基調講演「高齢社会フォーラム・イン宮崎」

「高齢者から発進!世代をつむぐ、三方よしの地域づくり」

藤原 佳典
東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム 研究部長

 少子高齢社会を乗り切るためには、地域住民の大多数を占め、人生経験豊かな高齢世代が、地域づくりの担い手として期待される。また、地域を持続・発展させるためには、高齢者から子どもまで全ての世代がつながり、循環する共生社会を創生する必要性がある。その中で高齢者のボランティア活動は、受け手(=売り手)よし、高齢者本人(=買い手)よし、地域(=世間)よしの“三方よし”の基盤となり得る。こうした“三方よし”の活動事例として、高齢者ボランティアによる子どもへの絵本の読み聞かせプログラム「りぷりんと」のあゆみとエビデンスを紹介した。

藤原 佳典 東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム 研究部長の写真

 ただいまご紹介いただきました、東京都健康長寿医療センター研究所からまいりました、藤原でございます。はじめに今日は、エイジレス章また社会参加章を受章なさいました皆さまがた、本当におめでとうございます。私の講演をそのままやっていただける、本当に生き字引のような事例でございまして、もう一度皆さまがたの活動を思い浮かべながら、今日は50分の時間を皆さんと一緒に勉強させていただきたいと思います。

 私が所属しております、東京都健康長寿医療センター研究所の設立者は、今日のテーマ三方よしにも、非常に関係してくるんですが、渋沢栄一でございます。

 渋沢栄一は、明治幕末の日本の、資本主義のリーダーであり、政財界のリーダーだったんですが、彼が85歳を超えてからは、政財界のほうからはどんどん引退していきまして、福祉のほうへ入ってまいりました。そして彼が、『論語と算盤』という本を残しておりまして、論語というのは道徳とか福祉、算盤というのはビジネスとか商売ということなんですが、ビジネスと道徳福祉は、何か相反するようなもののイメージがするんですが、彼は福祉もビジネスも、両方がお互い連携しながら、世の中をよくしていくんだということを言っておりました。その中で三方よしということですが、彼は福祉であれ、ビジネスであれ、世の中をよくしていくには三方よし、つまり売り手よし買い手よし、そして世間よしという、この三つがそろわないと、両方ともうまくいかないし、世の中がうまくいかないんだということを、100年前から提唱していました。先ほどの皆さまの事例を拝聴しましたが、まさしく三方よしだと思います。つまりご自分の健康にもいいし、ご家族も喜んでくれて地域の方にも喜んでもらって、世の中自体もハッピーになってるという、まさしくこの三方よしを体現されてる活動だと感じた次第です。

○本日の話題

 今日は主に、この四つのテーマでお話しを進めたいと思います。最初は先ほどから出ておりました、少子高齢社会をどう乗り切るかと、そのときに一番のキックオフしていただきたい世代というのは、シニア世代の方、高齢者の世代の方が活躍されるということのその意義、そしてこの高齢者の方だけとかではなくて世の中全体、多世代いわゆる共生というもので地域を作っていきましょうという、そういったお話しをさせていただきます。二つ目は、その社会参加とかシニアの方の社会貢献といいましても、さまざまな形がございます。仕事もあればボランティアもあるといったような、それぞれ、どういったところが健康にいいのかといったところを、われわれの研究の中からご紹介したいと思います。

 三つ目は、今日お集まりの皆さんのように、もうすでに社会活動をガンガンやって、地域をリードされている方は、手放しで私拍手したいと思うんですが、その一方でなかなか社会参加できてない方もいらっしゃるかと思います。そういう方にとっては、まずそのABCのAは外出と交流ですよといったお話しをさせていただきます。四つ目は、われわれが、今までその三方よしということを、目指してきた事例をご紹介したいと考えています。

○増える現役世代の負担

 まず最初ですけれども、1990年代半ばから日本は少子高齢化が進んできて、また働き盛りも減ってきて、人口が減少してきている世の中になってきているという、そのような社会背景がございます。国のホームページを見ておりましても、社会保障の負担が、どんどんアンバランスになってくると、今から50年前は9.1人の若者で、1人の高齢者を支えて、いわゆるおみこし型の社会だったと言われていたのが、だんだん騎馬戦型になり、またこれから肩車型になってくるというふうに言われているんですね。

 2050年には、1.1人の若者が、1人の高齢者を支えるという時代がやってくるのですが、この支える若者の体力自体が、この50年前の若者と全然違うんですね。弱ってきてるんです。つまり必ずしも、みんなちゃんとした職に就けるわけでもないですし、また家族が支えてくれるような方ばかりじゃなくて、単身の男性が増えてきているということで、この若者も数が減る上に、さらにその社会を支える体力自体も、なくなってくるんじゃないかということで、不安になってきます。ともすれば自分だけでも大変なのに、なぜ上の世代の人を支えないといけないのか、実のおじいちゃんおばあちゃんに恩返しするというのなら分かるんですけども、だんだん核家族化が進んでくると、赤の他人のおじいちゃんおばあちゃんの、いろんな意味での面倒まで、なぜ若い世代が見ないといけないのかというようなことで、とかく世代間の対立とか、あるいは確執というのが水面下で生じる心配がございます。

