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障害者政策委員会第6小委員会(第3回)議事録

藤井座長 時間となりましたので「障害者政策委員会第6小委員会」の第3回目の会合を始めます。

委員の皆様におかれましては、お忙しい中を御出席、ありがとうございました。

本日の会議は、14~16時までの2時間を予定しています。

本日の欠席の委員ですけれども、田中正博委員が急遽欠席になりました。嘉田委員も欠席ですが、今日は代理で森本さんが来ております。大谷委員が遅刻で、15時、3時にお見えになります。

なお、本日は、内閣府大臣政務官の金子恵美政務官が、このあと30分ほどおくれまして14時半から御出席の予定です。お見えになりましたら、御挨拶等をお願いしようと思っています。

いつもお願いしていることで恐縮でありますけれども、本小委員会におきましても、情報保障の観点から、障害者政策委員会同様に、委員が発言するときにはまず挙手をしていただいて、そして指名を受けた後に自分の名前を言っていただいて発言していただく。できるだけゆっくりお願いいたします。

お手元にイエロースタンドがありますけれども、これをちょいちょい見ながら発言に配慮してほしいのですが、障害者政策委員会の土本委員の方から、知的障害者への配慮を欠いた発言が少なくないという御指摘もありますので、前回も言いましたけれども、極力片仮名の表現、難しい言い回し、さらには速度、この辺の配慮をし合ってほしい。私自身への言い聞かせもあるのですけれども、配慮し合って議論をしていきたいと思います。

最初に、本日の議題と資料の説明を事務局からお願いいたします。

東室長 担当室の東です。御苦労様でございます。

議事次第をごらんいただければ、今日の論点が載っております。本日の論点としては3つ挙がっておりますが、まず、前半では、前回に引き続きまして論点<2>「防災に関する施策」及び論点<3>「東日本大震災からの復興と障害者」という点について御議論いただきます。その後、論点<4>「防犯に関する施策」について議論していただきます。

論点<2>及び<3>につきましては前回の第2回小委員会の資料に加えまして、今回、資料1として「論点<3>に関する嘉田委員提出資料」が加わっております。

なお、第2回、前回配付しました委員の意見については皆様の席上に配付しております御参照いただければと思っています。

論点<4>につきましては、最初に警察庁より御説明いただきます。その後、委員間で議論するといったことになります。

資料としましては、資料2が「論点<4>に関する警察庁資料」及び資料3が「論点<4>に関する委員意見」ということになります。

そのほか参考として、障害者政策委員会の日程という資料を配付しております。

以上でございます。何か足りないものがあれば事務局の方にお申しつけください。ありがとうございます。

藤井座長 それでは、今ありましたように、前半を防災、震災関係と災害関係、後半の方を防犯とやっていきます。これから約1時間、15時5分を目途にして、論点<2>の「防災に関する施策」、論点<3>である「東日本大震災からの復興と障害者」について小一時間、前回に続いての論議になります。

なお、前回、嘉田委員の方から岩手、宮城、福島、3県の意見を集約した形で資料が出ていました。今日は論議の最初に、嘉田委員の代理である滋賀県の健康福祉部障害福祉課長の森本富士男さんが今日お見えになっていますので、森本さんから資料説明を含めて御発言を願ってからみんなでディスカッションに入っていく、こんなような段取りでまいりますので、まず森本さんから御発言をお願いいたします。

嘉田委員代理(森本) 滋賀県の障害福祉課長の森本です。よろしくお願いいたします。

いつも嘉田委員始め、代理の者も欠席ばかりで御迷惑をかけておりまして、お許し願いたいと思います。

今、司会の方からお話がありましたように、今後の障害者の防災対策におきましては、今般の東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故が提起する課題を考慮するということは不可欠でございます。こうしたことから、本日、資料1ということで準備していただいておりますが、岩手県、宮城県、福島県の3県からいただきました意見を踏まえまして、新たな障害者基本計画に盛り込むべき事項ということで、大きく4点ということで整理させていただきましたので、発言させていただきます。

まず、第1点目は、災害発生時や避難生活時等におけます障害の特性に応じた情報伝達やコミュニケーション支援施策の推進でございます。聴覚に障害のある方につきましては、手話通訳や文字情報、視覚の障害のある方につきましては点字や音声情報、また簡単な表現による分かりやすい情報提供など、障害の特性に応じた対応が必要であると考えております。

さらに被災をしました障害者に対しましては、手話通訳者の派遣等によります安否確認やニーズの把握など、安全と安心を確保するためのコミュニケーション支援施策が必要であると考えております。

2点目は、障害の特性や状況に応じた避難対策の推進ということでございます。今般の災害のような大規模な災害とか原子力災害におきましては、長期間の広域にわたる避難が必要となります。こうしましたことから、一般の避難所におきましては、バリアフリートイレの設置とか、環境の変化に適応が難しい自閉症の障害のある人への配慮とか、障害の特性に応じた対応が必要であると考えております。また、福祉避難所の確保も必要であると考えております。

さらには、人工呼吸器等使用の方もおられます。停電のときの電源の確保とか、日々使っておられます日常生活用具等の備蓄、また医療機関や障害福祉サービス事業所等への送迎に係る移動支援といったことも課題になってきておりますので、こういった障害のある方の状況に応じた各種支援の充実が必要であると考えます。また、心のケアということも大きな課題でございまして、被災した障害者に対する長期的な心のケアの実施が必要であると考えております。

3点目は、被災しました障害者の生活支援の推進でございます。大規模災害におきまして、障害福祉サービスの提供基盤や就労先など、生活のよりどころが失われる可能性がございます。こうしましたことから、被害を免れた福祉施設やサービス等を有効に活用するための柔軟な、また機動的な制度運用、福祉人材の確保等による障害福祉サービス提供基盤の円滑な復旧が必要であると思われます。また、仕事を失った障害のある方の就労支援や福祉的就労の場におきます仕事おこし、そのための初期投資の支援なども必要と考えられます。

最後の4点目は、障害者に配慮した防災対策の推進といったことが大変大事なことでございまして、この推進のために障害のある方、当事者の参画や意見表明の機会確保等の推進が必要であると考えております。

社会的に少数である障害のある方の障害特性やライフステージに応じた多様なニーズが埋もれてしまうことのないよう、障害の理解を促進し、障害者に配慮した防災対策が推進される環境づくりを進めることが重要であると考えます。

こういったことから、各地域におけます防災計画などや避難マニュアルの策定、実際の避難所の運営など、いろいろな場面におきまして、障害者の参画や意見の反映が必要であると考えます。

論点<3>の「東日本大震災からの復興と障害者」についてでございますが、これにつきましては今、述べましたことと関係することが多いわけでございますが、復興におきましては、障害福祉サービス提供基盤の再構築やユニバーサルデザインの導入など、障害のある方にとって震災前より一層生活しやすくきめ細かい配慮が行き届いたまちづくりを進めることが望まれます。

また、障害者への理解を促進し、地域における見守り体制を構築するとともに、さきに述べました障害の特性に応じた情報の提供や支援の実施、心のケアの実施や、障害福祉サービス基盤の円滑な復旧等を推進し、障害者の安全と安心が守られるよう取り組む必要があると考えております。

復興計画の進め方によりまして、障害者の支援に空白期間やサービス提供体制の整備におくれが出るということでは困ります。おくれが生じないよう、柔軟かつ機動的な支援策や制度運営が求められるとともに、復興計画策定への障害のある方の参画や意見反映が必要であると考えております。

以上でございますが、災害のような非常時において、障害のある方を始め、社会的に弱い立場にある人を守り配慮することをできるのが真の共生社会でございます。こうした社会づくりに向けた取り組みをより一層推進していくことが求められていると考えております。

以上でございます。

藤井座長 森本代理、大変大事なポイントをありがとうございました。

今日の議論の展開の仕方なのですけれども、今日でこの小委員会は終わりでございます。前回までの議論を少し集約していきながら、より効果的に基本計画になじむ議論を展開しようと思うのです。前回の終わりぎわに田中淳専門委員からも御指摘がありましたし、他の委員の意見書にも入っていますけれども、およそ時期区分という視点がひとつ要るだろうと。時期区分というのは発災前と発災の後。発災前というのは訓練期を含めた平常時です。警報期という時期。発災後というのは、発災から安否確認までの恐らく数日から1週間程度の混乱期。さらには避難所に入る時期。そして、仮設住宅に移行する時期。さらには復興、通常の生活に戻ろうとする時期です。

おのおの障害種別、程度とかいろいろあるのですけれども、まず時期区分に合わせながらどうしていくのかというのが1つの論点としてありました。何を一体ここに大事なポイントとして載せていくのか。

もう一つは、これもいろんな議論があったのですけれども、どうもこれまでの防災から震災が起こったときの例えば要援護者登録にしても、多くの自治体は作っているのだけれども、機能していない。改めて今言った発災前から発災後を含めて、全体を通しての官民挙げての組織実態、組織形態、どうあるべきか。この辺のところがいろんな形で議論はあったのですけれども、整理をしていく必要があるのではなかろうか。

今言った新しい官民挙げての組織の形態というときに、当然、障害当事者の参加、参画ということも論点に入ってくるだろうと。こんなことで、これまでのさまざま取り組んできたことを総括も反省もして、今度の大震災を経て、やはりこれに応えるような新しい組織の形態。時期区分と組織の形態ということを軸にしながら、計画の方に入っていくような論議をしていただければ。もちろん、それ以外もプラスの論点があってもいいと思うので、出していただきます。なお、論点<3>の復興に関しては、今も森本代理からありましたので、こんなことも含めて復興についても少し別な論立てをしていく必要があるだろうと。1時間弱なのですが、もう大分時間を過ぎていますけれども、こういう論点で議論し、なお、福島の問題については復興問題とは切り離して、これは今日時間をどれぐらいとれるか分かりませんけれども、かなり個別の問題が入っていますので、これも意識しながら議論していければと思っております。

