議をしていただく予定でございます。

冒頭に、国土交通省からの説明を受けまして、それに対して委員の方から出された質問について補足説明をしていただく。その後、委員間で議論をしていただくということになります。なお、ここでの質疑応答がメインではありませんので、ここで余り時間をとってしまうと、委員間討議の部分の時間がなくなりますので、その点は御配慮をお願いしたいと思っています。

資料としては、まず資料1が論点<2>に関する国土交通省から出された資料ということです。

資料2が委員の意見ということになります。

次に、3、ヒアリングという部分がありますが、本小委員会が担当する情報バリアフリー化の推進の施策に関連して、国立国会図書館において、視覚障害者等へのサービスを行っている取り組みについて、報告をしていただきます。このヒアリングの内容は、本小委員会の次回、第3回に予定しております論点<3>の情報バリアフリー化の推進に関する議論の参考にということで考えております。

資料としましては、資料3がこのヒアリングに関連する資料となっております。

議題、資料につきましては以上のとおりでありますので、資料で足りないものがあれば申し出ください。

以上です。

氏田座長 ありがとうございました。

それでは、議事2の論点<2>に関する審議に入ります。

論点<2>、第21条になります。「公共施設及び交通機関等のバリアフリー化の推進」についてということで、国土交通省より、10分程度で御説明いただきたいと思います。御説明の中には、前回、第1回のときに、委員の皆様から頂戴した御質問の中の新バリアフリー法について、もう一点は、福祉タクシーについてという御質問をいただいておりまして、それが関連していきますので、それも含めて御説明いただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

国土交通省(山口) 国土交通省の山口と申します。

目の前にイエロースタンドが置かれています。私は早口ですが、できる限り今日はゆっくりとお話をしたいと思います。

資料の2ページ、本日の論点につきまして、私の方からは大きくいきましてバリアフリー法について、バリアフリー化の取り組み状況について、バリアフリー法施行状況検討会について大きく3点について、今日は資料に基づいて御説明したいと思います。

まず、バリアフリー法についてでございます。

2ページの経緯でございますが、平成6年に制定されましたハートビル法、これは建築物等のバリアフリー化を進める法律でございます。そして、平成12年に制定されました交通バリアフリー法、これは公共交通機関と周辺地域のバリアフリー化を進めるという法律でございまして、これが平成18年に統合・拡充いたしまして、現在のバリアフリー法が成立したという次第でございます。

概要につきましては、(2)にございますが、要するに高齢者、障害者等の円滑な移動、建築物等の施設の円滑な利用の確保に関する施策を総合的に定めようとする法律でございます。

施策の柱としては、2ページの下にございますように、3つの柱から成ります。

<1>公共交通施設や建築物等のバリアフリー化の推進ということでございまして、これは基本方針に基づきまして、整備目標を設定したり、また、移動等円滑化基準に適合義務をかけたりするものでございます。

<2>として、地域における重点的・一体的なバリアフリー化の推進ということでございますが、これは市町村が作成する基本構想に基づきまして、重点整備地区におけるバリアフリー化を進めようとするもの。

<3>としては、心のバリアフリー化の推進ということで、これは国民の理解・協力を促進していこうという取り組みでございます。

3ページ、バリアフリー法の体系でございますけれども、まず、基本方針、関係者の責務がございまして、3つ目に基準適合義務等がございます。新設の場合には、基本的に義務、既存の施設の場合には努力義務という体系になってございます。

前回、石野委員から、民間または民間企業の施設の検討状況についてという御質問があったかと思います。これを見ますと、旅客施設及び車両等とありますが、民間事業者が運航する公共交通機関も当然対象とされておりますし、また一定の特別特定建築物、これは百貨店、病院、福祉施設など、不特定多数、または主として高齢者、障害者等が利用する建築物が対象でございますが、これも民間の建築物を対象としてございまして、民間や民間企業についても対象として取り組みの義務をかけて進めておるというものでございます。

4ページが基本構想制度でございまして、基本構想は市町村が定めて重点整備地区として指定していく。事業の実施としては、公共交通事業者や道路管理者、各種管理者が基本構想に沿って事業計画を作成し、事業を実施していく義務があり、特定事業と呼んでいます。こういった流れで進んでいくものでございます。

5ページ、バリアフリー化の取り組み状況についてでございますけれども、整備目標の達成状況につきましては、各施設におきまして目標はそれぞれ異なっておりますが、整備目標に照らしまして、バリアフリー化は着実に進捗してきているのではないかと考えてございます。

6ページ、基本方針の改正の概要でございますが、従前の基本方針は平成22年までの整備目標を定めてきましたが、目標期限が到来しましたので、23年3月に基本方針の改正を行いまして、平成32年度までの整備目標を設定したというものでございます。

主たるものとして、旅客施設においては、対象を1日5,000人以上のところを3,000人以上に拡大したり、車両、都市公園、建築物などについて、新たな目標設定したりするような改正を図ったというものでございます。

整備目標の新旧の比較につきましては、6~7ページに書いてありますので、御参照いただければと思います。

8ページ、公共交通事業者における教育訓練等の状況でございます。移動の円滑化を進める上においては、ハード整備だけではなくてソフト対策を進めることも大事でございます。そういう意味で、バリアフリーにおいては、公共交通事業者に対しまして、高齢者、障害者に対する適切な対応の仕方について、研修などによる教育訓練を行うよう、努力義務を課しているところでございます。

教育訓練の一例といたしましては、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団、通称エコモ財団と言っておりますが、そこにおいて交通事業者向けの、いわゆるベスト研修というものを行っていまして、そこでは障害当事者が講師となりまして、障害へ理解がより深められるような取り組みも行われているというところでございます。中身としては、ベスト研修は8ページの下にある図のとおりでございます。

9ページ、地域における重点的・一体的なバリアフリー化の推進ということで、いわゆる基本構想の制度でございますが、法に基づく基本構想の受理件数は、下の表にもございますように、現在のところ、275市町村で395の基本構想が提出されているところでございます。

ただ、問題としては、表にもありますけれども、全国の市町村が1,750ありますが、それに比べて十分ではないということとか、最近では提出が伸び悩んでいるというような状況が見られるところでございます。

10ページ、当事者参加を確保するための取り組みの状況につきましては、基本構想制度におきましては協議会制度が法律に位置づけられているなど、当事者参画に関する制度が充実しているところでございます。基本構想を策定するに当たり、どういった当事者参加を確保する措置をとっているかといいますと、下の表にありますように、住民等の意見を反映するための措置としては、「まち歩き(現地点検)」が7割程度、「パブリックコメント」が67%程度という措置がとられております。

一方、協議会の設置の有無につきましては、協議会を基本構想の作成の際に活用したのみで、特定事業の進捗状況の管理や事後評価に活用していない割合が大半となっておりまして、協議会の活動が継続されていない状況になります。この表にあります通り、協議会を設置していたが、現在解散しているものが5割ほどあるところでございます。

同じページの下でございますが、基本構想作成・見直しの効果というところでございますけれども、これも平成22年に調査した結果によりますと、一番大きな効果が「鉄道駅舎など旅客施設のバリアフリー化が進んだ(事業の目処が立った)」が7割程度、「高齢者や障害者のニーズを理解したり計画に反映することができた」が67%程度という効果が出ております。

11ページ、心のバリアフリー化の推進でございます。

心のバリアフリー化を推進するための国の取り組みとして、バリアフリー教室というものを開催しております。参加人数、回数は、表にありますように順次増加しているところでございますけれども、各回に参加できる人数は限られている等の要因によりまして、延べ参加人数は1万5,000人余りにとどまっている状況でございます。

取り組み事例としては、下の絵にありますように、車いすサポート体験、視覚障害者サポート体験、高齢者疑似体験などの取り組みをしているところでございます。

12ページ、心のバリアフリー化に関連しまして、障害者駐車場、多機能トイレの適切な利用促進方策も行っております。例えば障害者駐車場の適切な利用促進におきますと、障害者等用駐車スペースの適正利用に係る普及啓発の推進ということで、平成22年にはマナー啓発のポスター・チラシを作成したり、また、調査研究を平成23年5月に取りまとめてパンフレットを作成したり、また、バリアフリー大臣表彰を国土交通省で年に1回行っておりますが、その際、パーキングパーミット制度などの先進的な取り組み実施している自治体に対しまして、大臣表彰で表彰して普及、奨励を図ったりというような取り組みを行っております。

下にありますのは多機能トイレの適切な利用促進方策ということでございまして、多機能トイレは数多く設置されておりますが、高齢者、子ども連れなどの利用が集中して、真に使いたい人が使いにくい状況となっているという指摘があります。こうした指摘を踏まえて、23年度に多機能トイレの利用実態を調査しまして、パンフレットを作成して啓発活動に努めているところでございます。

13ページは、小規模施設・民間施設のバリアに対する「人的対応」の事例としまして、倉敷市・倉敷美観地区における「おもてなしマイスター制度」を表彰することもやってございます。

13ページの下にありますのはスパイラルアップの取り組みでございまして、バリアフリー化を進めるに当たっては、段階的、継続的な発展を図っていくスパイラルアップが重要でございまして、バリアフリーネットワーク会議を開催しております。有識者、高齢者・障害者団体、施設設置管理者、我々が構成員で、全国会議としては平成20年度より年1~2回程度開催しまして、現状把握、課題の抽出、対応策の検討等々を行っているところであります。

14ページは、調査研究等に基づく対応策として行っているものです。また、補助・交付金等による支援としまして、地域公共交通確保維持改善事業による支援、15ページは社会資本整備交付金による社会資本整備やソフト事業を総合的・一体的に支援する制度で支援をしているところでございます。

3つ目として、バリアフリー法施行状況検討会についてでございます。これは今のバリアフリー法が18年12月に施行されまして、昨年12月で5年が経過しましたので、法律の規定に基づきまして検討を加える必要がでてきたものでございます。

障害者団体等の当事者の御意見も聞きながら検討を行うために、全国バリアフリーネットワーク会議の下にバリアフリー法施行状況検討会を設置しまして、今年の2月より、施行状況の検討の具体的な作業を実施してきたところでございます。

