パネルディスカッション第2部「高齢社会フォーラム・イン仙台」
〔進行〕
吉田 成良 (高齢社会NGO連携協議会専務理事、(社)エイジング総合研究センター専務理事)〔パネリスト〕
- 中村 仁 (つるがやリフレッシュ倶楽部代表)
- 中村 幸雄 (仙台市三本松市民センター館長)
- 中川 昌信 (平和交通株式会社代表取締役)
〔ゲストスピーカー〕
エドワード・ジョーンズ (AARP・全米退職者協会国際部シニアアドバイザー)吉田 成良 挨拶
吉田:高齢社会というのは女性の時代だともいわれておりまして、先ほどは日本を代表する女性リーダーがお3人並んでお話をされました。我々はおじさんばかりという状況ですが、幸い通訳をしてくださる老年学博士の山田嘉子さんが列席されています。
これから始めたいと思います。
私は子供の時代、仙台の茶畑で高等学校を過ごさせていただきまして、そのときの幼馴染が鹿島台の町長を30年余り務められた鹿野さん、薬科大学の名誉教授の佐々木健一さん、などがご多忙の中ここに来ておられます。パネリストのお話が終わった後で、現在の生きがい活動などについて、フロアから紹介していただければと思っております。
また、仙台で有名な女医さんで、長池博子さん、今日は体調不良で欠席されましたが、10月15日、中国の人民大会堂で、日中の医療協力に尽力された日本のお医者さん数名が表彰されました。その女医さんの代表が長池博子先生でした。お歳でいえば米寿でいらっしゃいますが、今でも週にいっぺんは長池クリニックでガイダンスをしておられます。だから仙台には米寿になっても、世の中人のため、一生懸命やっておられる方がたくさんおられる。そういう「まち」だと、私は認識しております。
実はもう1人、さっきお話しされた奥山市長の義理のお兄さん、奥山利雄さんがおられますね。奥山さんは1988年、仙台で開催された「高齢化に関する国連専門家会議」で尽力された方です。また、この会議開催に尽力された方に、仙台一中、一高、東大から外交官になられ、国連大使をなさった菊地清明さんがおられました。
この国連専門家会議は、仙台市長以下幹部職員の奥山さん、べカルタ仙台の社長をされた名川さんなどが、一生懸命頑張って国連から大変感謝されました。仙台会議のテーマは「都市化と高齢化」(アーバナイゼーション・アンド・エイジング)という先進的なものでした。そして、会議は9月の敬老の日に宣言を出しました。仙台デクラレーション(declaration)といいまして、その宣言の冒頭に「日本には敬老の日というnational holidayがある、その記念すべき日に我々世界64人の専門家は、国連専門家会議の名において宣言する」というものでした。翌々年の国連総会でこの仙台会議の報告がなされ、宣言が読み上げられた。そしてこの総会で、国連として「国際高齢者の日」10月1日が決められました。
ですから仙台は、高齢化は日本の平均よりもちょっと後追いですけれども、こうした専門会議など人類社会にとって先見性のある会議を既にやっておられます。また、1993年には「寿命の伸長と社会保障制度のあり方」という会議を国連やWHO(世界保健機構)と共催しておられます。そのことはもうリタイアされた当時の幹部に聞いていただけるといろいろ資料はあると思います。仙台はそういうところだと私は認識して、これから努めたいと思います。
お話いただくのはここにいらっしゃるパネリストの方々ですが、先ずゲストスピーカーのエドワード・ジョーンズさんにお話をいただいて、それから仙台市が選ばれたパネリスト、2人の中村さんと中川さん、この3人に15分ぐらいずつお話をいただき、その後にフロアの皆さんとディスカッションするということで、進めてまいりたいと思います。
ではエドワードさん、どうぞよろしくお願いいたします。エドワードさんのAARP:全米の概要については、このプログラムの中に書いてございますから、その辺は省略して、アメリカの高齢者のボランタリー活動について、ご紹介をしていただこうと思います。
よろしくお願いします。
AARP:全米退職者協会のシニア活動について
エドワード・ジョーンズ(AARP国際部シニアアドバイザー)
皆さん、こんにちは。ご参加の皆様、そして内閣府の皆様、仙台市の皆様、このたびはお招きいただきまして、どうもありがとうございます。ただ、1人の外国人としてこの場におりますことを大変光栄に思っております。
私はAARP、特にAARPのボランティアに関わっていらっしゃるシニアの方々についてご紹介申し上げます。私は、午前中のいきいき人生の表章者の方や仙台市長のお話から、日本でもシニアの方が積極的にボランティア活動に関わっていらっしゃるということに感銘をうけております。ということはアメリカと日本両国におきまして、シニアのボランティア活動がとても活発であるということがいえるかと思います。
AARPの概要につきましては、本日お配りしたプログラムの中にある程度の情報が入っておりますので、私の前半の発表につきましては、さらっと流させていただきたいと思います。
まず最初に、50歳以上のアメリカ人のうち、4割がAARPのメンバーとなっております。これはどういう意味かと申しますと、言い方を変えれば、投票できる有権者の2割がAARPのメンバーと言えます。
会員の数は3,650万、そして私どもはAARPマガジンという雑誌を発行しておりますが、これは毎回2,400万部発行しております。またあらゆる形で、AARPの活動に関わっているメンバーは750万人になっております。またAARPの国際的な活動につきましては、1963年にドクターアンドリュースという創設者が、AARPの国際部門を立ち上げ、約50年間にわたって、国際的な活動を行っています。