以上のことを踏まえながら、今の森本さんのお話、私の方の話を含めて、これを基にして議論していきたいのですが、御発言を求める方は挙手をお願いします。

そうしたら、八幡専門委員と棟居委員の順番でまいります。

八幡専門委員 先ほど、まず時間的な発災、支援ということがあったのですけれども、その前に今の障害者の基本計画を見ると、アで防災対策。しかもそれは治山とか地すべりとかそういう形になっていて、2番目が住宅等の防災対策ということで、いわゆる災害対策ということの中に本当に福祉関係者が一丸となった支援の対策というのが入っていないのです。衆参両院で附帯決議もあったように、災害支援ということの対策の中をもう少し細かくやっていかないと、基本計画上で分類していかないと、なかなか具体的な動きにならないだろうということがありますので、きちんと災害支援というところで柱をもう少し立ててほしいと思います。

その上で、先ほど言った平常時というのはある程度防災ということになるのですけれども、発災時に今回ほとんどの部分で効果的な公的な部分での障害者支援対策が十分にできていなかった。厚生労働省からさまざまな通達があったけれども、それすらも現場では混乱をしていてきちっと把握できていないというようなことがあって、発災時にどこがどういうふうに担うのかということをきちっと位置づける必要があるだろうと思っています。

以前も少し話はしたのですけれども、自立支援協議会なりその地域地域の軸というのを決めないといけない。現在、厚生労働省が考えられているのは、各県単位でネットワークみたいなものを作れないかということがありますけれども、私が全国を回っている感じで言いますと、なかなか防災リーダーがいない。さらに地域で障害者と地域コミュニティが自立支援法以来、昔よりもかえって薄まっていて、地域とのつながりが非常に弱い。

さらに障害者の関係が非常に縦割り的になっていて、来年も(大阪の)ビッグ・アイで防災リーダー研修があるのですけれども、今まで一丸となっていたものが聴覚、視覚、その他という形で割れてしまって、災害のときには地域地域を見る必要があって、障害種別とか入所とか通所とかにこだわらず、連携した動きということがひとつ非常に重要な部分になっていきますし、外部から入り込むにしても、地元の受け皿ということが非常に重要になってきますので、そういうことも含めて、平常の部分での災害支援対策がどこまでできているか、そういう準備ということで言うと、先ほども言いましたように、どこが自立支援協議会のようなところのように、核となるところが必要ではないかと思っています。

先日の会議で、1つどこが窓口になるのかと。結局、福祉なのか、どうなのかというところでいろんな自治体の事例、特に私がおります大阪市で一緒に取り組みをしている事例を見ると、危機管理を障害対策の方もきちっと担っていて、その管理のもとに障害福祉がきちっと計画を立てて物事が動く。これは今まさに内閣府と厚生労働省はそういう関係になっていると思うのですけれども、なかなか国のように都道府県や市町村がそうなっていないという現実がありますので、そこについてもきちっと計画というかお手本、モデルのようなものを作っていただいて、基本計画に具体的なものを織り込みながら、各市町村がそのことを順次進められるように、そういう準備をしていただきたいと考えております。

以上です。

藤井座長 八幡専門委員は、前のペーパーでも今日も出ていましたね。既存の今ある障害者自立支援協議会を活用していきながら、防災から震災直後、震災直後の後を含めて、ここにこの機能を付加したらということであります。

恐らく自立支援協議会自体の機能というか役割の範囲というのは法的に決まっていますので、これ自体、相当な見直しがあるかも分かりません。つまり、おっしゃっていることは、既存の組織体の有効活用という点かと思いますが。今、金子恵美内閣府大臣政務官がお見えになりましたので、ここで御挨拶をお願いいたします。

金子政務官 改めまして皆さんこんにちは。遅参いたしまして申しわけございません。改めて内閣府大臣政務官を仰せつかっております金子恵美でございます。

今日は、この小委員会の方で防災等についての議論というようなことでお伺いさせていただきまして、私自身も実は被災地福島県の人間でございますのでいろいろと勉強させていただきたいという思いでこの場に立たせていただいているところでございますし、また私が担当をさせていただいております障害者施策の中で、今まさに新たな障害者基本計画の作成に携わっていらっしゃる皆様方にも御礼を申し上げたいという思いでいるところであります。

被災地の現状につきましても、皆様方にはいろいろなところで御指導いただいてまいりました。実は発災直後、我々が最も注視しなければいけなかった点につきましては、障害のある方々の安否確認すらできない状況があったということだったと思います。その中で、今、新たな防災計画あるいは復興計画等が作られているわけですけれども、私がこの復興計画等を考える上で、復興は単なる復旧ではありませんので、よりよい社会づくりをしていかなければいけない。大きく障害のある方々も含めて、全ての人たちが生きやすい地域づくり、社会づくりをしていくということが本当の復興のゴールだろうと思っているところでありまして、実は内閣府の方の大臣政務官を仰せつかっているもう一つの顔といたしまして、復興大臣政務官もさせていただいておりまして、両面から皆様方からの御指導をいただきながら、この国の新たな形というものを作り上げたいと思っているところでございます。

どうか今日は忌憚ない御意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

藤井座長 なお、大臣政務官は、今日の第6小委員会は最後までいらっしゃる予定でございますので、ぜひお話を聞いていただいたり、もし適宜発言があったら、御発言もお願いします。

それでは、棟居委員、お待たせしました。

棟居委員 ありがとうございます。棟居です。

先ほど藤井座長から、時期区分という論点と、官民挙げての組織形態、組織実態、この2つを分けて議論しようということで、もちろん、分けて議論すべきだと私も思うのですけれども、最初にその2つが大きく結びついているという点も強調させていただきたいと思って発言しております。

と申しますのは、やはり発災時あるいは発災直後、災害の直後には、警察や消防というまさに現場のプロに頼るほかないということで、発災前、発災の後の復旧・復興。この前と後の段階ですと、これは自治体の障害者担当、福祉担当というところが動けると思うのですけれども、ちょうど発災のその時点、その直後、これは警察や消防という別の組織が専門的に集中的に活動するということになっています。ですから、同じ行政と言っても、異なる部署、違う機能を持った部署が複合的に、しかも時期によっていろんな部署が入ってくるということで、その全体の情報の共有とか連携あるいはどこで担当を切りかえていくのかというバトンタッチの時間的なタイミング、こういうところが全体にうまく調整されていなければいけないなという感想を持ちましたということで、意見でございます。

藤井座長 大変大事なお話で、どうしても縦割り行政の中で動いている。しかし、誰かが、あるいは気がついた人がやるのだというあの震災発災直後で大混乱期ですので、今言った警察や消防以外にも民間人も含めて関わってくる。そうすると、八幡専門委員がおっしゃった自立支援協議会だけではどうかということもあるし、その辺がこれからどんなふうな形態が望ましいのかということで、そこは少しこれから深めていこうと思うのです。

中西委員から御発言いただきましょうか。

中西委員 中西由起子です。

今、時系列でというお話で、実際自分が被災したときのことを考えますと、まず、被災時に要援護者名簿があって、そこで自分で救済してほしいということで、先ほどおっしゃった警察なり消防署なりが来てどこかへ連れて行ってくれる。もしくは、自分で避難所に行くのですけれども、その名簿の存在がまず第1。

2番目に必要なのが、避難所が既にその前の段階で計画の中にアクセシブルな避難所として幾つかの場所が指定されていて、そこに行けば大丈夫だという情報が準備されていなければいけないと思うのです。その段階で避難ができて、そこでアクセシブルな避難所、サービスが整った避難所に行けるということ。

仮設住宅の設置があると思うのですが、これは国連では全人口の25%が障害によって影響を受けているということは、つまり4分の1、それだけの大体家族の人たちがこのバリアフリーの仮設住宅に行きたいということを考えると、少なくとも建設されるうちの最低4分の1の数はバリアフリーのもの、障害者対応ができるものになっているべきではないかと思います。

その後の復興に関しては、自立支援協議会のような団体がその段階で出てくるべきかと思うのです。というのは、要援護者名簿等は秘密にして自分は登録しておきたいという方も出るでしょうし、その保管、保持は、自立支援協議会は多くの方たちが関わっていて、ここで当然それに沿っての救援活動というのも事業の一部とされていいのかもしれませんが、しかし、混乱期の段階では、自立支援協議会の構成員として考えられている、例えば障害者サービスの事業者とか医療関係者とか、そういう人たちは第一線で復旧にみずから当たらなければいけないという使命を負うのではないかと思いますので、自立支援協議会の開催、そこでの協議というのは不可能になるのではないかと思います。やっと復興の段階においてそれぞれが被災者を救援した自分たちの経験もしくは被災した当事者としての障害者、そういう人たちが集まって自立支援協議会のような枠組みで復興の計画というのがなされる、その一連のシナリオが今描けるので、その中で皆様のアイデアを含めていって、もう少しいい計画を障害者計画の中で立ち上げてほしいと思っています。

あともう一つのポイントとして、2015年に国際防災会議が開かれることになっていて、これが5年に一度の重要な会議で、日本で開かれる限りは今回の地震・津波に対する災害に関心が集まるはずで、当然そこの中の議題の1つとして、障害当事者に対する支援を入れてほしいと思っているのです。そのときまでに全ての計画が立ち上がっていて、日本はこういう経験に基づいてこういう計画を立てましたというような、今お話ししたようなものを基盤とした計画が出されてほしいと思っています。

以上です。

藤井座長 この第6小委員会は国際協力も入っていますので、今の中西さんの2点目の論点は、それと合わせてとなると思うのです。

では、田中淳専門委員の方から、御発言をお願いします。

田中専門委員 東京大学の田中でございます。

今、お三方からお話があった点というのは、1つは時期区分、災害前と復興時期、これはある程度既存の組織を活用しながら進むという御提案。そして、いわゆる応急期、避難も含めて、そこは危機管理の中に入れ込んでいく必要があるだろうという御指摘だったと思います。

先回、ちょっと違うニュアンスで発言をさせていただいたこともあったので、それも含めてお話をさせていただきたいと思っています。

まず、今回の東日本大震災の教訓、これはいろいろな受け取り方もあるし、多様なものがあったと思いますけれども、個人的には緊急時にできることの制約が極めて大きいということをもう一度、障害者基本計画の中で認識しておく必要があるのではないかという気がしております。

