高齢社会対策説明「高齢社会フォーラム・イン東京」
宮本 悦子
内閣府高齢社会対策担当参事官
ただ今、ご紹介いただきました宮本でございます。私は、実は先週こちらの部署の方に着任したばかりでございます。大変不勉強な中でのご説明でございますので、ご説明が不十分かもしれませんが、どうぞご容赦くださいますようお願いいたします。
私は、旧労働省に入省いたしまして、先生がおっしゃったようなグローバル競争にさらされていない官僚として、20年以上過ごしてまいりました。直前は、厚生労働省の中の職業安定局という雇用を担当している部局におりました。そこで、地域雇用対策という雇用情勢が悪い地域、大都市圏ではなく、日本のいろいろな地方の雇用を応援する仕事をしてまいりました。いろいろな自治体へ出張してまいりまして、いろいろな方とお話する機会がございました。その地域対策の中では、やはりキーパーソンが非常に大事だということを2年間の経験を通じて実感してまいりました。高齢者が活躍するという取組の中でも、やはり大事なのは、キーパーソンではないかと思っています。ここにいらっしゃる方々は、そのキーパーソンではないかと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
<高齢社会白書 全体構成>
今日は、「高齢化の現状と高齢社会対策」と題し、『高齢社会白書』についてご説明したいと思っております。『高齢社会白書』は、「高齢社会対策基本法」に基づいて、毎年国会に提出することとされている年次報告書でございます。平成8(1996)年から報告しておりまして、今回は18回目になります。今年は6月14日に閣議決定しました。
この白書は、3部構成になっております。第1節は「高齢化の状況」、第2節は「高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向」で、第3節につきましては、毎年テーマを変えての特集を組んでおります。今年につきましては、団塊の世代の方々が平成24(2012)年から65歳に達し始めたことから、「団塊の世代の意識」について取り上げております。
第1章 高齢化の状況
第1節 高齢化の状況
<高齢化の現状>
それではまず、第1節について、ご説明させていただきます。後ろに座っていらっしゃる方は、前の画面が見難いかもしれませんが、お手元にございます「高齢社会白書」概要版にも同じものがございますので、お手元の資料をご覧になってください。
まずは、資料の2頁の「高齢化の現状」でございます。平成24(2012)年10月現在、総人口は1億2,752万人でございます。23年度に比べまして微減でございます。スライドの下の方に、丸で囲っておりますが、65歳以上の高齢化率は24.1%に上昇しております。75歳以上は11.9%に上昇しております。
(注)本説明で用いられている資料の頁番号は、「平成25年版高齢社会白書(概要版)」の頁番号を記載しており、スライドの右上に記載している頁番号と一致します。なお、「平成25年版高齢社会白書(概要版)」は、内閣府ホームページより閲覧・印刷することができます。
〔平成25年版 高齢社会白書(概要版)(PDF形式)〕
<高齢化の推移と将来推計>
続きまして、資料の3頁でございます。これは、「高齢化の推移と将来推計」を示したグラフでございます。折れ線グラフが高齢化率、つまり65歳以上の人口の割合でございます。急激に上昇しまして、平成72(2060)年には39.9%になると予想されております。ちょっと図が見難いかもしれませんが、平成72(2060)年には、2.5人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上の社会になると予想されております。
続きまして、資料の4頁になります。高齢世代人口の比率を示したものでございます。
平成24(2012)年には、高齢者1人に対しまして、15~64歳の現役世代が2.6人でございました。これが平成72(2060)年には、右下に点線で囲っておりますが、高齢者1人に対しまして、現役世代が1.3人になると予想されております。現役世代1.3人で1人の高齢者を支える社会が到来してくるということでございます。
続きまして、資料の5頁は「平均寿命の推移と将来推計」でございます。先ほど、樋口先生より「人生90年」というお話もございましたが、多分これが根拠になっているのではないかと思っています。
平均寿命は、平成23(2011)年の段階では、男性が79.44年でございます。上の折れ線グラフ(マーカーが丸印のもの)が女性の平均寿命でございまして、85.90年でございます。これが、平成72(2060)年になりますと、男性が84.19年、女性が90.93年となり、女性の平均寿命は90年を超える見通しとなっております。