最近では特にアジアに目を向けております。それは東アジアの急速な人口の高齢化によるものです。特に関心を寄せているのが皆様の国日本、そして韓国、中国となります。実際にカンファレンスも何回か開催しておりまして、2007年には東京で高連協と日経と共催で、Re-inventing retirement(リインベンティング・リタイアメント)=退職を問い直すというタイトルでカンファレンスを開催しております。また2008年にはハワイのホノルルで開催。2009年にもシンガポールで同じくリインベンティング・リタイアメントということで開催しています。
私どもがアジアに関心を持っておりますのは、皆様の現在が私どもの未来であるという点にあります。例えばアメリカの現在の高齢化率は14%ですが、皆様方は20%以上。この数字というのは私どもが2050年に辿り着く数字ですので、皆様の現在から学べるところがたくさんあるというふうに思っております。
これから私、ボランティアについて述べさせていただきたいと思いますが、まず申し上げたいのは、ボランティアというのは我々の組織の基盤となっているということです。ここに挙げましたのが、私が先ほど申し上げた創設者のドクターアンドリュースの3つのメッセージであります。これが基礎となっているということです。
1番目はTo serve, not to be served.ということで、何かをしてもらうだけではなくて、何かに奉仕をするのだという精神です。
次は、皆のためにする、Do it for all.ということで、これは高齢者が高齢者だけを助けるのではない、すべての人々、若い人、子供たちも含めて、社会のすべての人々に対して何かをするのだというメッセージです。
3番目は、人々の役に立つ市民のarmy(アーミー)。別に軍隊をつくりたいといっているわけではなくて、たくさんの方々のボランティアのグループや組織をつくって社会に役立とうということです。この3つのメッセージから成り立っております。
ちょっとスライドをスキップして、組織の構造に移りたいと思います。
そしてこれが組織の構造です。1から6まですべて無給の人々による体制です。総てボランティアです。1つ目がまず理事会で、メンバーは21名。そして2番目は、政策や活動方針を決める評議会の25名のメンバーです。そして3番目の650名の組織、これは各州に在るオフィスの代表者の方や評議会の方です。これは各州54ケ所のオフィスで活動されているボランティアが650名ということです。
4番目は研修や活動を行うために必要な専門的なボランティアの方で57,000人いらっしゃいます。そして先ほど申し上げた750万人の方というのは、単発で時によって、AARPが協力活動をお願いする方々です。政治的な活動や集会活動をお願いする方々です。
最近の例では6番目にありますCreate goods(クリエイトグッズ)というプロジェクトがありますが、これについてはのちほど詳しく述べさせていただきます。こういった活動でのボランティアの方が750万、あるいは900万人ということになります。
ボランティアの方々の方針といたしましては、お金は一切差し上げないのですが、実費と交通費に関してはお支払いをしております。またAARPとしては、人々の多様性にコミットしており、多くの女性の方や少数民族の方々が多様なテーマに関わっていらっしゃいます。またAARPでは政治的な活動は行いますが、特定政党を支持したりするということではございません。
また、もしボランティアの方が何か利害関係で問題があるといった場合には、そういったことをすべて明らかにしてくださいというポリシーを持っており、利害関係で問題がある場合には、ボランティアをお断りすることもございます。
これがボランティア、AARPに関わられている方々の内訳になります。そして、235万人と書いてあるところはドナーといいまして、お金を寄付された方々になります。
ではこれから私どもで最も成功を収めております3つのプログラムについて、ご紹介いたします。1つ目は税金の確定申告の際に支援をするプログラム=Tax-Aide Program(タックス・エイド・プログラム)といいます。これはご紹介している活動の中で最も古いものでして、42年の歴史を持っております。このプログラムでは退職された会計士の方や、財務に関わられた方を再訓練いたしまして、会員の方々の確定申告の申請書の記入を支援する活動です。このプログラムは非営利組織と政府のパートナーシップのよい例ではないかと思います。
実はこのプログラムは、アメリカの税務局が1億ドルをAARPに拠出しているプログラムです。数といたしましては、毎年300万人以上の会員の方が、このプログラムサービスを受けています。アメリカ国内の確定申告のうち、1.5%がこのTax-Aide Programを使っておられまして、小さな数かもしれませんが、ある調査によりますと、このプログラムによって、100億ドル以上の公費がセーブされているというデータも出ております。
2番目にご紹介するのは、安全運転のプログラムになります。これは30年以上の歴史がございます。このプログラムはAARPと各州の政府、そして民間の保険会社がパートナーシップを組んで行っており、官民、そして非営利が協働で行う事業のよい例ではないかと思います。毎年70万人以上の方がこの講習を受けられております。
このプログラムでは高齢で運転される方特有の問題、視力の低下や反応時間が遅くなることへの対応。また一般のドライバーの方や歩行者の方とのやり取りといったことに焦点をあてておりまして、1979年以来、これまでに1,100万人の方がこの講習を受けています。
このプログラムの利点といたしましては、金銭的なメリットがございまして、実は50州あるうち37州では、このプログラムを受けることによって、保険のディスカウントが受けられるというメリットがございます。
最後に、3番目にご紹介するのがCreate The Goods。これは端的にいいますと「いいことをつくり出そう」というプログラムになります。これはシニアだけではなくて、シニアの方々がすべてのアメリカ人に、いいことをもたらそうではないかという考えです。