検討会を6回開催しまして、関係者の意見を聞きながら、実務的に検討作業を進め、課題を整理しまして、今後の取り組みの方向性について取りまとめ、平成20年8月9日に公表したところでございます。

16ページはその検討会の構成でございます。有識者の委員6名から成るものでございますけれども、座長は、専門委員でもあります秋山先生、高橋儀平先生にも入っていただきまして、検討していただきました。

オブザーバーの参加者といたしまして、全国バリアフリーネットワーク会議の委員であります高齢者・障害者等団体、施設設置者管理者団体等からも御参加をいただきながら、御意見も聞いて作業を進めてきたところでございます。

17ページが検討結果の概要でございます。まず、現状についての主な課題でございますけれども、バリアフリー法、3つの柱のうち、まずバリアフリー化の推進につきましては、例えばここにありますように、地方部における取り組みの推進だとか、公共交通機関のさらなるバリアフリー化、障害特性に応じたバリアフリー化、災害時・緊急時のバリアフリー化への取り組み。2)にありますバリアフリー化の実態把握・情報提供、3)にありますバリアフリー化の推進・連携体制といったような課題がありました。

18ページ、2つ目の基本構想の取り組み、現行の他の計画との連携や、基本構想の作成促進、特定事業の取り組み、協議会の体制・取り組み、市町村における課題についてそれぞれ課題が出されました。

3つ目の心のバリアフリーの推進は、一番下にございますように、バリアフリー教室について、もう少し地域に還元していくような取り組みが必要だとか、知的障害者、発達障害者、精神障害者への理解促進が必要だとか、そういった課題が出されたところであります。

そういった課題を横断的に整理、分析しまして、5つの取り組みの方向性に整理をしまして、短期的、中期的に実施すべきものを方向性として取りまとめたものが19ページ以降でございます。

まず、1つ目が、一体的・総合的なバリアフリー化の推進ということで、交通計画やまちづくりとの連携による推進だとか、2)災害時・緊急時に対応したバリアフリー化、3)がバリアフリー基本構想作成ガイドブックの見直し等々でございます。

20ページ、ガイドラインのスパイラルアップ、技術の普及促進があります。

2つ目としまして、さまざまな障害特性に対応したバリアフリー化の推進ということで、災害時・緊急時の情報提供方策の検討とか、弱視・色覚障害者に配慮した検討。

21ページ、知的障害者、発達障害者、精神障害者に配慮した検討。

大きな3つ目としまして、バリアフリー化に係る情報発信の強化ということで、基礎データの整備・公表だとか、道路、建築物における取り組み、評価指標の検討。

22ページ、4つ目としまして、当事者が主体となったスパイラルアップの推進、ネットワーク会議のあり方の見直しだとか乗車拒否の課題分析、基本構想の作成・進捗管理の検討等。

5番目といたしまして一番下にございますが、教育・普及方策の検討ということで、事業者等へのバリアフリー研修のあり方の検討、23ページ、バリアフリー技術の情報発信・相談受付体制の整備といったもの、心のバリアフリーの普及方策の見直しなどでございます。

時間の関係がありまして、余り細かくは説明できませんけれども、今、言った大きく5つの取り組みの方向性を示したものでございます。

これを受けまして、23ページの※印にありますように、こういった検討結果に基づく必要な措置につきましては、順次可能なものから、我々として実施していく予定としてございます。

最後になりますけれども、24ページ、前回、門川委員から御質問、御指摘がございました福祉タクシーについてでございます。定義といたましては、上の方に書いてございますように、道路運送法に掲げる一般乗用旅客自動車運送事業を営む者でありまして、一般タクシー事業者が福祉自動車を使用して行う運送や、障害者等の運送に業務の範囲を限定した許可を受けたタクシー事業者が行う運送のことを言います。

具体的には、福祉タクシー車両の範囲ということで4タイプを書いてございますけれども、1つ目が大型電動車いす・ストレッチャー(寝台)対応するもの。1以外の車いす対応型のもの、<3>として肢体不自由者・高齢者等対応の、いわゆる座席が回転する回転シート車、4番目としてユニバーサルデザインタクシー。これは流し営業にも活用することを想定した車両でございます。具体の絵としては、右側の方に<1>~<4>まで掲げてございます。

視覚障害者への配慮といたしましては、空車ランプ、タクシーメーター表示を見分けやすいような色の組み合わせとしたり、聴覚障害者への配慮としましては、乗務員とのコミュニケーションのため、筆談用具を備える等の配慮がなされております。

なお、盲聾者の方々の連絡手段についてでございますけれども、一人一人コミュニケーション手段が異なり、現時点ではなかなか一般化した応対方法が確立していないことから、各事業者に個別に御相談いただければありがたいなと思っているところでございます。

雑駁ではありますが、私からの説明は以上とさせていただきます。ありがとうございました。

氏田座長 ありがとうございました。短い時間で申しわけございません。

では、ただいまの国土交通省からの御説明について、まず説明いただいた部分に関しての御質問だけ受けたいと思います。よろしくお願いします。

清原委員、どうぞ。

清原委員 御説明ありがとうございます。三鷹市長の清原です。

バリアフリー法に基づく基本構想について、三鷹市でも平成15年度及び平成23年度に取り組みを行いまして、その基本構想をまとめる際に、当事者にも参加していただくとともに、交通関係及び関係事業者にも参加していただいて、この基本構想づくりそのものが大変意義のあるものだったと承知しております。

そこで、私自身はそのような経験をしており、しかも基本構想に基づいて、例えばさまざまな取り組みをしてきて、駅のエレベータ設置やエスカレーター設置に地元市として協力させていただいたり、あるいは電線の地中化という取り組み、誰でもトイレ化などを進めてきたわけですが、御質問を1つさせていただきます。

本日いただきました9ページにおきまして、バリアフリー法に基づく基本構想の受理件数というのが合計275市町村(395基本構想)で1,700の基礎自治体がある中で、必ずしも全てではありませんということを御報告いただきました。そこで御質問なのですが、体験としてこれは大変重要なものだと思っているのですが、なぜなかなかふえないかという点について、国土交通省ではどのように分析されているか教えていただければと思います。

なお、国土交通省としても、この普及啓発のために基本構想の有用性等について、アドバイザー制度とか、またそういうものを持ってらっしゃると承知しているのですけれども、ぜひ要因についてどのようにお考えで、今後増やしていくためにどのような取り組みをこれまでされてきたか、もう少し詳しく教えていただければと思います。よろしくお願いします。

氏田座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

国土交通省(杉浦) 国土交通省の杉浦と申します。

ただいま御質問をいただきました基本構想の作成が進まない理由といたしましては、国土交通省の方で毎年度実施しております、基本構想策定等予定調査によりますと、まずは事業の実施のための予算が不足しているということで、財源の確保をしないことには基本構想がつくれないという御回答が最も多くございます。

その他といたしましては、担当部署がはっきりしていないので組織としての調整が必要であるとか、あとは作成ノウハウ自体が少し市町村の担当者の方でまだ足りないといった御意見もいただいているというところでございます。

国土交通省としましては、先ほどの説明の中でもございましたけれども、各種の予算ですとか、もしくは交付金制度を普及いたしまして、財源の確保の一助にさせていただきたいというところと、あとは国土交通省の方でバリアフリープロモーターというような形で、職員ですとか、もしくは専門家の派遣ということについてもやってございますので、そういったことを通じまして、作成ノウハウがないという部署に対しまして、ノウハウ提供していきたいと考えてございます。

清原委員 ありがとうございました。

氏田座長 ありがとうございます。

土本委員がお着きになられましたので、土本委員、イエロースタンドのご提案をありがとうございました。おいでになる前に御説明をさせていただいておりますので、イエローカードも含めて後ほど、土本委員からもご発言をよろしくお願いいたします。

ほかに御質問はありますか。国土交通省への御質問がありますか。

門川委員、どうぞ。

門川委員 門川です。

御説明ありがとうございました。福祉タクシーということで説明いただきましたが、一般のタクシーも含めて、特に障害の程度が軽い障害者は、タクシーを利用する人は結構いるかと思います。盲聾者も含めて可能だと思います。現に私自身もタクシーを利用することがありまして、近畿では例えばMKタクシーという会社があるのですが、ここをよく利用しています。なぜかというと、料金が短距離の場合安い、運転手さんが非常に親切である。例えば駅まで行ってもらってそこでおろされるのではなくて、駅に着いてからも目的地まで手引きをしてくださる場合もあったりして、非常に親切であるということで気に入って利用しております。

ただ、問題なのは、いろいろ調べたのですが、例えば私自身がタクシーの配車を申し込みたいなと思ったときに、その方法がないのです。電話でないと呼ぶことができないのです。ファックスもメールもインターネットもだめなのです。私のような盲聾者がタクシーを利用するにはどうしたらいいかということで、これも含めて国交省の方ではどのように認識されているのかなと思っているところです。

タクシーはただどこかまで輸送してくれるだけではなくて、心のバリアフリーということもうたわれているように、目的地までガイドをしてくれたり、ついでに何かのサービスを利用したいといったことのお手伝いもお願いすることだって可能だと思うので、もっと有効にタクシーを活用できるようになると移動がもっと楽になるかなと考えるわけで、タクシーの利用方法ももう少し円滑にするために、流しのタクシーをとめることが難しい場合、どうしたらいいかということです。その辺、どのように認識されているのか、ぜひお聞かせいただければと思います。

以上です。

氏田座長 ありがとうございます。

もうお二方でしたか。新谷委員と川内専門委員、ほかにはないですか。あとの議論の方で少し時間をとりたいと思うので、光増専門委員、森オブザーバー、後藤副座長の順番で短くお願いいたします。すみません。