 しかし、1億総活躍で乗り切れないと、この日本自体、あとは助けてくれるのは、もうロボットか外国人しかいないというようなことになりますので、この元気なシニアの方々が、まだまだ支える側に回って、世の中を一緒に支えていただくことが、非常に大事です。とはいえ70になってから、まだやるのか、私はしんどいよという方も、中にはいらっしゃるかと思います。でもわれわれはいろいろな研究を通しまして、支える側に回った高齢者の方のほうが、実はお元気でいらっしゃったり、あるいはさらに元気に生きがいをもらってらっしゃるというようなことが、先ほど表彰された数々の事例が物語っているのと同様に、私たちのこれまでの研究でも、実証されました。

 

○複雑化する地域の課題

 もう一つは単にその人口という数の上での問題だけではなくて、今地域が抱えている問題というのは、非常に複雑化しているのです。単に高齢者の問題、子育ての問題だけではなくて、高齢者を介護しながら、子育てもしているとか、あるいはその結果、仕事を辞めざるを得なくなって、経済的にも苦しくなっているといったような、ダブルのケア、あるいはそこに生活苦というものが出てきたりといったように、地域の課題が非常に多問題化したり、あるいは多世代にわたる問題を、一つの家族が抱えている実情があります。

 ですので、質の問題でも、今地域社会が複雑になっています。こういったときに、役所のサービスがあるんですが、なかなか役所の縦割りサービスだけでは、迅速に対応できないことがありまして、どう隙間をうずめていくかということが、大事になってきます。そのときに本来地域で、民生委員さんとか町会の方とかが、一番期待されるわけなんですが、その町会の方民生委員さんも、いっぱい役目を抱え込んでおられたりとか、後継者がいらっしゃらなかったりということで、パンク状態です。そういうときに、第3第4のパワーとして期待されるのが、地域でいろんな活動をされている、多くのシニアの方だと思います。

 そういった方が、いろんな地域の活動の中で、ちょっとしたお仲間の困りごととか、ちょっとしたお助けのSOSを聞いて、こんなことなら私たちやってあげるわよとか、それならこういうところに相談してごらんといったような、つながりが非常に重要だということです。そういう意味では、その質の上の問題、量の上の問題で、この複雑化する少子高齢化の中で、地域でいろんな草の根の活動をされている、特にシニアの方に期待されているところがあるかと思います。

○健康長寿10か条

 とはいえ、まずはその地域を支えるシニアの方自体が、お元気でいただく必要があるということです。われわれの研究所は、これまで全国津々浦々、健康長寿の秘訣というのを探ってまいりまして、大体どこで調査をしましても、10個の項目が重要だというふうに出てきます。そのうち半分が、いわゆる生活習慣病対策になります。残りの五つが重要なんですが、いわゆる老化対策、老化を先送りしましょうということです。私は元気なうちは人間も車も動いてなんぼというふうに考えているんですけれども、例えばその老化対策ということを考えた場合に、これは栄養の問題ですとか足腰の問題、あるいは頭の働きの問題、いろいろあります。

 これを車に置き換えますと、栄養というのはちゃんとガソリンが満タンに入っていること、そして足腰が丈夫というのは車体がしっかりしていて、溝がすり減っていないタイヤがはまっているということです。記憶力がいいというのは、性能がいいカーナビが入っているとかですね。あるいは健康感が高い、自分で健康だと思えているということが、非常に大事なんですが、これはきょうも1日ドライバーさんが、気分よく運転席に乗れることになります。これは、きょう1日スタートする上で非常に重要なポイントになるのですが、われわれ現役世代と退職後の方の健康づくりの視点というのは、異なっています。われわれ現役世代のものは、少々車がポンコツであろうが、眠気があってもその何時何分に、どこどこへお客さんと待ち合わせする必要があると思ったら、眠い目をこすってもパンを口に挟みながらでも、車で出ていかないといけません。

 でも退職後の方の場合は、いくらエンジンを磨いて車をメンテナンスしても、出る必要がなかったら、ついつい面倒くさくなってくるということですね。そこで重要になってくるのが、何か外へ出る、今日行く用事です。今日の用事、今日行くところ、そういったような目的が必要だと、これがまさしく社会参加であり社会的な役割だと思います。

○社会的役割は人の最高能力!