例えばこれは今回ではないのですが、阪神・淡路大震災のある非常に福祉の進んでいた市が、1万人の障害者手帳をお持ちの方がいらっしゃる市でしたけれども、実は障害者の施策の現場に残られた方は2人しかいらっしゃらなかった。つまり、2人で1万人、つまり、1人で5,000人という方を何とかしなければいけないという思いで動かれていた。

実は行政の現場というのは量で考えると、常にそういうぎりぎりの状況に置かれているということなので、行政にという表現が極めて現実的にはもろいという印象を持っています。行政の方ができないとかと言っている意味ではなくて、一生懸命やられているのですけれども、そこには限界があるということは、それが厳しい現実なのだと思っています。

もう一つは、先ほど危機管理と福祉のすみ分けの議論をされました。私は福祉でやる方向でという議論をさせていただいたのは、2点理由があります。

1つは、1985年の当時、災害弱者対策と呼ばれておりましたけれども、ここから阪神・淡路大震災、2004年の新潟福島豪雨等を経て、いわゆる災害時要援護者対策として随分行政に根付いていったということは事実だと思っています。

ただ、その中で、どうしても突破できない部分というのが、実際の応急対策を実施するということもそうですし、計画を立てるという部分もそうなのですが、やはり危機管理部隊というのが福祉の現場について必ずしも精通しているわけではないということ。福祉の現場が逆に災害という、あるいは危機について精通しているわけではないという両方の壁の中で、やや協力をして全面的に進むということが難しかったという印象を持っています。したがって、どちらがという切り分け以上に、いかに溝を埋めていくのかというところをきちんと描いていく必要があるのではないかという気がしています。

長くなって恐縮ですが、東日本大震災の課題というのは大変重いものがございます。しかし、それと同時に、阪神・淡路大震災が突きつけた課題というのもある。それを忘れてはいけないということ。

同様に、南海で巨大な津波が起きる、例えば数分で津波が来てしまうという状況の中で我々は何を考えなければいけないのかということを1つ描いておかなければいけないと思っています。やはり明らかに南海の場合には、津波と家が倒壊してしまうと避難することすらできない。あるいは孤立地域がたくさん出てしまうということに対して、私たちは何をどう対策を立てていくのかということを視野に入れておかなければならないと思っています。

また、首都直下の場合に地震というので、阪神でもやや指摘されましたけれども、火災ということが圧倒的な危険要因になっています。火災の中で避難をするということの難しさは、全ての国民共通でありますけれども、移動あるいはその情報になかなか難しさを抱えてらっしゃる方には、もっと難しい状況になると思います。

これについてもやはりきちんと議論しておかなければ、私たちは起きてほしくない首都直下が起きたときに、また我々の計画が人を殺してしまいかねないということになるのだと思っています。

そういうことも含めて事前対策ということをきちんと進めない限りは、緊急時の対応には限界があります。家が壊れては避難できません。家がたくさん壊れれば火災が発生します。そういう意味で、やはり事前対策というのが多くの障害をお持ちの方も含めて多くの命を救うための基本的な発想であるということは十分に認識していただきたいと思っています。

あと最後にもう一つですけれども、障害をお持ちの方々だけではございませんけれども、長期あるいは広域の避難ということを強いられた場合に、物資が非常に大きな課題になってまいります。特に例えばオストメイトの方々のパウチであったり、あるいは人工呼吸器の方の酸素ボンベであったり、緑内障の方のお薬であったり、聴覚障害の方々の補聴器の電池であったり、こういう消耗品関係は命に関わるものになります。

その点を考えると、先ほど行政に限界があると、もう一つ言い方をさせていただいたのは、これらのことについては、事業者の方々のお力を借りない限り、絶対にうまくいかない。そういう面で、自立支援協議会というのがよいのか分かりませんけれども、日ごろのネットワークを持ったところが計画にも、そしてその計画も実際に活動をできる形のものを作っていくということはとても大事なような気がいたします。この辺は八幡専門委員に完全に同意いたします。

基本的には、既存のネットワークのないところに支援が行かないというのが今までの災害の鉄則でございましたので、ここをいかに強くしていくのかということを訴えていただければと思います。

あともう一つすみません。仮設基準について今中西委員からございました。これは明確に記載していただけるとありがたいと思っています。それも仮設に配慮するようにということではなくて、もっと一歩踏み込んで、仮設の基準を明確に示して、そこで必ず準備しておくようにというところまで書き込んでいただきたいと思っています。

すみません、長くなりましたけれども、以上です。

藤井座長 これはもうお聞きのとおり、時期区分という1つの軸があって、もう一つ、どういうような組織体がというときに今あったのは、ああいう震災になりますと、行政がどうこうということと別に機能しにくいだろうと。そうすると、今、話のあったのは、民間事業所、八幡さんは既存の自立支援協議会等、いろいろあります。

いずれにしても、官民を挙げて、それはふだんから、平時からそういったことをネットワークもしくはネットワークを超えた組織体として作られていないと機能しまいと。これがどういう形がいいかというのは、もう少し議論の必要があるということがあったかと思います。その他、幾つかありましたけれども、大変参考になる御意見でした。

浅倉副座長から手が挙がっていますので、浅倉副座長、どうぞ。

浅倉副座長 ありがとうございます。総合的で体系的な御意見がたくさん出ていて、私もそのとおりだと考えております。

それに重ねてのことになりますけれども、復興に関して、現在進行中ですね。災害が発生し、現在復興計画あるいは復興計画の実施が進行中ですので、早急に復興の中で障害を持った方たちがどのような現状にあり、課題にあるのかということを調査し、そして参考事例を作っていくという作業が今回の基本計画にはぜひとも必要であると考えております。

既に前回、復興庁の御説明の中に、今年度復興庁と内閣府の男女共同参画局が被災自治体を対象にして復興の現状と課題について調査した、ということを御説明されておりました。そのときに障害者への配慮も調査予定であると述べられていたと思うのですけれども、それをともかく早急に実施し、まとめていただきたいと思います。

男女共同参画については、既に復興庁の方に男女共同参画班というのがきちんと組織されて、その班の方々が男女共同参画局と共同で、既に復興に関して、まちづくりとか仕事とか暮らしの分野に関して、女性が活躍している事例とか被災地の女性を支援している事例とか、そういうものを収集して取りまとめて、参考事例集として発表されております。そういう実態の中から学ぶことが非常に多いので、ぜひとも障害者に関しても、各被災自治体において具体的にどのような事例があるか、そして、成果としても、障害者が活躍している事例もあるでしょうし、困難に直面していらっしゃる事例もあるでしょうが、できるだけ多くの事例集というのをまずは作っていただいて、復興計画に反映させていただきたいと思っております。

以上です。

藤井座長 では、阿部委員、どうぞ。

阿部委員 阿部です。

先ほどから委員の皆さんから出ているお話をなるほどそうだなと思いながらお聴きしています。1つは、災害に強い地域をどう作っていくかというのがすごく大事なことだと思います。自立支援協議会その他、または地域の防災会議に障害のある立場から発言する機会をしっかり持ちながら、そして、障害特性に応じた支援のあり方について発信することが重要です。それぞれの障害ごとに違うということもありますので、それこそが私たち当事者が発信していく、ある意味では支援を受ける力というか、「受援力」でもあるのだと思います。そのようなことから、災害に強い地域づくりということをしっかり捉える必要があると思います。

今回、大きな災害が起きた直後は公的支援が届かないことを実体験しました。やはり地域住民の中で障害があっても地域住民の1人ですから、お互いの支え合いということがすごく大事なのではないかなと思います。

阪神・淡路大震災の話が出ましたけれども、それと今回の東日本大震災の大きな違いということもしっかり検証する必要があるのではないかと思います。東日本大震災においては、阪神・淡路大震災のように建物の下敷きになって亡くなられた方は少ないと指摘されていますけれども、そのようなことも含めてしっかりした検証が必要になると思います。

障害があると、障害がない人に比べて2倍も亡くなった人が多いということを聞くに及んで、それは一体どういうことなのかなと思います。ただ、障害者は災害弱者だということだけではなくて、それぞれの特性に応じてどういう支援が必要になるかということも明確にする必要があると思います。この中で震災関連死、障害があったり疾病を持っていて病院を利用していたり施設を利用していた方々がそれぞれの病院とか施設機能がうまくいかなくなって治療を受けられなかったり、体温のケアとか食事のケア、つまり具体的に出ているのは、低体温症とか誤嚥性肺炎で亡くなられた方はとても多いことを見逃してはいけないと思います。そのようなことは障害があればこそ多く要因として持っていたわけありますので、本当に障害があると2倍亡くなった人は多い。その中身についてきちんと検証して、二度とそのようなことがないように十分な対応をするためにも検証委員会をしっかり作るべきではないかと思いました。

阪神・淡路大震災を経て、東日本大震災の比較の中で、先ほど建物の倒壊というお話もしましたけれども、ほかの部分でも、例えば薬などについては、阪神・淡路大震災の反省があったので、宮城県内には公務員研修所までは割と早く届いて、医薬品の仕分けまでは行われたと聞いています。ただし、ある被災地では大丈夫だったのだけれども、ほかの被災地に医薬品が届いたのかどうかなどということが分かりません。ですから、阪神・淡路大震災と比べてうまくいったと思うことやうまくいかなかったことなどについてもしっかり検証する必要があると思います。

田中先生は、オストメイトの方のパウチのお話をしましたけれども、今回は企業がすぐに持ってきました。そのようなことも含めて、十分な検証、その中からよかったこと、さらにしっかりと詰めていかなければいけないこと。障害特性に応じてどういう支援が必要になるかということをしっかりきちんと出しておくことが、これから危惧されている南海トラフにおける災害があっても、被害の少ない減災という対策になるのではないかと思いました。

私たちの地域は宮城県なのですけれども、35年に一度地震が起きているということでそれなりの対応をしていたのですけれども、ただし、避難所生活は3日ぐらいと思っていました。それが全然違った。長期にわたる避難生活ということなどは想定していませんでした。そのような反省もしっかりとしながら取り組んでいければと思います。

