統合イノベーション戦略2025

統合イノベーション戦略2025  (2025年6月6日閣議決定)

統合イノベーション戦略2025のポイント

 「統合イノベーション戦略2025」は、第6期科学技術・イノベーション基本計画の実行計画として位置付けられる5年目の年次戦略です。
 科学技術・イノベーションは、国力の源泉であり、経済成長を加速させ、社会課題を解決する原動力です。科学技術の急速な進展により、基礎研究の成果が迅速に社会実装されるようになっており、科学技術が世の中に与えるインパクトが拡大しています。また、新興技術の中には、社会実装への期待が大きく、将来の国際社会のパワーバランスに影響を与え得るものも出てきています。世界の安全保障環境が厳しさを増す中で、重要技術を巡る主導権争いは激しさを増しており、我が国の国際競争力を強化していくことが重要になっています。
 「統合イノベーション戦略2025」では、第6期科学技術・イノベーション基本計画の総仕上げとして、「先端科学技術の戦略的な推進」、「知の基盤(研究力)と人材育成の強化」、「イノベーション・エコシステムの形成」の3つの基軸で取組を更に加速していきます。また、第7期科学技術・イノベーション基本計画に向けた議論の内容も踏まえ、早急に着手すべき課題にも対応すべく、経済安全保障との連携強化や大学等の研究基盤の強化、重要技術領域への研究開発投資の促進等について取組を進めていきます。

統合イノベーション戦略2025の目次構成

本文
1.基本的な考え方

2.第6期基本計画の総仕上げとしての取組の加速
(1)先端科学技術の戦略的な推進
(2)知の基盤(研究力)と人材育成の強化
(3)イノベーション・エコシステムの形成

3.第7期基本計画に向けた議論も踏まえた取組の推進
(1)経済安全保障との連携強化
(2)研究力の強化、人材の育成・確保
(3)イノベーション力の向上

別添  Society 5.0の実現に向けた科学技術・イノベーション政策
1.国民の安全と安心を確保する持続可能で強靱な社会への変革
(1)サイバー空間とフィジカル空間の融合による新たな価値の創出
(2)地球規模課題の克服に向けた社会変革と非連続なイノベーションの推進
(3)レジリエントで安全・安心な社会の構築
(4)価値共創型の新たな産業を創出する基盤となるイノベーション・エコシステムの形成
(5)次世代に引き継ぐ基盤となる都市と地域づくり(スマートシティの展開)
(6)様々な社会課題を解決するための研究開発・社会実装の推進と総合知の活用
2.知のフロンティアを開拓し価値創造の源泉となる研究力の強化
(1)多様で卓越した研究を生み出す環境の再構築
(2)新たな研究システムの構築(オープンサイエンスとデータ駆動型研究等の推進)
(3)大学改革の促進と戦略的経営に向けた機能拡張
3.一人ひとりの多様な幸せ(well-being)と課題への挑戦を実現する教育・人材育成
4.官民連携による分野別戦略の推進
(1)AI技術
(2)バイオテクノロジー
(3)量子技術
(4)マテリアル
(5)フュージョンエネルギー
(6)健康・医療
(7)宇宙
(8)海洋
(9)食料・農林水産業
5.知と価値の創出のための資金循環の活性化
6.総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能の強化
(1)「総合知」を活用する機能の強化と未来に向けた政策の立案・情報発信
(2)エビデンスシステム(e-CSTI)の活用による政策立案機能強化と政策の実効性の確保
(3)第6期基本計画に連動した政策評価の実施と統合戦略の策定
(4)司令塔機能の実効性確保