参考資料 障害者の状況

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1.障害者の全体的状況

(1)3区分の概数

ここでは、身体障害、知的障害、精神障害の3区分について、厚生労働省による「生活のしづらさなどに関する調査」、「社会福祉施設等調査」又は「患者調査」に基づき推計された基本的な統計数値を掲載する。

身体障害、知的障害、精神障害の3区分について、各区分における障害者数の概数は、身体障害者(身体障害児を含む。以下同じ。)436万人、知的障害者(知的障害児を含む。以下同じ。)108万2千人、精神障害者392万4千人となっている(図表1参照)。

これを人口千人当たりの人数でみると、身体障害者は34人、知的障害者は9人、精神障害者は31人となる。複数の障害を併せ持つ者もいるため、単純な合計にはならないものの、国民のおよそ7.4%が何らかの障害を有していることになる。

なお、当該身体障害者数及び知的障害者数は、「生活のしづらさなどに関する調査」に基づき推計されたものである一方、精神障害者数は、医療機関を利用した精神疾患のある患者数を精神障害者数としていることから、精神疾患による日常生活や社会生活上の相当な制限を継続的には有しない者も含まれている可能性がある。

(2)施設入所・入院の状況

障害別に状況をみると、身体障害における施設入所者の割合 1.7%、精神障害における入院患者の割合8.0%に対して、知的障害者における施設入所者の割合は11.1%となっており、特に知的障害者の施設入所の割合が高い点に特徴がある(図表1参照)。

2.年齢階層別の障害者数

(1)身体障害者

在宅の身体障害者428万7千人の年齢階層別の内訳をみると、18歳未満6万8千人(1.6%)、18歳以上65歳未満101万3千人(23.6%)、65歳以上311万2千人(72.6%)であり、70歳以上に限っても253万6千人(59.2%)となっている(図表2参照)。

我が国の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は調査時点の平成28(2016)年には27.3%(総務省「人口推計」平成 28年 10月1日(確定値))であり、在宅の身体障害者の 65歳以上人口の割合(72.6%)は約2.7倍となっている。

在宅の身体障害者の65歳以上の割合の推移をみると、在宅の身体障害者の全年齢のうち65歳以上の割合が、昭和45(1970)年には3割程度だったものが、平成28年には7割程度まで上昇している(図表2参照)。

(2)知的障害者

在宅の知的障害者 96万2千人の年齢階層別の内訳をみると、18歳未満 21万4千人(22.2%)、18歳以上65歳未満58万人(60.3%)、65歳以上14万9千人(15.5%)となっている。身体障害者と比べて18歳未満の割合が高い一方で、65歳以上の割合が低い点に特徴がある(図表3参照)。

知的障害者の推移をみると、平成23(2011)年と比較して約34万人増加している。知的障害は発達期にあらわれるものであり、発達期以降に新たに知的障害が生じるものではないことから、身体障害のように人口の高齢化の影響を大きく受けることはない。以前に比べ、知的障害に対する認知度が高くなり、療育手帳取得者の増加が要因の一つと考えられる(図表3参照)。

(3)精神障害者

外来の年齢階層別精神障害者数の推移(図表4)について、平成26(2014)年においては、精神障害者総数 361万1千人のうち、25歳未満 36万3千人(10.1%)、 25歳以上 65歳未満 192万6千人(53.3%)、65歳以上132万7千人(36.7%)となっており、65歳以上の者の割合が高い。

外来の精神障害者の全年齢のうち、65歳以上の割合は、平成20(2008)年から平成26年までの6年間で、31.5%から36.7%へと上昇している。

3.性別の障害者数

(1)総数

「平成 28年生活のしづらさなどに関する調査」において、総数を性別にみると、65歳未満では男性が 135万9千人(57.1%)、女性が 101万4千人(42.6%)、 65歳以上では男性が 175万6千人(49.5%)、女性が177万2千人(49.9%)となっている(図表5参照)。

(2)身体障害者

「平成 28年生活のしづらさなどに関する調査」において、身体障害者数(身体障害者手帳所持者数)を性別にみると、65歳未満では男性が59万3千人(54.8%)、女性が48万6千人(44.9%)、65歳以上では男性が162万7千人(50.8%)、女性が156万5千人(48.8%)となっている(図表5参照)。