 あるアメリカの学者の考えを参照すると、人間が成長していく過程というのは、七つの段階を経て、成長していくということを申しております。一番原始的な能力というのが、生命の誕生と、もう少しすると赤ちゃんが、はいはいできるようになるとか、立てるようになるといったような、一つ一つのパーツが動くようになる。そして五感が備わってきて、身の回りのことがちょっとずつできるようになってきて、今度はちょっとしたお留守番とかお使いとかそういったものも、道具を使ったり、そういうこともできるというのが発達になる。大体小学校の低学年ぐらいになると思うんですね。それからだんだん親に言われたことを、そのままやるだけではなくて、自分で機転が利いたり応用力が付いてくると、その頃には知的な好奇心が出てくるということになります。さらに家庭の内外で役割を持って、1人前の人間になっていくというのが、人間の発達のパターンだと言えます。逆に、峠を折り返すようにゆっくり下りていくのが、老化のパターンだということなんです。つまり役割を持っていらっしゃったりとか、いろいろその場その場でてきぱきと機転を利かせていた方も、それの必要がなくなってくると、いつの間にか身の回りのことがだんだんとできなくなっていって、徐々に、要支援になり要介護になりというふうに、子どもの成長と裏返しのように、老化現象が起こるというのです。

○生活機能に応じたシームレスな社会参加

 われわれは、今まで高齢者の方の健康づくりとか介護予防については、ギリギリ水際で何とか自分の生活ができるようにするには、どう専門家がアシストすればいいかといったような、水際作戦の研究を長い間やってきました。実は急がば回れで役割を持ってらっしゃったりとか、てきぱきと機転の利くような、好奇心旺盛で活動をされてる方は、自然と介護予防になるのではないかということを、もう一度再確認する必要があると思います。

 そういう中で、人それぞれ、健康度に応じていろんな社会参加があるのではないかというふうに考えております。これは人間の社会参加の姿の一つのパターンですが、現役バリバリ働いてらっしゃる方も退職後ちょっと毎日働くのはしんどいなと感じ、そこにボランティアが入ってきたりして、少しずつ緩い活動に入っていきます。ボランティアのような、人さまのための活動はしんどいなとなってくると、今度は趣味とか稽古ごととか、自分たちのグループ活動ならまだまだできるとなります。趣味稽古ごとというのも、実は非常に大事な社会参加活動で、単独でやるものではなくて、他の方と一緒に協調して活動しないといけませんから、そういう意味では団体活動ですので、かなり難しい社会参加活動です。それがしんどくなってくると、気ままにご近所づきあいとかお友達づきあいをするというように、ゆるい活動に移っていくというのが、われわれの日常だと思います。

○高齢者就労がもたらすメリット

 そういう中で、就労であれ、ボランティアであれ、それぞれのレベルで社会参加活動をするということが、実は健康にいいんだということを、われわれはいろんな調査で実証してまいりました。例えば働くということも、お金の面だけではなくて、健康とかつながりとか、あるいは生きがいとか、いろんな意味で重要なのです。これは秋田県のほうの農村や、あるいは東京の都内の高齢者の方で、70歳のときに働いている方と、もう引退した方を、ずっと生活の自立がどれぐらい続くかというのを見ているのですが、8年たったあと比較すると、仕事を辞めてしまった人というのは、早く生活自立が落ちているんです。都会の女性の場合は、当時は専業主婦の方もいらっしゃって、がつがつ働いてらっしゃった方ばかりではないので、当時はあまり退職の影響というのはなかったんですが、少なくとも男性に限っては、やはり働ける人は働くということが、非常に大事だということを、物語っております。

○高齢求職者のジレンマ。発想の転換を!

 とはいえ同じ仕事をずっと続けられる方は、非常にラッキーですが、再就職を志す方とか、あるいはシルバー人材センターなどで、第2の働き方を見つけるということも、非常に大事だと思います。しかしあまり選り好みをしていると、なかなか条件に合う仕事に巡り合えなかったりというような方もいます。

 これは東京都内の高齢者の方を専門にした就職紹介窓口に、お仕事を求めに来られている方々の調査をしたときなのですが、仕事を選ぶときの条件についてやはりお金を稼ぎたいなという方が一番多いのですが、勤務時間がどうこうとか、通勤の快適さがどうこうとか、職場の雰囲気がということで、お金以外の条件で結構足踏みされる方が多いんです。なかなかすんなり仕事に結びつかなかったりすることがあります。例えば、高齢者の中でも、若めの方というのは、案外仕事に結びつきにくいということもあります。若めの方のほうが選り好みされていたりとか、あるいはデスクワークだけを希望されてる方というのは、なかなか仕事に結びつかなかったりということもあります。案外割り切って第2の仕事は汗をかいても、ちょっと泥臭くってもいいよというような方のほうが、早く仕事に結びついて、それなりに楽しいお仕事の人生を送ってらっしゃるということが、非常に多いかなということですね。ですので、これから本当に働くということも、皆さんそれぞれの価値観で働いていくということが、重要だということが言えるかと思います。