このプログラムにはホームページがある(http://createthegood.org/)のですが、そこに書いてあるのは、「あなたには5分間、5時間、あるいは5日間、アメリカのために、地域のために費やしてくださるお時間がございますか?」というふうに問いかけをしておりまして、シニアの方々のボランティア、ちょっとした社会貢献をするキッカケづくりを行っております。
このプログラムは、表示の2番目の黄色くなっているところにホームページがあり、インタラクティブにいろいろなやり取りができます。例えば、私はこんなことができるといったこと、私にはこんなことが必要だ、サポートが必要だといったことも書き込むことができます。その中でニーズと、できることをマッチさせていくということが、全国レベルで行われております。
また私どもAARPでは、いろいろなパートナーの組織と連携を取りまして、50種類以上のツールキットという、ガイドブックのようなものを作成しています。これは各自が各地域で具体的なプロジェクトをする際のご参考にしてくださいというものの冊子です。例えば、Operation Energy Save(オペレーション・エナジー・セーブ)というのは光熱費を節約しようじゃないかということで、皆様が家の中のどこでエネルギーを浪費しているのか、無駄使いをしているのかといったところのチェックポイント、そして省エネ対策はどんなことができるのかといったことが書かれており、環境的にだけでなく、皆様のお財布にもやさしいということになります。
このスライドでは3つ目にありますSidewalk & Street Survey(サイドウォーク・アンド・ストリートサーベイ)といいますのは、これは市民の方々がグループをつくりまして、まちに出て、道、歩道ですとか、信号ですとか、そういったところに何か不具合はないかとチェックするプログラムです。何か不具合を見つけたら、そこに評価シートがございますので、それを記入して写真を撮って、それを地方自治体に届けるというプログラムになります。地方財政は大変厳しいので、行政のスタッフがチェックをして廻ることが難しいので喜ばれており、ボランティアも自らのまちをよくしていくという取組みになります。
一番最後に書かれているOperation Fight Fraud(オペレーション・ファイト・フロード)というのは、詐欺の防止です。詐欺と闘うミッションという形でのプログラムになります。日本ではわかりませんが、アメリカでは高齢者の方が、詐欺、金銭的搾取に遭う確率がとても高く、特に投資などではよからぬものを買わされたりといったことが増えております。そこでこのボランティアをする方は、わからないように、投資のセミナーにもぐり込んでいき、この投資プログラムは怪しいということになれば、地方の行政に報告をして、然るべき対応を取っていただくというような活動を行っております。
これらのプログラムには、900万人以上の方が様々な形で参加してくださっており、とても嬉しく思っております。ただ、この900万人というのはあくまでも私たちが把握している数でございまして、間接的にはさらに多くの人々がこのプログラムの恩益を受けていると信じております。
先ほど申し上げましたように、AARPといいますのはボランティアの方なしでは生きていけないような状況にございまして、これはガバナンスにつきましても、管理につきましても、実際のプログラム実施につきましても、評価につきましても言えるかと思います。ボランティアの方々はAARPの心臓であり、また頭脳である。そしてボランティアの方々は自らの知識やスキル、そして専門性を私ども職員スタッフに下さっております。
また様々な方々を巻き込んでの活動、やはりアメリカの多様な人種、多様な世代を含めた多様性といったものを反映しているのではないかと思います。そしてボランティアの方々はAARPのビジョンに自らが近づけるお手伝いをしてくださるということで、とても助かっております。
以上でございますが、ご質問などございましたら、こちらのスライドにあります連絡先のほうまでいつでもご連絡をください。ありがとうございました。
AARP問い合わせのページ【英語のみ】 http://www.aarp.org/about-aarp/contact-us/
吉田: ありがとうございました。AARPには、非常に我々には参考になる、いいお話がたくさんあるんですが、今日は時間もありませんので、組織についての質問などはこちらの連絡先、または高連協にご連絡くださればと思います。
日本もアメリカも高齢者は被害に遭ったり、いろんなところでボランティア活動をしたり、同じような状況だということがおわかりいただけたと思います。ただ、日本は縦社会で団体組織、いわゆるNGO、例えば、東北電力に働いていたOBからなる社団法人とか、そういう格好になっています。アメリカは労働者ユニオンですから、フォードで働いていようと、GMで働いていようと、辞めれば一緒なんです。ですからAARP:全米退職者協会のような、1つの大きな組織がつくれる。そこが日本とちょっと違う社会環境であるということを意識のうち入れて、アメリカと付き合っていかなければいけないと私は思っています。
それではお待たせしました。今からパネリストのお話をお伺いいたします。
プログラムの順からいうと、つるがやリフレッシュ倶楽部。昔は鶴ケ谷ニュータウンだったんですが、最近は全国どこでもそうですが、ニュータウンは、段々高齢者がドンと増えてきておりまして、そこで活動しておられる中村仁さんにお話をまずいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
中村仁(つるがやリフレッシュ倶楽部代表)