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
第2節は、「高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向」ということで、家族と世帯、経済状況、健康・福祉、就業、社会参加活動、生活環境について分析しております。
<家族と世帯>
まず、資料の9頁でございます。これは、65歳以上の方がいらっしゃる世帯の数と世帯構成、それから全世帯に占める65歳以上の方がいる世帯の割合でございます。
高齢者の方のいらっしゃる世帯は全体の4割となっております。それは、折れ線グラフを見ていただければよろしいかと思います。また、「単独世帯」・「夫婦のみの世帯」の平成23(2011)年の数と割合を点線で囲っております。「単独世帯」・「夫婦のみの世帯」を足したものが高齢者のみ世帯でございますが、これが過半数になっております。また、高齢者の「単身世帯」は、棒グラフの一番下の部分でございますが、昭和55(1980)年は10.7%でしたが、平成23(2011)年には24.2%とかなり上昇しております。
次は、資料の10頁です。「一人暮らしの高齢者の動向」でございます。
グラフを見ていただきますと、一人暮らしの高齢者の増加は男女とも顕著ということが分かるかと思います。折れ線グラフは上(マーカーが丸印のもの)が女性、下(マーカーが三角印のもの)が男性の割合を示しておりますが、昭和55(1980)年に比べて急激に増加しており、今後も増加を続けるということが予測されております。
<経済状況>
次は資料の11頁です。ここは、高齢者の経済状況について分析したものでございます。
これは、60歳以上の高齢者のうち、暮らし向きについて聞いたものでございますが、帯グラフの一番左側が「まったく心配ない」、次が「それほど心配ない」という方の回答の割合でございます。総数ですと、暮らし向きについて、「まったく心配ない」と「それほど心配ない」と考えていらっしゃる方が約7割でございます。これは一番上の帯グラフで、点線で囲った部分でございます。帯グラフの一番下、これは年齢別に見た80歳以上の方の割合でございますが、80歳以上になりますと、いま申し上げた割合が約8割というふうに上昇し、高いものになっています。
それから、次は資料の12頁でございます。これも高齢者の方の経済状況で、高齢者の方の平均所得金額についてのデータでございます。
平成22(2010)年の一世帯当たりの平均所得金額と、世帯人員一人当たりの金額を示したものでございますが、一世帯当たりですと307万円、世帯一人当たりですと197万円となっております。
右の円グラフが、高齢者世帯における公的年金・恩給が総所得に占める割合別にした世帯数の構成割合でございますが、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち、公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の方が56.7%でございます。また、公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%の方で14.1%いらっしゃいます。ですので、高齢者世帯の約7割が年金・恩給の総所得に占める割合が80%以上という状況でございます。
続きまして、資料の13~14頁でございます。これは、貯蓄状況についてのデータでございます。
世帯主が65歳以上の世帯の平均貯蓄額、これは平成23(2011)年のものでございますが、これは全世帯平均の約1.4倍となっております。左の方にございますように、全世帯平均ですと1,664万円でございますが、65歳以上の平均が2,257万円となっております。
下の帯グラフは貯蓄の目的でございますが、62.3%の方が「病気・介護の備え」とお答えになっております。
健康・福祉
次は、「健康・福祉」についてで、資料は17頁でございます。健康寿命と平均寿命とがあって、ここにいらっしゃる皆様はご存じかと思いますが、日常生活に制限のない期間、これを健康寿命といっております。
左のグラフは男性の平均寿命と健康寿命でございます。上の折れ線グラフが平均寿命、下の折れ線グラフが健康寿命でございます。矢印は、平成13(2001)年から22(2010)年にかけてどれだけ延びたかを示しておりまして、男性ですと健康寿命は1.02年、平均寿命は1.48年でございます。
右のグラフは女性の同じものでございまして、女性の場合、平均寿命は1.37年、健康寿命は0.97年延びております。男女ともに、平均寿命の延びに比べ、健康寿命の延びはそれほど大きくないという結果になっております。