○ボランティア活動・趣味や稽古ごと

藤原 佳典氏の写真

 次にボランティアとか趣味稽古、皆さん方の活動の中心の部分になるかと思いますが、これも本当に健康と密着しています。われわれは長年の追跡研究で、都市部の方も農村部の方も6年8年見ていきますと、ボランティアしている人、してない人、あるいは趣味稽古ごともしている人、してない人を見ると、やはりしている人のほうが、生活自立をされているということが分かるんですね。では、そういうボランティアも、趣味も両方とも大事ですが、このボランティアや趣味というのは、特にシニア世代になってこられると、どこまでが趣味でどこまでがボランティアか分からない。

 先ほど表彰されたたくさんの事例で、例えば大正琴のお稽古をされてる事例とか、チャイムのお稽古とか、質の高いボランティアをするためには、よりよくトレーニングされて訓練されてるんですね、お勉強されている。お勉強されている結果、さらによいボランティア活動ができているということで、入居者の方とか聞き手の方の前に出てくるときは本番ですから、その裏方でどれだけ頑張ってらっしゃるかというところを考えると、実はこの稽古の部分、あるいは練習の部分というのは、非常にご本人の健康維持にもいいと、さらにそれが高まることで、ボランティアとしても質の高い活動をされていて、なおよろしいということで、恐らく皆さんの活動というのは、そのプラスの循環をちゃんとされているんではないかなということを、確認できたと思います。

○社会参加の基本は、外出と交流

 このようなボランティアの活動とか趣味にいきなり行けている方ばかりではなくて、最初の一歩が出ない方もいらっしゃるかと思います。声掛けとか口コミというのも重要なのですが、そういった方にもメッセージとして伝えるのは、基本のきは、外出と交流ですよということです。われわれの研究所は、今まで高齢者の方は閉じこもってしまうと、どうなるかといったような研究をやってまいりました。皆さんの中で、昨日1日1回も外でなかった方っていらっしゃいますでしょうか。では2回3回ちょっと出たり入ったりしたかなという方いらっしゃいますでしょうか。多分ですね、そういう方が多いかと思うんですね。1週間に外出が1回あるかないかぐらいの人を、閉じこもりと呼ぶんですが、大体地域の1割ぐらいの方がそうなんですね。その中で約半分つまり5パーセントの方は、ご本人が出たいんですけど出られない方、また残りの方は、自ら引きこもってらっしゃる方なんです。

○孤立とは

 一方、単に外出だけしていればいいかというとそうではない。やっぱり外出と同時に人と交流することも、大事ということです。交流をしない場合のことを、逆に孤立と呼ぶことがあります。孤立というのはどういうことかをあくまで調査などで定義する場合に、同居家族以外の人との接触が極端に少ない、つまり週に1回未満、電話であろうがメールであろうが、顔を突き合わす全てを併せて、1回未満の人を孤立状態と約束して調査をすることがございます。

○独居高齢女性の精神的健康は良好!若年?

 ここであえて、同居家族というのを外している、つまり1人暮らしの方かどうかというのは、あまり条件に入れていません。これはなぜかというと、以前川崎市の高齢者の方に調査したんですが、同居者の有無、男女別、世代別に見ると、実は最も、精神的な健康が高い方、1人暮らしの高齢の女性なんです。ということは、われわれどうしても1人暮らしの高齢の方は、いろんなサロンなどで守ってあげないといけない、第一優先かなと思うのですが、実は非常にお元気でたくましい方が多いということが考えられます。同居家族の有無というのは、特に高齢になってくると、ご本人の健康に関連しない。大家族の中で住んでいても、その中で孤立しているとよくないですし、1人暮らしでも外の方と交わっているほうが、非常に大事だということになるんですね。

○交流なき外出と外出なき交流の弊害

 外出と交流両方大事ですということになりますが、これは埼玉県のある市の調査で4年間にわたって、同じ方々にアンケート調査をしたものです。この調査では、外出しているかしてないか、そして交流してるかしてないかで、四つのパターンに分けました。つまり毎日外出していまして、交流も1週間に1回以上はしている、普通の標準的な方を基準とした場合に、男性の場合は見かけ上は、毎日外出しているのですが、外部と交流してない方は、4年たつと生活自立が2倍ぐらい落ちやすいということが分かりました。男性の場合、毎日コンビニは行ってらっしゃるけども、店員さんと目を合わせることもなく、パッとお金だけおいて帰ってくるとか、あるいはウォーキングされている方も、サングラスしてヘッドホンしてマスクして、外部一切遮断して、黙々と修行のようにやってらっしゃる方もいらっしゃるんですが、そういうのよりは、和気あいあいとみんなで歩いたりとか、みんなで体操してる人のほうがいいんじゃないかということが言えると思います。