新谷委員 新谷です。

質問ですけれども、いただいた国交省の資料で、平成32年度までの新たな目標を設定するという、この目標設定が23年度に行われたという御説明がありましたが、23年というのは、制度改革推進会議でいろいろな情報バリアフリーについての議論もあったし、障害者基本法がある程度形が見えた時期だと思うのですけれども、いただいた資料の中で情報バリアフリーに言及した記述はほとんどない。わずかに14ページで聴覚障害者という記述があり、23ページで文字情報という2カ所だけしか言及されていないわけですけれども、国交省として、交通公共施設、交通機関についての情報バリアフリーについてどういう認識をされているのかお聞きしたいと思います。

以上です。

氏田座長 川内専門委員、お願いします。

川内専門委員 東洋大学の川内です。

先ほどの基本構想のお話で10ページにありますけれども、現行の基本構想制度でかなり重要だと思っているのは、民間の建築物の所有者などを基本構想の作成段階に巻き込んできて、官が持っている歩道とかというところと沿道の民間建築物を一体的にバリアフリー化していくというシステムが考えられているわけですけれども、実際には民間建築物というのはほとんど基本構想の中に入れ込まれていない。これは10ページの表の中の下から2番目に、民間建築物のバリアフリー化が進んだというのが3%しかないということからも明らかです。それが1つです。

もう一つは、協議会を設置しているというようなアンケートの中で、継続的に設置しているのは全体の4分の1しかないということです。これらは基本構想をつくった後で、実際に工事を始めるとき、工事を行うときに利用者の目が行き届かないと、結局は基本構想でいろいろ言ってもユーザーのニーズに合ったものはできないという反省から、基本構想をつくった後の工事の計画とか進捗状況の管理というのも重要だということはずっと指摘されているわけで、そのあたりがここの先ほどおっしゃった御報告の中には一言も言及されていないというか、これからどうすべきなのかということは言及されていないわけで、そのことについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

氏田座長 まとめてお答えいただきますので、次は光増専門委員、どうぞ。

光増専門委員 光増です。

今日の資料の8ページ、公共交通事業者などにおける教育訓練の状況で、研修を行っているとき、受講のねらいで障害当事者が講師となり、より深く障害を理解するということが書いてありますけれども、この障害当事者の中に、知的障害や発達障害の方が講師となって参画しているかどうかを伺いたいと思います。

以上です。

氏田座長 ありがとうございました。

森オブザーバー、お願いします。

森オブザーバー 森でございます。

3点ありまして、1つは、6ページにありますバリアフリーの整備目標のところにございますが、まず、感謝しなければいけないと思っているのは、ホームドアの設置の問題でございまして、山手線内はホームドアを設置するという形で大変時間がかかるということでございますけれども、これは積極的に進めていただきたい。過日、読売新聞で財源が大変少なく、また、技術的な問題というのがありましたけれども、ぜひしていただきたいと同時に、物的な環境の整備だけではなくて、人的なことを考えた方がよろしいのではないかなと思っているのです。

そういうことで、例えばホーム転落事故ゼロ作戦とか、そういう新しい支援を打っていただければ、これは何も大きな駅だけの話ではないのでありまして、私も自分の事務所が目白にあるのですが、そこで死亡があったということは大変ショックを受けたのであります。そういう面ではぜひお願いしたいということが第1点です。

第2点は、ありがたいことに、1日の乗客は5,000人から3,000人という形にしてきていただきましたけれども。

氏田座長 森オブザーバー、御発言中恐縮です。もう少し大きな声で御発言をお願いしたいということです。

森オブザーバー すみません。3,000人にしていただいたということは大変結構なことなのですが、こうなってくると、点だけだと思うのです。点と点を結ぶ形で考えていただかないと、いつまでたっても同じことではないだろうかということで、これも人的なことも踏まえながら配慮していただければ、地域格差もなくなってくるのではないかなと思っております。

第3点は、簡単に言いますが、新幹線あるいは特急につきまして、電動車いすの人たちが利用する場合において、大変不都合な思いをしております。私も一緒に乗って仙台に行ってまいりましたけれども、乗る場所が1カ所、あるいはグリーン車のところというだけでありまして、すぐドアのところにありまして、3つのボックスがあると1つつぶしてやっているわけですけれども、ほとんど動きがとれない。しょっちゅうドアが開いたりしている。こういうことは人間の尊厳を大変傷つけるのではないか。一緒に行った人からも私はつくづくお話ししておいてくださいと、これでは人間の扱いではなくて荷物の扱いではないかという怒りも聞いておりますので、その辺も配慮していただきたいと思います。

以上です。ありがとうございました。

氏田座長 ありがとうございました。

では、最後の質問で、後藤副座長、どうぞ。

後藤副座長 後藤でございます。

16ページと22ページのバリアフリー法の5年見直しの委員会です。せっかく御説明いただきましたが、16ページの有識者委員に当事者がいらっしゃるのか。見えないだけでいらっしゃるのかもしれませんが、当事者の関係者から声が届いていたところでは、実況中継で届いていましたが、それが入らないまま進行した。途中で修正が加わって何だかオブザーバーが入ったともお聞きしましたが、一方、22ページで「当事者が主体となった」と見出しがあります。これは今後は最初から当事者が入るようにされるのか、何らかの形で違うので今後も入らないのか。できれば今後は入るという決意表明などを教えていただければと思います。

氏田座長 たくさんの質問を頂戴しておりますが、国土交通省からの回答をお願いいたします。

国土交通省(山口) それでは、回答できるところから回答したいと思いますけれども、まず、門川委員の御指摘でタクシーの話でございますが、なかなか呼び方について一般的にどうするというのは難しゅうございますので、そこはタクシー事業者またはタクシー協会もありますし、我々もいろんな困った声というのはお伝えしていきたいと思いますので、また個別に御相談いただければありがたいと思っております。

新谷委員の情報バリアフリー化についてでございますけれども、確かに情報バリアフリー化については薄いところがあるのかもしれませんが、私どもはいろんなガイドラインの中で多少情報バリアフリーについても盛り込んでいるところ等もありますので、情報について重要でありますので、今後またいろいろ充実等も検討していきたいと思ってございます。

川内専門委員の協議会の話でございますけれども、確かに基本構想をつくるとき、協議会ができて後はもう知らないよというのも結構多うございますので、今後は特定事業の進捗をさせたりとか、中身を見直すことは大変大事でございますので、協議会が存続して議論も活性化するので、いろんな場で働きかけていきたいなと思ってございます。

後藤副座長がおっしゃられました施行状況検討会の委員で実況中継の話がありまして、実況中継の話は我々の方にも別途届いておりますので把握はしてございますけれども、当初、有識者委員ということでやっておりましたけれども、やはり当事者の方が入らないのはけしからんというお叱り等もいただきましたので、第2回目以降は、当事者の方々にもオブザーバーということでありますけれども、参加していただきまして御意見を聞く場を与えてきたというところでございます。

今後につきましては、先ほどの検討結果にございますように、当事者参画のもとでいろいろやっていくということは取り組んでいきたいなということでございますので、当事者の声を聞きながら、いろいろな施策を進めてまいりたいと思っております。

川内専門委員 発言の訂正を求めます。当事者の声を聞く場を与えてきたというのはどういうことですか。訂正をお願いします。

国土交通省(山口) すみません。自分で言ったつもりはないのですが、当事者の声をお聞きしたということでございます。今後も聞いていきたいということでございます。

氏田座長 お願いします。

国土交通省(大熊) それでは、補足というか回答が漏れている部分ですけれども、障害者の交通事業者等への研修に知的、発達障害等の当事者の方が入っているかという点につきまして、今までのところは残念ながら入っていない状況でございました。

国交省としては、知的障害、精神障害、発達障害の当事者の皆さんにも、事業者からの配慮がなされるようにパンフレットを作成したりとかということはしておりますけれども、今後、研修の中にもそういった障害の皆さんも入っていただいて、直接事業者あるいは現場の方とやりとりができるような形で指導してまいりたいと考えております。

森オブザーバーからありました、ホームドアの関係で物的な対応だけではなくて人的な対応もということでございますが、これまでガイドライン等々では、どちらかというと技術的な問題、ハードの問題を主に書き込んでございますけれども、全体的な対応をする中で、人的なものと物的なものと両方、車輪両輪ということで考えておりますので、ガイドラインは直接ですと技術基準等を書くような形になっておりますけれども、そういう中にも人的な対応も含めて、バランスをとりながら対応していくべきということを書き込むように努力いたしておりますし、実際の対応につきましても、いろんな機会を捉えて、そういった考え方の普及を図っていきたいと考えております。

新幹線や特急車両の電動車いすの問題ですけれども、これもたくさん意見が出されていることは承知しておりますし、なかなか改善が進んでいないということも承知してございます。これにつきましては、事業者の方からは、車いすから車両に備え付けの座席の方に移るという希望者の方が多いので、なかなかいすを全面的に撤去するような形には至らないというような意見も聞いております。その辺のところも状況をもう少しきちんと踏まえて、当事者の方の利用の状況あるいは御希望と事業者の方でそういった利用状況を把握している面と、双方の意見を聞きながら、国交省としても今後、先ほど申し上げたような不接遇な対応が改善されるように進めていきたいと考えております。

国土交通省(杉浦) 森委員から2つ目にいただきました御質問についてとなりますが、5,000人から3,000人に整理目標を下げても、点としての整理しか進まないという御指摘、まさにそのとおりだと思ってございまして、面的な整備の広がりを進めるためには基本構想を広めていくということが非常に大事だと思っております。

特に駅が整備されたところから、さらに市街地にどのように広げていくべきかというもこと含めて、国交省でも、これから整備促進の方策を検討していきたいと考えているところでございます。

氏田座長 よろしいでしょうか。ありがとうございました。

時間をちょっと過ぎておりますで、ここから議論に入っていきたいと思いますが、議論に入ります前に、土本委員が御到着になりましたので、わかりやすく、ゆっくりと発言するよう心がけますが、イエロースタンドのご提案について、補足がございましたらご発言をいただけると有難いです。よろしくお願いいたします。

土本委員 土本です。

今回からイエローカードのスタンドという形で置かせていただいて、ありがとうございます。私たちは知的障害のことをもっともっと理解してもらわないとならないし、政策委員会というのはどういう立場でやっているのかということで、だんだん白熱になるとわかりにくい言葉で話してしまってどんどんおくれていくのは知的障害の人たちだということも含めてですけれども、いちいち進行をとめるイエローカードを出すよりかは、こういうカード、スタンドを見たら、こういうところで難しいのだろうなという意識を少しでも持っていただければいいかなと思いす。

