○司会 それでは、時間になりましたので、第3回「官製市場民間開放委員会」の会見を始めさせていただきます。それでは、冒頭、草刈委員の方から。
○ 草刈総括 皆さん、ごらんになっていただいたと思いますので、こちらから特に申し上
げることはないですけれども、私学助成の議論というのはその一つの現象としての議論で
奥が大変に深いわけで、その辺のところをお互いにもう少し議論したかったということは
ありますが、とりあえず1回目ということもあり中間とりまとめに向けての討論というこ
とで終わりました。
皆さんの方から、どうぞ、御質問があればしてください。
○ 司会 それでは、御質問ございましたらどうぞ、お願いします。
○ 八代総括 ちょっと補足させて頂きますと、今日の問題というのは前半と後半がありますが、前半は公的助成に関わる官民格差の是正ということで、これは国公立と私立学校との格差、それから同じ私立学校の中でも学校法人と株式会社、NPO との間の私学助成金の格差です。我々は、これは基本的に同じ問題だと考えておりまして、なぜ同じ学校教育法第1 条の学校として文科省が認めているにもかかわらず、そんなに差をつけるのかということを繰り返し聞いたわけですけれども、先方は、それは経緯が違うんだから、格差は当たり前だということを両方についても言っておられるわけです。もっとも、それに対して、後で一部は玉井審議官が何か一生懸命、格差の根拠を説明されていましたが、これは私は初めて聞きました。つまり、私立学校と国公立学校との間の公的助成の格差があるということを、例えば、いわゆるユニバーサルサービスの必要性とか、あるいは都会の人件費の方がコストが高いからというふうに合理的に説明しようという努力をされたわけで、これは私はひとつの進歩だと思うんです。これまで格差があるのは当たり前だと言っておられましたので。ただ、いかんせん、それだけでは到底説明できないわけで、やはり残った格差というものが大きいのではないか。これはやはり、今日も依然として説明していただかなかったということですので、そこがまだまだ残された課題だと思います。後の方の公設民営の方は、これは文科省の方もある程度やろうとはしているんですけれども、なかなか法制局との関係でうまくいかない。この法制局がだめだと言う理由は、先ほどから特に福井委員とやりとりがあったように、要するに公が行うことは退学とか入学というものは公の処分行為であるが、私立学校でやるものは、契約なんだと。だから、私立学校にいわば包括的に管理委託するときに、私立学校に合わせたら、公の学校でありながら処分性を持てないわけですけれども、そこがネックになるということを言われたわけなんですが、これは委員との間の議論でも出ましたように、中間的な形態というのを先方も考えていただいている。これをうまく活用すれば道が開けるのではないかということで、これもはっきり言って私は初めて聞きまして、その点では一歩前進だと思っております。以上でございます。
○ 記者 これは前回の医療のときは、前の規制改革の会議のときに意見を聞く機会があって、それとの対比でいろんな変化がない部分とある部分とがあるとおっしゃっていましたけれども、この学校に関してはまた同じように、こういういろんな意見を交換する場というのは以前にも置いていらっしゃったんですか。
○ 八代総括 これは前回の総合規制改革会議において、特にアクションプランの12 の中にこの問題も入っておりましたので、そこで文科省とは何回も意見交換をしております。これは議事録にも大分載っていると思います。てすから、先ほど私がやや先方の言い方が変わったというのは、そのアクションプランのときとの受け答え方との比較で申し上げたわけです。
○ 記者 会議としては、私学助成だけではなくて、先ほどおっしゃった国公立と私立の部分に今後どんどん踏み込んでいってやっていくという、これは高等教育のことですか。それとも、小・中学校とか、そういうところも同じでございますか。
○ 草刈総括 それは義務教育も含めて、あらゆるところです。文科省がN P O と株式会社に対して私学助成はできないと言っていますが、できるようにするのが今回のテーマであって、一方、本来的な官民格差を完全にイコールにしろという議論とは違うと思います。さっきのいわゆる過疎地帯の学校設置問題とか、そういうのはあるでしょう。だから、国がどうしてもやらなければいけない部分はあると。しかし、極めて一般的な教育という立場に立ったときに、それをイコールフッティングにすべきではないかと。なぜ差をつけるのか、わからないというところが原点なわけです。