 女性は逆に、交流していて当たり前なんです。いくらお茶飲みに来てくださったりとか、田舎の妹さんと電話でつながっていても、外出をしないと1.6倍ぐらい生活機能が低下するリスクは高くなっていることで、私どもはいつも、男性は交流なき外出に要注意、女性は外出なき交流に要注意と言っています。それぞれ男女の差は少しずつありますが、いずれにしても両方重要だろうということが言えるかと思います。特に外出というのは、最初の第一歩は自分1人の散歩でもできますが、大事な交流のほうは、相手がいる必要があります。

○ストレス状態にいたる要因

 交流が、なぜ健康にいいかというと、まずストレスに強いということがあります。多分ほとんどの日本人の方、色々なストレスを抱えてらっしゃるんですね。例えばストレスの源というのは、病気であったりとか死別離別であったり、誰にいつ襲いかかってくるものか分からない。またそのストレスをどう受け止めるかで、吉と出たり凶と出たりするんですが、もともとの性格であったりとか、そのときの周囲の条件であったりして、必ず流せるわけじゃないということですね。では、その受け止め方も、もともとのストレスの源も、自分で変えられるものではないので、そのときに助けてくれるのがつながりというものです。つまり人は皆ストレス抱えているのですが、そのストレスを軽くしてくれるか、それに流されるかというのは、回りとのつながりがあるかどうかというのが、非常に関係してきます。

○同じ経験を持った仲間とのつながりがストレスを軽減する

 例えば、私は今研究所の附属病院のほうで、もの忘れ外来という、診療もやっているんですが、認知症の方の診療とかケアをするときに、ご本人もさておき、一番問題になってくるのは、ご家族が倒れてしまったり、落ち込んでしまったりということがあります。そういうときに一番に申し上げますのは、まずは奥さんあるいはご主人、あるいはお子さん、ご家族が誰か同じような認知症のことを抱えてらっしゃる家族の会とか、お仲間とつながってくださいよということで、家族会というのを必ず紹介するようにしているんですね。

 これは、同じ境遇の分かっている方同士でそれぞれが情報交換したりとか、感情を分かち合ったりという機会で、そのストレスを軽減するということなんです。われわれ医者は、知識とか技術は提供できますけども、日常よりそうことはできません。それをできるのは、同じ経験を持ってらっしゃるお仲間ということです。日頃ストレスを感じてない方も、孤立している方は、頼れる者は自分だけと常に思っていますと、いつの間にかストレスホルモンが慢性的に高く出て、血圧が持続して高くなったりとか、心臓に負担が掛かったりとか、あるいは最近は海馬といって、物忘れの大事なところにもストレスが慢性的に掛かると、ちょっとずつ縮んでいくということが言われています。ということは、意識してなくても、孤立してストレスホルモンが慢性的に出ている方というのは、体を壊しやすいということになります。

○地域の耳より情報が重要

藤原 佳典氏の写真

 三つ目は、つながりの豊かな方というのは、周りからいろんな情報、安心安全の耳寄り情報をもらいやすいということです。時々私なんかも健康番組で、ちょっとチョイ役で出たりすることもあるんですが、テレビとかメディアというのは、とかく視聴率を稼ぐために、怖い情報を盛り上げて送ろうとします。孤立されてる方は、どこから聞くかというと、テレビとかインターネットを介した怖い情報に触れる機会が多く、それで慌ててしまうことがあります。でもそのような情報を必要な方とか、本当にテレビでやっているような奇病難病で、健康を悪くされる方というのは、ごく一部でありまして、普通はちょっとした日常の慢性的な病気を、どう予防しコントロールしていくかということが重要でして、そういうときに重要になるのは、実は地域の耳寄り情報ということになります。

 皆さま方、いろんな活動をなさっているときに、待ち時間や行き帰りのときに、時間があると腰が痛い、睡眠薬が増えたとか、血圧の薬がこれ変わったわよとか、健康のよもやま話をされているかと思います。そういう情報の方が実は健康の秘訣がいろいろ入ってくるんですね。ですので、海外の偉い先生が、こんなことをしましたよというよりも、地元のクリニックの先生で、A病院とBクリニックあるけど、Bクリニックのほうは若先生になってから、ものすごくよくなったわよとか、そういう地元に密着した情報のほうが大事になります。さらに、いろんな地域の中に顔を出して、情報をもらうという環境が大事だということになります。

○人々の「つながり」とは?