検証委員会、よろしくお願いします。

藤井座長 幾つか検証とおっしゃったとおり、今度の大震災が起こって初めての長期計画ですね。そうすると、このことを大震災を踏まえて今日もこうして議論しているのですが、その前の大前提として、一体2倍以上とか市によっては3倍という障害者の異常な高さの犠牲者率、このことを手帳所持者のうち何名という数字だけではなくて、なぜか、どうしてかという検証をしなければ、それは前提の前提にならないのではないかという御指摘かと思うのです。

計画と検証委員会がなじむのかどうか分かりませんけれども、やはり今言ったように、大震災という大規模な震災の直後の長期計画ですので、これはひとつ今日の記録に残していただいて、どんなふうに考えるか、大事な点だと思います。

このコーナーは15時5分までなので、復興も含めて、今、浅倉さんから復興のことも振られましたので、あわせて残りの議論を展開してまいりますが、さらに発言を求める方は挙手をお願いいたします。

では、棟居さん、八幡さんの順番で。

棟居委員、お願いします。

棟居委員 棟居です。ありがとうございます。

今、検証ということを阿部委員が言われました。これは非常に大事だと思います。というのは、記憶はどんどん薄れていくので、今のうちに東北の被災地の方々、障害者御本人あるいはその御家族、周りの方に何が起きたかということを徹底的に聞いていただく。これは単にあのときの事実の確認というだけではありません。つまり、今後起きるであろう他の地域で、障害者が災害のときにどういう状況に置かれるだろうかということを徹底的にシミュレーション、つまり、事前に予測をする。それもいろんな災害の程度や種類に応じて、この障害者が今の状況だとどういう状況に置かれてしまうだろうか。こういうことを徹底的にシミュレーションして、それに合わせた救援の体制を組む、あるいは場合によっては、災害は予測できませんけれども、災害時にはなかなか手が回らないだろうという方々については、もっと安全なところにあらかじめ移っていただく。そうした全体的な計画を立てていくという上で、今回の検証は極めて大事だと思います。

藤井座長 それでは、八幡専門委員、お願いします。

八幡専門委員 先ほど出た意見で幾つか補足したと思うのですけれども、まず震災直後にどの程度そうしたら具体的に組織が機能するのかということで言うと、例えば新潟のときには、中越地震のときには障害相談支援センターが20日かかりましたけれども、2回目の中越沖地震では3日で組織して、1週間で1,000人からの安否確認を終えている事例があるわけです。これは新潟県が中心になったわけですけれども、ある程度1回目の地震での経験から県がすぐに動かなければいけないという経験ができればそれができる。

私が自立支援協議会と申しましたのは、別に自立支援協議会でなくても、どこかふだんからネットワークがあればネットワークのあるところはすぐに災害支援に行っています。ゆめ風基金もそうですし、全国のネットワークも大体3~4日で組織を作り上げて現地派遣していたと思います。

しかし、受け皿がどこかということで一番困るので、以前にも言いましたが、大阪市の城東区では自立支援協議会が、災害が起きたら区民センターに集まると、実際に訓練もやっている指定避難所で一泊の訓練もしているというように、日ごろそういう訓練ができているかどうか、ネットワークがあるかないかということで、訓練をするに当たっては自立支援協議会が核になるのが一番いいのではないかと思っています。

先ほどの検証で少し怖い点があります。実を言いますと、避難所のどこがいいかというときに、普通学校を出た人たちは普通学校を言います。養護学校を出た人たちは、福祉施設なり支援学校を指定しますということで、今回もかなり呼吸器に障害のある方が実際には通いなれた普通中学で安心して避難できたという事例があるように、環境によってかなり答えが変わってくる。さらに阪神とか新潟の地震のときは、祝日なり休みの日なり6時前なりという形で、福祉施設が動いていない、稼働していないときに災害が起こった。今回だけが平日の2時半ぐらいで、デイサービスでもまだメンバーを帰してしない時期にあったということで、そういう意味で福祉施設が相当通所者を帰せないで逆にそのまま支援に当たったという形にはなっているのですけれども、これが一体休みの日だったら、そういうことができたかどうかということで非常に怖い思いをしています。

だから、平日であろうと、日曜祝日であろうと、いずれの場合も何とかできるという意味で言うと御近所の力が相当必要になってくる。しかし、障害者だけがうまく訓練しても仕方がないので、指定避難所における訓練というか、開設訓練ができていない中で、そこに障害者が行くというのは相当無理がありますので、やはり指定避難所の開設訓練が十分に行われ、そこに障害者も参加しているという状況があって初めて、普通の指定避難所で障害者が生きにくい場所かどうかということが問えるスタートラインになるわけですけれども、現状では健常者も非常に困難な状況のところへ、アンケートをとると福祉避難所がほしいというような結果に陥ってしまうということがありますので、3日までは地元で支えるということを考えると、地元の人たち、住民の人たちを巻き込んだ訓練を相当意識しなければいけないだろうなと思います。

そういうことで、検証も福祉避難所のことも含めて、そういう環境というか、そういう部分も考慮した上で、具体的に動いた事例、JDFさんなどもそうですけれども、具体的に支援に当たった人たちにどういう調査を行った方がいいかと聞くような形でないと、いきなりその場に被災者からという形でアンケートを取ってしまうと、その多数意見が正解とは限らないとは思っています。

以上です。

藤井座長 今日は行政の方からも幹事として担当部署がお見えになっていますけれども、これは鶴見さんにお答えいただきましょうか。幾つか今の件で言うと、私が知っている範囲では検証も兼ねて検討に入っているのが、災害時要援護者のガイドラインの見直しも含めて検討。もう一つは、避難所に関する検証も含めて見直しなり方向性を考え直す。こういうことが動いていると思うのですが、先ほど阿部委員から出ていた、なぜ2倍以上の犠牲者率が出たのか。関連死の中に、恐らく少なくない障害者が入っているであろう、新しい障害者が生まれた。こういう障害に関して検証に関する委員会等を作る予定があるのだろうか等々含めて、鶴見幹事、いかがですか。

内閣府(鶴見) 内閣府の鶴見でございます。

今、座長から聞かれた分の障害者に関しては、各市町村でほぼ2倍近い犠牲者の率が出ているというのが確かにNHKなどの数字などでも出ているようでございます。これに関しましては、全てではないですけれども、何カ所かちょうど私も行政の担当者の方に一応確認はしていました。そうすると、まず災害時要援護者名簿の策定はしていたのだけれども、実際に民生委員ですとか消防団などの必要とする方に渡っていなかったということが多いようです。

あとこれはレアな事例かもしれないですけれども、避難所自体が被災してしまって、これは私が聞いたのは南三陸町、あちらの方では実際に避難所として指定されていた老人ホームがありまして、そちらに障害者の方々も避難していた。ところが、避難所自体が被災してしまったために障害者の数が多くなってしまったということも聞いてはおります。

そのほか、実際に避難支援のガイドラインなどで災害時要援護者名簿の策定を各地方自治体で進めているところでありまして、今、半分以上、結構な数の自治体が実際に作成してあるという結果も出ております。ただ、実際に作ったけれども、必要なところに確かに渡っていなかった、そのために実際の支援や安否確認などに使用されることが結構少なかったというのがあります。

藤井座長 鶴見さん、時間がないので、そうではなくて、被災格差があったという事実を検証するための組織体、つまり委員会等を作る予定はありますかと聞いたのです。

内閣府(鶴見) 申しわけないです。そちらの委員会は今のところまだ予定はございません。

藤井座長 これは最大の権利侵害は死亡ですから、こういう事実が2倍、3倍とデータが上がっていますので、もちろん、これは厚労省も関係あるかもしれませんけれども、今日の意見としては検証するための委員会をという御意見が出ましたので、御検討いただけませんか。

内閣府(鶴見) 分かりました。これは今後検討するようにいたしたいと思います。

藤井座長 残り時間、復興に関する御意見等を少し伺いたいのですが、いかがでしょうか。

田中専門委員、長瀬専門委員の順番でまいります。

田中専門委員 やはり復興というのが大変難しいし、今まさに浅倉副座長がおっしゃったように、今進んでいるところなので何とかしたいという思いがあると思います。その中で1つ感じていることは、障害をお持ちの方々の状況は生理的にも社会的にも多様ですので、余り細かい個々の計画を作るというよりも、とにかくそこに行けばつないでくれるという場所がはっきりするという、そこを何とか作るという方向をひとつ御検討いただければ現場としてはありがたいという気がしています。例えば避難所に必ずそこに相談に行けば、お医者さん、医療だったり、福祉だったり、あるいは事業者につないでくれるというものを必ず置きましょうというようなイメージを持っています。

あと復興の過程の中で、やはり在宅の方のこともあるのですが、共同作業所とか施設の問題というのをどこかで議論していただきたいという気がしています。多くの災害で共同作業所というのがやや法律の埒外にあるような扱いをされて、例えば指定避難場所にも指定されないとか、なかなか復興が進まないというところがございます。

今回はもちろん海岸沿いに施設がたくさんあったということで施設の被害もあったわけですけれども、今の日本全国は非常に危険地域に立地していることも事実です。土砂災害の警戒地域に1万カ所、福祉施設があると言われていますので、その施設に対する安全性というものも、長期の避難から復興に至るパスを考えると、とても大きなウエートを持つと思いますので、何らかの形で計画上、言及なり御検討いただけるとありがたいと思っています。

すみません、以上です。

藤井座長 長瀬専門委員、お願いします。

長瀬専門委員 立命館大学の長瀬です。ありがとうございます。

基本計画の特に防災のところにどれだけ直接結びつくかは分からないのですけれども、復興ということを今回の基本計画の中で考える上で、1つどれだけ直接的に入れられるかどうか分からないのですが、非常に気になっていることがあります。

それは特に今回の被災地の中で被災された方、障害のある方に対する、その方たちに事業、サービスを提供していた事業体による一種の囲い込みというような現象が見られると感じています。それは例えば福島から群馬等に避難している方たち、同じ事業体によって継続して支援を受けているわけですけれども、その事業体にとっては、その事業体からサービスを受けている方たちというのは、重要な収入源になっているという構造があると一部見受けられます。そこから抜け出して権利条約や基本法が目指している地域生活の方に一歩でも踏み出そうとするときに、その事業体の枠を超えて踏み出そうとすることが非常に難しい。そういう構造があると見受けられてしまいます。