○ 八代総括 それから、事務局でつくっていただいたこの国公立と私学との格差についての資料が今日のポイントでありまして、この公的補助の面においてこれだけ大きな格差があるのだと。そこが一つの焦点だと思います。
○ 記者 それと、公設民営の方ですが、今日は指定管理者制度を文科省が使おうとしていること自体は余り議論になりませんでしたけれども、そのことを問題視するということはないんですか。
○ 記者 または別の枠組みで可能かどうか、法制局と詰めたいと向こうも言っていましたけれども。
○ 草刈総括 指定管理者制度をどうしても使ってくださいと我々は言っているわけではなくて、それを文科省側で利用しようと思ったけれども、うまくいかなかったと。だから、そこで行き詰ってしまったから、今一生懸命ほかの道を探っておりますというお話で、いろんな中間的形態というのが出てきましたけれども、そういうことでやる方法もないではないというようなことだなと私たちは理解していますから、何も指定管理者制度でやってくださいなどと、我々はそんなことを言ったわけではありません。ただ、早くやってほしいというのがこっちの考え方というか、言い方になるわけです。だって、こういうふうに一回、閣議決定もしているわけですから。
○ 八代総括 指定管理者制度は、旧自治省がつくった包括的な仕組みなので、別にそれに乗らなくても、例えば文科省で独自の仕組みをつくったって構わないわけですから、先ほど言った中間形態の学校というのもその一つだと思います。それは別に排除はされないと思います。
○ 記者 今、おっしゃったところなんですけれども、15 年中に結論を得た上で必要な措置を講じるというところなんですが、その努力はしているだろうけれども、結論を得るところまでやったんだろうけれども、そこから先ができていないから、そこを早く何とかしろというようなことでよろしいんですね。
○ 草刈総括 そういうことです。ただ、最後に私がちょっと申し上げたのですが、私学助成の話も、はっきり言うともう勝負が着いているんです。私どもはそう思っているわけです。あんなこと、ちゃんと文科副大臣もおっしゃって、同じ日に同じ場で法制局も検討の余地があるということを何度も言っているわけだから、それをああいうふうな形で、3 点セットで抱き付きますと言っているのは、やはりやりたくないから言っているに違いないと。やはり何となく自分の支配下のものがどんどんほかのところに流れていくということに対する、いわゆる自分たちの支配が崩れていくことについての嫌悪みたいなものが非常に感じられる話だったと、私は理解しました。
○ 八代総括 要するに、地方自治体は多様な公立学校をつくりたいんです。今の公立学校という単一の形態では、例えば教育委員会に縛られた非常に硬直的なやり方である。これに対して、例えば群馬県太田市なんかは、市が学校法人に寄附をするというような形で、一つの新しい形態の学校を事実上つくっているわけです。これは一つの例ですけれども。ですから、そういう学校法人をつくるのでなくて、まさに公設民営の形でもっと簡単に、例えば都道府県、あるいは市町村がお金を出すけれども、教育委員会とかそういういろんな規制に縛られない新しい学校をつくりたいという地方のニーズがあるわけなんです。それを以下に認めていくかというのが大きなポイントで、これは将来、教育問題に関して、かなり大きなトピックスになると思います。
○ 記者 4 月の中間とりまとめの時点では、最後に議論になった文章の読み方で、文部省の側は15 年度中にというのはここまでしか書かれなくて、ここから先には15 年度中にかかっていないんです。役所流の文章の読み方で解説したわけですけれども、そこはもうちょっと厳密な年限を区切るような文言にして、とりまとめを仕上げるという形式ですか。
○ 草刈総括 鈴木議長代理が言ったように、閣議決定をして措置するというのは16 年度の最初の国会に法案を提出して、いわゆる具現化するんだというのが常識論ではないでしょうか。だから、それをそのまま3 年もかかってゆっくりやりましょうなどというのは、やはりまずいというか、規則違反だと私は思います。
○ 八代総括 ポイントは、次の臨時国会に間に合うように出せるかどうかなんです。通常国会はもう終わりましたから。そこで、まさに草刈主査がおっしゃったみたいに、向こうのやる気がよくわかってくるということです。何とかして、こちらとしては臨時国会に間に合わせるように措置をしていただくということです。
○ 司会 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、これで会見を終わらせていただきます。
○ 草刈総括 どうもありがとうございました。