以上です。

東室長 担当室の東です。

この件につきましては、従前から推進会議等でもいろいろ試みをやってきたわけですけれども、やはりついつい人間はのど元過ぎればということで忘れてしまうと思うのです。土本委員は毎回イエローカードを出すのは心苦しいと思われているわけです。しかしながら、あえて担当室としては、最低何回かは挙げていただく方がいいのではないかなと、私としてはそういうふうに思っております。

このことは決して知的障害のある方だけのお話ではなくて、やはりわかったような感じで過ごしてしまうということ、全体の問題だと思っております。よろしくお願いします。

氏田座長 ありがとうございます。ということで、全員のお手元にイエローカードがあってもいいのかもしれないのですが、新しい試みにもご配慮をいただきながら、これから議論に入りたいと思います。皆様に事前に提出いただいている御意見があります。資料2になります。

後藤副座長の方でポイントを少しまとめていただいておりますので、よろしくお願いいたします。

後藤副座長 後藤でございます。

資料は25~42ページ、大部ですので、御議論いただきます際に、全体像がどうなっているか先に整理させていただく趣旨です。

第21条は4項から成ります。大略ですが、第1項は、国または自治体が持つ施設のバリアフリー化。第2項は、事業者が持つ施設のバリアフリー化。第3項は、国と自治体は、自身や事業者が持つ施設のバリアフリー化を応援する施策をやること。第4項は補助犬です。補助犬に関しては、御意見はありませんでした。

大きく5点にまとまろうかと思います。

1点目は第1項、公共施設です。学校も含めてはどうか、専門の職員を確保してはどうか。維持管理を予算に含める。新設のときは対応する費用を含められますが後からできない、予算の制度を対応できるようにしてはどうか。

2点目は第2項、事業者の施設です。事業者には自分の施設のどの範囲が対象になるかわかりにくいので、どれが対象になるか基本計画で示してはどうか。事業者の責務ももっとはっきり示してはどうか。国・自治体が先行して、今回事業者が加わりますので、そこを書いてはどうか。ユニバーサルデザインの最低基準、どこまでやったらユニバーサルデザインなのか基準を明らかにしてはどうか。これが第2項の2つ目の論点です。

3点目は、国、自治体、事業者が持つ施設のバリアフリー化に共通することですが、例えばバリアフリー法で駅の乗降数の下限の3,000人を2,000人にするかといった方向だけでなく、住む・学ぶ・働く場は結構こじんまりしていて、身近でそれほどの規模でないところもあるので、きめ細かく設定することが大事ではないか。ハードのバリアを除くだけではわかりにくい、表にルビを振るとか、わかるというバリアの除き方も大事ではないか。具体的な提案も多くありまして、位置情報のインフラ、補聴の援助、聞こえやすく補うシステム。ソフトだけでなくハードや人的な支援も。やる場合は障害者からヒアリングもするようにとの指摘も出ています。

4点目は第3項、国と自治体が施策をやるときについてです。ユニバーサルデザインと合理的配慮の関係で、ユニバーサルデザインでやるべきナショナルミニマム、最低限確保すべきことを設定し、全地域でそれを上回るようにする。財源を理由に対応できない地域がいつまでも残る。目標水準を基本計画に書くか、監視機能をバリアフリー法に入れるなどして、監視機能がちゃんと働くようにする。評価体制に当事者を入れることが大事。

5番目は第21条全体についてです。移動やアクセスを権利として位置づけてはどうか。移動権を権利として改めて考える。合理的配慮の範囲を示す。これは先に出たUDをどこまでやるかというのと対になります。先進事例を集めて、国内外に公表する。あるいは国交省から説明のあったスパイラルアップ、持続的に進める。一気に実現できないので諦めるというのでなく、徐々に進めることを織り込んでつくってはどうかとの意見です。

以上です。

氏田座長 後藤副座長、ありがとうございます。

残りこの論点に関して、11時半までを予定していますので、今、御説明いただいた5つの論点があるのですけれども、まず、第1項と第2項にかかわる部分について御意見をいただき、その後、第3項、第4項、最後に全体にかかわる第5項ということで、そのようにうまくいくどうかわからないのですが、少し整理しながら進めさせていただければと思いますので、御意見よろしくお願いいたします。

では、第1項、第2項ということで、国・自治体が保有する公共施設のバリアフリー化ということと、事業所を設置する公共施設のバリアフリー化というところで複数の委員から意見を頂戴しておりますので、専門委員の方も含めて活発な御意見を頂戴できればありがたいです。よろしくお願いします。

川内専門委員、お願いします。

川内専門委員 東洋大の川内です。

私の意見は28ページに載せていただいていますけれども、先ほどの国交省の御報告にもありましたけれども、特別特定建築物と特定建築物という2つのカテゴリーが今ありまして、障害のある方が住んで、学んで、働くということについては、住宅、学校、事務所、工場が生活の基盤としてどうしてもバリアフリー化されなければならないと私は考えるわけですけれども、現行の法の形の中では、これらは整備するように努めてくださいと言っているだけで、整備しなければならないとは言っていません。規模が大きいもの、2,000平方メートル以上でも、整備の義務は課されていない。これでは障害のある方々の生活は基本的に立ち行かないということを法の中で全然想定されていないということを1つ申し上げたいと思います。

今、後藤さんがまとめてくださったように、利用の実質というのが全く担保されていない。ハードはつくるのだけれども、先ほどの国交省の報告にもありましたが、利用の拒否というのは幾らでも起こっているわけです。これをやらずして何のためのハードづくりかというところもあると思います。

先ほどの後藤さんのまとめにもありましたが、小規模な建物について、全てを義務化するとか、全てを改造しろとかということではないと思いますけれども、小規模なりの対応方法というものは考えていかなくては、生活の身近なところで移動に困難のある方々はどうしても生活の範囲が小さくなっていくので、身の回りの小さな施設をどうするかということもかなり重要な問題として見えていると思います。

以上です。

氏田座長 ありがとうございます。

新谷さん、お願いします。

新谷委員 新谷です。

先ほど情報バリアフリーのことでちょっとお伺いしたときに、ガイドラインには織り込んでいるというお話があったので、それに関連してのお話になります。整理いただいた論点1~5にどういうふうに切り分けられるのか自信がないのですが、資料の方にも書きましたが、私たちの立場としては、公共施設、公共機関、個人の住宅まで含めて、全ての音声情報が文字化されるというのは基本的な要望としてあるわけですけれども、それでどういう基準で音声情報を文字情報化しないといけないのかという軸を考えたときに、1つは、不特定多数から少数特定というような縦軸で考える見方があると思うのです。それで不特定多数が集まるところでの音声情報の文字化の基準というのは非常に強い。そういうところはきちっと準備しないといけない。それが特定少数になると、だんだん準備の度合いというのは形状を変えて、少し緩やかになるのかなと思うのです。

もう一つの軸は、その情報の緊急度と事前準備ができるかという軸で考えたときに、事前準備できる文字情報というのはかなり準備があるわけですから、それは必要十分な形の情報提供が要る。だけれども、緊急度が高い、例えば火災が起こったときに、建物から逃げないといけないとの音声情報の文字化というのは、非常に緊急度が高いので、かなりの程度の粗さがあってもいい。

そういうことで考えますと、いろいろな媒体が進んでおりますので、手書きから液晶、LEDプロジェクター、いろいろな媒体がありますので、そういうものをうまく組み合わせる施策を考えていただくのは、1つは国土交通省の皆さん、それから私たち当事者だと考えております。特にこの場合に時間軸で考えたときに重視しないといけないのは、音声認識のソフトで、かなりな速度で開発されています。携帯、スマートフォンなどというのはかなりの程度で音声認識ソフトが利用できるわけですが、この音声認識ソフトについは厚生労働省の科研費の事業としてあったわけですけれども、省庁間のバリアを取り除いて、音声ソフト開発をもう少し政府として投入してやれば、今、言語翻訳までできる時代なので、それほどバリアの高いソフト開発ではないと思います。ここに予算をつけて、それを進めていただければ、例えば電車の中で事故が起こったと、車掌さんがずっと音声で流しているわけです。それがLEDの表示の中に全部文字化して出るぐらいのことはそんなにハードルが高い問題ではないと思いますので、この辺の施策を検討いただきたいのが1点目です。

もう1点は、時間がなくなりましたけれども、補聴援助システムというのは皆さん非常に認識が薄いかと思うのですが、聞こえない者にとっては補聴援助システムでサポートをいただくと、高度難聴が軽度難聴ぐらいの状態に改善ができます。そういうことで、会議設備の中でマイク、照明装置があるような会議室であれば、拡声装置にちょっとした装置を加えて磁気ループを備えることは大したコストはかかりませ。建物設置時点から投資すれば、50万、100万単位の金額なので、ぜひそれはガイドラインに加えていただきたいと思います。

以上です。

氏田座長 室長から一言。

東室長 ただいまの新谷委員の御意見は、意見としてはごもっともなのですが、今、話しているのは公共的施設及び公共交通機関等のバリアフリー化ということを念頭に置いて議論しているわけですね。情報バリアフリーに関しては次回議論するということなので、今の新谷委員の意見は、あくまでも公共施設及び交通機関のバリアフリー化と関連づけての御議論なのでしょうか。そこの割り振りみたいなものをはっきりさせていただければと思います。

新谷委員 今回の議論の範囲は公共施設、公共機関ですね。公共施設、公共機関における文字表示の問題を今提起したのです。純粋な、例えばテレビの字幕とか、そういう情報の問題を今言っているのではなくて、交通機関とか施設でいろんな音声情報がありますね。それを文字化しないと、私たちの場合は施設の十分な利用はできないわけです。その問題を今提起させていただいたのです。