それをこの基本計画の中でどういうふうに盛り込めるのか正直分からないのですけれども、多分それは今回の基本計画が目指している権利条約の実施、大きな柱である地域生活の実現に向けて、本質的な課題が今回の震災によって非常に見えるようになった面が明らかにあると感じています。それは震災がなくてもそうした構造をどうやって壊すのか、打破するのか、それは大きな課題であったのに間違いないのですけれども、震災によってそういう構造が明らかに見えるようになった。その地域社会での共生を目指す上で、そういう事業を提供する事業体による支配というような構造というのをいかに変えて、利用者である障害者が本当の意味で選べる構造を作るということがこれからの10年、そしてそのときでも大きな課題であると感じています。もしかすると、この基本計画の中でどういうふうに位置づけたらいいか正直分からないのですけれども、あくまで疑問点といいますか意見として述べさせていただきました。ありがとうございます。

藤井座長 時間が迫っているので、阿部委員の手が挙がっているので、一言簡単に端的にお願いできますか。

阿部委員 では、簡単に。復興ということでさまざまな人がそれぞれ望ましい生活に戻っていくときに、障害がある場合、取り残されてしまう心配、孤立とか孤立死のないような配慮をしっかりしていかなければいけないのではないでしょうか。そのことだけお話しさせていただきました。

藤井座長 金子政務官から、後でまとめてまた御発言をいいですか。

先ほど、金子政務官が来る前に嘉田知事の代理で森本さんが御発言いただいていたところで、政務官もおっしゃったのですが、復興というのは復旧ではないし、復元ではないと。長瀬さんが言ったように、もともと大変障害分野の基盤が弱かった地域であって、元に戻しても厳しいだろうと。そうするならば、この際新生あるいは本当に生まれ変わるという点で、これまでできなかったこと、その処方箋のベースは権利条約ということで、そういうことを目指すことが本当に復興であろう。とりわけ障害者の場合には、地域生活が不十分だったわけですから、震災という犠牲を払ったけれども、あれをくぐったことで新しい地平を開くという復興であってほしいということだと思うのです。

福島のことが出なかったので、一言記録に残しておく必要があると思うのですが、これはこれでまた県外に6万人もいらっしゃって、きのう伺ったら、震災の後から関連死が1,000人もふえたということを考えると、これはこれで特別な手立てが多分いるのだろうと。ただ、少なくとも障害分野の我々から言わせますと、どこにいても県外にいても継続した、あるいは県内にいたときと同等の継続と公平ということは強調しておく必要があるということを述べておきたいと思います。

以上で、これをどう組み立てるか大変難しいのですが、前回、前々回、今日受けた、特に前回と今日が防災、震災なのですが、これを受けて整理させていただきたいと思います。

では、続きまして、論点<4>ですね。「防犯に関する施策」ということで、今日改めて警察庁の方からお見えになっていますので、冒頭に短い時間ですけれども、御発言いただいて、また委員の方から順次発言いただきますので、警察庁の方、御報告をお願いします。

警察庁生活安全企画課長(河合) 警察庁の生活安全企画課長の河合でございます。よろしくお願いいたします。

前回御説明したことと若干繰り返しもありますけれども、全体を総括してお話し申し上げたいと存じます。資料2がお手元に配られているかと思いますが、それに関連しましてお話し申し上げたいと存じます。

まず、防犯に関する施策につきましては、「1 障害女性に対する性犯罪防止対策」ということで書いてございます。

1つ目の○としては、警察安全相談への的確な対応ということでございますが、障害のある女性あるいはその御家族等から性犯罪被害について相談を受けた場合には、相談内容に応じまして刑罰法令に抵触する事案を検挙することはもとより、刑罰法令に抵触しない事案であっても、必要に応じて防犯指導や関係者への指導計画などを行うことによって、さらなる被害防止ということを図るようにしてございます。これが1つ目の○でございます。

2つ目の子ども女性安全対策班による活動の推進というものでございます。これは平成21年4月にここに書いてございますように、子ども女性安全対策班というものを全国に設置してございます。これは女性を性犯罪等の被害から守るための対策として、子どもや女性を対象とする性犯罪等の前兆と見られる声かけ、つきまとい等の行為者を特定し、検挙または指導警告措置を講じるというものの専従班でございます。これによって被害の未然防止を図るということにしてございます。

また、再犯防止対策につきましては、平成17年6月から、これは書いてございませんけれども、簡単に申し上げますと、子どもを対象とした強制わいせつ等の暴力的性犯罪で服役、出所した者に対する所在確認の実施、あるいは平成23年4月からは、必要に応じて対象者の同意を得て面談を行う。要するに、接触をするということをして再犯防止対策の強化を図るということも併せてしてございます。

3つ目の○でございます。障害者虐待防止法を踏まえた障害者虐待事案への対応ということでございます。これはまさにここに書いてあるとおりでございますけれども、障害者虐待に当たる事案を認知した場合は、必要な措置を講じる、諸関係機関に連絡をするということがありますし、また防護するものは防護するということでございますが、一方で速やかに市町村に通報するということをしてございます。

大きな2番目でございます。障害者への理解を促す研修。これにつきまして、研修をどのようにやっているのかということが前にもお話がございました。その中身を少し詳しくお話し申し上げたいと存じます。

まず1つ目の○でございます。警察は犯罪捜査等の人権に関わりの深い職務を行っているところから、全職員が保持すべきものとして、人権尊重を大きな柱とします「職務倫理の基本」というものを定めております。さらに、職務倫理に関する教育を重点項目と掲げて人権教育というものを積極的に実施しております。

その中身につきましては、前にも御説明をしたのですが、もう少し詳しく御説明いたしますと、次の○でございます。警察学校や警察署等の職場において、職務倫理、この中でも障害者の人権に配意した警察活動といったものも含めて講義しておりますし、また、障害者施設等での介護実習、部外有識者による講話を始めとする障害者特性や障害者に配慮したコミュニケーション方法への理解を深めるための研修、あるいは障害者との共生社会の実現に向けた教育を実施しているということでございます。

そのほか、既に御案内をしていたかと存じますが、「障害をもつ方への接遇要領」というのを平成16年に定めてございます。また、平成20年に「人権に配意した警察活動のための手引」という細かいものを策定いたしまして、これを都道府県警察に配布して、これらの研修教育において活用しておるという状況でございます。

「3 障害者へのコミュニケーション支援」でございます。FAX110番、メール110番の周知でございます。事件・事故の際に、聴覚障害や警察に対する緊急通報を円滑に行えるようにするため、特別支援学校の生徒や職員に対してのFAX110番あるいはメール110番の通報要領等に関する講習を実施しております。メール110番は、ちなみに全国に整備されてございます。

また、警察版コミュニケーション支援ボードの活用というものでございまして、障害者との接遇時に予想されますものを文字で記載されておりまして、交番等における道案内、遺失物被害や交通事故の申告等の取扱いの際に、要件の把握と対応に役立っているという状況でございます。交番のほかにパトカーの中で常備するといったことも併せてやっているということを前にも御説明申したところでございます。

まず私の方からの資料についての御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

藤井座長 ありがとうございました。前々回に続きまして、再度もう少し詳しく御説明をいただきました。各委員からは、浅倉副座長からのペーパーを最初にしながら、かなり突っ込んだ意見等も入っています。極力これと重複しないようにしていきながら、しかし、強調したいこともあると思いますので、これから御発言を受け付けます。発言したい方は挙手をお願いいたします。

では、森本さん、中西委員の順番でまいります。

森本さん、お願いいたします。

嘉田委員代理(森本) 私の方は、資料の13ページに準備をさせていただきました。現行の計画に記載されておりますことに合わせまして、新たに考慮すべき点ということで3つのことを述べさせていただきたいと思います。

1つは、ネットワーク利用犯罪から障害のある方を守る対策の推進ということでございます。現状、携帯端末も含めましてインターネットを利用する障害のある方が多くなっております。その中で判断能力が乏しい障害のある方など、インターネットを悪用した詐欺とか出会い系サイトなどによりまして、犯罪に巻き込まれる危険性は増大していると思われます。そういったことから、障害のある方に対しまして、特にインターネットの安全な利用方法等に関わる周知、啓発などを行うネットワーク利用犯罪から障害者を守る対策の推進が必要と考えます。

2つ目は、犯罪被害予防教育の推進でございます。なかなか今言いましたネットワーク利用犯罪など、周囲の方からの見守りなどだけでは被害防止が難しいという犯罪がございます。これまで以上に、障害のある方自身が防犯の力を身につけるということも求められてきております。そういったことから、犯罪に巻き込まれないための知識とか、困ったときの相談方法など、犯罪被害の予防に係る体系的な教育特別支援学校の学校教育でより推進していくということが必要と考えます。

また、3番目に書いておりますが、防犯の対策の策定、検討に際しましては、障害のある方、当事者や家族、支援者などの視点を生かし、より効果的な対策を講じることができるよう、防犯施策の策定や地域の自主防犯組織などにおいて、障害者や関係者の参画、意見反映などに努めることが必要であると考えております。

以上です。

藤井座長 これは河合幹事に伺っておきたい。今、森本さんが仰ったように効果的な政策を作っていく1つの視点として、当事者の参加、参画が大変大事だろうと。今仰ったのは、自主防犯グループなどということだったのですが、国の防犯政策を作っていくときに障害当事者の参加というのはどうなっているのでありますか。

警察庁生活安全企画課長(河合) 警察庁における施策の実現に際しては、特に障害者の方に限って御意見を聞くということをしておるものではございません。ただ、一方で地域においては、警察署のレベルでございますけれども、警察署、協議会において様々な分野の方々に入っていただきますので、その際、障害者の方にも入っていただくこともございますし、外国人の方にも入っていただくこともあるということも含めて、様々な人の意見を聞くということにしております。

藤井座長 では、中西委員、どうぞ。

中西委員 今回の皆様の御意見を拝見していると、何人かの方は女性障害者に関しても触れていただいているのですが、ただ全般的に障害者が犯罪の被害者になる確率が高いということから考えると、さらに女性障害者の割合というのはもっと高まると思われますので、特に女性障害者に関して、また防犯の中で1項目設けて取り上げるなり特記していただきたいと思います。