つるがやリフレッシュ倶楽部の中村仁と申します。いつもフルネームで言わないんですが、今日は2人いますので、下まで言わせていただきました。先ほどの市長の話の中でも、鶴ケ谷という名前が出てまいります。私が住んでおります鶴ケ谷地区、今も吉田さんからニュータウンと。仙台市のニュータウンの先駆けとして1966年、すなわち昭和41年に仙台市が団地造成した地域でございます。
当時、ニュータウンというのは高度経済成長下で、核家族化が進む中、働き盛りの住宅需要を支える時代の象徴でもありました。一斉に大体、年代的に30代・40代前半が一斉に住みまして、一斉に今、歳を取ったということでございます。先ほど来、高齢化率という話が出ています。仙台市が18.6とか18.いくらと。鶴ケ谷は1丁目から8丁目まであります。その郊外、東とか北とかもあるんですが、入れないで、36.何%ということは、18.いくらと36ですから、大体倍近いと。
ちなみに私は鶴ケ谷4丁目というところに住んでいるんですが、4丁目は41.6%です。大体1戸住宅、大体40%超えております。つるがやリフレッシュ倶楽部は、そのような鶴ケ谷地区で平成16年度に、今日もここにお一人いらっしゃるんですが、宮城野区役所の養成研修を受けまして、17年度の1月に結成された介護予防運動自主グループでございます。ですから来年の1月に7年目を迎えようとしております。
体を動かすといいますか、運動を生活の中に取り入れましょうということで、転倒防止を主なる目的として、行政や、その当時は大学の先生の指導を受けてスタートしたのがつるがやリフレッシュ倶楽部でございます。画面に出ていますが、上の楽しみながら健康づくりに努めている、これが目的でございます。これは会則にもうたってあります。
現在の会員が199名、運動を指導する推進員が47名の運動を中心とした健康づくりのクラブですが、鶴ケ谷地区内の身近な集会所、コミュニティセンターなど7ケ所で、月2回ずつ、ですから全体で月に14回活動しているということになります。
また推進定例会というのは推進の勉強会です。やはり新たなことを入れていかないと、なかなか会員さんの満足度がないと。3番目は広報活動のために、つるがやリフレッシュ倶楽部という名前を知っていただこうということで、倶楽部通信というのをつくって、鶴ケ谷の市民センター、あるいはコミセン、会員の方には配っています。
健康づくり講演会は年に1回。今年の場合は11月25日にロコモティブシンドローム、運動器症候群を防ごうということで、大学の先生にお願いをしてあります。役員会は各会場、リーダー、サブ、会計と役員がおりますので、それぞれの会場における近況報告を行っております。
7会場ごとに講話を。これは地域包括支援センター、あるいは行政の家庭健康課の人に来てもらっていることが多いですが、そういう機会を年に1回は利用しようということになっています。それであと新年会、芋煮会、クリスマス会、あるいは忘年会とか、これは各会場ごとにバラバラですが、各自工夫を凝らして実施しております。
ある会場の大体こういう形で、7会場、6年も経つといろんな形の中で内容が変わってまいります。ですが一応スタンダードには最初にあいさつをしまして、そこでワンポイントアドバイス、今年の場合には、先ほど100歳以上の人が行方不明とか、いろいろ話がありましたが一番話題になったのは、やはり熱中症。暑い時期が結構長かったので、熱中症予防対策をしっかり行いました。
1日の流れですが、最初にはあっさりと準備体操をして、次はリクレーションというか、よくこちらですと川島先生の脳トレ的なものを入れたり、あとはバランス。最近大事だといわれておりますのは片足立ち、バランス、片足立ちが立てない人は壁に触って行います。こういうことを強化しております。
つるがやリフレッシュ体操というのは、これが核になっているんですが、これは大学の先生につくってもらった、例えば足踏みとか、太ももとか、肩とか、腰とか、いろんな要素を入れた10項目からなっている体操を中心に行っております。ただ、それだけでは寂しいので、健康体操と。おしゃもじ体操といっていますが、これは氷川きよしの『ずんどこ節』に合わせてやるとか、『365歩のマーチ』の水前寺清子に合わせるとか、あとは『柔』とか、そのほかにもございます。
あとは最近多いのは「杜の都のオトク体操」、これは先ほどやりましたよね。ですから説明はしませんが、これは健康増進センターでつくってくれた介護予防の体操です。それを多分、仙台市内ほかの区も含めて、100何10団体がやっていると思います。あとは整理体操をやり、歌を歌ったり、あとは次回の事務連絡。大体これで1時間半やっております。
ただ、介護予防ですから、歌を歌ってもカラオケで、うまいとか、下手とか、そういうのは関係ございません。年とともに衰える呼吸器が鍛えられ、普段の呼吸が楽になりますとか、歌うことで表情筋が鍛えられ、目尻や口角の下がり過ぎを防ぎ、表情が美しくなりますよとか、こういう理由で歌っています。ですから同じ歌うのでも、介護予防のために歌っているというふうにご理解いただければと思います。
これはある一部の光景で、これはストレッチ。準備体操をやっているところです。これは指体操、右と左と同じことをやったり、違うことをやったり、そういうことをやっています。これが中心になっている、つるがやリフレッシュ体操でございます。これはたまたまですが、私たちの会場の場合は年に2回、狭い集会所でやっていますので、屋外に出て、何かをやろうと。これは野球のグラウンドなので、結構広いんです。そういう公園をせっかく持っているので、ここでということで、このときはグラウンドゴルフ。町内のグラウンドゴルフクラブの会員の方に設営をしてもらって、クラブを借りてやっています。
これは、その公園内で行った「おしゃもじ体操」です。ご承知の方いると思いますが、福島のいわき総合高校の学生さんが股関節症のおばあちゃんのためにつくりました。それでおばあちゃんが歩けるようになって、東京にも出かけたという話をテレビでやっていたのを聞いて、いわき総合高校に案内書を送ったら、資料を送っていただいたので、それを利用しています。そのときの屋外での参加したメンバーの集合写真です。
