総括

平成22年度「高齢社会フォーラム」を終えて

高齢社会フォーラム企画運営委員主査
吉田 成良


 内閣府が、高齢社会対策大綱に因り、「高齢者の社会参加活動」の推進を目的に、我が国の高齢社会関連団体が糾合する「高齢社会NGO連携協議会」(高連協:加盟団体約60、樋口恵子・堀田力共同代表)との共催で、「高齢社会フォーラム」(旧「高齢社会研究セミナー」)を開催しております。「高齢社会フォーラム」としては、本年度は第2年目で、東京と仙台で開催したところです。

 本年度(平成22年度)高齢社会フォーラムの副題は「少子高齢社会におけるシニアの役割」で、これを掲げて、東京(7月20日)及び仙台(10月29日)にて、それぞれ当報告書内容のフォーラムを開催しました。

 東京開催、仙台開催の各プログラム実施内容は、当報告書に詳しく記述されていますので、ここでは、各フォーラムの実行概要と参加者によるフォーラムの内容評価などをとりまとめて報告(記述)いたします。

○高齢社会フォーラム・イン東京

 東京開催は、7月20日(火)、都市センター会館にて、全一日のプログラムで実施された。全体会議(午前の部)は定員(200名)を超えて約220名が、午後の分科会も参加受付者のほとんどが参加、という盛況でした。少子高齢社会におけるシニアとしての意識向上が大きく感じられる今年度フォーラムでした。

 フォーラム・イン東京の開催には、全国からシニア活動家のリーダーやその推進に努める行政・まちづくり関係者が広く参加しておられます。その目的は、情報とくに事例の収集です。そのため分科会では、そのニーズに対応する場として、各種の活動事例を紹介すると共に質疑討論する時間を設けており、分科会ごとのテーマと関連事例紹介者(パネリスト)の選定が最も重要です。幸い東京でのフォーラムにおいては、プログラム企画運営委員会委員が、参加者ニーズや今日的課題等を熟知しているため、参加者評価(アンケート調査)にみるような好評を博していると言えましょう。<アンケート調査結果参照>

1)参加状況

申込者(人)出席状況(人)(%)参加者平均年齢(歳)
全体246全体22189.8全体62.1
午前のみ17午前のみ1588.2男性64.0
第1分科会47第1分科会4495.7女性57.8
第2分科会55第2分科会4785.5
第3分科会25第3分科会2392.0
第4分科会80第4分科会7593.8
第5分科会25第5分科会1768.0

2)アンケート回答概要(アンケート回答者149人:男性103人、女性46人)

フォーラムへの参加目的(%)フォーラムプログラム内容評価(%)
1.活動方法の学習17.71.大変良かった57.9
2.情報の収集53.72.ある程度良かった41.4
3.問題の解決12.83.あまり良くなかった0.7
4.自己啓発13.44.全く良くなかった0
5.その他2.4

分科会参加目的(%)分科会評価(%)
1.活動方法の学習18.51.大変満足35.3
2.情報の収集52.72.一応満足47.1
3.課題の解決15.13.少々不満足14.7
4.自己啓発10.34.不満足2.2
5.その他3.45.無回答0.7

フォーラム開催の意義(%)
1.大変有意義68.5
2.一応有意義28.9
3.あまり有意義ではない0
4.全く有意義ではない0
5.無回答2.7

○高齢社会フォーラム・イン仙台

 前年度の福岡市を参考にして、本年度は仙台市との共催で開催することとなり、10月29日(金)の全日、仙台市情報産業プラザで開催されました。

 プログラムは、報告書にあるように、「エイジレス表章式」が先ず行われた後、11:20からの基調講演(樋口恵子・高連協代表)で始まり、13:30~16:30は全員参加のパネルディスカッション「少子高齢社会におけるシニアの役割」で、参加者は会場ほぼ満席の約300名。また、12:00~13:30には、会場6階(上の階)のセミナールーム2部屋にて、「にぎわいと交流のブース」シニア活動の紹介として、「ビューティー・アップセミナー」「シニア団体活動の紹介、相談コーナー」が催され、当フォーラム初めてのイベント併催は盛況でした。

 フォーラム・イン仙台のプログラムは、仙台市長(奥山恵美子)をはじめ共催関係者が要望した樋口恵子・高連協代表の基調講演「人生100年の生き方~すべての人に居場所と出番~」によって、沢山の参加者に恵まれました。

 しかし、演題の副題~すべての人に居場所と出番~について思いを致した参加者は未だ少なかったようです。参加者のほとんどが基調講演(樋口さん)とパネルディスカッション演者・仙台市長のお話を聴講するのが主目的で、パネルディスカッションの後半の参加者は半減状況で、前年度福岡フォーラムの午後の分科会に鑑みてのプログラム作りではありましたが、全国区からの参加者(限定)を対象とした東京フォーラムとは異なるものであることを改めて認識させられました。即ち、東京フォーラムでは、参加者申込みにおいても、参加目的を明記し、かつ分科会等にて発言・討議したい事を申込書に記述されている方々に参加証を送付しておりますが、福岡、仙台フォーラムでこのようなことは出来かねますから、講演会になってしまわざるを得ないと思われます。反省として記す次第です。

 次に、本年度高齢社会フォーラムの参加者によるアンケート調査結果(評価)を掲載しますのでご覧ください。

アンケート回答概要(アンケート回答者96人:男性24人、女性56人、不明16人)

フォーラム開催の意義(人)(%)「にぎわいと交流のブース」の評価(人)(%)
1.大変有意義5456.31.大変良かった1212.5
2.一応有意義3031.32.良かった4749.0
3.あまり有意義ではない44.23.特に何も感じなかった55.2
4.全く有意義ではない004.つまらなかった00
5.無回答88.35.無回答3233.3