警察庁の方の今回の発表、一番最初に障害女性に関しての防止策ということで取り上げていただいたこと、とても良かったと思っています。ただ、これは本当にごく普通の対応策を女性に対して特にやるという意味合いでしか聞こえませんでしたので、先ほどのお話にあったような女性障害者の立場を理解する当事者である女性障害者がこの一連の防止策の中で参画していくようなプロセスが執られるようにということを基本計画の中で入れていってほしいと思います。

その中で先ほどの警察庁の中でのお話で足りなかったのは、それぞれの対応策に関してもう少し合理的配慮の部分、特にこのことに担当する方たちに対して障害者のニーズに対する教育も入ってくるべきだと思いました。

以上です。

藤井座長 恐らく河合さんも分かりにくいと思うのですが、中西さん、合理的配慮と防犯政策、もう少しお話し願えますか。

中西委員 それぞれのニーズに応じてとずっと今までの議論というのは出てきたのですが、それというのは障害当事者が例えば今ここの机の上にあるように、知的障害の方にはゆっくり分かりやすく話をする、聴覚、視覚に障害のある人に対しては、それぞれの視覚障害者とか音声による資料の提供、またガイドの存在、そういうものがあって、その人たちが実際に自分たちの防災に当たってそれぞれの立場で主張していくなり防災が努められると思いますので、警視庁もそれの対応に関しては、それらの物理的、人的配慮というのを行っていただきたいということでの合理的配慮です。

藤井座長 防犯に当たってですね。

中西委員 はい。

藤井座長 それでは、ほかに御発言はいかがでしょうか。

まず、浅倉副座長、棟居委員の順番でいきますので、浅倉副座長、お願いします。

浅倉副座長 浅倉です。ありがとうございます。

私の意見は、9ページの資料3の冒頭に書いてあるとおりです。防犯といった場合に、いったいどんな人がどのような犯罪に出会っているのか、被害を受けているのかということ自体がはっきりしないと、なかなか防犯対策というのは立てられないと思うのです。しかしながら、障害を持つ方がどういう犯罪、被害を被っているのかというデータを見出すことがなかなかできません。

実は、先ほど御紹介があったように、今日の資料2の中に、警察庁において「障害をもつ方への接遇要領」という平成16年に作られた資料があります。警察庁はそれらの資料を作成し、都道府県の警察における研修に活用していらっしゃるという非常に貴重な情報をいただきました。そこで、この「障害をもつ方への接遇要領」というのを私は見てみましたところ、非常によくできているなと思いました。

その接遇要領の前書きを見ますと、「障害のある方への接遇マニュアル」という東京都が既に発行されている平成13年の資料と、「知的障害のある人を理解するために」という平成13年11月の社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会が発行された資料、その2つの資料の大部分を使い、若干それを修正して作ったのだとお書きになっています。だからこそ、障害者自身の参加される団体が関与した情報を警察庁も取り入れて使っていらっしゃるという意味でも貴重だと思いました。中身も大変よくできているなと思いました。

ところが、39ページに、知的障害者の被害というコラムを載せていただいておりまして、ここに興味を引かれるわけです。日本ではまだ障害者がどのくらい被害に遭っているのかを示すデータはありません。しかし、ここには、アメリカでは、犯罪の種類によって20~85%の知的障害のある人が被害に遭っているという調査結果がありますと書かれています。これが平成16年できているのですから、こういうふうに自覚されているのだったらば、今日においては、障害者に関して、被害がどの程度どんな犯罪に関して発生しているのか、日本でもやってみようではないかということで取り組まれてしかるべきかと思います。

しかし、残念ながら、日本では、恐らくコラムのままに放置されていて、なかなかアメリカのようにここまで行っていないのが実態なのかなと思います。それが1つ私は残念だなと思う点です。

そこで、せめてDVの相談をどの程度の障害者の方が利用しているのかを見てみたところ、DVの相談については資料がありまして、男女共同参画の方の資料なのですけれども、障害の種類別相談というものが挙がっております。今日の資料の9ページでいきますと、知的精神障害の方が全体の障害者のうちの多くを占めています。すなわち、全体障害者からの相談が3,311件のうち、知的精神障害の方が2,691件と非常に多い。かなりの相談の割合を占めていらっしゃるということが分かりました。

知的障害を持つ人については、実際には被害を訴えることが非常に難しいということが、実は先ほどの接遇要領の28ページにもきちんと出ております。それは性的被害として出ているのですけれども、知的障害のある女性の性的被害はかなり多いのです。しかし、被害者自身が障害が重い場合には性的被害を受けている認識がないために、それが表面化しません。うまく表現できないだけに余計にひどく傷ついていますと、ここにも非常に貴重な指摘があるわけなのです。にも関わらず、DVの相談についてはこれだけ多くの知的障害の人が相談をしているということは、実際には、その背景にはもっと被害を受けている人がたくさん多いのだろうなと予想いたします。

ですので、こういう事実をいろいろ突き合わせると、やはり女性の中で性的被害を受けている人、知的障害の人たちで相談できずにそれが表面化していない人がたくさんいらっしゃるということがよく分かりますので、ぜひとも中西さんも先ほど仰いましたけれども、防犯の前にともかく実態を明らかにし、それに対する適切な対策をぜひ立てていくということを今回の基本計画の中では明確にしていただきたいと思っております。

以上です。

藤井座長 では、棟居委員、どうぞ。

棟居委員 ありがとうございます。防犯という時に、やはり基本的には障害者の普段の暮らしぶり、暮らし方、そこから考えるべきだと思います。もちろん、警察の方に来ていただいているので、実際に犯罪が起きる直前とか起きていると時、起きたすぐ後、こういう事件性のある時を中心に今お聞きした方がいいかもしれませんけれども、しかし、警察のマンパワーも限界があるので、障害者とオンラインで常に障害者の安全を気にかけるということもなかなか難しいと思います。

ということで、やはり障害者同士が自分たちの安全を自分たちで守っていくということで、自立して1人で暮らすというのは非常に大事なのですけれども、グループホームというものをもっと活用して、グループホームの中で障害者同士の権利侵害や虐待、ハラスメントが起きにくいような工夫をうまくしていくということが大事ではないかと思います。

これは先ほど言いそびれたのですが、被災地の災害の復興の際に、家族を失った障害者、ばらばらに散り散りになった障害者はたくさんいると思うのです。しかし、皆、地域に帰っていきたいという時にお互いに力を合わせるグループホームという形態が活用されるべきだと、行政もそういう障害者の暮らしぶりを支援していけば、防犯という目的も自ずと達成できるのではないかと思います。

もちろん、一部にけしからぬ業者がおって、住居に集めて貧困ビジネスというようなことをするのがいるわけですけれども、逆にグループホームをきっちり押さえて、自分たちで自立をするということをやっていけば、そういうことも防げるのではないかと思います。

また、私は大学の教授なので全く個人の感想ですけれども、学生で今金のないのがたくさんいます。なかなか大学も寮が十分ではありません。そういう学生がただで障害者のグループホームに住める、ある程度世話をする。何もかもはできないと思いますけれども、そうした障害のない者の活用というか同居というのもグループホームの形態としてあっていいのではないか。要するに、防犯という時にまず自分たちで守る、そういう暮らしぶりを考えるというのも大事ではないかなと思います。

以上です。

藤井座長 それでは、大谷委員、どうぞ。

大谷委員 すみません、遅刻して、既にどなたかが指摘してダブっていたらごめんなさい。防犯のことに関して一言言いたくて来ました。既に指摘されているかと思いますけれども、被害に遭いやすい犯罪類型というのはあるのです。私の法律相談の現場でも明らかに性的被害と詐欺、騙されやすいというか誘導に乗りやすいということで、この2類型にあっては、知的障害の方、精神障害も含めて、基本的に障害にボーダーの方も含めて多いように見られます。これは私の直感だけではなくて、法律相談をやっている現場でしたら誰もが分かるところだろうと思うのです。

それに対して、警察庁の方がいろいろやってくださっているのは分かるのですけれども、全然現場に生きていない。マニュアルができても現場まで届いていないのではなかろうかと思いますので、その点に関しては周知徹底するということも1つだと思うのですけれども、1つだけ私の個人的な経験で言わせてもらえれば、障害者自身の方がある種エンパワーメントされない、被害を被害として自覚できないということもあるのですけれども、例えば詐欺などもお友達がほしい、話がしたい、誰かと一緒にいたいということで、ある種おれおれ詐欺の年寄りと近い、高齢者の方と近い類型で非常に騙されやすくなる。

私のやったケースなどでは、自分は知的障害があるのだということで手帳を見せている。手帳を見せたら、ますます騙されたという非常に悪い類型などもあるのです。私はそういうことに関して、特別支援学校の方で高等部の卒業のための授業、社会に出たらこういうことを注意しなさいという授業を1コマ設けさせてもらってやっていたことはあるのですけれども、しかし、それをやると、あれを注意しなさい、こういう人には注意しなさい、あの人には近寄ってはいけませんというだめだめということで、どうしたら私はお友達ができるのかというようなことになってしまうのです。

ですから、卒業の時に改めて障害者の人たちに対して指導、支援しても、もう社会に出たら悪い人ばかりなのかというような形になってしまって、どこでどうやってお友達を作っていいか分からない、全部サインしてはいけません、消費者クレジットなどでも、絶対サインする時には誰かに相談してからでないとサインしてはいけませんよとしたら、せっかくサインできるのにどこにもサインしてはいけないのかというような感じになってしまっているのです。

どこでこの人たちのそういう被害と出くわすときのエンパワーメント、自分の身を守る手段をどうやって身に着けるべきかということも、もっともっと私たちは工夫しなければいけない。

1つは、棟居先生が仰るように、グループホームとか1つの集団形成をして、社会に自立する時のある種の助け合い的なものをホームとして支えていくというのも絶対必要だと思うのですけれども、やはりこの子はそういう障害特性があるのだということを本当に周りの人が知っている、どこでも知っている。職場でも学校でも地域でも知っている。だから、それこそ見守りという形での防犯体制、被害に遭わない人間関係を日頃から作っていくしかないと、私は法律相談の現場で思うのです。

