統合イノベーション戦略2023
統合イノベーション戦略2023 (2023年6月9日閣議決定)
- 統合イノベーション戦略2023【本文】(PDF形式:2857KB)
統合イノベーション戦略2023(本文) 分割版 - 統合イノベーション戦略2023【本文】英語版(PDF形式:1089KB)
- 統合イノベーション戦略2023【概要】(PDF方式:1830KB)
- 統合イノベーション戦略2023【概要】英語版(PDF方式:794KB)
統合イノベーション戦略2023のポイント
「統合イノベーション戦略2023」は、第6期科学技術・イノベーション基本計画(以下「第6期基本計画」という。)の実行計画として位置付けられる3年目の年次戦略です。高度な生成AI、量子、フュージョンエネルギーをはじめする先端技術の急進展や、ウクライナ情勢の長期化によるサプライチェーンの重要性拡大などを背景とした科学技術・イノベーションへの期待の高まりを踏まえ、今後一年間に特に早急に講ずべき科学技術・イノベーション政策について、情勢変化に機動的に対応しうる新たな連携を図りつつ、以下の3つの基軸に沿って推進することとしています。
■先端科学技術の戦略的な推進
生成AIを契機とした対応強化、量子、フュージョンエネルギーの戦略強化やシンクタンクの起動により戦略的な実現プロセスを描き、経済安全保障重要技術育成プログラムやSIP、ムーンショット型研究開発制度等を通じ、我が国の未来を支える技術を育て社会実装につながる取組を加速させます。
■知の基盤と人材育成の強化
大学ファンドと地域中核・特色ある研究大学の振興の両輪による研究力強化や、創造的な研究をリードする多様な人材の育成強化と活躍のキャリアパスの拡大に取り組みます。さらにG7を契機としたパートナー国との連携強化や、国際頭脳循環形成、学術ジャーナルを巡る対応強化を通じ、イノベーションと価値創造の源泉となる知を持続的に創出します。
■イノベーション・エコシステムの形成
イノベーションの担い手として我が国が強みを持つディープテックをはじめとするスタートアップの徹底支援、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想実現に向けた本格始動や拠点都市の推進などによるエコシステム形成強化を通じ、科学技術・イノベーションの恩恵を国民や社会、地域に還元します。
統合イノベーション戦略2023の構成
第1章では、注目すべき動向やこれまでの取組の成果を振り返りながら、3つの基軸に即した重点施策を抽出しています。第2章では、第6期基本計画の目次構成に沿って整理した施策の実施状況・現状分析や今後の取組方針のほか、具体的な年次施策を列挙しています。
これらを総合することにより、3つの基軸を核とした施策の重点化と、第6期基本計画の網羅的な推進を同時に図り、Society 5.0の実現に向けた科学技術・イノベーション政策を推進します。
目次構成
第1章 総論(国家的重要基盤を支え、社会課題を成長のエンジンに転換する科学技術・イノベーション)
1.基本的考え方
(1)科学技術・イノベーションを取り巻く国内外の状況
(2)政権のアジェンダと科学技術・イノベーションの役割と期待
(3)情勢変化への対応と今後の取組の方向性
2.科学技術・イノベーション政策の3つの基軸
(1)先端科学技術の戦略的な推進
(2)知の基盤(研究力)と人材育成の強化
(3)イノベーション・エコシステムの形成
3.科学技術・イノベーション政策の3つの基軸を支える取組
第2章 Society 5.0の実現に向けた科学技術・イノベーション政策
1.国民の安全と安心を確保する持続可能で強靱な社会への変革
(1)サイバー空間とフィジカル空間の融合による新たな価値の創出
(2)地球規模課題の克服に向けた社会変革と非連続なイノベーションの推進
(3)レジリエントで安全・安心な社会の構築
(4)価値共創型の新たな産業を創出する基盤となるイノベーション・エコシステムの形成
(5)次世代に引き継ぐ基盤となる都市と地域づくり(スマートシティの展開)
(6)様々な社会課題を解決するための研究開発・社会実装の推進と総合知の活用
2.知のフロンティアを開拓し価値創造の源泉となる研究力の強化
(1)多様で卓越した研究を生み出す環境の再構築
(2)新たな研究システムの構築(オープンサイエンスとデータ駆動型研究等の推進)
(3)大学改革の促進と戦略的経営に向けた機能拡張
3.一人ひとりの多様な幸せ(well-being)と課題への挑戦を実現する教育・人材育成
4.官民連携による分野別戦略の推進
(戦略的に取り組むべき基盤技術)
(1)AI技術
(2)バイオテクノロジー
(3)量子技術
(4)マテリアル
(5)フュージョンエネルギー(戦略的に取り組むべき応用分野)
(6)健康・医療
(7)宇宙
(8)海洋
(9)食料・農林水産業
5.知と価値の創出のための資金循環の活性化
6.総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能の強化
(1)「総合知」を活用する機能の強化と未来に向けた政策の立案・情報発信
(2)エビデンスシステム(e-CSTI)の活用による政策立案機能強化と政策の実効性の確保
(3)第6期基本計画に連動した政策評価の実施と統合戦略の策定
(4)司令塔機能の実効性確保