続きまして、資料18~19頁でございます。これは、65歳以上の方の要介護度別認定者数の推移になっております。
棒グラフで表しておりますのは、要介護度別認定者数の推移でございまして、平成13(2001)年度から22(2010)年までの要介護者と要支援者の数を要介護度別に示したものでございます。一番右側の、平成22年度の棒グラフでございますが、合計4,907千人(490万7千人)となっております。
右の表は、「要介護等認定の状況」でございます。65~74歳と75歳以上とに分けて示しております。75歳以上の方につきましては22.1%の方が要介護認定者となっておりまして、65~74歳の方と比べて、割合が大きく上昇しております。
次は、資料20頁です。これは、介護をどういった方がされるかという資料になります。
左のグラフは、要介護者から見た主な介護者の続柄でございます。配偶者、子、子の配偶者というのが多く、介護者の64%が同居人です。右上の帯グラフは、左の円グラフから矢印が出ておりまして、左に男性、右に女性と書いておりますが、介護者の男女別比率を示したものでございます。大体7割が女性となっております。
それから、同居人の介護者のうち、何歳ぐらいの方が介護されているかということ示したのが右下の帯グラフでございます。点線で囲っておりますように、60歳以上の方が6割を占めております。いわゆる「老老介護」という状況が相当数存在していることがこの図から見て取れると思います。
就業
次は、資料の22頁でございます。高齢者を取り巻く雇用環境についてのデータでございます。
左側の折れ線グラフは、高齢者の雇用者数でございます。雇用者数は増加傾向にあります。右側の円グラフは、過去1年間の定年到達者の、現在の雇用状況でございますが、継続雇用された方が4分の3となっております。
次は、資料の23頁でございます。これは、労働力人口の推移でございまして、これを見ていただきますと、労働力人口に占める65歳以上の人の比率は大きく上昇しておりまして、昭和55(1980)年に4.9%であったものが、平成24(2012)年には9.3%になっております。
<社会参加活動>
次は、資料の24頁でございます。これは、社会参加活動についてのデータでございます。
60歳以上の高齢者のグループ活動への参加率は、約6割でございます。各棒グラフの左側が平成10(1998)年のもので、右側の棒グラフが平成20(2008)年のものです。見ていただきますと、10年前に比べて増加していることが分かるかと思います。
それから、右下の帯グラフは参加意向でございますが、参加意向も過去のものと比べて増加していることが分かることと思います。
次は、資料26頁でございます。これは行ってみたい生涯学習の内容について示したものでございます。
各棒グラフの上が60~69歳の方のご回答でございます。下が70歳以上のものでございます。行ってみたい生涯学習の内容としましては「健康・スポーツ」が最も多くなっております。
次は、お手元の資料にはないのですが、若い世代との交流の機会の参加意向を聞いたものでございます。
点線で囲っておりますのが、平成20(2008)年調査の回答結果でございます。積極的に参加したい方、できるかぎり参加したい方を合わせますと、6割を超えている状況でございます。
生活環境
それから、資料の29頁でございます。生活環境についてのものでございます。
これは、どれくらい近所づきあいをされているかということについて聞いております。一番左側が全体のものでございまして、近所づきあいの程度としては、「親しくつきあっている」が点線で囲っている部分で51%でございます。ところが、その右側、これは男性の一人暮らし世帯についての回答でございますが、「つきあいはほとんどない」という方が、点線で囲んでいる部分で17.4%いらっしゃいます。一方で、真ん中あたりにあります点線で囲っている部分、これは女性の一人暮らし世帯の方の回答でございますが、「親しくつきあっている」という方が約6割でございます。ということは、男性と女性でかなり違うということが読み取れると思います。
それから、資料の30頁でございます。これは、困ったときに頼れる人がいるかどうかについて聞いたものでございます。
全体的には、困ったときに頼れる方のいない人の割合は2.4%と低いのですが、これが男性の一人暮らし世帯の方では、点線で囲っていますが、2割の方が困った時に頼れる人がいないとお答えになっております。
次は、これはあまり好ましい話題ではございませんが、「孤独死」についてのデータでございます。東京23区で、自宅で死亡された65歳以上一人暮らしの方の数字でございます。
左側の棒グラフが平成14(2002)年以降の数字について毎年示したものでございます。平成22(2010)年が一番多く、その後少し下がっておりますけれど、やはり多くの方がお一人で、自宅で亡くなっていらっしゃるということでございます。
