広島県における社会参加活動事例の紹介

広島県においてこれまでに表章された団体の中から、3団体の取組みを紹介しました。

■廿日市市老人クラブ連合会大野支部おもと万年青会連合会(廿日市市、平成16年度表章)

廿日市市老人クラブ連合会大野支部万年青会連合会会長 河本さんの写真

○組織の紹介

 私は、廿日市市老人クラブ連合会大野支部万年青会連合会の会長の河本です。

 年齢は81歳、加齢のため少し頼りなくなりつつありますので十分に説明できるか不安と緊張を抱いています。

 それではここで我が組織について紹介します。平成の市町村合併によりまして現在のような組織になっていますが、旧大野町時代の昭和37年9月に11地区連合会に加入する55単位クラブで組織されました。以来50年の歴史を持っています。

 現在の会員数は2,700名で、会員の平均年齢は正確に把握していませんが役員の平均年齢は、75歳です。

 老人会の名称が万年青会となっていますが、これは先人が、会員が何時までも元気におられるようにと植物の万年青にあやかって名付けたようです。地域では万年青会と言えば老人会だと良く理解しており、その存在は認識されています。

 会の活動母体は11の地区連合会です。いずれの地区連合会とも区の行政とタイアップしており、会の行事をこなしながら区の行事も会員が積極的に協力しており、今や万年青会員の活躍なくして区の行事は進められなくなっているようです。

○活動状況

 平成16年10月23日に、我が万年青会は山口県で開催された表章式で、社会参加章をいただきました。万年青会と町立大野西小学校との交流が評価されたものです。

 会と小学校との交流は、学校から「3年生児童に昔の遊びを教えて欲しい」という依頼によって、平成2年から会員が同校に赴き、児童にお手玉、ドングリゴマ、竹とんぼ、草履作り、紙飛行機など昔遊びを教えましたことから始まったようです。

 平成10年から、3年生児童との出会いを全校児童を対象に拡大し「大野西小まつり」とし、以来この運動を展開しています。

 その後この運動に児童・保護者なども加わり、今や地域のまつりとして定着し、会員と児童との触れ合いが、先に申し上げましたように評価されたものと理解しています。

 この名誉ある受章が、会や会員にとって大きな励みになっていることは、事実であり、その証拠にその後も発展的に展開されています。

 各地区連合会には、それぞれ役員が決まっており、その中に世代間交流部長がおり、児童通学の見守り、会員と児童とのふれ合いなどもそれぞれに進められており、児童との交流は深められています。

○今年の計画

 今日までに会員と学校と2、3度打合せを行い、来たる11月11日の日曜日の午後に第14回大野西小まつりが行われることになっています。児童の数は603名で、このために私たち会員の参加者は96名がお手伝いをします。

 体験コーナーは、おはじき、お手玉、あやとり、けん玉、竹とんぼ、どんぐりこま、やじろべい、餅つき、紙飛行機、ロープの結び方教室、かっぽ作り、こままわし、竹馬、ペタンクの14種目を、会員が児童と一緒に体験します。

 会員は、孫のような児童と接することによって、我々は元気を貰い、児童が素直に伸び伸びと発育する一助になるようにと今後もこの運動は盛り上がることと思っています。

■ひろしまシルバーアンサンブル~もみじ~(広島市、平成19年度表章)

ひろしまシルバーアンサンブル~もみじ~」総監督 伊藤 敏さんの写真

○グループの紹介

 私は、「ひろしまシルバーアンサンブル~もみじ~」の総監督の伊藤 敏です。

 グループの名前の由来ですが、いつまでも、音楽に情熱をもって、赤々と燃えてがんばろうという意をこめて、『もみじ』という名称になりました。

 現在、楽団員の平均年齢は約70歳で、最高年齢は85歳の楽団員になります。

 私たちのグループは、平成12年5月に結成され、その後も継続的に数々の演奏活動を行ってきたことに対して、平成19年度に内閣府から「社会参加章」をいただきました。

○活動のきっかけ

 平成13年に広島で開催された、第14回全国健康福祉祭広島大会『2001ねんりんピック広島』の「音楽祭」に出演するため、平成12年5月に広島市の外郭団体の結成の呼びかけに応じて集まったのがグループの始まりです。

 熟年世代が、楽器演奏を一緒に楽しむということで、三味線、尺八、大正琴などの和楽器や、バイオリン、フルート、ギターなどの洋楽器といった好みの楽器を、それぞれが持ち寄って、広島市内とその近郊の、60代を中心とした63名でスタートしました。

○活動状況

 月に2回、第2・第4日曜日に、安佐南区の佐東公民館で、9時30分から12時30分までの約3時間、練習をしています。

 練習に当たっては、次の4つのことを決めて、みんなで楽しく演奏しています。

 一つ目は、『楽しく合奏しましょう。』です。間違って演奏しても、自分で編曲したと思うことと決めています。

 二つ目は、『練習は無理のないようにしましょう。』です。できるところを増やしていくこと、上達を急がないことなど、無理のないように気を付けています。経験はそれぞれ違いますから、教えたり、教えられたりはお互いさまで、仲良くやっています。

