統合イノベーション戦略2020
統合イノベーション戦略2020 (2020年7月17日閣議決定)
統合イノベーション戦略2020のポイント
「統合イノベーション戦略2020」は、新型コロナウイルス感染症の拡大や大規模災害の発生、イノベーションをめぐる覇権争いの激化など、国内外の状況が著しく変化したこと、また、第201回国会において、人文・社会科学やイノベーションの概念を追加する改正科学技術基本法が成立したことを踏まえ、重点的に取り組むべき施策として策定したものです。
統合イノベーション戦略2020においては、以下の4つの柱を盛り込んでいます。
1.新型コロナウイルス感染症により直面する難局への対応と持続的かつ強靭な社会・経済構造の構築
2.スタートアップ・エコシステム拠点都市の形成やスマートシティの実現と国際展開などの推進
3.研究力を強化するための若手研究者の挑戦支援や、大学等の間での連携による世界に伍する規模のファンドの創設、人文・社会科学の更なる振興
4.AI、バイオ、量子技術、マテリアルといった基盤技術や、感染症や自然災害などに対する安全・安心に関する科学技術、環境エネルギーなど重要分野の取組の強化
統合イノベーション戦略2020の構成
構成は以下のようになっています。
第Ⅰ部 総論
1.基本的考え方
2.国内外の情勢変化
(1)新型コロナウイルス感染症との闘い
(2)世界各地で発生した異常気象・大規模災害
(3)イノベーションを巡る覇権争いの激化
(4)デジタル社会の深化
(5)創業環境の変化
(6)企業行動の変化
3.日本の立ち位置
4.重点的に取り組むべき課題
(1)新型コロナウイルス感染症により直面する難局への対応と持続的かつ強靭な社会・経済構造の構築
(2)国内外の課題を乗り越え成長へつなげるイノベーションの創出
(3)科学技術・イノベーションの源泉である研究力の強化(知の創造)
(4)戦略的に進めていくべき主要分野
第Ⅱ部 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による我が国の難局への対応
第1章 現状の分析
第2章 具体的施策
1.公衆衛生危機への対応の強化
(1)全体的な方針検討・検証
(2)新型コロナウイルス感染症対策に係る研究開発等の推進
(3)新たなテクノロジー・サービスの活用による、流行時の経済活動の継続と医療機関・公衆衛生機関等の機能維持・対応能力強化
(4)感染症対策研究と人材育成の強化、人文・社会科学の知の活用
(5)将来の新たな感染症危機の発生に備えた体制整備
2.停滞する科学技術・イノベーション活動への支援 ~緊急支援(研究者の雇用や研究活動継続等の支援)~
3.デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進と強靭で持続可能な社会・経済構造の構築 ~反転攻勢と社会変革~
第Ⅲ部 各論
第1章 知の源泉
(1)社会のデジタル化を支える基盤整備
(2)信頼性のある自由なデータ流通の実現及びデータ駆動型社会の社会実装
(3)研究データ基盤の整備・国際展開
(4)エビデンスに基づく政策立案/大学等法人運営の推進
第2章 知の創造
(1)価値創造の源泉となる研究力の強化(若手研究者の挑戦支援、人文・社会科学の更なる振興等)
(2)大学改革等によるイノベーション・エコシステムの創出
(3)社会課題の解決に向けた戦略的な研究開発(社会実装を目指した研究開発と破壊的イノベーションを目指した研究開発)
(4)イノベーション人材の育成
第3章 知の社会実装
(1)Society 5.0の実装(スマートシティ)
(2)創業
(3)政府事業・制度等におけるイノベーション化の推進
(4)戦略的な標準の活用
第4章 知の国際展開
(1)SDGs達成のための科学技術イノベーション(STI for SDGs)の推進
(2)国際ネットワークの強化
第5章 戦略的に取り組むべき基盤技術
(1)AI技術
(2)バイオテクノロジー
(3)量子技術
(4)マテリアル
第6章 戦略的に取り組むべき応用分野
(1)安全・安心(大規模な自然災害・感染症の世界的流行等、様々な脅威に対する総合的な安全保障の実現)
(2)環境エネルギー
(3)健康・医療
(4)宇宙
(5)食料・農林水産業
(6)その他の重要分野