大阪府北部地震における、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「レジリエントな防災・減災機能の強化」の研究開発技術活用実績について(報告)


平成30年7月17日
政策統括官(科学技術・イノベーション担当)
プレスリリース

平成30年6月18日(月)に発生した、大阪府北部地震において、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)レジリエントな防災・減災機能の強化(以下「SIP防災」という。)で研究開発している技術を災害対応等に活用したため、その概要を報告する。

【活用した研究開発技術】

  • 1.防災情報共有システム(SIP(エスアイピー)4(フォー)D(ディー))
  • 2.リアルタイム被害推定システム
  • 3.エリアメール多言語提供システム
  • 4.SNS情報要約システム(D(ディー)-SUMM(サム))

※SIPとは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野を超えたマネジメントにより、科学技術イノベーション実現のために創設した国家プロジェクト。(H26~H30の5年間)

【具体的な活用状況】

1.防災情報共有システム(SIP4D) 【研究開発機関:防災科学技術研究所】 (参考資料 p1)

SIP4Dは災害関連情報をデジタル地図に収集・集約・提供するシステムである。発災当日より、大阪府庁内にて活動し道路通行情報や避難所の状況、ガス・水道の供給状況、入浴施設の位置情報等を電子地図に取りまとめて、広く発信・共有し、当局における迅速な災害対応や医療活動等に幅広く活用された。

2.リアルタイム被害推定システム 【研究開発機関:防災科学技術研究所】 (参考資料 p2)

震度情報、建物分布情報、地盤情報等を基に被害シミュレーションを行い、発災後10分程度で建物被害、人的被害等を防災関係機関に提供するシステム。大阪府北部の地震では、発災後約12分で被害推定を完了し、SIP4Dを介し政府機関等に伝達され、現地対応体制など初動に必要な判断に活用された。  

3.エリアメール多言語提供システム 【研究開発機関:(株)NTTドコモ】(参考資料 p4)

緊急地震速報や避難勧告などの自治体情報など、エリアメールを多言語で自動送信するシステム。今回は、緊急地震速報1回のほか、地震当日に自治体からの避難勧告は出されなかったものの翌日及び翌々日の大雨が重なったことによる大阪府箕面市、茨木市及び豊中市から出された避難勧告情報は、受信者の簡易な操作によってドコモのサーバにより翻訳され、そのエリアメールの総数は683件となった。 

4.SNS情報要約システム(D-SUMM) 【研究開発機関:情報通信研究機構】(参考資料 p5)

ツイッター上の災害関連情報を自動抽出し、わかりやすく提示するシステム。消防庁及び警視庁に対し、1分毎の全国47都道府県の集計結果に基づき、異常を検知するとメールを送信。6月18日8:01に大阪府についてメールを送信したことに始まり、当日のシステム利用は1,691件(平時の約40倍)であった。

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