右側のグラフが単身居住者で死亡から相当期間経過後に発見された件数ということで、これも少しずつですが増えている状況が見て取れます。
これは、先ほど申し上げました孤独死を身近な問題と感じる方の割合について示したものでございます。
一番上が全体についての数字でございまして、点線で囲っている17.3%の方が孤独死を身近な問題だと感じる方でございます。これが単身世帯となりますと、上から2番目の帯グラフでございますが、大幅に増加しまして、45.4%の方が身近な問題だと感じるとお答えになっていらっしゃいます。
第3節 団塊の世代の意識
今年の白書に特集として取り上げた「団塊の世代の意識」について、少しご紹介させていただきます。
資料は35頁でございます。団塊の世代につきましては、ここにいらっしゃる皆様方にご説明するまでもないのですが、「高学歴化」、「サラリーマン化」、「都市化」といった戦後の変化の象徴でございまして、消費文化の中で育った、いわゆる「団塊の世代」といわれる方々が65歳に達し始めました。
これは、65歳以上の高齢者の増加数を示したものでございますが、いわゆる団塊の世代の方々が65歳に達し始めたということで、大幅に高齢者が増加することになります。
団塊の世代の経済状況
次は資料の36頁になります。団塊の世代の方の経済状況でございます。
上のグラフは、団塊の世代の世帯の主な収入源でございます。年金が53.4%と最も多く、次いで給与が多く31.6%を占めております。
下のグラフは、世帯収入でございまして、240万円~300万円未満が最も多く、17.3%を占めております。
次が資料37頁でございます。団塊の世代の貯蓄額についてまとめたものでございます。
貯蓄額は1,000万円~2,000万円未満が最も多く、15%を占めております。
下の方が貯蓄の目的でございます。この中で、上の方が今までの目的、下の方が今後の目的でございます。今までの目的は「普段の生活維持」が大きなところでございましたが、今後の目的につきましては、「病気や介護に備える」に変化しております。
団塊の世代の就労
続きまして、資料は38頁でございます。団塊の世代の方の就労形態の変化を示したものでございます。
これを見ていただきますと、60歳の時の就業状況を上、現在の就業状況を下の棒グラフでそれぞれ示しております。点線で囲っている部分を見ていただきますと、60歳の時に比べますと現在は正社員・職員が減りまして、嘱託・契約社員、パート・アルバイトが増えている状況が見て取れます。
続きまして、39頁でございます。これは、団塊の世代の就労目的でございます。これがどのように変化しているかということでございます。
60歳の時、これは上の方の棒グラフでございますが、「生活費を得るため」が最も多く73%となっておりまます。60歳の時と現在で比べますと、現在では、「生きがいが欲しいため」や「健康維持のため」など、経済的理由以外の理由が増加しております。
それから、40頁でございます。団塊の世代の就労希望年齢でございます。
これはいつまで働きたいかでございますが、65歳以上でも働きたいと考えていらっしゃる方は、50.9%になります。上の帯グラフで、点線で囲っている部分は、70歳まで、75歳まで、その隣はちょっと少ないのですが80歳まで、そして「働けるうちはいつまでも」と答えた方の割合です。それらを合わせますと、50.9%の方が65歳以上でも働きたいと考えていらっしゃいます。
下の帯グラフは、現在仕事をしている方だけで集計した結果でございますが、大体7割の方が65歳を超えても働きたいと考えておられます。
団塊の世代の社会参加
41頁は、団塊の世代で、社会活動に参加しているかどうかについて聞いたものでございます。
これは、現在参加している社会活動について聞いたもので、一番下が「社会活動に参加していない」とお答えになったものを示しております。これは結構高く、団塊の世代で社会活動に参加している方の割合は38.7%という状況に留まっております。
それから、続きまして、資料は42頁でございます。団塊の世代の方は、社会活動にそれほど参加していませんが、その理由を聞いてみました。
最も多かったのは、「仕事が忙しくて時間がないから」でして、次いで「自分や家族のことを優先したいから」が多くなっております。
次が44頁でございます。団塊の世代の今後参加したい社会活動について聞いたものでございます。
上の方から、点線で囲ったものでございますが、一番多いものが「趣味・スポーツ活動」となっております。次いで、男性ですと「地域行事を支援する活動」、女性ですと「高齢者を支援する活動」が多くなっております。