氏田座長 了解です。確認させていただきました。

御意見いただいているのが、多分第1項、第2項にも共通するところまで御意見を頂戴していますので、どうぞそのままで結構ですので、清原委員、ほかにはいらっしゃいますでしょうか。高橋専門委員に続きます。お願いいたします。

清原委員 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。

3点意見を申し上げます。

1点目、学校施設について、複数の方が重要性を指摘されました。インクルーシブ教育が進むということもありますし、災害時には学校施設というのは避難所ともなりますし、地域の拠点ともなります。したがいまして、やはり学校施設については重視していくということは重要だと考えます。また、三鷹市では、コミュニティスクールを基盤とする小中一貫教育をしておりまして、学校施設のバリアフリー化というのは極めて重要と考えて進めております。

2点目、時間軸を置いて考えていく必要があると思います。基本的には、公共施設も事業所の施設も、新設のときはバリアフリー化するチャンスでございますし、国土交通省もそのような基準、方針で指導をされていますし、自治体でも心がけています。

次のチャンスは、改修とか維持管理の場合です。やはり耐震改修でありますとかは大変重要なバリアフリー化の契機でございますので、エレベータの敷設、エスカレーターの設置あるいは先ほど話題になりました磁気ループ等も含めて、必ずしも新設のときの基準だけではなくて、改修時の基準や方向性の提示というのは意義があるのではないと思っています。

3点目です。自治体の取り組みでは、バリアフリー基本構想をつくるだけではなくて、例えばまちづくり条例を定めたり、さらには地域防災計画をつくったり、また、維持管理の計画をつくったり、地域公共交通活性化協議会については、法定設置となっています。この地域公共交通活性化協議会では、三鷹市の場合は、障害者団体の代表の方、あるいは高齢者団体の代表の方と一般市民代表と交通機関代表が自由闊達に議論していただいています。

したがいまして、提案でございますが、バリアフリーの問題を議論するときのバリアフリー基本構想や、それに基づく関連施策だけではなくて、ほかの例えば法定の地域公共交通活性化協議会でもバリアフリーの観点を積極的に導入することや、都市づくり、まちづくりの計画にもこのような視点をしっかりと入れていくということで、計画の実行性の担保が図られるのではないかと思います。計画への提案のときに、そうした他の計画との関連性についても提案していただければと思います。

以上です。

氏田座長 高橋専門委員、お願いします。

高橋紘士専門委員 先ほどの新谷委員の御発言と関係して一言発言をさせていただきたいと思います。要するに、公共建築物というのをどうも点と点でしか捉えていないという印象が非常に強いのです。問題は、人間は行動するわけですから、ある目的のところに到達するためにどういう情報。要するにバリアフリーではなくて、ここにバリアがあるぞという情報提供も非常に空間では必要なわけです。

ところが、残念ながら日本の駅前のサインプランニングは、非常に拙劣だと日ごろ思っているのです。それは多分、当事者の方々は強く感じているかと思いますが、まず初めて行った人間についてわからないようにできているということは、我々も全く同じでございまして、そこら辺に関してはきちんとガイドラインをつくるべきです。音声誘導も含めた、要するにこういう行動を決めた人がどこに行ったらいいのかということに関するガイドの意思が、多分例外的には安藤忠雄が基礎設計した新宿の副都心の駅は、まさに迷わせないという意思が非常に完徹した空間だと思っているのですが、それ以外はほとんど。そういうことで、情報と建築物をつなぐ技術というのをぜひ次のステップで。要するにバリアがあるぞということも情報なのですから、そういうことをきちんと伝える技術をぜひ開発していただきたいと思っています。

氏田座長 ありがとうございます。

では、秋山専門委員、河村専門委員、お願いいたします。

秋山専門委員 1つだけ、三鷹市長さんがおっしゃった地域公共交通会議にバリアフリーの視点を入れるということにアドバイスをさせていただきたいと思います。

多摩地域の運営協議会というのがあるのですが、そこは障害者の送迎をやるNPO法人を認める会議なのですが、即刻三鷹市はそこから脱退して、独自に地域公共交通会議の中に運営協議会をつくることによって、バリアフリーの視点が入るのです。そこに入らないと意味を持ちませんので、ぜひ即やってくださいということが私の御提案です。

バリアフリーの観点が我が国は、特に移送サービス系は余りいい方向に行っていないのです。やはり福祉と一般の交通は一緒になって議論すべきですので、ぜひそれを早急に進めていただきたいというのが私の提案です。

そして同時に、福祉に対する条例化をして、STサービス法、スペシャルトランスポート法に近い条例化をして、障害者の輸送をやることを自治体にはお勧めします。まず三鷹からやってくださいということです。

氏田座長 お待ちください。イエローカードが出ました。スペシャルトランスポート法のことです。

秋山専門委員 スペシャルトランスポートは、障害者、高齢者を特別に輸送する交通システムのことです。アメリカでは、パラトランジットと言って、駅から1.2km離れたところで移動困難な人を送迎するシステムが完璧にADAパラトランジット、アメリカン・ウィズ・ディスアビリティズ・アクト、具体的には障害を持つアメリカ国民法の中で規定されている。それを20年以上前から実践しているのです。実質は40年ぐらい前からやっているわけですけれども、そういうことが日本の中で1つも実践されていないのです。そこが今、バリアフリーが片方の輪とすると、もう片方の車輪。つまり、アクセスとモビリティ、移動そのものと単に段差を解消するというものの両輪がなければ障害者が移動できない。その片輪が欠けているのです。その片輪を強化してほしいということです。欠けてはいないのですが、極めて貧弱で貧しいのです。

氏田座長 ありがとうございました。

清原委員、どうぞ。

清原委員 ただいまの御提案に反応させていただきます。

三鷹市の場合は、地域公共交通活性化協議会の会長は市長が務めておりまして、会の司会も市長が進めさせていただいております。その中にハンディキャブというNPO法人で障害のある方、高齢の方を移送してくださる団体にもお入りいただいているとともに、そうした皆様の御提案を受けて、コミュニティバスを今年の3月から新設するとともに、ただ今コミュニティタクシーについて、タクシー業界と検討を進めております。

まだまだ先生が御提案のような水準に直ちに行くとは思いませんけれども、ぜひ地域公共交通を考えるときには、障害者のお立場の人が移動に容易になるようにという観点を入れて議論しておりますので、御期待にすぐ沿えないとは思いますが、理念として共有させていただき、具体化をぜひ図っていきたいと思います。ほかの自治体にもそのような取り組みを御一緒に進めるようにと、市境を越えて共同でコミュニティタクシーについては検討を始めようとしておりますので、市民の皆様のお立場に立った取り組みをと思っています。御提言、ありがとうございます。

以上です。

氏田座長 河村専門委員、お願いします。

河村専門委員 この議論のどこにはまるかがなかなか見つけにくいのですが、例えば5ページのところに、航空機のバリアフリー化の率が例えば81.4%と書いてあるわけですが、これは実際の運用マニュアルと両方含めたときに、本当に81.4%の満足度で使えているのかということが私には疑問に思われます。

具体的には、1つぜひ検証していただきたいのですが、南アフリカから全盲の方に日本で講演をお願いして、香港で日本航空の航空機に乗り換えるというときに、全盲の方が香港までは来ているのですが、そこで日本航空から搭乗を拒否されました。そして、私に救援を求めてきたので、大変遺憾なことなので随分強い交渉をしたのですが、最終的に、本人に過失は全くないわけですが、事前の通知がなかったというマニュアルに則して拒絶するという結論でした。これは人道的に考えても全く受け入れがたいことですし、その後、全く別の航空会社がかわりに運んでくれたということで事なきを得たということになっております。これはそういう運用マニュアルも含めて、ちゃんとそういう何のためのバリアフリー化なのかということがきちんと行われているのかどうか、マニュアルのチェックもしていただきたいと思います。その上で、この達成率、整備率というものがあるべきだと思います。

もう一つ、この会議の進め方でイエローカードに関連するのですが、交通バリアフリーのところでも心のバリアフリー化というところで、例えば助けてカードというものに触れております。助けてカードというのは、簡潔な文章とともに、わかりやすくするための絵を添えて、そして、言葉だけではわかりにくいときに、こういう権利があるということを本人に伝えようというものですので、例えばこの委員会でも、言葉だけではわかりにくいときには、それをわかりやすくするための絵を添えるということも工夫の中に入れるべきですが、同時に、絵に頼ると、視覚障害の委員にはそれではわからないので、言葉、そしてそれをわかりやすくするための絵という組み合わせが大事かと思います。

氏田座長 ありがとうございます。

河村専門委員、今の南アフリカの方、香港での事件はいつごろのことでいらっしゃいますか。

河村専門委員 たしか2009年だったと思います。

氏田座長 ありがとうございます。

高橋専門委員、お願いします。

高橋儀平専門委員 東洋大学の高橋です。

一部先ほどの清原委員のお話とかぶるのですけれども、私も前回の第1回の会議で申し上げましたけれども、障害者基本計画を具体化していくときに、他の計画とか条例ですとか、そういったものの実行方策というのは、地方公共団体はなかなかとれないのです。今回は国の基本計画という形ですけれども、それを地方公共団体に促すような、特にバリアフリー化の問題は、先ほど学校のお話も出ましたけれども、学校の教育の領域だけでは扱えないのです。そういったような横のつなぎ方をするような基本計画をどこかに置いておいていただきたいと思います。

もう一つは、小規模のバリアフリー化の御提案が幾つか出ております。これにつきまして私の意見の中にも書きましたけれども、1つは、先ほども申し上げました地方公共団体が策定できる委任条例というのがあります。これはバリアフリー法で、小規模な単位だとか用途ですとか、そういったものが縮小するような国の委任に基づいてバリアフリー条例ができるわけですけれども、それを速やかに各地方公共団体が実施できるような促進方策は非常に重要。これは計画の中に書き込めるかどうかはわかりませんけれども、そこを促すような手立てをぜひ講じていただきたい。

