総括

「平成24年度「高齢社会フォーラム」を終えて」

吉田 成良
高齢社会フォーラム企画運営委員会主査

内閣府は、高齢社会対策大綱を基に、高齢社会関連団体の連合体「高齢社会NGO連携協議会」(高連協)と共催して、高齢者の自立、自己実現、尊厳等を企る「高齢者の社会参加活動の推進」をテーマとする「高齢社会フォーラム」を開催して、本年度は第4年度目になります。

 本年度(平成24年度)のフォーラムは、東京で7月11日、広島で10月30日に開催され、初期計画(プログラム)どおり、所定の参加者とともに盛況裡に終えることができました。

 また、本年度のフォーラムの開催では、東京開催は内閣府と高連協の共催、広島開催は広島市との三者共催で、それぞれの参加者(各200余名)にも大方満足を頂けた(参加者アンケート別添え)ことは喜ばしい限りです。

 フォーラムのプログラムづくりは、内閣府の高齢社会対策担当の参事官、高連協のフォーラム担当理事などによる企画運営委員会が開催事務局とともに進めてきているものですから、参加者の評価は極めて重要で、かつ今後のフォーラムの在り方を左右するものです。その意味で参加者各位から「満足」(東京84%、広島74%)を頂いたことは、関係者一同、「良かった」と銘すべきでしょう。

 さて、本年度のフォーラムの副題は、東京フォーラムで基調講演された樋口恵子(高連協共同代表)さんの演題でもある「高齢者(シニア)の社会参加が世の中を変える!」でした。そのもとで、東京フォーラムでは三つの分科会、「就業と起業」(第1分科会)、「広域的ボランティア活動;成年後見、傾聴、介護者支援等」(第2分科会)、「地域社会活動」(第3分科会)、が各会場別に同時平行で催されました。どの会場も6~70名の参加者で、時間も3時間だったためか、参加者発言の機会もあり、参加満足度も高い評価をえたものと思われます。

 その点で広島開催は、分科会は設営できず全員参加のパネル討議で、時間も約2時間と短く、参加者評価は東京より若干低い結果をみています。しかし、過去3年間の地方開催の評価から見ればこれまでにない高い評価を頂いています。これは、基調講演者の堀田力さんの講演によるところ大ですが、堀田さんと施策紹介者の糸山隆(広島市健康福祉局長)さんに助言者としてパネル討議にも加わって頂いたこともあったと思われます。堀田さんのお話しからパネリスト3名(春日キスヨ、梶田省三、渡邊武の各位)のお話しまでを関連して考え、討議できたからでしょう。しかし、シニアの社会参加活動はその目的だけでなく具体的に拡大発展しているために、「何ができるか、何をするか」(広島フォーラムのテーマ)では収まらない状況も伺えました。

 フォーラムの参加者の参加目的は、「自己啓発」、「活動方法の学習」、そして「情報の収集」の大きく三つで、これまでのフォーラムでも一貫した目的です。したがって、基調講演では自己啓発を促し、活動方法や情報の提供は分科会かパネル討議で行うというのがプログラムの作成方針で、この方針はしばらくは変わらないと思われます。要は演者等のお話し次第になりますが、演者も時間的都合等でお話ししたいことの一部しか話せない場合もあり、司会する方にとっても実に難しいことです。しかし、このようなフォーラムは、掲げるテーマ「シニアの社会参加活動の促進」と同様に、途切れることなく推進していかなければならないイベントでしょう。

 なお、フォーラムの内容につきましては、本誌報告書に全文掲載されておりますので、内容紹介は割愛しました。

 最後になりましたが、フォーラム開催にご尽力賜った関係各位に厚くお礼申し上げるとともに、参加者各位からの評価等を以下にご紹介させて頂きます。

アンケート結果(東京開催・広島開催)

表:アンケート結果(東京開催・広島開催)

平成24年度 高齢社会フォーラム
企画運営委員名簿

表:平成24年度高齢社会フォーラム企画運営委員名簿