これは市民センター祭りです。私たちは体操なので、祭りとは関係がないのかなと思っていましたが、ちょっと観客と一緒に体操をしてくれと言われまして、参加しました。こんな形で7回のうち3回参加したんですが、毎年参加しようかなというふうに思っております。
これは講師を招いての研修会。このときには振り込め詐欺というテーマで東警察署の方に来ていただいて、講習会を受けています。
これはお正月のときの集合写真です。結構多くの方が喜んで参加をしていただいています。それで17年1月といいましたが、176名、47名、これでスタートを切りました。6月現在ですが、199名、47名と。何となく維持はしています。去年の参加延べ人数ですが、4,570名が鶴ケ谷で活動しているということです。ですから月380名が何らかの形で、これも延べですが、動きをしているということでございます。17年1月から毎月2回やりまして、7会場で合計が968回、間もなく1,000回を超えるというような会になっていますので、鶴ケ谷地区ではそれなりの存在位置があるのかなと思っております。
これまでの活動を通じていろんな言葉が出てきました。これは東北大の永富先生から最初に、「貯金」は使えばなくなるが、右の「貯筋」、これは使えば使うほど貯まるといわれまして、若いときは左のほうの「貯金」、これから右のほうの「貯筋」にも重視してくださいという意味で、左が別にいいとか悪いとかじゃないですので、そういう形で聞いていただければなと思います。
これもそうです。大変皆さん勉強したような顔をしております。これはこれから勉強しなくていいとはいいません。楽しい集いの場で、楽しく集まろうと。そして仲間と一緒に動こうということで、私たちは右の「楽集」、実は「楽集」グループという名前を使っていますが、楽しく集まると。右の「楽集」を大事にしてくださいということです。
これはよくいわれますが、「加齢」というのは歳を取るに従って、老いへの道を確実にたどるという大変寂しい感じがする言葉です。右のほうの「華麗」は華やかだとか、華麗なる生涯、人生とかいいますが、下の「佳麗」、これも辞書を引くとあります。皆さんにぴったりです。美しく品がいいということです。だからこういう同じ「加齢」でも、おしゃれ心を持ってほしいというふうに思います。
それで肝心なのが、これは本当は1つずつ出すと意味があるんですが、平仮名で「きょうようがある」というと、多分ほとんど皆さんは、真ん中の「教養がある」と書きますよね。そうではなく「今日、用がある」、今日、用事があるというふうに、これから考えていただきたいと思います。そうしますと、「行くところがある」「会う人がいる」「することがある」ということに結びつくのかなというふうに思っております。
今まで説明したまとめみたいなもので、「貯筋」というか、筋力、筋肉。そして地域社会。これはさっき先生おっしゃっていました孤立を防ぐということが大事です。身近なところ、身近な集会所。集会所って結構空いているんですよ。使ってもらわないと、集会所も金が入らないんです。そういう意味で身近なところを、いかに利用するかということが高齢者の閉じこもりを防ぐ手立てであると思います。健康づくりをというのは、宮城野区に33の私たちのような団体があります。鶴ケ谷が7ケ所からスタートして、今33あります。各区にそれぞれあるわけですから、多分100何十のサークルがあるだろうと思います。そこへの影響とかいろんな意味で広げていければなというふうに思います。
また、私たちは今、助成金2万円をもらっていますが、あくまで自主運営が基本であるという考えです。ということは会員を維持しなければなりません。さっき176名が199名になったといいましたが、会員が100名切ったら成り立ちません。そういう意味ではいろんな努力はそれなりにしております。
それで推進員、5年経ちましたので、私たちは5歳年取っています。あとの5年後を考えるとちょっと恐ろしいといいますか、70歳の人が80歳になるわけです。それで運動を指導するというのはいかがなものかという考えもありまして、やはり後継者づくりというのが課題かと思います。
鶴ケ谷地区では、今年の6月にも健康づくりフェスティバルが行われました。そのときに7会場のうちの4会場がそれに参加をしております。できるだけ積極的に参加をし、縦の連絡網は意外にあるんです。連合町内会とか連合老人会とか、商店街とか。横の連絡が意外にないということで、こういう今、宮城野区役所でも力を入れてもらっていましたので、そういう会議には積極的に出て行きたいと思います。
最後ですが、高齢者の体力の衰えには加齢による自然なものと、体を使わないで衰える廃用症候群があります。人間の身体的精神的機能は、精神的機能も使わないと衰えます。そういう意味では体に刺激を与えることによっては、あるいは機能を回復させることもできると思います。行政には知恵を提供してもらって、助成金は求めないと。自分たちのためにかかる、自ら行動する運動自主サークルを目指していきたいというのが、私たちの考えです。
そして高齢化率が高い地域だからこそ、必要なサークルとして存在し、超高齢化社会といわれている鶴ケ谷が、他の地区の先取りをして、模範になれば最高だなというふうに思っております。ありがとうございました。
吉田:ありがとうございました。次に、中村幸雄さんのお話を伺いたいと思います。
中村さん、どうぞよろしくお願いいたします。
中村幸雄(三本松市民センター館長)
私のプロフィールはご案内のとおりでございます。経営効率化勧奨により退職をいたしました。そのあと、仙台に戻って、ハローワークに行き、就職支援の1つである宮城キャリア交流プラザを教えていただきました。交流プラザの中に中高年ホワイトカラー求職者コースがございまして、ここで学ばせていただき、広がりを持たせていただきました。中味は自己資源、特性の振り返り、キャリアシートの作成、面接の準備と演習。ここでやはり中小企業を理解するとか、再就職事例に学ぶ、再就職活動と情報を活用、生涯職業生活デザイン、メンタルヘルス入門というようなことがカリキュラムがありこれも学んだものの1つでございます。