 この三つの経路で社会的なつながりが豊かな人のほうが、最終的にご本人の健康維持に寄与していると考えられます。人々のつながりというのは、一朝一夕で作れるものではございません。特に今の地域社会を見ますと、血縁とか地縁が、だんだん弱くなってくる、そして社縁までも、最近は弱くなってきているというところが、非常に問題になってきています。では、この縁をどう作っていくかということなんですが、自然発生的に交流ができてくるというのは、今はなかなかプライバシーの問題や、地域が開発されていく中で難しくなってきています。そこで、交流ができるような仕組みとかプログラムというものが大事になってきます。恐らく皆様方が先ほどご紹介されたような地域での活動が、まさしく十分交流が起こりやすい、起こるべくして起こるような取り組みなんですね。そういうものがないと、これから交流が起こりにくいだろうと思います。皆さん方に共通する秘訣というのが三方よし、関わる人皆に少しずつのメリットがあるということが、秘訣だというふうに考えております。

○次世代継承への意識・行動

 ここから私どもの事例のご紹介をさせていただきます。では、どのような社会活動をすると、特に三方よしになりやすいかという視点で考えた場合に、私は一つの切り口というのは、今のシニア世代の方が若い世代、次の世代あるいは地域に何を残すかとか、どのような役に立てるかということが、その町自体を持続させる上で、重要だと思います。心理学の用語では、ジェネラティビティと言われておりまして、これは人間に備わっている本能になります。つまり人間は発達するにつれて中年を超えてくると、わがことばかり考えている人は、その先その人の成長はないですよという事です。やはり次は後輩や若い世代のこととか地域のことに、どう貢献していくかということを考えて、その人自身が成長していくという、考えなんですね。

○世の中のニーズからみた、シニアボランティアとは

 経験や知識、思い、環境や文化とそれぞれの活動の中で何を伝えたいかというのは、皆さん一人一人あるかと思います。われわれは下の世代を育成するという本能を持っているのではないかということなんですね。

 確かに、子どもの支援とか子育て支援という活動をやってらっしゃる方が多いんですが、確かにこれはジェネラティビティに準じるとともに世の中のニーズとしてもございます。子どもを抱える社会的な背景というのもありますし、一方子どもを支援する今の現状というのも、学校側からするとツテがなければ、何でもかんでも町会役員とか、老人会の方とか、ごく一部の方に全部負担が集中したりしてしまします。一方、昔遊びが得意な方ばかりならいいんですが、得意でなくても高齢者イコール昔遊びはどうだろうと若い先生は先入観をもってしまい、皆にいきなりお手玉してください、けん玉してくださいというような無理なお願いもあります。

 また、イベントで終わってしまうことも多いです。クリスマス会でお髭生やしたサンタクロースを演じ、そのときは盛り上がるんですが、別の日に、外でも会っても誰か分からないということがあります。そのときだけの交流というのも、少し残念な部分があります。ということはやはり、先ほどのいろんな表彰事例でもありましたように、定期的に地元の方が、顔の見える関係で続けていくということが要件だと思います。

○認知症予防発!世代間交流ボランティア シニア読み聞かせボランティア「りぷりんと」

 WHOのレポートでも紹介されたわれわれの一つの活動を紹介いたします。シニアの方が認知症予防のために、絵本の読み聞かせの仕方をマスターするという講座でございます。入り口はシニアの方の脳トレ講座なのですが、その後脳トレ講座が終わった後、有志の方はそのままボランティア活動に移ります。これは、りぷりんと活動プロジェクトという形でいろんなところで少しずつ広がりをみせています。

 ちなみに皆さんの中で、この1年間何らかの関係で、絵本に触れた人とか絵本を読んだような機会のある方って、いらっしゃいますでしょうか。案外いらっしゃいますね。実は自分の子どもが小さかった時、家内がPTAで絵本の読み聞かせをやっていたのですが、絵本は、高齢者の方を主人公にしているものが非常に多いということに、まずびっくりしました。その一つ一つの絵本が、子どもが読んでもらったら面白かった楽しかっただけでも、大人が深読みするとこれは平和のことを語っているんだとか、これは環境問題のことを言っているんだと、これは認知症のことを言っているんだとか、非常に深いものがあるんです。

 大人好みの例えば村上春樹さんが翻訳された絵本もあったり、落語シリーズというようなものもあり、ネタが尽きることもありませんし、高齢者の方が感情移入しやすいのではないかと思います。図書館1周回ると自分の伝えたい絵本にめぐりあえます。お金も掛かりませんし、非常に手軽でしかも面白い教材だとということで、交流が生まれるきっかけ、仕掛けとして絵本を使い、入り口を脳トレ教室として活動をしています。

 10回シリーズや12回シリーズの連続講座で、絵本を使って自己紹介をしたり、伝言ゲームのようなことをしたり、あるいは単に絵本と言っても、20人30人の前で読むわけですから、発生練習や滑舌のトレーニング、または結構体勝負ということもあるので、10分間ふらふらしないようにしっかり立つ練習や時間内にちゃんと読むといったような脳トレの訓練も入っています。そのようなプログラムを卒業した後にボランティアとして活動される方は、小学校とか幼稚園とか保育園で定期的な読み聞かせのグループ活動をされています。