ですから、防犯の一番の鍵は、地域でのそういう人間関係ができて、あの子が誰かと一緒にいるな、あの子が誰かとずっと長く付き合っているな、大丈夫かなという形での見守りとその人自身のエンパワーメント、これを日頃から作ることが大事ではないかなと思いますので、学校教育も含めて障害のある人たちに出会うところの全てに関してそこは徹底してもらいたいなと思っています。

特に詐欺に遭いやすい。これは消費者である障害者が詐欺に遭う。クレジットカードを使うときに詐欺の一番の落とし穴になるということからすると、消費者というか売る方側も、この子は障害があるかもしれないと思ったら、それは説明責任が加重されるという形でのある種の地域社会、業者側の教育もしないと、障害があるから大丈夫なのだということで逆に説明を軽んじてしまって落とし穴をどんどん大きくしてしまうなどというのは本当に本末転倒な話なので、そういうことがないような形での人間関係をぜひ作っていただきたい。それを軸に何とか基本計画に消費者としての障害者をクレジット被害とか消費者被害から救うためのもの、これも1本生かすべきではないかと思っています。性的被害ももちろんのことです。

以上です。

藤井座長 大変大事な指摘ではあるけれども、棟居さんが仰ったことも含めて支援論としては分かりますけれども、防犯とか被害救済政策という政策論からするとどういうふうにするかは大変難しいし、ここでは主に政策論を論じるあるいは計画には政策を落とすということなので、大変どうなるか難しいのです。

大谷さん、もう少し政策論で意見はないですか。

大谷委員 1つ私がイメージするのは、性的被害は性的被害なのですが、消費者としての障害者被害というのはすごくあるのです。ですから、詐欺に遭いやすい障害者ということからすると、私は業者の側に説明責任を加重する形での問題提起は政策としてぜひ生かしてもらいたいと思っています。

藤井座長 東さんから一言。

東室長 担当室の東と申します。

警察の方がせっかく来られておりますので、若干基本的な確認だけさせていただきたいと思います。今年の10月から障害者虐待防止法が施行されることになりましたので、これまで犯罪と言うべきかどうか分かりませんけれども、要するに虐待事案については法的な対応が可能となりました。

ただ、私も弁護士をやっておりまして、虐待と言われる部分の多くで、実態的には刑法犯と重なり合うといった事案もあるかと思うのです。そうした場合に、特に知的障害者が被害者になっている場合には、犯罪として立証するというのが非常に難しい。だからこそある意味、虐待防止法というのが必要なのだといったことになるのだろうと思いますけれども、特に障害者虐待に当たる事案を認知した場合には、警察として必要な措置を講じるとともに、速やかに市町村に通報と書いてあります。市町村から協力を求められるということで、その協力依頼に応じるといったことも1つの措置だろうと思うのですが、そのほかに警察として、これは虐待でもあるけれども、刑法事犯にも該当するといった認識を持たれた場合には、警察としての本来の調査というものは独自になされるということになるのかどうか、そこだけまず基本的には尋ねさせてください。

藤井座長 では、幹事の河合さんの方から、今の点についてのコメントはいかがですか。

警察庁生活安全企画課長(河合) まず、最後の東室長のお話ですが、独自に捜査をすべきところは当然始める。人権に配慮しながら考えていくわけでございますけれども、障害者虐待防止法に基づくところの障害者虐待であるということの認識がありましたら市町村に通報するというものもございますし、刑法に触れるものであれば刑法に則した対応をするというのは当然やってございます。

藤井座長 それでは、後でまた河合さんから総括的にお答えいただきますが、阿部委員から手が挙がっていますので、阿部委員、どうぞ。

阿部委員 阿部です。

先ほどの嘉田委員の意見といいますか、森本代理の整理されたように14ページ、犯罪被害予防教育はすごく大事なことだと思います。私も防犯に関する知識や、その防犯の力の向上というのは障害当事者としてもっていく必要があるのかなと思っています。

ただ、私たちは障害当事者団体、今まで防犯ネットワークとか警察というところとの距離感が随分あるように思いましたので、研修その他でもっと警察、交番が身近になるような存在になっていく必要があるのではないかと思います。

かつては交番というのは本当に地域の身近な相談に関係する場所だったということをよく聞いていますけれども、今は本当に社会が複雑化してきているのかもしれません。しかし、その視点はすごく大きいのだと思います。障害当事者団体としても、警察、防犯ネットワークとつながりを持つような取り組みを行いたいと思っていますので、そのようなところも配慮をお願いしたいと思います。

藤井座長 それは1つの参加、参画だと思うのですが、阿部さんから、もう少し具体的に提案がありますか。

阿部委員 防犯に関する会議等についても、やはり障害当事者は必ずしも本人だけではないかもしれませんけれども、今日も委員の皆さんから障害故の被害というお話がありましたことから、防犯に関する会議のときに、よく障害のある人の状況を知る人が参加しながら、防犯計画、その他に関与するようにすべきではないかなと思っています。

藤井座長 そろそろ時間で終わりの方に入っていくのですが、どうしても発言したい方。

長瀬専門委員、八幡専門委員で終わりますので、短くお願いします。

長瀬専門委員 ありがとうございます。長瀬です。

河合幹事に質問させていただきたいと思います。防犯に関する施策についての御説明、ありがとうございます。また、実際、御説明の2番の障害者への理解を促す研修というのが警察学校等において研修という形で行われているというのは非常に嬉しく思いました。この中で書かれてらっしゃる部外有識者による講話を始めとする障害者の特性や障害に配慮したコミュニケーション方法等への理解を深めるための研修等についてお伺いしたいと思います。

ここでは、部外有識者という形で書かれてらっしゃるのですけれども、今、すぐ数字はもしないかもしれないのですけれども、実際に障害のある方自身がこうした機会に研修の講師となって参加されるということは非常に趣旨に適ったことだと思いますので、そういう形がどれぐらいおありになるのか。また、これからの防犯に関する施策の中の一環としてのこうした研修を進める際に、やはり障害者自身が研修の講師となって参加されるという形はぜひ進めていただきたいなと思いました。

また、それに関連してですけれども、いわゆるピア、この場合は先輩の警官の方になるかと思うのですけれども、実際に知的障害だったり、発達障害だったり精神障害、そういう方たちを含めた非常に経験豊かな警官の先輩の方もいらっしゃると思いますので、必ずしも部外の有識者、障害を含めた有識者も大事ですけれども、実際に警官の方たちも同僚であったり先輩でそういう造詣の深い方がお話をされるというのもひとつやり方かなと思いました。

と申しますのは、次の○の「障害をもつ方への接遇要領」、浅倉副座長と違って私は予習不足でしっかりと読んでおりませんけれども、先ほどのお話の中で、元になった警察プロジェクトの資料を毎日新聞の野沢さんたちが作られたのですけれども、その元になったものは米国の経験で、米国でそういう警官で実際に障害のある方たちと接する経験が非常にある警官の方たちがまとめて作られて、同僚に知識を共有するために作られた経験があって、それをもとに日本の警察プロジェクトも進められたと伺っていますので、障害当事者自身と警官、同僚に語る方が講師となる形も施策の一つの進め方かなと思いました。

以上です。

藤井座長 では、後でまた河合さんから総括的なお話がありますので。

最後になりますが、八幡専門委員、お願いします。

八幡専門委員 なかなか障害者計画の中で防犯というのは非常に難しいと思っています。例えば情報についても手話についても、それほどの率で障害者が警察からFAXをもらうことがあるのかどうか。いわゆる手話の必要な人がどの程度の率で、つまり、全国各地に手話ができる人を配置するほどまでに至るのかどうかということを考えると、むしろ権利擁護システムみたいな形で、障害者が来た場合には必ずここに連絡をしてここから手話通訳を派遣しなさいというようなシステムの方が、いろんな障害別に対応して具体的なような気がするのが1点。

警察庁の中では、一般の方と多いかどうかは別にしても、犯罪の傾向と対策というのは警察庁の仕事ですので、障害者が被害に遭う数あるいは障害者が犯罪に手を貸す場合もあるかもしれませんけれども、数の代償はともあれ、一定程度の統計という意味では、そういうことをきちっと障害種別によって、もしくはどのような傾向にあるのかということについては基礎資料を揃えていただきたいと思いますので、これはきちっとお願いしたいと思います。

現実的に私たち警察庁の方と関わるのは、先ほどの詐欺と、もう一つは行方不明なのです。結構行方不明者というのも出て、高齢者もそうですけれども、そういう形でいろいろあるのです。なかなか刑事裁判まで持って行くような形にならないですし、民事でも難しいということがあって、内在しているというか、いわゆる統計にあらわれないケースというものもあるので、そういうことも含めていろんなこういうことがあったら警察としての窓口に犯罪として扱えるかどうか分からないにしても、そういう統計をとっていますというようなことをやってほしい。

最後に、防犯というのか、先ほど言った行方不明も結構あるものですから気になっていて、防犯というだけではなしに警察庁で関わる保護という役割がありますね。保護という柱もあってもいいのかなと、身柄の保護というのは警察の大きな役割であると思っています。

ここにも書いてあるように、結局は地域との防犯上のシステムなのですけれども、今の書き方できちっとあるようなないような気がしていて、これも地域地域で具体的にどのようなネットワークでどのような機能があるのかというモデルを示して、ある程度の目標があるのかどうか。これはもしあれだったら、今の現在目標があるのかどうかということと、もしなければそれをもう少し具体的にしていただきたいということでよろしくお願いします。

藤井座長 それでは、これで議論は終わりにします。

河合幹事から総括的にコメントをいただいて、最後に、今日、せっかく金子政務官がいらっしゃいますので、先ほどの震災のコーナーと合わせて最後に総括的にコメントをいただきましょうか。

では、河合さん、よろしゅうございますか。

警察庁生活安全企画課長(河合) そうしましたら、順不同で簡単に答えられるところをささっと答えて、時間が少ないのでどれだけ説明できるか分かりませんが、御容赦ください。