 三つ目は、『楽友を多く作って楽しい会にしましょう』です。そのためにも「おはようございます」「ありがとうございます」「失礼します」「すみません」の頭文字を取った、『オアシス』を心がけています。

 最後の四つ目は、『入団・退団・出席・欠席はすべて自由』ということです。

 練習のときには、ついついおしゃべりがはずんでしまうことも多いのですが、それも楽しみのうちだと思っています。

 私たちは、活動を通して、音楽で会話をする友だち、すなわち「楽友」をつくり、自分たちが音楽をする喜びを持つだけでなく、うしろに映像が流れているのが、今年の「広島市高齢者作品展」での演奏の様子ですが、こうした地域のイベントでの演奏や、老人ホームの訪問などにも出かけて、多くの皆さんと音楽の喜びをともにする輪を広げるように頑張っています。

○表章後の活動

 平成22年には、創立10周年を迎え、楽団員の平均年齢は高くなっても、むしろ高くなるほど情熱を燃やして演奏活動に取り組んでいます。

 また、なつかしい曲や親しまれている曲を楽しく演奏するということで、レパートリーも、「どこかで春が」などの童謡や、「春が来た」などの唱歌、「リンゴの唄」などの流行歌をはじめ、クラッシックの曲や演歌まで100曲近くに増えました。

 演奏の依頼を受けることが多くなり、ねんりんピックの広島市選手団結団・壮行式や県民文化祭、広島県健康福祉祭での演奏のほか、練習を行っている安佐南区での音楽祭や地域のふれあいまつりなど、毎年10以上のさまざまなイベントに出演しています。

 さらに、楽団では、ハワイアングループやナツメログループなど10以上の小さなアンサンブルでの演奏活動も行っていて、地区敬老会や幼稚園などでの演奏は、小編成で行っています。

 現在使用している楽器群は、弦楽器はバイオリン、ビオラ、ギター、ウクレレ、マンドリン。

 管楽器は、アルトサックス、テナーサックス、トロンボーン、クラリネット、フルート、トランペット、リコーダー、オカリナ。

 鍵盤楽器は、ピアノ、キーボード、リード楽器はアコーディオン、ハーモニカ、打楽器は、リズムセクションとなっています。

 また、三味線、大正琴、琴、尺八、篠笛など和楽器もあります。

 今後も音楽の演奏を通じて、会員相互の交流と親睦を図るとともに、その活動を通じて、心身ともに健康で豊かな活力ある長寿社会づくりに貢献したいと考えています。

■演芸ボランティア「ダイヤモンズ」(広島市、平成20年度表章)

演芸ボランティア「ダイヤモンズ」 金輪忠雄さんの写真

○グループの紹介

 私は、演芸ボランティア「ダイヤモンズ」の金輪忠雄です。平成20年度に内閣府から「社会参加章」をいただきました。私たちは、平均年齢70歳、会員数20名の団体です。

○活動のきっかけ

 広島県高齢者福祉大学校の12期生として、それぞれ「童謡を歌う会」と「フラダンス同好会」に所属していました。在校していた当時から、お互いに「明るい地域社会づくりに貢献したい」と話し合っていました。そこで、大学院が修了した、平成16年3月に有志で演芸ボランティアを立ち上げました。

○活動状況

 記念すべき第一回目の公演は、平成16年5月の特別養護老人ホーム「光清苑」でした。やはり、はじめは緊張しましたが、私たちはもともと人前に出ることが好きですから。皆さんに喜んでもらえることはもちろん、自分たちが楽しむことが大切だと思っています。その後も毎月のように県内の老人福祉施設や地域のいきいきサロン、病院などを訪問しています。

 訪問先では、まず皆さんで童謡を歌い、会場の雰囲気を一つにします。そして、フラダンスや手品、どじょうすくい、歌謡舞踊を行います。また、最後に会員の手作りの玄米ダンベルを使ったダンベル体操を行っています。このダンベルは寄贈して、その後の健康づくりに役立ててもらっています。見ていただいた方々から、「素晴らしかったです」、「元気をもらいましたよ」という言葉をいただくと、本当にうれしいです。

○表章後の活動

 表章を受けた平成20年当時の延べ公演回数は約60回でしたが、今日までの8年半の間に、125回の公演を行っています。今では、口コミで聞いたところからの訪問依頼も増え、広島市内をはじめとして、福山市や尾道市、呉市などからお声がかかることもあります。すべてボランティア活動なので、交通費も自己負担で行っていますので、活動範囲が広範囲になると大変ですが、『ありがとう』と言われることが最高の生きがいを感じる瞬間だと思います。

 今後も皆さんに喜んでもらえるよう、活動を続けていきたいと思っています。