○シニアへの効果

 また、受け持ちの学校を持つため、毎回おなじみの関係の中で活動されているということになります。われわれのモデル研究としてご協力いただいている方には、読み聞かせボランティア活動をすると、本当に健康にいいのかというようなことを、心身の健康面についていろんな測定をさせもらっています。脳トレ効果について、3カ月間ボランティアになるための脳トレ講座を受けてもらっただけで、記憶力の検査とか、あるいはテキパキものごとを処理するというテストの成績が良くなりました。普通は3カ月、あるいは半年で卒業になりますが、この卒業された後も脳トレを続けていないと、記憶力などはゆっくり下りてきますよとお話します。

○長期持続効果

 では、どうしたら続けれるのか、では、地域で活動を続けませんかということで、地元の保育園とか児童館小学校で、先輩方が毎回読み聞かせされているところに合流してもらいます。2年後に認知検査を測ってみますと、そのまま活動を継続されている方というのは、成績がよかったときの状態が、ちゃんと維持できているんですね。ボランティア自体はせいぜい1冊の絵本を読むのを5分7分ぐらいで、1週間とか2週間に1回ぐらいの話です。

 でもそれまでに頑張って練習をされたり図書館通いされたり、あるいは読んだ後のものを、次の人にバトンタッチするために記録を残したりといったような、裏方の活動というのを非常に頑張ってらっしゃいます。まさしく先ほどのお稽古の部分とボランティアの部分があり合わさって、1週間が過ぎていくと、そういう活動でございます。

 しかも大事なのは、桃太郎ばかりずっと読んでいると、子どもも飽きてしまいますし、ご本人の脳トレのためにも、どんどん違う絵本をトライしていくということです。違う題材に挑戦していきながら、基本的な活動はずっと継続していくというのが、恐らく元気の秘訣なのではないかというふうに思っております。一部の方々に、脳のMRIで、脳の委縮がないかを観察するご協力を頂き、6年間続けている方というのはほとんど萎縮してないというようなことが分かりまして、先日日経新聞に紹介されました。

○文化活動だけど体力も維持!

 このように脳トレ効果というのは確かにあるんですけども、実はそれだけではありません。実はこのボランティアをすることで、元気度つまり活動性全体が上がっていることもわかりました。確かに6年7年やってらっしゃる方に同時に体力測定やいろんなアンケートをしたところ、バランス力とか体力の値の一部も、ボランティアしてない一般の方に比べると、維持できているというようなことがあります普通読み聞かせ活動というと、図書館の文化活動のように思うんですが、テキパキ動いたりとか練習で、結構体も使ってらっしゃることが分かりました。

 どうしてこんなに体力まで影響があるのかと思い、ある時ボランティアさんに万歩計を持ってもらいました。そうすると無意識のうちに、皆さん1万歩ぐらいは歩いている、そういう日常生活をされていました。われわれ今まで健康教育というと、ウォーキングしましょうと体操しましょうという、それだけを目的に、住民の方々にいろんな指導とか支援をしてきたんですが、そうではなく、ボランティアしていた結果、1万歩も歩いていましたよというかたちです。

 皆さんも、社会参加の活動をされてる中で、気が付いたらこれだけ体動かしていて、これだけ人と話して、これだけ頭動かしてたということが、お分かりになるのではないかと思います。やはり大事なのは、運動のために運動をするのではなくて、もっとそれより先の目的のために、必然的に運動や、体づくりをしてたということだと考えております。

○子どもへの効果

 ボランティアですから三方よしは必要で、あとの二方よし、子どもとか保護者、あるいは先生方にも、学校ボランティアの活動が、どのようなメリットがあるかということをわれわれ調査しておりまして、ボランティアさんに読んでもらった絵本というのを、もう1回自分で図書室で借り直しました、あるいはお気に入りの絵本が増えてきましたというような子どもが少しずつ増えてくるとか、あるいは大体都会ですと4分の3ぐらいいるのですが、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に住んだことがない子が、ボランティアさんを通して一般のおじいさんおばあさん、お年寄りに対するイメージ自体が温かいとか優しいといった、そういうイメージが長く活動してもらっている間に、維持できているということが分かりました。ほんの10分15分のボランティアですが、5年6年7年のお付き合いの中で、疑似おじいちゃんおばあちゃんの体験をすることで、子どもの情操教育にも非常に役立ってるのではないかということが言えるかと思います。

 合わせて保護者の方々も、ボランティアが入ることで、ご自分たちのボランティアへの感謝の評価とか、あるいはご自分たちが学校にPTAとして、協力しないといけない時間に対して助けてもらっているというような負担感が軽減しているという評価を得ました。まさしく三方よしの効果があるのではないかと思います。