そうしますと、重点整備地区ですとか、大きな面的な整備のときに、広範囲に変わっていくかと思います。

すみません。イエローカードが出ました。

氏田座長 聞こえないそうです。

高橋儀平専門委員 聞こえませんか。

新谷委員 要約筆記者が声が小さくて書き取れないみたいなので、もう少し大きな声でしゃべっていただけませんか。

高橋儀平専門委員 失礼いたしました。

今のスピードで大丈夫でしょうか。委任条例のところ。

氏田座長 もう一度よろしいですか。申しわけございません。

高橋儀平専門委員 分かりました。特に2つ目の点になるかと。地方公共団体が独自に定められる委任条例というのがあります。先ほどの2,000平方メートル以上というのは国の法律に決まっておりますけれども、それ以外の面積を小さくしたり、用途を特定化したり新たに追加することができます。これはとても大きな法律だと私の領域からは考えています。

なぜならば、バリアフリー基本構想をやるときに、生活関連施設という特別重点整備地区で整備すべき建築物がありますが、この生活関連施設は規模に関係なく整備することができるのです。対象に取り扱うことができます。それを拘束するのが地方公共団体のバリアフリー条例になってくると思っています。これは法的に明示されているものではありませんけれども、ぜひこの機会に国のバリアフリー法を補完するようなバリアフリー化を推進する地方の条例を進めていただきたいと思っています。

もう1点は、学校と同じようなことなのですけれども、防災との関係です。これも他の委員会で検討されているところですけれども、さまざまな公共的な建築物あるいは都市施設、公共交通機関が防災との絡みでバリアフリー化されていく必要がありますので、これについても、できる限り計画の最終段階で整合性がとれるような働きかけを行っていただきたい。以上でございます。

氏田座長 ありがとうございます。聞こえますか。大丈夫ですか。

大体第1項目、2項目、1~2項目に重なるところで、質問ではありませんでしたが、

国交省さんの方で何かコメントはありますか。

国土交通省(粟津) 国土交通省の建築指導課の粟津と申します。よろしくお願いします。

川内専門委員、清原委員、そして高橋専門委員からいただきました建築物の関係について御回答させていただきたいと思います。

まず、大きく川内専門委員から御指摘いただきましたのは、特別特定建築物、こちらについては政令で2,000平米以上の不特定多数あるいは主として高齢者、障害者の方が利用する百貨店や飲食店、税務署等の官公署等にはバリアフリー基準への適合義務がかかっております。一方、共同住宅、事務所、学校、学校も一部特別支援学校には義務がかかっているのですけれども、それ以外については多数の人が利用する特定建築物ということで努力義務という形でとどまっているということでございます。

ただし、高橋専門委員の方からお話しいただきましたとおり、バリアフリー法の中では、地方公共団体の方で条例において、例えば小規模という意味では2,000平米以上という政令の規定がございますけれども、これを引き下げることができます。

さらには特別特定建築物の対象を追加することも可能になっています。御指摘のあった特別支援学校以外の学校ですとか、事務所、工場、共同住宅、これらについても義務の対象に追加することが条例の上でできるという形になっております。

こういった守るべきバリアフリーの義務基準というのもございますけれども、こういった基準を強化する措置も同じ条例の中ですることが可能になっているところでございます。

そして、せっかくなので実績の方もこちらでお答えさせていただきたいと思います。例えば今、手元にあるのが23年6月末時点なのですけれども、こういった地方公共団体による義務条例、全国で19都府県・市区の方で策定されております。その中でも、例えば特別支援学校以外の学校、こちらは19のうち18の方で適合義務の対象に追加されております。事務所につきましては、19のうち4が義務の対象に追加されており、さらに工場、こちらはこれらに比べて少なくなっておりますけれども、19のうち2という形になっております。共同住宅は19のうち12となっております。

また、身近な施設で床面積の小さいものということで、こちらも代表的なものを調べましたが、例えば飲食店、2,000平米以下の飲食店、こういったものも適合義務対象になってくるものとしては、条例によっては面積の下限値が変わってくるものの、先ほどの19のうち14の条例で面積を下げているところでございます。

さらに郵便局については、これも19のうち14の条例で床面積を引き下げているところでございます。

清原委員の方から既存のものの改修が非常に難しくなっているのではないかという御指摘がございました。これは今ある建築物の形を尊重しながらこのバリアフリー化に取り組むというのは御指摘のとおり、非常に難しいところではございます。その中でも、実は我々、例えば設計者ですとか建築主の皆様、こういったふうに設計していくのがいいのではないかというのを実は法律、政令以外にも建築設計標準という形でガイドラインを策定させていただいております。

実はこのガイドラインも、バリアフリー法、いわゆる新法と言われているものが平成18年から施行され、この時点でそういったガイドラインをつくりましたけれども、それ以来5年程たっているものですから、それを今回、平成24年7月に改訂いたしました。新たな設計標準ということで、この5年間で蓄積された様々な技術的な解決方法ですとか、例えば既存の場合もどういった対応をするのがいいのかとか、一定の解を今の段階で考えられるものを一応お示しさせていただいたところでございます。我々としましては、先ほど申し上げました条例の情報提供にもっと力を入れていくとともに、さらには建築設計標準の周知も頑張って図ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

以上でございます。

氏田座長 川内専門委員、どうぞ。

川内専門委員 御説明ありがとうございました。では、お伺いしますけれども、全国で19、そういう条例をつくられていて、例えば学校だったら18がそれについて定めているとおっしゃいましたけれども、全国の自治体の中で、18というのがそんなに評価すべき数字なのか。教育というのは国として国民に保障すべきものですが、今のおっしゃり方だと、教育現場のバリアフリーは地方自治体がやりたければやるし、やりたくなければやらなくてもいい、つまり、国は保障しませんよということをおっしゃっているわけです。

勤労というのは国民の義務だと私は社会科で習いましたけれども、働こうと思っても働く場が提供できるかどうかというのは、国は知りませんよ、自治体の気分次第ですよと、そういうことを今おっしゃっているわけです。そういう理解でよろしいですか。

国土交通省(粟津) 1点目の評価すべき数字かどうかというところにつきましては、我々としても少ないと思っております。なので、これを何とか増やそうと思っておりまして、先ほど当方からも御説明がありましたバリアフリー施行状況検討会、こういったところでも委員の皆様からもっと普及すべしということをいただいておりますので、こちらについてはさらなる情報提供を図るべく、今、全国19ではございますけれども、こういったものの情報提供をできるような形に取りまとめまして、何とかこの年度内には早々に情報提供を図ってまいりたいと考えております。

2点目でございます。今は国の方では特別特定建築物の方の義務ということであれば、不特定多数の者あるいは主として高齢者、障害者の方が主に利用される施設ということで義務をかけているということでございます。例えば面積ですとか、小学校一律というところでは、我々の方でもそれを義務づける必要性についての検討がなかなか進んでおりませんで、そこについてはもう少し条例での策定状況、今、19分の18ということでかなり高くなっているところではございますけれども、またこういった条例を策定している自治体の皆さんですとか、そのほかの策定していないところも含めまして、広く御意見をお伺いしていきたいと考えております。

川内専門委員 川内です。

私の質問は、障害のある子どもの教育については、国が保障するのではなくて、地方自治体が好きなようにしてくださいとお考えなのかということを聞いたわけです。それについて答えてください。

国土交通省(粟津) 繰り返しになりますけれども、国の方では特別支援学校につきましては、義務の対象に加えてございます。

川内専門委員 インクルーシブ教育というのをどういうふうにお考えですか。特別支援学校だけ整備すれば、障害のある方はほかの学校では勉強しなくてもいいとお考えですか。

東室長 すみません。議論がかみ合っていないように思いますので、少し別の方面から。19ページになりますけれども、震災を踏まえてバリアフリー化するということは国の喫緊の課題と書いてあります。こういう状況を踏まえて、特に学校が避難所になる、そういう点から言うと、川内専門委員がおっしゃるように、教育の面というだけではなくて、そういう防災の面からも、学校におけるバリアフリー化は非常に重要な問題だと認識されておられるのでしょうけれども、その点、その問題意識を踏まえて、特別特定建築物の中に一般の学校を入れるような方向性の議論はあるのかどうか、そこら辺を答えていただければ、川内専門委員の疑問にも答えられるのではなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。

国土交通省(粟津) ありがとうございます。そういう面では、まだ私どもでもその検討が進んでいないのが事実でございます。なので、今日御意見をいただきましたので、当方でも検討させていただきたいと思います。申しわけございません。

氏田座長 ありがとうございます。すみません、時間がなくなってきていますので、

簡単にお願いします。

秋山専門委員 先ほど高橋専門委員や清原委員がおっしゃった他の法律との関係の中でより具体的に申し上げたいと思いますが、今回の交通バリアフリー法の基本構想に基づく特定経路に決めた沿道の建物はもう少し強化をしましょうとか、土地利用計画の中に商業地域とか近隣商業地域とあるのですが、そういった商業地域で建てるものはもっと面積基準を下げるとか、そういうことをやってほしい。

3つ目は、中心市街地活性法で、中心地が今かなり崩壊の途上にあるのですが、それは別として、中心市街地活性法で与えられた区域の中は、少なくともバリアフリーの水準を強化するとか、他の法律との連動をより明確にしなければならないということと、他の法律の中に入れられれば、先ほど後藤副座長がおっしゃっていたユニバーサルデザインの基準化などもここでやらなくて済むことになる。例えば道路の透水性舗装とか段差切り下げを道路構造令に入れてしまえば、バリアフリーのところであえて議論する必要がなくなる。つまり、ユニバーサル化というのは、既存の現在ある法律制度の中に私たちの障害者が利用できる整備をさせることを最大限やって、できるだけ本体をバリアフリー法などを軽くするというのが本来やるべきことなのです。バリアフリー法を細かくさまざまなことをやりすぎるということはよくないことであって、できるだけ本体の方に入れ込むという作業がとても大事で、そのあたりの見通しをつけるというのがこの委員会ではとても重要だと思います。