これからのライフスタイルということで、4つの項目があるんですけれども、私の場合は一番左のほうの赤く書かせてもらってあります職業生活を続けるというところですね。右のほうは社会活動をする、学習研究活動、余暇を楽しむと。いろいろございますけれども、準備としてやっぱり経済的基盤っていうのが青い字でちょっと書いておりますけども、必要だと思いました。退職してから個人的にいえば、いろいろと支払いのほうもありましたので、職業生活を続けるというようなことをライフスタイルとして選びました。
やはり準備としては資格を取得、技能技術ということにあるということですね。下のほうに書かせてもらいましたけども、就業の理由として経済上の理由が最も多いが、年齢を経るごとに生きがい、社会参加のため、健康上の理由の割合が増加と。あと高齢者の雇用安定法ということで、65歳までの定年引き上げですね。70歳まで働ける労働環境づくりというようなことで、2004年にその辺が安定法で引き上げられたというようなことも学ばせていただきました。
自己啓発の事例といたしまして、市政だよりでホームヘルパー養成研修を知りました。介護を学ぶということで、仙台市の社会福祉協議会のほうの訪問介護2級課程を修了させていただきました。それを仕事に役立てるのは何かないかということで、市政だよりのほうで介護保険料の徴収員の募集を知りました。こういう仕事も介護の一環として役立てることができると思いまして申し込みました。
これは個人的に好きな阿武隈急行ですけども、私は角田にいたことがありまして、こういう切符を発行しているんですね。「GO!かくだ」切符というようなことで使わせていただきました。「合格だ」ということですね。
しかし、徴収員の仕事は、自家用車の持込が条件であり、その後、娘が自動車を使うことになったため、1年でやめることになりました。
その後、ハローワークのあるビルの10階の宮城高齢期雇用就業支援コーナーに行き、1日コースで、高齢期の生き方と就業、たな卸しと能力開発、健康プラン、今後のライフプランというような講習を受けて学ばせていただきました。
いただいた教材から、教材名は生き生きライフ支援マップというようなタイトルだったんですけども、これから大きな展開であります、仙台市シニア活動支援センターの存在を知りました。許可をいただいて、ホームページとブログのほうを掲載させていただいております。
仙台シニア活動支援センターで学んだことは、最初は一番左のほうですね、個人的にジャズフェスが好きで、このタイトルの文字に惹かれまして、門戸を叩いたというところです。シニアサロン、市民が支える仙台のまち、スポーツに参加しませんかということで、ジャズフェスの実行委員会の日下さん、SV2004の代表の泉田さんのお話を聞かせていただきました。真ん中のほうは、地域もあなたも明るくなる講座ということで、南光台東部連合会町内会会長ですね、それから将監沼の自然とふれあいを育む会の事務局長さんというようなことで、ワークショップの場面です。これは定年後の暮らしをちょっと変えてみるということで、魅力的な田舎暮らし、農のある暮らしの1コマということで、水守の里七ヶ宿の理事長さん、それから川崎町にあります支倉・蔵美術館の館長さんですかね、いろいろとアドバイスをいただきました
一番下のほうのセカンドライフ相談で、これは今日表章を受けられましたシニア元気笑学校の渡辺校長先生から、個人指導をいただいたというところです。このときの相談者は5名中4名が50代後半の男性の方でした。私もこの1人でございます。経済面を中心にどんな心構えや準備が必要なのか、そして現在の日本で一体どんな制度があるのかということを学んだというところでございます。
生きがい面や健康面についても選択肢があることを、アドバイスもしていただきました。刺激を受けまして、白石高等技術専門校で、パソコンの研修コースを受講しました。使わないと忘れるので、日ごろからパソコン使うようにしています。
その後、市民の部屋で、市民センターの館長試験を知りました。ここで今まで学んだことのたな卸しをして、希望職種を決めました。多くの方にご指導いただいたおかげで、試験にも合格させていただきました。本当に皆様のお力で方向づけを決めさせていただいたというところでございます。
さらにシニア元気笑学校の渡辺校長先生からアドバイスいただいて、スキルアップを決意しました。財団法人社会通信教育協会生涯学習支援実践講座というようなことで、生涯学習コーディネーター研修を通信教育で受けました。
そして学びの人生ですね。生涯学習ということで、セミナー、講座に参加して税金知識、公的年金雇用保険、心の健康管理、希望職の決め方、再就職の知恵、あと宮城学院女子大学では「江戸時代に学ぶ」というようなことを学びました。
三本松市民センター館長として本年4月から就任させていただいておりますが、これからもまだまだ続く学びの人生ということで様々なセミナーなどに積極的に参加するとともに、学んだことを地域に生かすということを念頭において、市民センターの館長としての役割を果たしていきたいと思います。以上でございます。
吉田:ありがとうございました。
最後に中川さん、どうぞよろしくお願いいたします。
中川昌信(平和交通株式会社代表取締役社長)
ご紹介に預かりました平和交通の中川と申します。まず先にいつもタクシーを利用していただいて、この場をお借りしまして御礼申し上げます。私の会社は国見という地域にありまして、移りましてもう40年近くになります。昭和31年の創業ですから、54年になろうかとしております。