 りぷりんとの活動は、地元の行政からも評価されます。そのときも高齢者の支援部局が評価するというだけではなくて、子ども側の領域、教育委員会も、一人前のボランティアとして評価してくれています。つまり子どもの側にとってもいいこととのお墨付きをもらっており、そういう意味では三方よしが実現できてるというふうに考えております。

 こういった活動は、皆さん方が、草の根的にずっとやってらっしゃる活動で、いろんな種が宮崎を中心にまかれていると思います。今後こういった地域づくりを考えた場合に、今高齢者の方と子どもたちが結びつくというのは、割といろんな機会があります。しかし実はその中間世代、子育て世代とか親世代も一緒に巻き込むということが、これから持続可能な地域を作っていくという、次の後輩を育てるということで重要だと考えています。

○三つのFが悪さをする

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 交流とか孤立という問題は、どうしても高齢者の孤立死とか孤独というようなことで、高齢者だけの問題のようにクローズアップされますが、実は今、子育て世代も非常に孤立しているといわれています。直前までお仕事していて、なかなか地縁がなかったり、助けてくれる人がいなかったりとか、里帰り出産ができなかったりという事で、お母さんも孤立していて、家で子どもを抱えて、いろいろノイローゼになったりと、いろんな問題が出てくるというということもあります。そこで、私は全ての世代を通しまして、孤立してしまい交流がない状態は、三つのFが悪さをすると申します。

 つまり孤立してることで何かあったらどうしようという不安、そしてちょっとしたことが頼めないということでの不便を感じます。またその不便が長じて、最後はいつの間にかごみ屋敷になってしまうこともあります。ごみ屋敷になってしまう方というのはごみ集めるのが好きな人ではなくて、ごみを捨てられない、ごみ出しが頼めないからごみ屋敷になってる方が、非常に多いんです。子育ても同じで、悪いということが分かっていても、それをちょっと頼める人ができないから、抱え込んで最後は心身ともに、疲弊していろんな形で爆発してしまうという不健康が起きてしまいます。

○今後目指すべき方向(共生社会へ)

 このことから、孤立とか交流とは、世代を問わないで地域全体の課題ということが言えるかと思います。そのはじめの一歩として、ちょっとした挨拶とか声掛けといったような、ゆるいつながりというのも重要です。またそのゆるいつながりから、ちょっとずつ交流が生まれてきて、その交流している中で、ちょっとした困りごととかお助けができあえるような関係になってくるということが、重要だと思います。恐らくきょうご出席の皆さん方の活動、それぞれいろんな形でこの三つの緩やかな交流から、確かな深い交流まで、どこかを担ってらっしゃるかと思います。これがばらばらでも駄目ですし、一つだけでも駄目で、混じり合って地域を作っていく必要があると思います。

○世代間交流は、シニアのキックオフ!

 これから多世代で地域を作っていくということを考えたときには、数の上からもあるいは人生経験からも、一番豊かなシニア世代の方がキックオフをしていただく必要があると思います。これはわれわれ現役世代からのお願いでもあります。この方は、東京の大田区で、先ほどの絵本のボランティアをなさった方で86歳で1人暮らしの高齢の男性で、要介護1なんですね。もともと地域包括支援センターの方が見守る対象の方で、もの忘れの絵本教室あるから参加しませんかということで、まあ騙されたと思って参加するよということで、参加されました。最終回のときにたまたま隣の保育園でお披露目する機会がありまして、集合時間までは「今日でもう僕終了証もらったら、はい卒業ね」とおっしゃっていたんですが、子どもたちがまた来てね言うとまた来るよというようなことになって、ずっと続けてらっしゃいました。この方が名言を残してくれました。

 私たちも子どもと接することで、子どもを見守るというような芽が出てきたと、一方彼自身もやたら転んだりとか道端で倒れたりすることがあった方なので、ひょっとすると子どもが自分を見つけてくれるかもしれないし、保育士さんが声掛けてくれるかもしれないし、保護者が通報してくれるかもしれない、われわれ私はこの活動によって、見守りのキャッチボールができるようになったんですよという、そういう名言を残してお亡くなりなられました。

 今から100年前に、われわれの祖であります、澁澤栄一が福祉とビジネスというものは、一緒に世の中をよくしていくものだと、三方よしを説きました。これからの社会でございますが、やはり例え介護保険を受けるようなお立場になっても、まだまだボランティアとして活躍できる部分もあったり、あるいはボランティアであっても、介護保険サービスであっても、それぞれが融合しながら世の中をよくしていくこともできると思います。これから皆さまにはできる限り長く地域活動をなさっていくということを、切にお願いを申し上げます。今日はお祝いとともに、われわれ現役世代からのお願いも含めまして、ご清聴いただきましてありがとうございました。