以上です。

氏田座長 ありがとうございました。

時間が迫っておりますが、21条各項に共通して、どうしても御意見を今ということがございましたら、挙手をお願いいたします。

川内専門委員、どうぞ。

川内専門委員 川内です。

先ほどうまくまとめていただいたというか、学校の避難所のことについてもあるのだからとおっしゃいましたが、それはそれでもちろん私はまとめていただいてありがたいと思いますが、私が申し上げたいのは、住み、学び、働く場、障害のある方の生活をトータルに担保する方向に現行の法律がなっていないということを申し上げたいわけです。そのことも心に銘じてお考えいただきたいと思います。

以上です。

氏田座長 ありがとうございました。大変重要な論点の議論で、もっともっと時間がなければと思いますが、この後のヒアリングにそろそろ入らせていただければと思います。よろしいでしょうか。

では、次の議題になります。議事3になります。国土交通省の皆様におかれましては、ここで御退席いただいて大丈夫です。お忙しい中ありがとうございました。

第3の情報のバリアフリー化に関連するヒアリングということで、次回の小委員会の論点になりますが、国立国会図書館の取り組みについての御報告をお願いしております。

本日、国立国会図書館より佐藤副部長様はじめお二方においでいただいておりますので、

どうぞよろしくお願いいたします。

最初に、15分か20分くらいで御説明をいただいて、あと委員の皆様からの御質問をお受けいただければと思います。よろしくお願いいたします。

佐藤副部長 国立国会図書館の佐藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

本日は、43ページ以降の資料3に基づきまして、当館の視覚障害者等へのサービスについて説明させていただきます。

スライドをたくさん用意してしまいましたけれども、時間が限られておりますので、適宜中身を端折って説明させていただきます。

スライド2のところに目次を掲げております。本日、大きく3点お話をしようと考えております。

1点目として、当館における視覚障害者等へのサービスについて御説明いたします。

次に、当館の電子情報サービスに関連して、先般、大きな動きがございましたので、2点目としまして、当館所蔵資料のデジタル化と図書館送信サービスについて。

3点目として、インターネット資料やオンライン資料の収集について、それぞれ概要を御説明し、視覚障害者の方へのサービスとの関係についてお話しいたします。

スライド3に移ります。最初に国立国会図書館における視覚障害者等へのサービスの状況について御説明いたします。

当館では、平成23年7月に、視覚障害者等サービス実施計画を策定し、これに沿ってサービスを計画的に実施しております。このスライドでは、この実施計画の策定経緯、背景を紹介しております。

平成21年に著作権法が改正されまして、視覚障害者等へのサービスを行う場合、権利者の許諾を得ずに著作物等を複製、提供できる範囲が拡大されました。この著作権法改正に際しまして、衆参両院で附帯決議が行われまして、とりわけ参議院の文教科学委員会では国立国会図書館において電子化された資料について、読書に困難のある視覚障害者等への情報を含め、有効な活用を図ることとされております。

図書館界におきましては、日本図書館協会等によりまして、「図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく複写物の複製等に関するガイドライン」というものが平成22年に策定されております。著作権法第37条3項というのが改正された条項です。当館におきましても、これらの動きを受けて、障害者等へのサービスの計画を示すこととしたものです。

スライド4に移ります。ここでは、先ほど申しました図書館界が定めたガイドラインと当館の実施計画との関係について御説明しております。このガイドラインでは、<1>対象図書館、<2>利用対象者、<3>複製等の種類、<4>市販資料の関係等について定めております。当館の実施計画の策定に当たりましては、このガイドラインを骨格としております。

スライド5に移ります。当館の実施計画の概要です。サービス対象はガイドラインに準拠しまして、視覚障害者のほか、学習障害の方など、視覚による表現の認識が難しい、目で見る著作物をそのままの方式で利用することが難しい方であって、他の図書館や当館でガイドラインに基づいて利用者登録を行った方を対象としております。

スライド6にいきます。実施計画に基づくサービスとしまして、まず、従来から当館が行ってきたサービスについて御紹介します。

館内サービスにつきましては、当館は点字資料、大活字資料等の閲覧サービスを行っております。東京本館と関西館では、音声読書機「よむべえ」や拡大読書機を設置しており、対面朗読用の部屋も用意しております。

また、学術文献録音図書を利用者の御依頼に応じてDAISY資料形式で作製しており、過去には録音テープをつくっておりましたが、これとあわせて図書館を通じて貸出しを行っております。

そのほか「点字図書・録音図書全国総合目録」のデータベースの運営や、障害者サービスに携わる担当職員向けの研修なども実施しております。

スライド7に移ります。続きまして、新たに開始したサービスを御紹介いたします。昨年10月に当館のホームページに障害者向けのポータルページを新設いたしました。また、同時期に、当館で製作した学術文献録音DAISY資料について「サピエ図書館」様経由で配信を開始いたしました。

今年1月に入りまして、全面的なシステム、サービスのリニューアルを当館で行ったのですが、その一環として、国立国会図書館サーチというサービスを始めました。ここでは当館の所蔵目録NDL-OPACと点字図書・録音図書全国総合目録、「サピエ図書館」の資料の統合検索を実現しております。

また、今年1月のリニューアルにおいては、視覚障害者用の点字ディスプレイや読み上げソフトなどを備えつけた専用端末を設置し、そこでさまざまな視覚障害者用コンテンツの提供を開始しております。

スライド8に移ります。次に、実施計画で掲げました、これから目指すサービスについて御紹介いたします。

まず、当館が作成した学術文献録音DAISY資料、これは先ほども申しましたが「サピエ図書館」様を経由して提供しておりますけれども、現在、システム開発を行っておりますので、来年度からは当館から直接配信を行う予定です。

また、来年度から、他の図書館等の施設が作成する録音図書や点字図書のデジタルデータを収集、保存しまして、これも提供することを計画しております。

最後に、テキスト資料の作成、配信ということも目指しております。国立国会図書館がデジタル化した資料は、現在のところ、画像データがほとんどなのですけれども、これをテキスト化しまして、視覚障害者の方に送信し、読み上げソフト等を使って御利用いただくことを想定しております。これについては、後ほどまた言及いたします。

以上、視覚障害者等サービス実施計画について御説明いたしました。

続きまして、スライド9に移ります。目次に掲げた項目の2つ目になります。資料のデジタル化と図書館等の送信についてです。このサービスの実施に当たって、3つ、大きな背景がございます。

1つ目として、平成21年の著作権法改正によりまして、国立国会図書館が原資料保存のために、デジタル化を著作者の許諾を得ずに行えるようになったことがございます。

2つ目としまして、平成21年度と22年度の補正予算で、巨額のデジタル化予算が計上されたということがございます。

3つ目としまして、今年の通常国会で、図書館等への自動公衆送信を可能とする著作権法改正が行われたということがございます。

スライド10以降、この概要を説明しておりますが、ここを話していると時間がないので端折っていきます。

スライド10は平成21年の著作権法改正の内容を掲げてございます。

スライド11では、平成23年度末時点での当館の資料デジタル化の実施状況をお示ししています。当館の図書、和雑誌等の所蔵は大体965万冊ですけれども、そのうちの225万冊、約4分の1をデジタル化したという状況です。

しかしながら、当館が作成したデジタル資料は、いずれも画像データにとどまっております。

これらのうち、約41万件をインターネットで提供してございます。

スライド12では、今年の通常国会で成立した改正著作権法を掲げております。

スライド13では、この制度による送信対象機関を掲げてございます。

スライド14では、送信対象となる資料について掲げてございます。

スライド15は、利用提供方法を示しておりますが、ここに示しておりますのは、一般の方に向けた利用方法ということになります。

閲覧については送信先機関の端末で閲覧いただくことになります。また、複写につきましては、紙へのプリントアウトによる提供のみを想定しております。

スライド16に今後の予定を示しております。著作権法の改正法は来年1月から施行されるのですが、そこですぐにサービスが行えるようには準備が進んでおりません。当館では、来年度にシステム改修を行いまして、さらに送信対象資料の選定作業や参加機関の登録などを行います。その上で、平成26年1月を目標にサービスを開始したいと考えております。

スライド17に移ります。このように、一般の利用者向けサービスとして、デジタル化した資料を全国の図書館に送信する仕組みを準備しているのですが、このサービスを視覚障害者の方々がどのように利用できるのかをまとめてみました。

送信先の図書館等での利用としましては、送信先機関で実施しているサービス内容にもよりますけれども、著作権法37条とか38条に基づきまして、画面の拡大表示や対面朗読、点字による複製、録音による複製等が可能と思われます。

なお、当館の資料のデジタル化においては、先ほども申し上げましたとおり、本文については画像データを作成しております。書誌情報や目次はテキスト化しているという状況です。

公共図書館に送信する際には、データを安全な形で送信するために、技術的な保護手段をかけることとしておりまして、ダウンロードする仕組みも設けてございません。そのために、視覚障害者等の皆様が画面上でスクリーンリーダー等によって読み上げるのは、本文画像については技術的に難しい状況となっております。

スライド18に移ります。このように、一般向けの公共図書館送信サービスの組立てでは、視覚障害者の方の利用としては不十分という状況です。そこで、当館がデジタル化した資料を障害者の皆様にどう御利用いただくかにつきまして、当館としても考えておるのですけれども、最初に御説明しました「視覚障害者等サービス実施計画」におきまして、当館が画像データをテキスト化し、さらにそれを視覚障害者の皆様に送信して、読み上げソフト等により御利用いただくというサービスを目指しております。

テキスト化につきましては、平成22年度に視覚障害者の皆様にも御協力いただきまして、実証実験を行いました。この実験の結果ですが、当時のOCRソフトの性能では、誤った認識をするものの除去が完全ではなく、校正作業に相当な作業時間と労力が必要だということがわかっております。今年度、さらに実験をしておるのですけれども、高性能なOCRソフトの比較検討や、複数の大学(東京大学とか慶應義塾大学)との協力によりまして、OCRの高精度化等の調査研究を行っております。

こうしてシステムとかコストダウンの可能性を探りながら、ある程度実施可能性が見えたところで、サービスの内容につきましては、関係者の皆様と相談して、具体的なところを決めていきたいと考えております。

スライド19に移ります。最後にインターネット資料・オンライン資料の収集について御説明します。ここのスライドでは、当館におけるこれまでの電子情報収集の経緯を示しております。