我々の仕事ももう既に乗務員さんたちが高齢化しておりますが、私は年齢を重ねた方々がいるからこそ、会社が成り立っているというふうに考えております。1つはタクシーという職業、まず地理に詳しくなくてはハンドルが握れないということですね。それからもう1つは、お客様を見つける勘といいますか、そういったものもやはり長い間、ハンドルを握ってきた方々だからこそ、それなりの売り上げを上げてきていると感じております。
それと一番は事故が少ないということです。当社にとって今、見ていただくとわかると思いますけども、今現在、社員282名おりまして、60歳以上が23名、65歳以上が26名、70歳が9名ということで、約20%が60歳以上の方という統計になっております。この方たちの事故の統計を取っても、非常に少ないんですね。やはり日ごろの走り方を見ても、スピードに注意する、長年養ってきた事故に対しての回避の仕方がうまく事故を起こさない、もらい事故がないようにという運転を心がけているということで、もう30年無事故無違反という方もたくさんいらっしゃいます。うちとしてはやはり無事故無違反というのは唯一の勲章でございますので、ちょうど背中の後ろのボードのところに、何年間無事故無違反、何万キロ無事故無違反というのを、皆さん乗ったときにちょっと見ていただくとわかると思うんですが、それが貼っております。
そういった意識を持ってもらって、この高齢の方たちにより長く働いていただきたいということで、いろいろ工夫をしております。まず1つはドライブレコーダーの活用ですが、これは皆さんもご存じの方はいらっしゃると思いますけど、事故がドーンとぶつかったときに、その画像が残るのがこのドライブレコーダーの主な役割なんです。
これは1日中急ブレーキ、急ハンドル、急加速、全部ここに記憶していきます。我々は車が上がってきたら、この映像を全部見るんですね。そうするとその人がどんな運転をしたというのが、全部わかるんです。例えばスピードが高かった。それから急ハンドルがあった、どんな場面だったのかということをここで把握して、指導をしながら、高齢の方たちにもここは気をつけたほうがいいよと指導します。
それから年齢を重ねると、やはり夜暗くなってからの勤務が非常に大変になります。そういったことでシフト、勤務体制ですね。通常でしたらタクシーは朝に出て夜中までというのが通常の勤務ですが、このシフトは朝6時か7時ぐらいに出て、もう3時か4時には上がって仕事を終わらせる。そうすることによって、夜間の辛い勤務も軽減されますし、また事故もそれによってなくなるということで、なるべく高齢の方たちが働きやすいシフトを組むようにしています。
それから自分が高齢化になりますと、当然自分の親もそれに伴って高齢化し、当然、介護しているという方もたくさんいらっしゃいます。そうすると時間をつくりたいという方、タクシーの場合は当然朝出たら、帰りまで自分が流すわけですから、時間の合間に例えばご飯をつくりに行くだとか、ちょっと世話をしに行くということも容易になります。
こういった日勤の勤務を組むことで、例えば通常は大体16日勤務から17日勤務というのが勤務数なんですけども。それを例えばどうしても介護があるんで、月のうち、10日勤務で働かせてほしい。こういうようなシフトも実際に組みながら、高齢者の雇用に役立てております。
メリットというのは先ほど話したように、当然事故も少ないということもそうですけども、人生経験が豊かでお客様からの信頼も厚い。非常に指名が多いんですね。ですから周りの高齢者の方から何々さんよこしてくださいとか、何々さん、何時に予約したいんだけど、こういうようなシフトづくりで働いていただいているということになります。
それから私ども国見という地域は非常に介護施設だとか、高齢者の施設が非常に多いところですけれども、そういったところからやはりベテランの乗務員さんをという要請も非常に多くて、そういったことからできる限り働いていただくという方法を取っております。
ただ、やはり健康に関しては、これはもうこれ抜きには、我々の商売もできませんし、年1回の健康管理、それから深夜勤務ある方は年に2回、健康診断をして、それを例えばどこかで引っかかった分があれば、それを追跡して、月に1回病院に通っているのかどうなのか、その病気の状況はどうなのかということも全部ノートに残して、追跡調査をしながら、健康管理をしているということになります。
それからたまに高齢者の方で、運転は心配ないの?という方もいらっしゃるんですけども、これは年に1回、65歳以上の方はすべて半日かけて適齢検査を受けます。これは動体視力や全部運転、プロとしての運転に適合するのかどうなのかという試験を、毎年受けて、合格できなかった方はやはりそこで考えていただかなきゃならないですけど。これに合格した方については継続して雇う。
今現在うちで一番高齢の方は今76歳の方がいます。まだまだ見た感じはもう60歳代前半といってもいいくらいお若い。この方の意識というのは、やはり働くことによって、自分は若くいられる。またお客さんと話すことによって、いろんなことを吸収できる。だから勤められる間は勤めたいということで、この方は今76歳ですけども、適齢診断にもきちっと合格して、今も乗務をしていただいております。
タクシーのこれからの雇用対策ということで、私たちも考えております。昨日もニュース等で、タクシーの減車問題というのがございました。規制緩和で増えたタクシーを減らすという作業を業界でしております。ただ、これ車を減らすのは簡単なことですが、車が減るということは人も減らさなきゃならないという現実がありまして、当社でも10台、もう既に減車しております。大体1台につき、2.5人という人が乗りますので、当然10台を減らせば25人を減らすという計算になります。ここを高齢の方に考えていただきまして、ワークシェアをしないかということで、17勤の人に、落ち着くまでの間は14勤か15勤ぐらいにして、あとの残った2勤務を他の人に分けてもらうという相談をしています。辞めてもらうよりも、勤務を少し減らして、仕事を分け合っていこうということで、今この減車対策に、高齢者の方に協力していただいて、取り組んでいるところでございます。