(3)知的障害者

「平成 28年生活のしづらさなどに関する調査」において、知的障害者数(療育手帳所持者数)を性別にみると、65歳未満では男性が 49万7千人(62.5%)、女性が 29万5千人(37.1%)、65歳以上では男性が8万9千人(53.0%)、女性が7万3千人(43.5%)となっている(図表5参照)。

(4)精神障害者

精神障害者数の男女別数(図表6)について、平成26(2014)年においては20歳未満では男性が16万6千人(62.2%)で、女性が10万1千人(37.8%)、20歳以上では男性が143万1千人(39.1%)で、女性が222万9千人(60.9%)となっている。

65歳未満では男性が 113万人(46.5%)で、女性が 129万人(53.5%)、 65歳以上では男性が 46万7千人(31.0%)で、女性が104万人(69.0%)となっている。

図表1 障害者数(推計)
注1:精神障害者の数は、ICD-10の「V精神及び行動の障害」から知的障害(精神遅滞)を除いた数に、てんかんとアルツハイマーの数を加えた患者数に対応している。
注2:身体障害児・者の施設入所者数には、高齢者関係施設入所者は含まれていない。
注3:四捨五入で人数を出しているため、合計が一致しない場合がある。
資料:
「身体障害者」
在宅者:厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」(平成28年)
施設入所者:厚生労働省「社会福祉施設等調査」(平成27年)等より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成
「知的障害者」
在宅者:厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」(平成28年)
施設入所者:厚生労働省「社会福祉施設等調査」(平成27年)より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成
「精神障害者」
外来患者:厚生労働省「患者調査」(平成26年)より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成
入院患者:厚生労働省「患者調査」(平成26年)より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成

調査の概要

○「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」(厚生労働省)

在宅の障害児・者等(これまでの法制度では支援の対象とならない方を含む。)の生活実態とニーズを把握することを目的とした調査。全国約2,400の国勢調査の調査地区内に居住する在宅の障害児・者等を対象。これまでの「身体障害児・者実態調査」及び「知的障害児(者)基礎調査」(下記)を拡大・統合して平成28年12月に実施。

○身体障害児・者実態調査(厚生労働省)

在宅の身体障害児・者を対象とした調査であり、5年ごとに実施していた。全国の国勢調査区から無作為抽出した調査地区内に居住する身体障害児・者及びその属する世帯を対象に調査していたもの。

○知的障害児(者)基礎調査(厚生労働省)

在宅の知的障害児・者を対象とした調査であり、5年ごとに実施していた。全国の国勢調査区から無作為抽出した調査地区内に居住する知的障害児・者のいる世帯を対象に調査していたもの。

○社会福祉施設等調査(厚生労働省)

全国の社会福祉施設等を対象に、施設数、在所者・従事者の状況等を調査するもので、毎年実施。10月1日時点での全数調査。

○患者調査(厚生労働省)

病院及び診療所を利用する患者について、その属性、入院・来院時の状況及び傷病名等の実態を明らかにし、併せて地域別患者数を推計することにより、医療行政の基礎資料を得ることを目的とした調査であり、3年ごとに実施。全国の医療施設から層化無作為に抽出し、調査日にその医療施設で受診したすべての患者を対象に調査。

図表2 年齢階層別障害者数の推移(身体障害児・者(在宅))
注1:昭和55年は身体障害児(0~17歳)に係る調査を行っていない。
注2:四捨五入で人数を出しているため、合計が一致しない場合がある。
資料: 厚生労働省「身体障害児・者実態調査」(~平成18年)、厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」(平成23・28年)
図表3 年齢階層別障害者数の推移(知的障害児・者(在宅))
注:四捨五入で人数を出しているため、合計が一致しない場合がある。
資料: 厚生労働省「知的障害児(者)基礎調査」(~平成17年)、厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」(平成23・28年)
図表4 年齢階層別障害者数の推移(精神障害者・外来)
注1:平成23年の調査では宮城県の一部と福島県を除いている。
注2:四捨五入で人数を出しているため、合計が一致しない場合がある。
資料:厚生労働省「患者調査」(平成26年)より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成
図表5 障害者手帳所持者数等、性・障害種別等別
(65歳未満)(単位:千人)
(65歳以上及び年齢不詳)
注:四捨五入で人数を出しているため、合計が一致しない場合がある。
資料:厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」(平成28年)
図表6 精神障害者の男女別数
注1:年齢別の男女数には、不詳の数は含まない。
注2:四捨五入で人数を出しているため、合計が一致しない場合がある。
資料:厚生労働省「患者調査」(平成26年)より厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部で作成
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