それから45頁でございます。団塊の世代の方の社会活動への参加のきっかけでございます。
上の方が参加している人の、参加のきっかけの割合を帯グラフにしたものでございますけれど、一番多かったものは「友人や地域住民と一緒に参加できた」となっております。
下の方は、現在社会活動に参加していない人の、今後参加のきっかけになるのではないかと思うことについて聞いたものでございます。これをみますと、「参加する時間的な余裕ができた」ということがきっかけになるのではないかと答えた方が多くいらっしゃいます。
団塊の世代の健康・介護
次は46頁でございます。ここからは、団塊の世代の方の健康ですとか、介護についてのデータになります。
介護が必要になった時に希望する生活場所は、男女ともに自宅が多いということでございます。これは、一番上の点線で囲っているところでございます。これは上が男性、下が女性でございます。一番多いのは自宅ということで男女とも同じなのですが、それに次いで、下の方に点線で囲っているところがございますが、それについては男女で異なっています。介護施設や医療機関での介護を希望する割合は、男性よりも女性の方が多いというようになっております。
次に47頁です。「介護が必要になった場合、主に誰に介護を頼むつもりですか」ということを聞いたものでございます。
男女とも配偶者を希望するという方が最も多く特に男性は、過半数の方が配偶者に介護してもらいたいとなっております。ところが、女性の場合は26.6%しかおりません。では、誰に介護を頼むつもりかと言いますと、女性の場合、ホームヘルパーや訪問看護師、施設や病院の職員・看護師というように、訪問看護や施設での介護を希望する方が多くなっております。点線で囲ってはございませんが、上から2つ目の棒グラフにございますように、子どもとお答えになった方も女性では1割以上いらっしゃいます。
団塊の世代の住居
それから次は48頁で、団塊の世代の方の住居でございます。
上のグラフは、住居形態について聞いたものでございまして、持ち家に住んでいらっしゃる方が、一戸建て、マンション合わせますと大体86%でございまして、持ち家率が高いということが見て取れます。
下のグラフは、今後の住まいについての意向を聞いたものでございますが、「今、住んでいる家に住み続けたい」という方の割合は81%になっております。
コラム
ここからは、このスライドと全く同じものは白書には載っておりません。白書では、コラムは33頁、34頁、49頁に分けて掲載しております。白書では、文章だけの掲載になっております。
このコラムでは、各地で行われている高齢者に対するユニークな取組ですとか、高齢者が行っている活動を紹介しております。今年は、5つのコラムで6つの取組を取り上げております。
まずコラムの1つ目でございますが、「夢のみずうみ村~生活力を促す介護~」ということで、山口県山口市の例を紹介しております。これは、要介護者自身の意欲や能力を引き出すような介護施設の取組でございます。また、コラムの2つ目は、「劇団包括」という愛知県豊田市の例でございますが、認知症の対応を、寸劇を通して分かりやすく伝えることで社会の理解を促進する取組というものでございます。
大分時間が押しておりますので、その他コラムに掲載しました、いずれも東日本大震災の被災地である福島県福島市の「ふくしま民話茶屋の会」や岩手県大槌町の「新生おおつち」の取組の紹介について、それから、福岡県の「70歳現役応援センター」や東京都八王子市の「お父さんお帰りなさいパーティー」の内容については、後ほど、資料の方のお目通しをお願いしたいと思っております。
第2章 高齢社会対策の実施の状況
それから、『高齢社会白書』の第2章「高齢社会対策の実施の状況」について若干ご説明したいと思います。これで最後になります。
「高齢社会対策の実施の状況」は、主に4点ございます。
1つは、「高齢社会対策大綱の改定」でございます。これは、先ほど樋口先生からご紹介がございましたので、ご説明を割愛させていただきます。平成24年9月に閣議決定されたものでございます。
次が、「社会保障制度改革の推進」でございまして、社会保障・税一体改革や社会保障制度改革国民会議、それから社会保障・税番号制度についての関係法が成立しております。
それから、3つ目が、高齢者の希望者全員が65歳まで働き続けられるようにと「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律」が平成24年8月に成立し、本年4月から施行されております。
最後は、「持続可能で安定的な公的年金制度の確立」ということで、公的年金制度の安定的な運営のために政府が提出した4法が成立しております。
以上、今年の『高齢社会白書』についてご説明させていただきました。ご清聴ありがとうございました。