X.知的所有権保護

2.意匠権

Q10−2

意匠権を取得するにはどうすればよいですか。また、外国で意匠権を得ている製品は、日本でも保護されますか。 

Answer

意匠権を取得するためには、法律で定められた所定の様式で創作の内容を記載した書類を提出する必要があります。また、外国における意匠権は日本には及びません。

意匠法関税定率法

1.意匠権を取得するためには、定められた様式に従い、日本語により出願書類及び図面を作成し、特許庁長官に提出しなければなりません。図面は意匠の権利範囲を決定する最も重要な書類のため、特に作成要領に従い作成する必要があります。出願に関する手数料は、すべて特許印紙で納付しなければなりません。日本に住所・居所(法人の場合は営業所)を有しない者は、日本に住所のある弁理士を通じてしか出願できないことになっています(なお、弁護士は弁理士の業務を行うことができます)。意匠出願をしたい場合には、無駄な出願をしないためにも、特許庁の工業所有権総合情報館等で、事前に先行意匠調査をしたほうがよいでしょう。出願前に同一又は類似の意匠がすでに公知になっている場合には意匠権は与えられません。意匠出願は、審査請求をすることなしに審査されます。審査の内容的な要件としては、以下のものがあります。

意匠(物品(物品の部分も含む)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通して美感を起こさせるもの)であること
その意匠が工業上利用できるものであること
その意匠がこれまでにない新規なものであること
その意匠が容易に創作できたものでないこと等

 

2.外国における意匠権は日本には及びません。従って、日本へ当該意匠権に係る製品を輸出する可能性がある場合には、日本へも意匠出願し意匠権をとっておくべきです。ただし、パリ条約同盟国の国民は、第1国の出願日から6月以内であれば、日本へ優先権主張を伴う意匠出願をすることができます。

3.税関では、輸入される貨物について、意匠権等の知的財産を侵害しているか否かの確認を行っています。輸入貨物が侵害物品に該当する疑いがあるときは、当該貨物の侵害の有無を認定するための手続を執ることになっています。その際、権利者及び輸入者双方に証拠を提出し意見を述べる機会が与えられます。また、税関では、意匠権等の権利者から「輸入差止申立て」がなされているもの等について、重点的に審査・検査を行っています。