開会挨拶「高齢社会フォーラム・イン東京」

宮腰光寛
内閣府特命担当大臣

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 皆さん、おはようございます。高齢社会対策を担当しております、宮腰光寛でござ います。「高齢社会フォーラム in東京」の開会にあたり、一言、ご挨拶を申し上げます。まず初めに、本日は多くの皆さまにお集まりをいただき、また、基調講演をいただく清家先生をはじめ、各界の有識者のかたがたにご参加をいただき、フォーラムを盛大に開催できますことを、この場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げます。

 さて、今後、わが国の高齢化はますます進行し、併せて、総人口の減少が進むこと が見込まれております。一方、わが国は世界有数の長寿国であるのみならず、お年 を召されても就業や社会参加への意欲を持ち続ける方も多く、体力や運動能力も一 貫して向上傾向にあります。「人生100年時代」ともいわれるように、65歳以上を一律 に高齢者とみる一般的な傾向は、もはや現実的なものではなくなりつつあり、70歳やそれ以降でも意欲や能力に応じて活躍できるような環境を整えることが重要です。同時に、一人暮らしの高齢者がさらに増え、また、認知症への対応に代表されるように、生活面、福祉面でさまざまな課題が生じることも見込まれます。豊かな高齢期を安全・安心に送るための十分な支援やセーフティネットも整備していかなければなりません。このため、政府では、この先に見込まれる日本社会の姿や課題を先取りし、持続可能な高齢社会をつくっていくことができるよう、昨年、策定した新たな「高齢社会対策大綱」におきまして、年齢による画一化を見直し、全ての年代の人々が希望に応じて活躍できるエイジレス社会を目指すこと。また、人生のどの段階でも高齢期の暮らしを具体的に描ける地域コミュニティーをつくること。さらには、高齢者の能力発揮の支障となるさまざまな課題に対し、技術革新の成果を活用することの三つを柱とし、政府を挙げて施策を進めております。

 本日のフォーラムでは、「豊かな長寿社会を将来世代に」をテーマにした清家先生の基調講演の他、分科会において深い見識をお持ちな多彩なかたがたに活発なご議論をいただくことにしております。このフォーラムの成果を本日お集まりの皆さまにお持ち帰りいただき、それぞれの場でご活用いただくことで、ひいてはエイジレス社会の実現のきっかけとなることを祈念いたしまして、私からのご挨拶とさせていただきます。本日は、よろしくお願いいたします。

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