平成22年4月から、国や地方自治体といった公的機関の「インターネット資料」、これはウエブサイトそのものの情報でございますが、これを制度的に収集できるようになりました。

今年の法改正によりまして、民間の方がインターネット等で提供する資料のうち、ウエブサイト全部ではなく電子書籍や電子雑誌に該当する資料、これを「オンライン資料」と呼んでいるのですけれども、こういった資料を来年7月から収集することとなりました。ただ、収集対象は、当面は、無料で技術的な保護手段のかけられていないものに限定して収集する予定でございます。

スライド20では、今言った2種類の資料のうち、既に収集を実施している国等公的機関のインターネット資料の収集状況を紹介しております。

スライド21に移ります。インターネット資料の利用提供方法をお示ししています。これも一般の方に向けた利用方法となります。インターネット資料につきましては、発信者から許諾を得たものについてはインターネット経由でも提供しております。

スライドの22では、インターネット資料について、ウエブサイトを提供する、ウエブサイトの中から著作物を切り出して提供するという2種類の提供を行っていることを示しております。

スライド23では、今度は、今年の法改正によりまして制度収集することになりました、オンライン資料について御説明しております。

スライド24に移ります。こちらは納入対象となるオンライン資料について説明しております。

スライド25では、利用提供をお示ししています。オンライン資料につきましては、原則として館内での閲覧及び複写提供に限定する想定でございます。

スライド26では、今後の予定を示しております。来年春までに具体的な運用規定を整備しまして、来年7月の改正法施行に合わせまして、オンライン資料の収集を開始します。来年10月をめどに利用提供を開始する予定です。

スライド27、最後のスライドになります。当館が法律に基づいて収集するインターネット資料や民間のオンライン資料について、視覚障害者の方々がどのように利用できるのかをまとめてみました。

館内利用に関しましては、読み上げソフト等を備えた専用端末を用意しておりますので、そちらを御利用いただけます。館外からの利用に関しましては、先ほども申しましたが、インターネット資料のうち、許諾を得てインターネット提供しているものについては、著作権法37条や38条に基づきまして、さまざまに御利用いただけると考えております。

差し当たりの課題としまして2点掲げてございます。まず、現状では、国等のインターネット資料につきましても、テキストデータがないなど、まだまだ視覚障害者の方が使いにくい形式で作成されているものが多数ございます。これにつきましては、総務省等でも国の資料のウェブアクセシビリティ、読みやすさを促進されておりますので、当館としましても、そういったアクセシビリティ向上に努めるとともに、他の機関に対しても機会を捉えてアクセシビリティ向上を働きかけていきたいと考えております。

民間のオンライン資料につきましては、現在のところ、館内利用が原則となっておりますが、これについては例えば市場で入手不可能となったDAISY資料等につきましては、視覚障害者の方が当館の外でもお使いいただけるような仕組みができないか検討していきたいと考えております。

以上、当館における視覚障害者等へのサービスについて説明させていただきました。どうもありがとうございました。

氏田座長 どうもありがとうございました。短い時間で大変恐縮でございました。時間がないのですけれども、少し委員の皆さんから御質問をいただきたいと思います。

河村専門委員、お願いします。

河村専門委員 御説明ありがとうございました。スライド20の一番下に、東日本大震災対応による高頻度収集ありというところに大変興味を持ちます。ほかの小委員会でも、あるいはこの委員会でも、大震災以後、これからの災害への障害のある人たちの対応についはさまざま議論しているところでありますが、特に大震災アーカイブというものが各地につくられ、特に国立国会図書館でも精力的に収集されておりますので、それを障害のある方々御本人がきちんとアクセスできるようにする、これが何よりも大事なことだと思います。本人がきちんと知識を持てる、それも先ほど土本委員からありましたように、さまざまなわかりやすい工夫をする、それによって初めてわかる部分もございます。

また、いわゆるアクセシビリティということで、かわりになる情報を補う、あるいは変換するという加工が必要なものもたくさんございます。それらを著作権法37条で国立国会図書館はできるとされていると理解しております。

そういう変換ができるというのは、逆に言いますと、責任を持たされているということになりますので、その点、責任を持った機関として、また全国図書館というのはたくさんございますので、あるいはボランティアグループもいろいろなことをやっておりますから、それらを全国的に調整する機能というのが非常に重要な国立国会図書館の機能だと私は思います。

特に大震災のアーカイブについて、どのように障害のある方たちが十分にアクセスできるようになる工夫がされているのか。その点について、もう少し御説明いただければと思います。

氏田座長 よろしくお願いします。

佐藤副部長 どうもありがとうございます。東日本大震災アーカイブにつきましては、11月の初めにプロトタイプ版を提供しまして、来年の3月をめどに本格的なサービスを開始しようということで今システム開発を行っているところです。ウェブアクセシビリティについてはもちろん配慮するというところは考えております。さらにデジタル情報はもちろん集めて提供するのですけれども、それをテキスト化していくというところまでは厳しいかなと。とにかくアクセシビリティをシステム上は確保するというところで現在はとどまっておる状況であります。さらに関係者の方にも御協力いただいて、そこを何か見やすくできるような形にできないかということは相談していきたいと思います。

氏田座長 ありがとうございます。ほかに御質問はございますか。

石川委員、新谷委員のお二人で終わりにさせていただきたいと思います。

石川委員 石川です。

2点お願いします。まず、視覚障害者等ということの範囲についてなのですけれども、これは狭い定義と広い定義があると思うのですが、図書館界で採用されているガイドラインというのはできるだけ広く解釈しようということでそういうガイドラインになっているかと思うのですが、その点について確認させてください。これが1点目です。

2点目なのですが、画像データをそのままの形でテキストにしないで当面は公共図書館、大学図書館等に配信するということについてなのですが、それについて技術的な面、OCR技術について性能が改善されることを待ちたいということをおっしゃったかと思うのですが、例えば一般的な利用におきましても、検索するためには多少不正確でも、テキスト付の画像になっているといいということがあるわけですが、また著作権法上もある条件で複製を認めたからには、画像ならいいがテキスト化はだめといっているわけではないはずですが、これは出版社や権利者団体等との合意でそうなっていると理解しているのですが、そこに利用者も参加させていただいて、利用者サイドのニーズの中に障害者のニーズもあるし、一般のニーズもあると思いますので、その点について、これは要望ということでお聞きいただければと思います。

氏田座長 新谷委員、続けてお願いできますか。

新谷委員 課題がそれてしまうかもわかりませんけれども、国立国会図書館ではオーディオテープの保管もされているのですか。画像データではなくて、本当の画像コンテンツの保存も国立図書館ではやられているのですか。

例えばオーディオテープの場合には、文字起こしとかいろいろな課題があると思うのです。画像コンテンツの場合にも、文字情報がついている場合は、普通放送会社の方はその文字情報を消した形でしか画像コンテンツを提供されていないと思うのですけれども、この辺の扱いがどうなっているのかわかれば教えていただきたいと思います。

氏田座長 ありがとうございました。続けて1つすみません。スライド7の「サピエ図書館」というのがわからなかったので、簡単にこちらも説明をお願いします。

佐藤副部長 まず、石川先生から御質問いただきました「視覚障害者等」というところにつきましては、先ほど紹介しましたガイドラインにおきまして、視覚障害、聴覚障害、肢体障害等、広く捉えております。この基準に基づいて当館としても考えてございます。

2つ目、OCRの性能改善、これは多少不正確でも提供した方がよいというご指摘かと思います。サービス内容につきましては、確かに質か量かという部分等を検討しなければいけないと考えておりますけれども、恐らく量の方をどんどん提供していくという方向になろうかと思います。いずれにしましても、そういったサービス運営方法については、やはり当事者の方、障害者の方に御参加いただきまして、検討していきたいと考えております。

新谷様の御質問ですけれども、当館としても、オーディオ資料、画像資料というものは収集してございます。ただ、現時点ではオーディオ資料についての文字起こしは特に対応してございません。

すみません、文字情報を消しているかどうかというところについては今わかりませんので、またもし機会があれば、改めて御説明させていただきたいと思います。

「サピエ図書館」でございますが、「サピエ図書館」と申しますのは、石川先生が深くかかわっていらっしゃる組織でございますけれども、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営するサピエというサービスメニューの1つです。視覚障害者情報提供施設だけでなく、そのような施設に登録した視覚障害者等の利用者が、インターネットを通じて自宅からでも資料の検索、配信を受けられるサービスでございます。

氏田座長 どうもありがとうございました。佐藤部長様、お忙しい中、ありがとうございました。このヒアリングの内容については、次回の情報のバリアフリー化の推進の議論の参考にしていただければと思います。

これで本日の議論は全て終了いたしました。

河村専門委員 恐れ入ります。訂正があります。先ほど2009年の日本航空の搭乗拒否を訂正いたします。2008年7月です。

氏田座長 了解いたしました。ありがとうございました。次回の論点と日程等につきまして、事務局より御説明をいただきます。よろしくお願いします。

東室長 担当室の東です。

今日はどうも御苦労様でした。次回は、11月26日、月曜日ということで、時間帯としましては、16時半~18時半までの予定でございます。

次回、第3回になりますけれども、ここでの論点は、情報バリアフリー化の促進という点であります。この小委員会におきまして、第1回に出された論点案の論点<3>情報バリアフリー化の推進に関する項目案は一部変更になっております。

当初は、情報通信機器・システムの研究開発及び成果の普及、字幕番組等の制作の促進、コミュニケーション支援体制の充実等を含むとなっておりましたけれども、第1回の論点に関する検討に出された委員の御意見を踏まえて、座長、副座長と相談の上、第三種郵便物制度、民間も含めた規格の共有、そして国等による情報提供の充実等を論点<3>の情報バリアフリー化の促進に追加させていただくということになりました。

項目が追加され、変更となった論点<3>に関しましては、改めて委員意見の提出をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。

以上です。

氏田座長 それでは、これをもちまして「障害者政策委員会第5小委員会」の第2回会合を終了いたします。御協力ありがとうございました。

▲ このページの上へ