SIP自動運転 東京臨海部で、2021年度の自動運転実証実験を開始
~公衆広域ネットワークによる情報活用・仮想空間における安全性評価~


令和3年10月13日
科学技術・イノベーション推進事務局
プレスリリース

 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」では、安全で快適な自動運転社会の実現を目指し、2019年から東京臨海部において実証実験を実施しています。2021年度は、国内外の自動車メーカー、自動車部品メーカー、大学等計22機関参加の下、11月から公衆広域ネットワークからの自動運転に必要な交通環境情報配信に係る実証実験を行います。また、仮想空間における自動運転システムの安全性評価についても、広く参加者を募り有効性の検証を行ってまいります。

1.SIP自動運転の概要

 SIP第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」(以下、「SIP自動運転」※1という。)では、自動運転を実用化し普及拡大していくことにより、交通事故の低減、交通渋滞の削減、交通制約者のモビリティの確保、物流・移動サービスのドライバー不足の改善・コスト低減等の社会的課題の解決に貢献し、すべての人が質の高い生活を送ることができる社会の実現を目指して、産学官共同で取り組むべき共通課題(協調領域)の研究開発を推進しています。

2.東京臨海部実証実験の概要

 交通環境情報を活用したインフラ協調型の高度な自動運転の実現を目指し、2019年10月から、東京臨海部の一般道に信号情報提供用のITS無線路側機、高精度3次元地図等、首都高速道路に合流支援のためのセンサー等のインフラを整備し、国内外の自動車メーカー、自動車部品メーカー、大学、ベンチャー等の参加を得て実証実験を実施し、その有用性の検証や対策の確認を行って参りました。
 2021年度は、公衆広域ネットワーク(V2N)※2により多様な交通環境情報を車両へ配信できる実験環境及び、仮想空間における安全性評価環境を整備し、実証実験を行います。

(1)V2Nを利用した交通環境情報の配信
 新たな交通環境情報利活用の取組として、車両プローブ情報を活用した車線別交通流情報、他事業者の有する情報を活用した鮮度の高い降雨情報、模擬緊急車両情報、さらには昨年度の実証実験では狭域通信(V2I)※3を通じて配信した信号情報についてもV2Nを通じて車両へ配信する環境を構築し、その情報の有効性や社会実装に向けた課題に関する実証実験を行います。
 ・実施期間
  2021年11月~2022年3月末まで順次実施予定。
 ・参加者
  国内外の自動車メーカー、自動車部品メーカー、大学等計22機関(別紙1参照)。
  別紙1:参加機関(PDF形式:57KB)PDFを別ウィンドウで開きます

(2)仮想空間における安全性評価環境の提供
 SIP自動運転では仮想空間による安全性評価環境を構築するため、さまざまな交通環境下で実現象と一致性の高いシミュレーションモデルを開発しています。東京臨海部実証実験のフィールドである臨海副都心地域を中心に仮想的な安全性評価環境を構築し、その有効性を確認する実証実験を実施します。
 ・実施期間
  2021年11月~2022年4月末まで実施予定。
 ・参加者
  自動運転技術の研究開発を行う、国内外の自動車メーカー、
  自動車部品メーカー、大学等の法人・研究機関等を予定。

3.関連する取組

 東京臨海部実証実験を含むSIP自動運転に関するこれまでに得られた成果の情報発信、自動運転に対する社会的受容性の醸成等を目的として、自動運転に係る法制度や研究成果に係るセミナーやイベントを実施しています。過去に実施したセミナー等についてもウェブ上で参照することができます。詳細はSIP自動運転のホームページを参照ください。

※1 SIP第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」別ウィンドウで開きます
※2 公衆広域ネットワーク(V2N:Vehicle to Network)  車とクラウドネットワーク間の通信のこと
※3 狭域通信(V2I:Vehicle to Infrastructure)     車と路側に設置された機器との通信のこと

問合せ先

SIP自動運転について
内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局
SIP自動運転担当(福島、平岡、荒木)
電話:03-6257-1334(直通)

NEDOについて
NEDO ロボット・AI部モビリティグル―プ(田中、伊藤、山代)
電話:044-520-5241(部直通)