これから我々の活動として、いろいろなことをやっているんですけれども、子供たちの学校も多い地域でございますので、児童の安心安全の見守り、それから交通安全の街頭キャンペーン、清掃活動とか、ちょっとこれ見ていただくとわかりますけども、交通安全週間のときにこういった街頭で安全キャンペーンを行っております。これは美化清掃、美化活動ということで、地域の方々と一緒にやっております。
最後になりますけれども、これから高齢化という言い方が果たしていいのかどうなのかわかりませんけども。先ほど「華麗」なり「佳麗」という言葉に置き換えられておりましたけども、すごくいい言葉だなと思うんですね。やはり地域の方々と我々のこういう事業者、そしてやはり行政がやっぱり一体になって、この高齢化を何としてもいい方向に持っていかなきゃならない。やはり事業者がやっぱりそこに携わっていくということが非常に大切だと思うんですね。なかなかその事業者負担となると、各事業所も大変でしょうけども、できることからやっていくと。我々も考えているのは今、国見の地域ですので、高齢者の方に会員になっていただいて、例えば電球がつけられないとか、高いところのものが取れないとかというときに、電話をいただいて、近くの乗務員がちょっとお手伝いをするという活動を来年から始めたいなというふうに思っています。
難しいことは近所の事業者とタイアップして一体となって、やはりこの高齢社会をよりよいものにしていきたいというふうに思っております。言い方は今はやりのコンシェルジェっていうんですか。そういったものが我々の力で、少しでも力になれば、この高齢化に向けてお役に立てるのかなというふうに考えております。以上です。どうもありがとうございます。
吉田:ありがとうございました。仙台には昔から高齢になっても働いていただくという会社はかなりございました。特に我々もよく知っているのは藤崎デパート。高齢者雇用開発協会の全国表章式で10何年前に表彰されたのを記憶しています。
高齢社会対応では、仙台はいろんな意味で進んだ経験、経験を持つ方々も多いと思っています。先ほどご紹介いたしましたが、宮城県の鹿島台町で30余年間町長をされ、高齢社会対策も熱心だった鹿野さんがいらっしゃいます。
あなたは町長を辞めて、今97歳のお母さんを看護しておられるでしょう。せっかくですからちょっと一言お話をいただきたいと思います。
鹿野:はい、もう町長は合併で失職いたしました。母は私と23違いまして、私は75歳で母が97歳です。3日前にも私がお風呂に入れて上げたんですけども、こういう表現は果たしてあたるのかどうかわかりませんけれど、親は子の鑑といいますけども、母の老いていく姿を見ますと、何か自分の姿を見るような感じがいたします。
デイサービスとかそういうところ随分勧めてくれる人もいるし、私も勧めるんですけども。彼女の生き様としては、もうこの歳になってから、人とそんなに会わなくていいんだと。頑なに行きたがらないものですから、一番のお話相手になってあげたいと思うんです。だから人前でお話しできるようなものは何にもありません。お風呂に入れて上げるぐらいのものじゃないかと思うんですが、まあ、妻も一生懸命やっておりますので、その点では2人いるから、97歳に75歳と72歳がついていますので、その点では数の面からしますと何とかなるのかなと、こんなふうに思っております。
吉田:ありがとうございました。
最後に樋口先生から一言お話をいただいて終わりにしたいと思います。
樋口:大変地元の取り組みにつきまして、たくさんの示唆を受けまして、私ども高連協といたしましても、本当に地域の中での高齢者が活動できる、やっぱり近いところでなきゃいやです。いまさら満員電車に揺られたくない。地域の中での活動の場をつくっていくことが、私ども高連協としても大きな役割だと思っておりますし、今日は内閣府、そして仙台市長もお見えくださいましたし、ここ開催のためには仙台市の大変なご協力があったということも承っております。
私は市民活動を進めるための、樋口のラッキーセブンの法則、活動を進めるための7色のレインボー法則といいまして、相手によって変えているんですけど、7つの法則がありまして、この7つを言い出すと時間を取ってしまいますので、1つだけ今日の締めくくりとして申し上げたいと思っております。
これからの社会をつくっていく、何が新しい公共なのか、それは一体よくわかりません。古い公共っていうのは何だったんだろうと思い、もし新しいということがあるとすると、これは行政とそれから私たち市民社会とが、お互いが主役になりあって、今までは上から下へおりて来るのが公共だったとすると、今度は横並びで一緒にやっていくのが新しい公共かなと思っております。
その樋口のラッキーセブンの法則の中の1つに、7分の1ですけれど、行政との関係は協調と緊張の2チョウ主義というのがあるんです。我々、行政に協力すると、ある時期のある人々たちはボランティアというのは、行政の下請けだ、そんなことやるほうがおかしいという人がいました。とんでもない。行政は私たちがつくっている。税金でつくっているので、協調するのは当たり前です。
ところが協調しすぎると、今度は緊張を失って、また下請け主義に補助金をもらうことに専念することになりがちでございます。どうぞ皆様、私たち、行政とは協調と緊張の2チョウ主義で、そして私たちの横のネットワークを広げて、新しい公共づくりの主役になっていこうではございませんか。今日は本当にお集まりいただきまして、ありがとうございました。
吉田:ありがとうございました。樋口先生にまとめていただきました。
それではこれで終了したいと思いますが、最後に、本日お話いただきましたパネリストの中村仁さん、中村幸雄さん、中川昌信さん、大変貴重なお話ありがとうございました。