まず、長瀬専門委員より、障害者の人によって教育を受けることがあるのかということがありました。これはろうあの方々を含め、介護実習だけではなくて手話でありますとかさまざまな現場で障害の方々にまさに講師になっていただくということもございます。また、NPOの方でありますとか、障害の方々を支援されている団体の代表の方にもお話をいただく。さまざまなものが正にございます。

八幡専門委員の方から、行方不明の話がございました。この行方不明の問題というのは、正に障害の方々の中でも特に認知症により徘徊する高齢者の方々の問題がございます。これにつきましては警察としましても懸命にやっておりますし、当然市町村役場や地元の交通機関等々と地域の関係機関団体と連携して一生懸命やっているという状況でございます。

障害者の被害実態をどう把握するのかという問題でございます。これは各委員からお話があったところでございます。接遇要領にも書いてある割にはまだまだ進んでいないのではないかということだったと思いますが、障害者に限っての犯罪統計というものを警察として現在用意しているものはございません。ただ、障害者虐待防止法というのが動いている関係上、それに関連するデータというのは確実に持っておるわけでございますけれども、そのほかのものにつきましは、まず1つの考え方としては、障害者であるかどうかに関わらず刑罰法令に起因するあるいは抵触する事案を検挙する、あるいは刑罰法令に抵触しない事案を検挙するという観点からやっておりますので、必ずしも障害者の犯罪被害という観点だけでまとめた統計はないというのが現状でございます。

ただ、一方で、大谷先生の方から、障害者の性犯罪あるいは詐欺といった問題で関わっているではないかということは、正に振り込め詐欺とか特殊詐欺等々で実際に分かってきている部分もございます。そういう意味で、障害者に観点を絞ってどのように犯罪被害を把握していくのかということは大きな課題と考えてございます。

犯罪被害全体を見ていくものでございますので、障害者であることを原因として何があるのかということを今持っているということではございません。今後の課題と考えてございます。もう一つのこの観点では、障害者に関する正確なデータを把握する、収集するということは、特に障害者の方のプライバシーにも関わることでもありますので、一体どのように障害というのを考え、あるいは障害に関わることの被害者なのだと認定していくのかということを相当きめ細かに慎重に考えませんと、警察官がやみくもにやって逆に二次被害、三次被害に、それこそ性犯罪の被害と同じようなことが起こってはなりませんので、今後相当慎重にではありますけれども、考えていかなければならないと考えてございます。

早口で申し上げますが、森本代理の方からいろいろお話がございました。ネットワークの話がございまして、ネットワークの犯罪につきましては、まさに児童ポルノの問題であるとか、騙されるという生活経済事案の対策も含めてさまざまに大きな問題と考えてございます。障害者に限ったことではありませんけれども、広報啓発というものをどんどんやっていかなければならない。あるいはインターネット安全安心相談というのを進めていかなければならないと考えておりまして、それをできる限り進めていってございます。

また、犯罪被害の予防教育は学校教育でも当然やっていただかなければなりませんし、連携していきたいと思ってございます。

防犯対策において、障害者にどう参画していただけるのかということが中西委員、ほかの委員からもございました。これは先ほども言いましたように、警察署協議会という警察署のレベルでは、いろんな方々の意見を踏まえるということをしてございます。そのほかにも、警察本部あるいは警察庁としても今後とも障害者の方々とのネットワークをどうやって把握していくのか、あるいは連携していくのかということは大きな課題と考えてございますので、対応してまいりたいと思ってございます。

これは阿部先生からネットワーク、要するに交番がなかなか入りにくいという問題なのだということを指摘いただきました。これはあってはならないことと考えてございますけれども、今後とも犯罪被害を起こさせない、犯罪を起こさせない社会づくりという観点からも、防犯のネットワークはこまごまとやっていきたいと、あるいは組み立てていきたいと考えてございますので、それにつきましては、またいろいろお教えていただければと思ってございます。

藤井座長 では、時間が来ていますので、金子恵美内閣府大臣政務官からコメントをお願いします。

金子政務官 前半防災、そして復興ということで御意見をいただきました。また後半は防犯ということがございました。改めて本当にそれぞれの委員の皆様方から貴重な御意見を伺えましたこと、本当にありがたく感じているところであります。

私なりのまとめ方をさせていただくと、まずは仕組みの問題、地域社会と行政組織の問題、また2つ目には、誰がどのような形で仕組みの中で動いていけるかというマンパワーの問題。3つ目には、情報のあり方の問題と大きく分けさせていただきました。

その中で、これは前半の防災・復興と防犯に共通することだと考えているわけなのですが、特に前半の防災そして復興と考えたときに、私も冒頭御挨拶をさせていただきました中で、特に震災直後というのは障害のある方々の安否確認が本当に進まなかったという状況の中で、もちろん、皆様方の仲間のJDFの被災地障害者支援センターが福島、宮城、岩手という被災地に設置されまして、その中から本当に大きく前進させる形でボランティアの皆様方にしっかりと被災地に入っていただきまして、全国各地からの応援をいただきまして、そしてそのような形でやっと安否確認ができるような状況を作り出したという、本当に行政ができないことをしていただいたという実態があります。

皆様がおできになる、しかし、一方で、本当にボランティアが動いてくださる中で壁になったのは行政の仕組みだというようなことで、これをしっかりと変えていくということがまず重要なのだろうと思っていますし、またそもそもなぜ安否確認ができなかったかということを考えたときに、先ほど来ありますけれども、災害時要援護者ガイドライン等を含め、個別プランがしっかりと自治体ごとにあったか、持っていたかというと、それがなかったということ。また、要援護者の名簿が民生委員の皆様にすら渡っていなかったという実態があるということですので、これは仕組み、人の問題、また情報提供の問題、そういうものだと思います。

また、防犯についても私は同じだと思っています。地域の中で動ける人々の中では、もちろん、ボランティアの方々も含め、民生委員の方々も含め、地域の皆様がどのように障害のある方々の実情等を把握しているかというようなことだと思います。

私も実は消費者庁の担当もしているのですが、消費者庁はとにかく障害のある方々に対しても、しっかりと窓口対応のできるような形でさまざまな情報提供もしていくということを言っていますが、しかし、窓口があったとしても、そこに誰がどのように障害のある方々をつないでいけるかというところがまだ明確になっていないと思います。やはり情報を提供してくれる人がそばにいる、共に生きていてくれるかということで大きく違ってくると思います。私たちが恐らく目指している社会というのは、障害のあるなしに関わらず共に生きていける社会であって、そして今申し上げたような情報等も含めてしっかりと情報交換もできる、あるいはコミュニケーションをふだんからできるような社会なのだと思いますが、それが今はまだできていないということなのだと思います。

特に先ほど来ありましたが、今回の東日本大震災が発生したことによってそれが明確になった。そして、また防犯ということを考える段階でも、やはりその障害のある方々の人権というもの、あるいは自己選択権というものを守れないという状況にあり、例えばもしかすると障害のある方々を被害者にはさせたくないということで、もちろん、ある意味保護という課題も出てくるかもしれません。

しかし、一方で、障害のある方々を加害者にもしたくない。つまりは、いろいろな犯罪に巻き込みたくないということになったときに、地域の中で、あるいは社会の中でのさまざまなコミュニケーションをしっかり整えていくという仕組みというのが必要であって、先ほど来、皆様方からお話がありました、まさにネットワークづくりをしっかりとやっていくということが課題なのではないかなと感じているところでございます。

私なりのまとめ方でかえって恐縮ではあります。もう委員の皆様方それぞれのお立場で大変御見識のある御活躍の皆様ですが、私が障害のある妹を持ちながら当事者として地域社会の中で生きているという形で、それで私なりの気づきということで今申し上げさせていただいていることを御容赦いただきたいと思っています。

そして、結びに申し上げさせていただきたいなと思っておりますのは、今日皆様方からいただいたさまざまな御意見等もしっかりと障害者基本計画に盛り込まなくてはいけないと思っています。今、日本全体が恐らく東日本大震災のことで落ち込んでしまっているかしれません。しかし、これを逆手にとって、つまりはここで障害のある方々がどれだけ今までこの震災前から苦しんでいたかということを知ることができた、国民の皆様にとっても1つのきっかけとなったと思います。それをしっかり知らせるということを私たちはしていかなくてはいけないのだと思っています。

ですので、この基本計画、新たな日本を作るために大きく前進させるための障害者権利条約を批准するための、私たち全ての国民の権利を守るいいものにしていただきたいということをお願い申し上げまして、私のまとめ的なお話にさせていただきたいと思います。

また、福島の人間としても、皆様からいろいろと御支援を賜ることがあると思いますけれども、引き続きよろしくお願いいたします。いまだに16万人の方々が避難を余儀なくされています。多くの障害のある方々が苦しんでいます。しっかりと復興担当としても頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

今日はありがとうございました。(拍手)

藤井座長 どうも大変ありがとうございました。

私の方では一言だけ言っておきますけれども、今日出ていましたのは前段の震災、復興も後半の防犯も、やはりキーワードは障害ゆえにという被災格差あるいは被害格差、この格差をどうするのか。今日出たキーワードの1つは、実態をきちんと正確に捉えていく、その上で検証も必要だろう。参加というキーワードもいっぱい出てきました。女性障害者というあたりもずっと一貫して障害者政策委員会に出ていますので、この辺も今の金子先生のものと合わせて、計画の中でどういうふうにねじ込むか考えていければと思います。

以上をもちまして第6小委員会の第3回目の会合を終わりますが、同時に、第6小委員会全体として予定した議題を、不十分であるかも分かりませんが、これで終わります。この第6小委員会のまとめに関しましては、次回の総会、障害者政策委員会の親会議に座長の方から申し述べさせていただきます。

委員、専門委員の方々につきましては、大変お忙しい中、活発な御議論をありがとうございました。当小委員会の運営に当たりまして、関係省庁に大変協力いただきました。厚くお礼を申し上げます。

次回の予定につきまして、東室長から御発言をお願いします。

東室長 どうも御苦労様でした。担当室の東です。

小委員会としては今日で終わりなのですが、政策委員会としての次回開催は、当初、12月17日を予定していたところを10日も1回入れるということになりました。ですので、ここの報告は、12月10日に座長より報告していただくということになります。どうもありがとうございました。

藤井座長 これで終わります。どうもありがとうございました。(拍手)

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